人事労務の基礎知識

住民税均等割とは? いくらから課税されるか、税額や非課税条件、計算方法などを詳しく解説

監修 北 光太郎 きた社労士事務所

住民税均等割とは? いくらから課税されるか、税額や非課税条件、計算方法などを詳しく解説

住民税均等割とは、住民税のうち、所得金額にかかわらず一定額が課税される税金のことです。住民税は均等割と所得割で構成されており、均等割は一定の基準を超える所得がある場合に定額で課税されます。

本記事では、住民税均等割の仕組みや課税対象者、税額、納付方法、特別徴収時のポイントなどをわかりやすく解説します。

目次

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住民税均等割とは

住民税均等割とは、住民税のうち、所得金額にかかわらず一定額が課税される税金のことです。住民税は、都道府県や市区町村が行政サービスを提供するための財源として徴収しており、住民税均等割はその一部にあたります。

また、近年は防災・環境施策を目的とした税制改正も行われており、森林環境税など住民税とあわせて徴収される税目もあります。

住民税の仕組み

住民税は、都道府県民税と市区町村民税をあわせた地方税です。前年の所得をもとに税額が決まり、毎年1月1日時点で住所がある自治体から課税されます。

住民税は、以下の2つで構成されています。

住民税を構成する2つの要素

  • 均等割:所得に関係なく一定額を負担する税金
  • 所得割:前年所得に応じて課税される税金

均等割と所得割のほか、自治体によっては独自の上乗せ課税を行っている場合もあり、実際の税額が異なることがあります。

均等割と所得割の違い

均等割と所得割の大きな違いは、「何を基準に課税されるか」です。

均等割は所得額に関係なく一定額が課税されます。一方、所得割は前年の所得金額に応じて税額が変動する仕組みです。そのため、前年所得が高い方ほど所得割は増えますが、均等割は原則同じ金額になります。

なお、均等割は所得があれば必ず課税されるわけではなく、自治体が定める非課税基準を超えているかどうかによって判断されます。

住民税均等割の課税対象者

住民税均等割は、原則として毎年1月1日時点で自治体に住所を有している方が課税対象となります。会社員や公務員、自営業者、年金受給者など幅広い方が対象です。

均等割は所得に応じて税額が変動する所得割と異なり、一定の基準を超える所得がある場合に定額で課税されます。

非課税基準は自治体によって異なりますが、東京23区では以下が目安です。

  • 単身者:合計所得金額45万円
  • 扶養親族がいる場合:35万円 ×(本人+扶養親族数)+ 31万円

住民税均等割が非課税になる3つのケース

住民税均等割は、一定以上の所得がある方に課税される税金ですが、条件によっては非課税となる場合があります。

ここでは、住民税均等割が非課税になる代表的なケースを解説します。

1.生活保護を受けている方

生活保護法による生活扶助を受けている方は、住民税均等割が非課税となります。

これは、最低限度の生活を保障する制度趣旨を踏まえ、税負担を免除するためです。毎年1月1日時点で生活保護を受給している場合、原則として均等割・所得割ともに非課税となります。

