人事労務の基礎知識

特定理由離職者とは?失業保険の受給条件・給付日数と金額・手続きの流れをわかりやすく解説

特定理由離職者とは?失業保険の受給条件・給付日数と金額・手続きの流れをわかりやすく解説

特定理由離職者とは、やむを得ない事情によって自己都合退職を余儀なくされた人や、契約満了により雇い止めとなった人が、雇用保険上で一定の配慮を受ける区分です。

通常の自己都合退職とは異なり、病気やけが、家族の介護、契約満了に伴う雇い止めなど、本人の事情や会社側の契約更新判断により離職せざるを得なかった場合が含まれます。

本記事では、特定理由離職者として認められる条件や対象となる離職理由の範囲、特定受給資格者との違い、手続きの流れ、給付日数、失業手当の金額目安を解説します。

目次

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特定理由離職者とは

特定理由離職者とは、やむを得ない事情によって自己都合退職を余儀なくされた人や、契約満了により雇い止めとなった人が、雇用保険上で一定の配慮を受ける区分です。

倒産や解雇といった会社都合ではないものの、やむを得ない事情によって自己都合退職を選ばざるを得なかった労働者として、雇用保険法上で手厚い保護を受けることができます。

自己都合退職と区別される理由

通常の労働契約において、労働者自ら退職を申し出ると一律で自己都合退職として処理されます。

しかし、その背景に「体調を崩してどうしても業務が続けられなくなった」「家族の介護により、フルタイム勤務が不可能になった」といった事情があり、本人に責任がないにもかかわらず辞めざるを得ないケースも少なくありません。

このようなケースを自発的な転職などと同列に扱うのは不公平であるため、制度上で通常の自己都合退職と明確に区別し、救済措置が設けられています。

特定理由離職者の対象となる被保険者の種類

特定理由離職者の扱いは、主に雇用保険の一般被保険者に適用されます。季節労働者や日雇い労働者など、他の被保険者区分はそれぞれ異なる給付制度が用意されているため、特定理由離職者の対象からは外れます。

雇用保険の被保険者特定理由離職者の対象備考
一般被保険者(正社員・契約社員・パートなど)対象雇用保険に加入している労働者が該当する
短期雇用特例被保険者(季節的雇用など)対象外特例一時金の支給対象となる
日雇労働被保険者対象外日雇労働求職者給付金の支給対象となる
高年齢被保険者(65歳以上の加入者)対象外高年齢求職者給付金(一時金)の支給対象となる

特定理由離職者と特定受給資格者の違い

失業保険において、一般の自己都合退職者よりも優遇措置を受けられる区分には「特定理由離職者」と「特定受給資格者」の2つがあります。名称は似ていますが、その中身や退職の引き金となった原因は大きく異なります。

下表に、この2つの共通点と違いをまとめました。

項目特定理由離職者特定受給資格者
退職理由本人事情によるやむを得ない理由、または雇い止め倒産や解雇など、会社側の原因によるもの
具体例病気やケガ、家族の介護、結婚による転居、契約満了(更新希望あり)倒産、解雇、退職勧奨、著しい労働条件の低下、ハラスメントなど
受給条件(加入期間)離職前1年間に通算6ヶ月以上離職前1年間に通算6ヶ月以上
給付制限期間なし(すぐに支給開始)なし(すぐに支給開始)
所定給付日数原則90〜150日(雇い止めに該当する場合は、特定受給資格者と同水準の所定給付日数が適用されるケースあり)90〜330日(年齢や加入期間で手厚く変動)

退職理由の違い

もっとも大きな違いは、退職の原因が労働者側のやむを得ない個人的事情(または契約満了)にあるか、それとも会社側の都合にあるかという点です。

特定理由離職者は、健康上の理由や家族の介護、遠隔地への転居といった本人事情による正当な自己都合退職、または労働契約の期間満了に伴う雇い止めが対象となります。

一方で、特定受給資格者は会社の倒産やリストラ(解雇)、退職勧奨(退職の促し)、過度な残業や給与未払いといった明確な会社都合による退職が対象となります。

離職票における離職区分コードの違い

退職後、会社からハローワーク経由で交付される「雇用保険被保険者離職票-2」には、退職理由を識別するための離職区分コードが記載されています。このコードをもとに、ハローワークはどの区分に該当するかを判断します。

