年金手帳は2022年4月に廃止され、現在は基礎年金番号通知書が年金手帳の役割を担っています。転職時に会社から提出を求められても、基礎年金番号やマイナンバーがわかれば手続きに問題はありません。
この記事では、日本年金機構の公式情報をもとに、年金手帳の役割・廃止の経緯・基礎年金番号の確認方法・再発行手続きまでを解説します。
仮に年金手帳がなくても焦る必要はありません。まずは手元にある書類を確認するところからはじめましょう。
目次
- 年金手帳とは?
- 年金手帳は2022年4月に廃止
- 年金手帳が廃止された理由
- 現在は「基礎年金番号通知書」が交付される
- 手元の年金手帳は基礎年金番号の確認に使える
- 年金手帳を紛失しても問題はない
- 年金手帳がない場合に基礎年金番号を確認する5つの方法
- 1.ねんきん定期便・各種通知書
- 2.会社の書類や人事部
- 3.ねんきんネット
- 4.年金事務所への問い合わせ
- 5.マイナポータル
- 年金手帳や基礎年金番号通知書をなくした際に再発行する方法
- 1.申請手続き
- 2.必要な書類と申請先
- 3.申請から手元に届くまでの期間
- 年金手帳や基礎年金番号通知書に関する注意点
- 年金手帳は二度と手に入らない
- 20歳で基礎年金番号通知書が届かない場合は確認が必要
- まとめ
- 勤怠管理をカンタンに行う方法
- よくある質問
年金手帳とは?
年金手帳は、日本の公的年金制度に加入していることを証明し、10桁の基礎年金番号を確認するための冊子です。
就職・転職時に会社への提出を求められるほか、身分証明書として使われることもあります。
ただし、すべての加入者に交付されるわけではありません。たとえば、公務員が加入する共済組合では交付されず、代わりに基礎年金番号通知書が交付されていました。
手帳の色は年金の種類ではなく交付された年代によって異なるため、家族全員が違う色の手帳を持つケースもあります。
出典:日本年金機構|基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について
年金手帳は2022年4月に廃止
年金手帳は、2022年4月1日をもって新規発行が廃止されました。
長年にわたり年金加入の証明書類として活用されてきましたが、年金手帳の役割は新たな書類へと引き継がれています。廃止の背景と、現在交付される書類について見ていきましょう。
年金手帳が廃止された理由
年金手帳が廃止された最大の理由は、マイナンバー制度の普及です。
マイナンバーによって個人の年金情報をシステムで一括管理できるようになったため、紙の冊子を発行する必要性が低下しました。
以前は基礎年金番号を確認するために手帳を窓口や会社へ持参する必要がありましたが、現在は日本年金機構のシステムで即座に照会できる体制が整っています。
情報管理のデジタル化が進んだことで、年金手帳の仕組みは役割を終えたのです。
現在は「基礎年金番号通知書」が交付される
2022年4月以降に新しく年金制度へ加入する人には、冊子の代わりにA4サイズ1枚の基礎年金番号通知書が交付されます。
就職・退職・氏名や住所の変更など、年金に関するあらゆる手続きで必要となる基礎年金番号を公的に証明する書類です。
見た目は以前の手帳とは異なりますが、役割の重要性は変わりません。個人情報が記載されているため、受け取ったら自宅で大切に保管しましょう。
年金手帳と基礎年金番号通知書の違い
年金手帳と基礎年金番号通知書は、どちらも基礎年金番号を証明する書類ですが、交付された時期や形式に違いがあります。以下の表で主な違いを確認しましょう。
| 年金手帳 | 基礎年金番号通知書 | |
|---|---|---|
| 交付時期 | 〜2022年3月 | 2022年4月〜 |
| 形式 | 冊子 | A4用紙1枚 |
| 交付対象 | 国民年金・厚生年金加入者 | 新規加入者・再発行希望者など |
| 再発行 | 不可 | 可能 |
| 現在の有効性 | 引き続き有効 | 現行の公式書類 |
どちらの書類も、年金に関する手続きで活用できる点は共通しています。
手元の年金手帳は基礎年金番号の確認に使える
すでに年金手帳を持っている人は、制度が変わった今でもそのまま使い続けられます。
