開業の基礎知識

個人事業主が源泉徴収される場合に必要な対応とは?

最終更新日:2023/06/13

個人事業主が源泉徴収される場合に必要な対応とは?

サラリーマンであれば、勤め先が源泉徴収の計算や控除を行い、年末調整後に「給与所得の源泉徴収票」が渡されます。しかし、個人事業主になると、源泉徴収された分の所得税等の管理は全て自分で管理する必要があります。

源泉徴収される所得税の対象は、仕事の内容によって異なり、確定申告にも関わってくるため、個人事業主の方は源泉徴収についてしっかりと把握しておくことが重要です。

本記事では、源泉徴収の基礎知識や必要な対応について解説します。

目次

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源泉徴収とは

源泉徴収とは、給与や報酬を支払う側が、あらかじめ支払う給与や報酬から納めるべき所得税や復興特別所得税を差し引いて納税する制度のことです。給与所得者の場合は「給与所得の源泉徴収票」で、徴収された金額などを確認することができます。

このように会社員の場合は、本人に代わって勤務先が給与に関して源泉徴収を行ってくれます。また法律でも、人を雇って事業を営む法人や個人事業主は、給与等の支払を受けるものごとに源泉徴収票を2通作成し、翌年の1月31日までに1通を税務署長に、1通を給与等の支払を受けるものに交付しなければならないと定められています。

しかし、個人事業主は自分で確定申告を行うため、報酬を得ている場合は、源泉徴収される報酬があることを理解しておく必要があります。

【関連記事】
源泉徴収票とは?見方や発行時期、所得控除一覧まで分かりやすく解説


出典:国税庁「No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等」

源泉徴収が必要な仕事

個人事業主が行った業務の対価として報酬を得る場合、源泉徴収される対象は、以下のように定められています。

源泉徴収の対象となる報酬

  1. 原稿料、講演料、デザイン料など
  2. 弁護士、公認会計士、司法書士等へ払う報酬
  3. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  4. プロ野球選手、プロサッカー選手、モデル等に支払う報酬
  5. 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払われる報酬
  6. 宴会等で接待を行うコンパニオンへ支払われる報酬
  7. 契約金など役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
  8. 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

デザイン料は、パッケージデザイン、広告のデザイン、インテリアのデザインなど多岐に渡るため注意が必要です。

ここに挙げたもの以外にも、写真撮影料や作曲、編曲料といったものも源泉徴収される対象となりますので、個人事業主やフリーランスは自分の仕事が対象になるのかあらかじめ確認しておくと良いでしょう。


出典:国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」

源泉徴収の必要がない仕事

報酬の中には、源泉徴収が不要なものもあります。たとえば、Webデザインの仕事には源泉徴収がありますが、Webサイトの製作には源泉徴収がありません。

依頼された仕事の中で、源泉徴収の対象になる業務とならない業務の両方を行う場合は、報酬の総額はそれぞれ別に区分し、対象になる業務の報酬に源泉徴収を行います。

個人事業主が源泉徴収されるにあたり必要な対応

源泉徴収は報酬を支払った側が行うものなので、報酬を受ける側は特別何かをする必要はありません。

ただし、源泉徴収されている場合は、請求書の作成時や確定申告の際に源泉徴収された金額の記載が必要であるため、事前にクライアントが源泉徴収をしているかを確認しておきましょう。

請求書へ源泉徴収税額を明記する

受け取る報酬に源泉徴収が発生する場合、請求書にその金額を含めて請求書を作成します。

請求書を作成する際は、報酬・消費税・源泉徴収額に項目を分けて記載しましょう。

報酬が100万円以上の源泉徴収税額の計算方法

支払われる額が100万円以下の場合


  • 支払われる額 × 10.21%

報酬が100万円を超える場合の源泉徴収税額の計算方法

支払われる額が100万円を超える場合


  • (支払われる額 - 1,000,000万円) × 20.42% + 102,100円

なお、2013年1月1日から2037年12月31日までの間に生じる所得について源泉徴収を行う際は、復興特別所得税が併せて徴収されます。上記の式の0.21%(100万円以上の場合は0.42%)がこれにあたります。

請求書や領収書の作成時に源泉徴収税額を記載する義務や記載をしないことによる責任はありませんが、正しい請求を行うことで双方円滑に処理が進みます。

確定申告を行う

確定申告する際に納付する税金の中には、源泉徴収で納付した分の税金は含まれていません。そのため、確定申告時に源泉徴収をされた分を申告しなければ、二重で納税することになってしまいます。

源泉徴収されている場合

確定申告書の「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」の欄に源泉徴収された合計を記載します。この記載が漏れると、二重で税金を納付する状態になってしまうので注意が必要です。

もし、源泉徴収された金額を計算に入れ忘れていた場合、申告期限から5年以内であれば更正の請求が可能です。

クライアント側にはフリーランスへ源泉徴収額がわかるものを発行する義務はないため、自身で管理しておく必要があります。年間の源泉徴収税額が不明であれば、クライアントから支払調書をもらうか、直接金額を確認しましょう。

また、会計ソフトで売上や源泉徴収額の管理を行っていると、自動で合計額が計算されるので便利です。


出典:国税庁「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」

源泉徴収されなかった場合

源泉徴収されなかった場合も、所得税を納める必要があるため確定申告が必要です。源泉徴収はされていないので、確定申告書に源泉徴収税額は記載しません。

源泉徴収の仕訳について

会計ソフトを利用している場合、源泉徴収額の仕訳は「事業主貸」や「仮払税金」の項目で入力します。支払い過ぎた源泉税は還付されるので、仕訳に「事業主貸-源泉徴収税」など、補助科目をつけておくと確定申告の際、簡単に源泉徴収税額をまとめることができます。

まとめ

源泉徴収の計算から控除まで全て勤め先で処理してもらえる給与所得者とは違い、個人事業主は源泉徴収が必要な仕事かの確認や年間の源泉徴収税額の管理まで、全て自分で管理する必要があります。

源泉徴収自体はクライアント側で行うものではありますが、全てをクライアント任せにせず、自身で適正に処理されているか把握できるようにしましょう。

個人事業主も源泉徴収される?

源泉徴収が必要な仕事を受けた場合は、個人事業主も源泉徴収されます。ただし、源泉徴収の有無は仕事の内容によって異なります。

詳しくは記事内の源泉徴収が必要な仕事をご覧ください。

源泉徴収されたときの確定申告の注意点

源泉徴収された合計金額を確定申告書に必ず記載しましょう。記載が漏れてしまった場合は、請求時に差し引かれた分の源泉徴収税に加えて確定申告時にも納税してしまい、二重納税となってしまうため注意が必要です。

詳しくは記事内の確定申告を行うをご覧ください。

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