それぞれの区分における具体的なコードは、下表のとおりです。

区分離職区分コード具体的な理由の例
特定理由離職者2C労働契約期間が満了し、次の更新がない(雇用期間が3年未満で更新の明示なし)
3C病気やケガ、家庭の事情、転居など、正当な理由のある自己都合退職
3D特定の正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間6ヶ月以上12ヶ月未満)
特定受給資格者1A解雇(本人の重大な責任による懲戒解雇を除く)
1B天災などで事業継続が不可能になったことによる解雇
2A有期雇用契約で更新を希望したにもかかわらず、次の更新がない(雇用期間が3年以上で雇い止め通知あり)
2B有期雇用契約で更新を希望したにもかかわらず、次の更新がない(雇用期間が3年未満で更新の明示あり)
3A退職勧奨(会社からの退職の働きかけ)による離職
3B会社の事業所移転や通勤困難などの正当な理由がある自己都合退職

失業保険の所定給付日数の違い

受け取れる失業保険の日数(所定給付日数)にも違いがあります。

特定理由離職者のうち、病気や介護などの理由に該当する人の日数は原則90〜150日と一般離職者と同じですが、雇い止めに該当する人に限っては、特定受給資格者と同水準の最大330日が適用されます。

雇用保険の被保険者期間一般離職者特定理由離職者特定理由離職者
1年未満なし(受給不可)90日90日
1年以上5年未満90日90日90~180日(年齢による)
5年以上10年未満90日90日120~240日(年齢による)
10年以上20年未満120日120日180~270日(年齢による)
20年以上150日150日240~330日(年齢による)

特定理由離職者として認定されるための受給条件

特定理由離職者として失業手当を受け取るには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • ハローワークから「特定理由離職者」として個別に認定されていること
  • 失業状態にあること(働く意思と能力があり、いつでも就職できる環境であるにもかかわらず仕事に就けていない状態)
  • 離職前1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること

なお、特定理由離職者への認定は、ハローワークが厚生労働省の定める厳格な基準に沿って判断します。本人が「やむを得ない事情だった」などと自己申告するだけでは、認定されません。必ず客観的な事実を示す証拠書類の提出が必要です。

一般離職者との受給条件の違い

通常の自己都合退職で一般離職者となる場合、失業保険をもらうためには離職前2年間に通算12ヶ月以上の加入期間が求められます。

これに対して、特定理由離職者は1年間に6ヶ月以上あれば受給資格を得られます。つまり、入社して半年ほどで体調を崩して退職せざるを得なくなった場合でも、失業手当のサポートを受けられる仕組みです。

特定理由離職者の判断基準と認定される離職理由の範囲

ハローワークでは、厚生労働省の判断基準にもとづき、個々の退職事情を個別に審査します。

特定理由離職者として認められる理由は、大きく分けると「雇い止め(契約満了・未更新)」と「正当な理由のある自己都合退職」の2つに分類されます。

雇い止め(労働契約満了・未更新)による離職

有期労働契約で働いていた人が、契約満了時に更新を希望する旨を伝えたにもかかわらず、会社側から契約を更新されず退職となった場合が該当します。

認定を受けるためには、労働契約書などに「契約更新の可能性あり」と明示されていたり、過去に一度でも契約が更新された実績があったりすることが基準となります。なお、契約締結の当初から「今回の契約は一切更新しない」あるいは「今回で契約満了とする」と書面で明確に合意・明示されていた場合は、対象外です。

手続きの際は、この客観的な事実を証明するために雇用契約書や雇入通知書、労働条件通知書、更新拒絶の通知書などを用意する必要があります。

健康・身体的理由による離職

本人の体調不良や障害などにより、これまでの仕事を続けることが物理的・精神的に不可能になった場合が該当します。具体的には病気やケガ、視力・聴力の減退、身体障害の発生、うつ病をはじめとする精神疾患などです。また、体調を考慮して会社側から別の軽い業務へ変更してもらったものの、継続が困難だったケースも含まれます。

認定を受けるためには、退職時においてそれまで担当していた業務を行える健康状態になかったという客観的な事実が必要です。この健康上の理由を証明するため、ハローワークの手続きでは退職当時の病状などが詳しく記載された医師の診断書の提出が求められることがあります。

妊娠・出産・育児・介護など家庭事情による離職

家庭環境の急激な変化により、仕事との両立がどうしても困難になり退職せざるを得なくなった場合が該当します。対象となるのは妊娠や出産、育児、または同居する家族の深刻な病気やケガによる看護や介護などです。