新しい通知書が自動的に送られてくることはありませんが、手元の手帳は基礎年金番号を証明する正式な書類として引き続き有効です。
転職などで番号の提示を求められた際も、手帳を見せるだけで手続きを進められます。廃止になったからといって処分せず、将来の年金受給に備えて保管しておくとよいでしょう。
年金手帳を紛失しても問題はない
年金手帳を紛失しても、将来受け取れる年金が消えるわけではありません。
年金受給権は基礎年金番号に紐づいており、手帳の有無とは無関係です。転職・入社時に番号の提示を求められた場合も、基礎年金番号またはマイナンバーを伝えれば手続きは完了します。
2023年6月以降は社会保険手続きでマイナンバーの記載が義務化されており、手帳がなくても対応できるケースが増えています。
番号を確認したい場合は、マイナポータルからいつでも確認可能です。紙の書類が必要な場合は再発行の手続きで約1ヶ月で通知書が届き、急ぎの場合は年金事務所の窓口でも調べられます。
年金手帳がない場合に基礎年金番号を確認する5つの方法
年金手帳がなくても、基礎年金番号を確認する方法は複数あります。
手元にある書類から調べられるケースも多く、すぐに番号が必要な場面でも慌てる必要はありません。自分の状況に合った方法を選びましょう。
年金手帳がない場合に基礎年金番号を確認する方法は以下のとおりです。
年金手帳がない場合に基礎年金番号を確認する5つの方法
1.ねんきん定期便・各種通知書
基礎年金番号は、自宅に届いている郵便物から調べられます。
たとえば、2022年4月以降に年金へ加入した人には基礎年金番号通知書が交付されており、国民年金の納付書にも番号が記載されています。手元にある書類を以下の表で確認してみましょう。
| 書類 | 基礎年金番号 | 発行のタイミング |
|---|---|---|
| 基礎年金番号通知書 | 記載あり | 2022年4月以降の加入時 |
| 国民年金保険料納付書 | 記載あり | 保険料支払い時 |
| ねんきん定期便 | 記載なし(照会番号のみ) | 毎年の誕生月 |
ねんきん定期便には基礎年金番号の記載はありませんが、照会番号を使って電話で確認できます。
出典:日本年金機構|ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号(「ねんきん定期便」「ねんきんネット」に関するお問い合わせ)
2.会社の書類や人事部
勤務先の人事部や総務部に問い合わせると、基礎年金番号を確認できます。
会社員や公務員は厚生年金に加入しており、入社時の社会保険手続きで会社が基礎年金番号を管理しているからです。
人事部や総務部の担当者に確認するだけで番号がわかるケースが多く、給与明細に基礎年金番号が印字されている会社もあります。
現在の勤め先であれば問い合わせやすいですが、退職後は会社が書類を保管している期間に限りがあるため、年数が経つほど対応してもらえない可能性が高くなります。
以前の勤め先に確認する前に、退職時に返却された書類一式の中に入っていないかチェックしてみましょう。
3.ねんきんネット
ねんきんネットを使うと、基礎年金番号をオンラインで確認できます。
ねんきんネットとは、日本年金機構が運営していて、スマートフォンやパソコンから24時間いつでもアクセスできるサービスです。
通常の新規登録には基礎年金番号が必要ですが、マイナポータルと連携すれば基礎年金番号なしでも利用できます。ログイン後のトップ画面で基礎年金番号を確認しましょう。
登録方法は2種類あります。
- マイナポータルからの登録(ねんきんネットのユーザーID取得不要)
- ねんきんネットのユーザーID取得
基礎年金番号の確認だけでなく、年金記録の詳細や将来の見込額もあわせて確認できるため、年金情報をまとめて把握したい場合にも便利なサービスです。
出典:日本年金機構|「ねんきんネット」の登録方法
4.年金事務所への問い合わせ
書類が手元になく、オンラインでの確認も難しい場合は、最寄りの年金事務所の窓口に問い合わせると確実です。
運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を持参すれば、窓口で基礎年金番号を確認できます。
