給与計算の基礎知識

給与計算のアウトソーシング・代行のメリット・デメリット

給与計算は、専門性が必要である一方、定型的で細かい作業が多いため、アウトソーシング・代行を検討されている方も多いかもしれません。

今回は、給与計算業務をアウトソーシング・代行を検討する際に知っておきたいトピックをまとめました。

給与計算のアウトソーシング・代行のサービスの種類

給与計算のアウトソーシング・代行は、どこまで業務を任せられるものなのでしょうか。一般的には、下記の3つやその組み合わせにわけられます。

1. 給与計算・賞与計算代行

毎月の給与計算に必要なタイムカードの集計から入退社や人事異動などの情報変更を行い、給与計算を代行するパターンです。

毎月金額が変動的となり計算が必要な、残業代や雇用保険料、所得税の計算が含まれます。明細の作成や印刷、封入、郵送など、明細発行関連業務も含まれるケースもあります。

2. 振込・納税代行

給与計算の結果の給与振込データの作成や振込、税金の納付を代行するパターンです。1の給与計算・賞与計算代行に追加する形で依頼することが多く見られます。

3. 年末調整代行

給与計算業務の一大イベントである年末調整を代行するパターンです。通常期に給与計算・賞与計算業務を依頼していない場合でも、期間限定で年末調整のみ依頼するケースもあります。

控除申告書類の封入・送付や申告書の内容チェック、従業員からの問い合わせの対応、源泉徴収票や支払報告書、法定調書合計表などの各種必要書類の作成と提出代行などが含まれることが多いようです。

給与計算のアウトソーシング・代行のメリット

給与計算を外部に委託するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的な4つのメリットをご紹介します。

メリット1. コスト削減

給与計算にかかるコストは、給与計算担当者にかかるコストとシステムにかかるコストの2つに大きくわけられます。

担当者にかかるコストには、専門知識をもつ人材の人件費や法令改正などの情報をキャッチし正しく給与計算するための教育コストが含まれます。

システム・ソフトウェアにかかるコストには、通常の利用費や開発費のほかに、毎年のように起こる法令改正・税制改正に対応する費用も含まれます。

たとえばパッケージ型のソフトウェアで給与計算をおこなっている場合、法令改正のたびにソフトウェアの更新料やライセンスの再購入費がかかるケースが多々あります。
金銭的な対応コスト以外にも、法令改正へ対応するよう業務フローを変更するコストも考慮したいところです。

アウトソーシングによって、これらの人材面とシステム面の両方のコストをおさえることができます。

メリット2. 創造的な業務にリソースを集中

給与計算には専門知識が必要である一方で、その業務は毎月行なわれる定型的な業務がほとんどです。

タイムカードの集計やソフトへの入力、給与計算、明細の発行などは、まさにルーティーンです。ルーティンを回して正しく給与計算が行われることは大切ですが、会社への利益を生み出せないのが実情です。

定型的な業務をアウトソースすることで、利益を生み出す創造的業務に人員をあてることができるのは、大きなメリットと言えます。

メリット3. 季節的業務の人員確保がスムーズ

給与計算業務は、季節的な業務が発生し必要人員が大きく増減する業務です。

たとえば年末調整の時期や賞与を出す時期は、業務をスムーズに行なうために通常期よりも人員が必要となります。個人情報を扱い、専門的な知識を要する業務であることから、臨時でスタッフの雇用を雇うとしても慎重になる必要があります。

一方で、季節的な最大人員を通常期も確保しておくと、人件費がかさんでしまいます。

アウトソーシングをすると、季節的な人員の増減にもスムーズに対応することができるでしょう。

メリット4. 残業管理をするように

給与計算をアウトソーシングする場合でも、給与計算の元になる最低限の勤怠管理を社内で行なう必要があるケースは多くあります。もともと勤怠管理がしっかり行われていない会社の場合には、タイムカードの導入や勤怠入力の徹底がなされることになります。