妊娠や出産、育児が理由の場合は、ハローワークで受給期間の延長措置を申請し、その後、就職可能な状態になってから受給を開始します。家族の看護や介護が理由の場合は、30日以上見込みで常時その対応を行う必要が生じ、就業継続が難しくなったことが基準となります。

手続きにあたっては主治医の意見書や診断書、介護保険証の写し、戸籍謄本、詳細を記したハローワーク所定の申立書などの用意が必要です。

転居・通勤困難による離職

住環境の変化や交通事情により、物理的に会社へ通うことが困難になり退職した場合が該当します。主な原因としては、結婚に伴う新居への引越しや、配偶者の転勤・就職に伴う同居のための転居、会社の事業所移転、利用していた交通機関の廃止や運行時間の変更などが挙げられます。

通勤困難かどうかは、通勤時間や通勤経路、生活事情などを踏まえて個別に判断されます。さらに、転居と退職の因果関係を証明するため、転居の事実や退職時期の近接性などが、判断材料となります。確認書類として転居前後の住民票の写しや配偶者の転勤辞令などが必要となるため、転居の時期と退職のタイミングが離れすぎないよう注意が必要です。

その他のやむを得ない事情による離職

突発的かつ不可抗力な外的要因によって、退職を余儀なくされた場合が該当します。具体的には企業の経営合理化の一環で募られた希望退職制度への自発的な応募、地震や風水害などの自然災害による被災、借家からの立ち退き要求による転居などが対象です。

本人の意思とは関係なく、やむを得ない外的要因によって退職せざるを得なかったとハローワークに認められることが基準となります。

なお「特定理由離職者と特定受給資格者の違い」で前述したとおり、退職勧奨や解雇は特定理由離職者ではなく、より手厚い特定受給資格者に該当する可能性が高くなります。離職票を受け取った際は記載されているコード内容をよく確認してください。

特定理由離職者に認定されるメリット

通常の自己都合退職として処理されるケースと比べて、特定理由離職者としてハローワークに認められると、主に金銭面や生活防衛の観点から3つの大きな恩恵を受けることができます。

失業保険の受給要件が一般離職者より緩和される

一般離職者との受給条件の違い」で前述のとおり、一般の自己都合なら過去2年間に12ヶ月以上、特定理由離職者なら過去1年間に通算6ヶ月以上雇用保険に加入していれば、失業保険の受給資格を得られます。

さらに、理由が雇い止めであれば、所定給付日数が最大330日まで拡大されるため、長期にわたり安心して次の仕事を探すことができます。

給付制限期間が免除されることがある

通常の自己都合退職では、ハローワークで手続きをした後、7日間の待期期間に加えて一定の給付制限期間が設定されます。なお、法改正にともない2025年4月1日以降に離職した方からは、通常の自己都合退職であっても給付制限期間が原則2ヶ月から原則1ヶ月へ短縮されました。

しかし、特定理由離職者に該当する場合は、給付制限が設けられないことがあります。7日間の待期期間が明ければ、すぐに失業手当の支給対象期間へと入り、収入のない空白の期間を大幅に減らせます。

国民健康保険料・住民税の軽減措置を利用できる

特定受給資格者または特定理由離職者のうち一定の条件を満たす場合は、自治体の国民健康保険料の軽減措置の対象となることがあります。前年の給与所得を100分の30とみなして保険料を計算するため、所得割部分が最大7割軽減されるケースがあります。

ハローワークで交付される雇用保険受給資格者証、あるいは雇用保険受給資格通知を持参し、お住まいの市区町村の国民健康保険窓口へ申請をすることで利用可能です。

特定理由離職者のデメリットと注意点

多くのメリットがある特定理由離職者ですが、申請やその後の活動において事前に把握しておくべき注意点もあります。

認定に必要な書類収集・手続きに手間がかかる

やむを得ない退職理由であることを客観的に証明するため、ハローワークの窓口に多くの書類を揃えて持参する必要があります。

健康理由であれば、退職当時の病状と現在の就労可能状態がわかる医師の診断書が必要です。家族の介護事情であれば診断書や介護保険証の写し、住民票が求められます。転居による通勤困難であれば、引越し前後の住民票の写しや配偶者の転勤辞令の写し、結婚の事実がわかる戸籍謄本などを用意しなければなりません。