基礎年金番号通知書や年金証書の再発行申請も同時に受け付けており、再発行された書類は申請から約1ヶ月で届きます。
受付時間は平日8時30分〜17時15分です。全国の街角の年金相談センターでも確認でき、日本年金機構が全国社会保険労務士会連合会に運営を委託しているため、安心して利用できます。
5.マイナポータル
マイナンバーカードがあれば、マイナポータルから基礎年金番号を確認できます。
2024年10月9日から、マイナポータルの年金記録画面で基礎年金番号が表示されるようになりました。ねんきんネットへの事前登録も不要です。
確認手順は以下のとおりです。
基礎年金番号の確認手順
- マイナンバーカードを使ってマイナポータルにログイン
- トップページの「年金」ボタンをクリック
- 画面に基礎年金番号が表示される
利用できる時間は平日8時30分〜23時までで、土日祝日は利用できません。スマートフォンのマイナポータルアプリを使えば外出先でも確認でき、急に番号が必要になった場合にも対応できます。
年金手帳や基礎年金番号通知書をなくした際に再発行する方法
年金手帳や基礎年金番号通知書をなくした場合でも、再発行の手続きで基礎年金番号通知書を受け取れます。
申請方法や必要書類、届くまでの期間を順に確認しましょう。年金手帳や基礎年金番号通知書を再発行する方法は以下のとおりです。
年金手帳や基礎年金番号通知書をなくした際に再発行する方法
- 申請手続き
- 必要な書類と申請先
- 申請から手元に届くまでの期間
1.申請手続き
基礎年金番号通知書の再発行は、年金事務所の窓口または郵送で申請できます。
窓口に行く時間が取れない場合は、マイナポータルからの電子申請も可能です。国民年金・厚生年金に加入中、または加入していた人が対象で、共済組合のみに加入していた人も再発行を申請できます。
なお、2022年4月以降は年金手帳の新規発行が廃止されているため、手帳を紛失した場合でも再発行されるのは基礎年金番号通知書です。
年金を受給中の人は年金証書が基礎年金番号通知書の代わりとなるため、再発行は原則不要です。
2.必要な書類と申請先
申請に必要な書類は、年金受給者が「年金証書再交付申請書」、それ以外の人は「基礎年金番号通知書再交付申請書」です。
申請先は加入している年金の区分によって異なります。自分がどの区分に該当するかを以下の表で確認しましょう。
| 加入区分 | 対象となる人 | 申請先 |
|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 自営業・学生・無職など | 市区町村役場または年金事務所 |
| 第2号被保険者 | 会社員・公務員 | 勤務先の会社 |
| 第3号被保険者 | 会社員に扶養されている配偶者 | 配偶者の勤務先の会社 |
申請先を間違えると手続きが遅れるため、自分の加入区分を事前に確認しておきましょう。
共済組合のみに加入している人は、まずねんきんダイヤルに連絡して専用の申請書を入手します。再交付された通知書は、日本年金機構に登録している住所へ郵送されます。
3.申請から手元に届くまでの期間
再発行を申請してから通知書が手元に届くまで、約1ヶ月かかります。
手続きの期限が迫っている場合は、気づいた時点で早めに申請を進めましょう。急ぎで番号が必要な場合は、以下の方法で対応できます。
- 年金事務所の窓口を訪問
- マイナポータルまたはねんきんネット
年金事務所の窓口では身分証明書を持参すればその場で番号を確認でき、通知書は後日郵送されます。マイナポータルやねんきんネットならオンラインで即時確認が可能です。
年金手帳や基礎年金番号通知書に関する注意点
年金手帳や基礎年金番号通知書を扱う際には、見落としがちなポイントを事前に把握しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
年金手帳や基礎年金番号通知書に関する注意点は以下のとおりです。
年金手帳や基礎年
- 年金手帳は二度と手に入らない
- 20歳で基礎年金番号通知書が届かない場合は確認が必要
年金手帳は二度と手に入らない