なお、生活保護を受けていても、保護の内容や所得状況によって取り扱いが異なるケースもあるため、詳細は自治体のホームページなどをご確認ください。

2.障がい者・未成年・寡婦・ひとり親で前年所得135万円以下

障がい者、未成年者、寡婦、ひとり親に該当する方は、前年の合計所得金額が135万円以下の場合、住民税均等割が非課税となります。

たとえば、アルバイトをしている未成年の学生やひとり親などは給与所得控除後の所得金額が135万円以下の場合は非課税となります。

なお、ここでいう「合計所得金額」は、給与収入から給与所得控除を差し引いた後の金額です。年収そのものではない点に注意しましょう。

3.前年の合計所得金額が各自治体の基準額以下

前年の合計所得金額が自治体の定める非課税基準額以下の場合も、住民税均等割は非課税となります。

非課税基準は自治体や扶養人数によって異なりますが、東京23区では「35万円 × (本人 + 扶養親族数) + 31万円」を基準として設定しています。

また、自治体によっては独自基準を設けている場合もあるため、住民税均等割の課税基準を確認する際は、居住自治体の最新情報を確認しましょう。

住民税均等割の税額と計算方法

住民税均等割の税額は、都道府県民税・市区町村民税ごとに定められており、原則として定額で課税されます。

また、近年は森林環境税があわせて徴収されるようになったため、実際の負担額を確認する際は、均等割とあわせて把握することが重要です。

住民税均等割の標準税率

住民税均等割の標準税率は、以下のように設定されています。

住民税均等割の標準税率

  • 都道府県民税:1,000円
  • 市区町村民税:3,000円

合計すると、均等割額は年間4,000円です。

ただし、自治体によっては防災・環境施策などを目的に超過課税を実施している場合があります。

森林環境税の加算

2024年度(令和6年度)からは、国税である森林環境税の徴収が始まりました。

森林環境税は、森林整備や環境保全の財源を確保する目的で創設された税金で、住民税均等割とあわせて年間1,000円が徴収されます。

そのため、現在の実質的な負担額は以下のとおりです。

住民税均等割の実質負担額

  • 住民税均等割:4,000円(1,000円 + 3,000円)
  • 森林環境税:1,000円

→ 合計:5,000円

なお、2014年度(平成26年度)から2023年度(令和5年度)までは、東日本大震災からの復興財源を確保するため、住民税均等割に「復興増税」として年間1,000円(都道府県民税500円、市区町村民税500円)が上乗せされていました。

この復興増税は2023年度で終了しましたが、2024年度から森林環境税の徴収が始まったため、納税者の年間負担額は引き続き5,000円となっています。

均等割の計算シミュレーション

住民税均等割は、非課税基準を超えた場合に定額で課税されます。

ここでは、年収110万円の場合をもとに、単身者と扶養親族がいるケースを見ていきましょう。

年収110万円・単身者の場合の計算例

年収110万円の単身者は、多くの自治体で住民税均等割の課税対象となります。なお、2026年度の税制改正に伴い、年収110万円から119万円に引き上げられる予定です。

単身者の非課税基準は、一般的に「合計所得金額45万円以下」が目安です。給与収入のみの場合、年収100万円前後を超えると均等割が課税されるケースが多く見られます。

標準税率の場合の税額は以下のとおりです。

  • 都道府県民税:1,000円
  • 市区町村民税:3,000円
  • 森林環境税:1,000円

住民税均等割 = ( 1,000円 + 3,000円 ) + 1,000円 = 5,000円

年収110万円・扶養親族2人の場合の計算例

年収110万円で扶養親族が2人いる場合は、住民税均等割が非課税となる可能性があります。扶養親族がいる場合は非課税基準額が引き上げられるためです。

非課税基準額の計算式

35万円 ×(本人+扶養親族数) + 31万円

※東京23区の場合

そのため、扶養状況によっては、単身者では課税対象となる年収でも非課税となる場合があります。

ただし、実際の基準額や判定方法は自治体によって異なるため、詳細は各自治体の案内を確認しましょう。

住民税均等割の納付方法

住民税均等割は、所得割とあわせて納付します。納付方法は「特別徴収」と「普通徴収」の2種類です。

会社員は特別徴収となるケースが一般的ですが、自営業者などは普通徴収で納付します。

特別徴収(給与天引き)の方法

特別徴収とは、企業が従業員の給与から住民税を天引きし、本人に代わって自治体へ納付する方法です。

毎年5〜6月頃に自治体から「住民税決定通知書」が送付され、企業は通知書に記載された税額を6月から翌年5月までの12回に分けて徴収します。

徴収した住民税は、原則として翌月10日までに自治体へ納付しなければなりません。たとえば、6月分の住民税を徴収した場合は、7月10日が納付期限です。この時、住民税均等割も所得割とあわせて徴収されるため、従業員が個別に納付手続きを行う必要はありません。

普通徴収(自分で納付)の方法

普通徴収とは、納税者本人が自治体へ直接納付する方法です。

自営業者やフリーランス、退職者などは普通徴収で納税するケースがあります。自治体から送付される納付書を使い、金融機関やコンビニ、口座振替などで納付します。

納付時期は自治体によって異なりますが、一般的には年4回に分けて納付します。納期限は6月末・8月末・10月末・翌年1月末に設定されるケースが多く、一括納付に対応している自治体もあります。