また、会社側がハローワークに提出した離職票の記載が通常の自己都合で、離職者が病気などによる特定理由を主張した場合、ハローワークが双方に聞き取り調査を行います。これにより、審査結果が出るまで通常よりも日数が長引く可能性があります。

転職活動での退職理由の説明に工夫する必要がある

離職票や会社の書類上は、最終的に自己都合退職という名目で処理されていることがほとんどです。転職活動の面接で退職理由を問われた際、単に自己都合で辞めましたとだけ伝えると、面接官にまたすぐに辞めてしまうのではないかとネガティブに捉えられかねません。

面接では、やむを得ない事情であったことに加え、現在は完全に解決しており今後は全力で働けることを前向きに伝える工夫が重要です。たとえば、「主治医の診断のもとやむを得ず前職を退職したが、現在は回復して医師からもフルタイム勤務の就労許可が出ている」というように、健康体を取り戻して長期的に貢献できる状態であることをアピールするとよいでしょう。

特定理由離職者で診断書が必要になるケースと不要なケース

ハローワークの手続きにおいて、医師が発行する診断書が必要となるかどうかは、離職の理由によって明確に分かれます。

診断書が必要なケース診断書が不要なケース
具体例・本人の病気やケガ、うつ病などの精神疾患による離職
・家族の常時看護や介護にともなう離職
・労働契約の満了による雇い止め
・結婚や配偶者の転勤にともなう転居
・通勤困難
・希望退職制度への応募

診断書が不要なケースでは、診断書の代わりに住民票、転勤辞令、雇用契約書、申立書などが証明書類となります。

健康理由で特定理由離職者として認められるためには、診断書に単に病名が書いてあるだけでは不十分です。ハローワークでは、以下の2点が明確に示されているかを重視します。

  • 退職時においてその病気やケガのために従来の業務を続けることが困難であった事実
  • ハローワークでの求職申込時において治療や休養を経て、現在は新しい職場で就労を開始できる状態である事実

これらを満たすため、ハローワークが独自に用意している主治医の意見書などの専用用紙を医師に渡して記入してもらう方法がもっとも確実です。

特定理由離職者の失業保険給付日数

失業手当が支給される日数は、離職理由によって取り扱いが異なります。

雇い止めによる離職

期間満了で更新を希望したにもかかわらず雇い止めに遭った場合、年齢と雇用保険の加入期間に応じて、下表のように手厚い日数が適用されます。ただし、下表の給付日数は2027年3月31日までの暫定措置です。

年齢区分/被保険者期間1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日対象外
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

正当な理由による自己都合退職(健康・介護・通勤困難など)

病気や家族の介護、転居にともなう通勤困難などの理由で退職した場合、給付日数は一般離職者と同じ考え方で決まります。年齢による変動はなく、純粋な雇用保険の加入期間のみで決まります。ただし、1年未満であっても90日分の給付が受けられる点が、特定理由離職者の特徴です。

雇用保険の被保険者期間所定給付日数
1年未満(特定理由のみ特別に対象)90日
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

特定理由離職者が失業手当を受け取れるまでの流れ

退職してから実際に手当が口座に振り込まれるまでの流れを、6つのステップで分かりやすく整理しました。

1. 退職と離職票の受け取り

退職後、会社から離職票が交付されます。到着時期は会社の手続き状況によって異なります。

2. ハローワークでの求職申込と受給資格決定

郵送された離職票を持って住所地を管轄するハローワークへ行き、求職の申し込みを行います。持参した診断書や契約書などの証拠書類を提示して、窓口で特定理由離職者としての審査と認定を受けます。

3. 7日間の待期期間

受給資格が決定した日から通算して7日間は一律で待期期間となり、手当は支給されません。

4. 雇用保険受給者説明会への参加

指定された日時にハローワークで行われる説明会に参加し、雇用保険受給資格者証や失業認定申告書を受け取ります。

5. 失業認定

原則として4週間に1回設定される失業認定日にハローワークへ出向き、求職活動の状況を報告します。受給を継続するためには、前回の認定日から数えて原則2回以上の具体的な求職活動実績が必要となります。

6. 手当の振込

窓口で無事に失業状態の認定を受けると、約5営業日以内に指定の口座へ手当が振り込まれます。特定理由離職者に該当する場合は、給付制限がないことがあり、比較的早く初回の失業手当につながります。

なお、指定された失業認定日にハローワークへ行くのを忘れたり、必要な求職活動実績の回数が足りなかったりすると、給付が一時的に止まるなどのペナルティが生じる場合があるため、スケジュール管理は厳守してください。