2022年4月以降、年金手帳の新規発行は廃止されたため、紛失すると同じ冊子は二度と手に入りません。
再発行を申請した場合に届くのは、A4サイズの基礎年金番号通知書です。書類の形式は異なりますが、年金に関する手続きでの効力は手帳と変わりません。
現在、青色やオレンジ色の手帳を持っている人は、それが唯一の原本です。紛失しないよう、自宅の安全な場所で保管しておきましょう。
20歳で基礎年金番号通知書が届かない場合は確認が必要
日本国内に住所がある人は、20歳になると自動的に国民年金に加入し、約2〜3週間で基礎年金番号通知書が郵送されます。
1ヶ月近く経っても届かない場合は、住所変更の届出漏れや郵便事故が原因として考えられます。
放置すると障害年金の受給資格に影響するリスクもあるため、早めに市区町村の国民年金窓口または年金事務所に確認しましょう。
基礎年金番号通知書が届かない主な原因は以下のとおりです。
- 住民票を移したが年金の住所変更届を出していない
- 実家など現住所以外に送られている
- 配送トラブルで届いていない
基礎年金番号通知書が届かない原因のほとんどは、住所に関するトラブルです。心当たりがある場合は早めに窓口へ連絡しましょう。
まとめ
年金手帳は2022年4月に廃止され、現在は基礎年金番号通知書が年金手帳の役割を担っています。手元に年金手帳がある人は引き続き有効で、紛失しない限りそのまま使い続けられます。
年金手帳を紛失しても、ねんきん定期便・会社の人事部・ねんきんネット・年金事務所・マイナポータルなど複数の方法で、基礎年金番号を確認可能です。
再発行が必要な場合は、加入区分に応じた申請先に「基礎年金番号通知書再交付申請書」を提出しましょう。
年金手帳の廃止に象徴されるように、年金や社会保険に関する手続きはデジタル化が進んでいます。
入社時の社会保険手続きや従業員の年金情報管理をシステム化したい場合は、freee人事労務がおすすめです。
社会保険や税関連の書類作成・手続きをひとつのシステムで管理でき、担当者の事務負担を削減できます。人事関連の業務効率化にお悩みの方は、ぜひfreeeをご活用ください。
勤怠管理をカンタンに行う方法
従業員の打刻情報の収集、勤怠情報の確認、休暇管理に毎日膨大な時間を割いていませんか?
こうした手続きは勤怠管理システム「freee勤怠管理」を使うことで、効率良く行えます。
freee勤怠管理は打刻、勤怠収集、勤怠・休暇管理を一つのサービスで管理可能
勤怠打刻はタイムカードやエクセルを利用し従業員に打刻作業を実施してもらったのちにエクセルなどに勤怠情報をまとめ勤怠・休暇管理を行なっていませんか?
勤怠管理システム「freee勤怠管理」では、従業員に行なってもらった勤怠打刻情報を全て自動で収集し勤怠情報の一覧をリアルタイムで作成します。
そこから勤怠情報の確認・修正が行える他に休暇管理も同時に実施することができます。
さらにそこからワンクリックで給与計算・給与明細発行を実施することができるので、労務管理にかける時間を劇的に削減することが可能です。
気になった方は是非勤怠管理システム「勤怠管理」をお試しください。
よくある質問
マイナンバーカードがあれば年金手帳はいりませんか?
マイナンバーカードがあれば、年金手帳がなくても年金に関する手続きは問題なく行えます。
2023年6月以降は社会保険手続きでマイナンバーの記載が義務化されているためです。また、基礎年金番号の確認もマイナポータルから行えます。
詳しくは、記事内「年金手帳が廃止された理由」をご覧ください。
年金手帳がない場合、入社はできませんか?
年金手帳がなくても、入社手続きは問題なく進められます。
会社が年金手帳を求めるのは、社会保険加入手続きで基礎年金番号を確認するためです。基礎年金番号またはマイナンバーを伝えられれば、手帳の現物がなくても手続きは完了します。
詳しくは、記事内「年金手帳を紛失しても問題はない」をご覧ください。
年金手帳はいつから廃止になりましたか?
年金手帳は、2022年4月1日に廃止されました。
それ以降に年金制度へ新規加入する人には、年金手帳の代わりにA4サイズの基礎年金番号通知書が交付されています。
詳しくは、記事内「年金手帳は2022年4月に廃止」をご覧ください。