特別徴収時に抑えるべき均等割のポイント

住民税均等割は、所得割とあわせて特別徴収されます。そのため、給与計算担当者は住民税決定通知書の内容や、入退社時の取り扱いを把握しておくことが重要です。

また、税制改正や自治体ごとの課税内容によって税額が変わる場合もあるため、毎年の通知内容を確認しましょう。

住民税決定通知書の見方と均等割の確認方法

住民税決定通知書には、均等割額と所得割額がそれぞれ記載されています。

自治体によってレイアウトは異なりますが、「市町村民税均等割」「道府県民税均等割」などの項目で確認できるケースが一般的です。

また、2024年度(令和6年度)以降は森林環境税が追加されているため、均等割とは別項目で記載されている場合があります。

年の途中で入退社があった場合の取り扱い

住民税は、毎年1月1日時点の住所地をもとに課税されます。そのため、年の途中で転居した場合でも、原則としてその年度の住民税は1月1日時点の自治体へ納付します。

また、退職によって特別徴収ができなくなった場合は、退職時期によって未徴収分の住民税の取り扱いが異なります。

  • 1月1日〜4月30日の退職: 原則として、退職時の給与や退職金から未徴収分を一括徴収
  • 5月1日〜5月31日に退職: 5月分の住民税のみが残っている状態のため、通常どおり最後の給与から5月分を徴収
  • 6月1日〜12月31日の退職: 本人の希望に応じて「一括徴収」か「普通徴収への切り替え」のいずれかを選択

いずれの場合も、退職日の翌月10日までに、各自治体へ「給与所得者異動届出書」を提出する必要があります。

なお、退職者の転職先が決まっている場合は、前職の住民税の納付状況を記載した「給与所得者異動届出書」を転職先に提出することで引き続き特別徴収が継続できます。

一方、中途入社した従業員については、前職で特別徴収されていた住民税を引き継ぐケースもあります。

均等割が変わるケースと税制改正への対応

住民税均等割は定額課税ですが、自治体の上乗せ課税や税制改正によって変更される場合があります。

たとえば、2024年度(令和6年度)からは森林環境税の徴収が始まり、住民税とあわせて年間1,000円が課税されるようになりました。

また、自治体によっては防災・環境施策を目的とした独自課税を行っている場合もあります。そのため、給与計算や住民税設定を行う際は、毎年送付される住民税決定通知書や自治体の最新情報を確認しましょう。

まとめ

住民税均等割とは、所得金額にかかわらず一定額が課税される住民税の一種です。住民税は均等割と所得割で構成されており、均等割は自治体が定める非課税基準を超えた場合に課税されます。

また、均等割額は原則として定額ですが、自治体による上乗せ課税や森林環境税の導入によって、実際の負担額が異なる場合があります。

企業の給与計算担当者や労務担当者は、特別徴収の仕組みや住民税決定通知書の見方、入退社時の取り扱いなどを把握しておくことが重要です。住民税均等割の課税基準や税額は自治体によって異なるため、実際の運用時は各自治体の最新情報もあわせて確認しましょう。

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よくある質問

住民税均等割とは?

住民税均等割とは、所得金額にかかわらず一定額が課税される住民税の一種です。都道府県民税と市区町村民税で構成されており、自治体の行政サービスを支える財源として徴収されています。

詳しくは、記事内「住民税均等割とは」で解説しています。

住民税均等割の課税額は?

都道府県民税1,000円、市区町村民税3,000円、森林環境税1,000円が加算されており、合計5,000円を納める必要があります。

自治体によっては独自基準を設けている場合もあるため、住民税均等割の課税額が異なる場合があります。

詳しくは、記事内「住民税均等割の税額と計算方法」をご確認ください。

特別徴収の場合の納付期限は?

特別徴収では、会社が従業員の給与から住民税を天引きし、翌月10日までに自治体へ納付します。たとえば6月分を徴収した場合は、7月10日が納付期限です。

詳しくは、記事内「特別徴収(給与天引き)の方法」をご覧ください。

監修 北 光太郎

きた社労士事務所 代表
中小企業から上場企業まで様々な企業で労務に従事。計10年の労務経験を経て独立。独立後は労務コンサルのほか、Webメディアの記事執筆・監修を中心に人事労務に関する情報提供に注力。法人・個人問わず多くの記事執筆・監修をしながら、自身でも労務専門サイトを運営している。

北 光太郎

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