アウトソーシングのための勤怠情報の収集によって、勤務時間や残業時間が見える化され、結果的に社内でも生産性について見直す機会になるかもしれません。

給与計算のアウトソーシング・代行のデメリット

給与計算業務のアウトソーシング・代行には、メリットがある一方、デメリットもいくつか存在します。

デメリット1. 専門知識を持った社内の人材がいなくなる

給与計算を全体的にアウトソーシングする場合、それまで社内で給与計算業務を行っていた人材を別の業務にあてるなど、リソースを再分配することになります。

人員配置転換によって、従来社内で培ったノウハウがうまく残せない可能性はあるでしょう。また制度や法令改正などについて気軽に聞く機会がなくなると、社内のコミュニケーションスピードが低下する可能性があります。

デメリット2. 期間的な忙しさがアウトソース前より増す可能性

アウトソーシングする業務範囲によって、アウトソーシング後も社内で勤怠の集計までは行なうケースもあります。この場合、社内業務の期日が早めに設定されていることが多く、結果的にアウトソーシングする前より期間的に業務の忙しさが増す可能性があります。

社外でのデータ漏えい

アウトソーシング会社にもよりますが、会社によっては集計などの実作業を行なうのは契約社員やアルバイトであるケースや、アウトソーシング会社から別の会社にさらにアウトソースされているケースもあるかもしれません。

社員の大切な個人情報や給料などの情報を社外に渡した際に、アウトソース先で安全に扱われるかどうか確認を行い、リスクを認識しておきたいですね。

給与計算のアウトソーシング・代行を検討する目安

メリット・デメリットがある給与計算のアウトソーシングですが、どのような会社・状況の場合に行なうのがよいのでしょうか。ここでは2つの目安をご紹介します。

1. 会社の従業員数が10名以上〜数百名である場合

従業員数10名以下の小規模な会社なら、社内のみで給与計算業務を行ってもある程度対応できる業務量であることが多い状態です。しかし従業員数10名を超えてくると、その業務量は従業員数に比例もしくはそれ以上に増えていきます。

季節的業務に対応することも考え、従業員数を目安にアウトソーシングを検討し始めるケースが見られます。

2. 正確に給与計算を行いたい場合

従業員数が10名以下の場合、経理をはじめ他の役職の人材が兼任で給与計算を行っていることがよく見られます。

社内の給与計算担当者が社労士資格を持っているケースは少なく、勉強しながら業務を行っているケースがほとんどでしょう。誰が担当する場合でも給与計算が正しく行われないと、労務リスクや税務リスクといったリスクが発生します。

正確性を重要視してリスクを回避する場合に、アウトソーシングする選択が考えられます。

給与計算のアウトソーシング・代行の料金は?

アウトソーシングの料金は、基本料金+従業員数に応じた従量料金がスタンダードです。 よって、料金は会社の従業員数にあわせて異なりますが、毎月数万円〜数十万円という価格帯が相場のようです。

もちろん、アウトソーシングする業務範囲によっても料金は変動するため、各社から見積もりをとって検討するのがよいでしょう。

給与計算のアウトソーシング・代行を選ぶポイント

実際にアウトソーシング・代行を検討し始めたときは、いくつかのアウトソース先を比較することになります。その際に見るべきポイントをご紹介します。

専門性

給与計算は、正確性が重要です。どの程度の専門的知識を持っている会社か、どの規模の会社の給与計算を行ってきた実績があるかは、まず見るべきポイントとなります。

対応スピードと柔軟性

毎月の給与振込や納税〆切日などから、アウトソーシング先の業務スピードや柔軟性については、事前に確認しておくべきでしょう。振込日に間に合わせるのに、自社内での作業をどこまで・いつまでに行わなければいけないか、スケジュール感は見ておきたいところです。

情報管理の安全性

従業員情報や給与の情報を外部に渡すことになるため、個人情報を守るためにも、アウトソーシング先がどのように情報を扱うか、チェックしておきましょう。

料金

最後に料金と上記3つのポイントを見て、価格に見合うサービスかどうかが必ず確認してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。給与計算のアウトソーシング・代行によって得られるメリットは多くありますが、費用対効果に見合うかどうかが一番大切となります。

アウトソーシングを検討する際には、アウトソーシング会社の比較はもちろん、ソフトウェアの利用・変更や社内の業務フローの変更といった別の手段とも比較することで、本当に自社に必要な対応は何かを見極めてみてください。

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