特定理由離職者が受け取れる失業手当の計算方法と金額目安

失業手当として最終的に受け取れる総支給額は、以下の計算式で求められます。

総支給額 = 基本手当日額 × 所定給付日数

基本手当日額の計算方法

基本手当日額とは、失業手当として1日あたりに支給される金額のことで、退職前の給与をベースに算出されます。

まず、退職前6ヶ月間に支払われた給与の総額を180で割り、1日あたりの平均賃金である賃金日額を出します。なお、この給与総額に含まれるのは賞与やボーナスは除き、税金や保険料が引かれる前の額面の基本給と諸手当です。

賃金日額 = 離職前6ヶ月の給与総額 ÷ 180

次に、算出した賃金日額に、年齢や賃金の水準に応じて定められた45%から80%の給付率を掛け合わせることで基本手当日額が決まります。給付率は、離職時の賃金が低い人ほど高く、高い人ほど低くなるように傾斜がつけられています。

賃金日額 = 離職前6ヶ月の給与総額 ÷ 180

年齢別の基本手当日額の上限額

基本手当日額には、年齢区分ごとに上限額が設けられています。退職前の月収がどれほど高くても、上限額を超える手当は支給されません。2025年8月1日に変更された基本手当日額の上限額は下表のとおりです。なお、下限額は全年齢一律で2,411円です。

年齢区分賃金日額の上限基本手当日額の上限額
29歳以下14,510円7,255円
30歳から44歳16,110円8,055円
45歳から59歳17,740円8,870円
60歳から64歳16,940円7,623円

これらの基本手当日額の上限額や下限額などの各基準値は、厚生労働省により全国の平均給与の変動率などに基づいて毎年8月1日に改定が行われます。

まとめ

特定理由離職者は、本人の意向とは裏腹に、心身の不調や家族の介護、契約の雇い止めといったやむを得ない事情で退職を余儀なくされた労働者を守るための重要な救済制度です。

受給に必要な雇用保険の加入期間が6ヶ月に緩和され、待期期間が明けた後の給付制限期間がないため、スピーディーに経済的支援を受けられる点が最大のメリットといえます。また、雇い止めに該当した場合は、給付日数そのものが増えるケースもあります。

ただし、認定のためには医師の診断書や雇用契約書といった客観的な証明書類の提出が不可欠です。最終的な該当性の可否は、ハローワークが個別に審査します。もしご自身の退職理由がやむを得ない事情に該当しそうな場合は、退職前後から必要な書類をしっかりと手元に揃え、ハローワークの窓口で積極的に相談しながら手続きを進めていくことが、安定した失業生活と円滑な再就職への近道となります。

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よくある質問

パートやアルバイトでも特定理由離職者として認定される?

パートやアルバイトであっても、条件を満たしていれば特定理由離職者として認定されます。本制度の対象は、雇用保険の加入状況と離職理由によって判断されます。

週の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあり、会社で雇用保険に加入していた実績があれば、正社員と全く同じ基準でハローワークから審査と認定を受けることが可能です。

詳しくは、記事内「特定理由離職者として認定されるための受給条件」をご覧ください。

特定理由離職者の認定を受けられなかった場合、異議申し立てできる?

ハローワークの当初の判断や、会社側が主張する離職理由に不服がある場合は、法的に異議申し立てを行うことができます。会社が離職票に通常の自己都合と記載していても、離職者がやむを得ない事情を示す証拠を提示すれば、ハローワーク側で事実関係の調査が行われます。

それでも窓口の決定に納得がいかない場合は、雇用保険法にもとづき、各都道府県の労働局に配置されている雇用保険審査官に対して、決定を知った日の翌日から3ヶ月以内に審査請求を行う権利が認められています。

詳しくは、記事内「特定理由離職者として認定されるための受給条件」をご覧ください。

雇い止めで退職した場合、診断書は必要?

労働契約満了や会社側の事情による雇い止めで退職した場合は、通常、医師の診断書は必要ありません。診断書は本人の病気やケガ、家族の介護といった健康や身体的理由の妥当性を証明するために求められるものです。

雇い止めの場合は、契約の事実と終了の背景を示す雇用契約書や雇入通知書、あるいは会社から交付される離職票の記載内容などが正式な証明書類となります。

詳しくは、記事内「特定理由離職者で診断書が必要になるケースと不要なケース」で解説しています。

参考文献

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