監修 好川 寛 プロゴ税理士事務所
請求書を作成する際は、請求先(買い手側)に支払いの義務が生じた日を明らかにするために、発行日を記載しておくのが望ましいといえます。
請求書に記載する発行日の決め方は、一定期間に発生した取引について一括して請求を行う「掛売方式」と、商品やサービスのやり取りごとに請求を行う「都度方式」によって異なります。
本記事では、請求書の発行日の決め方を発行のタイミングとあわせて解説し、また発行した請求書の保存義務と保存方法についても紹介します。
▶︎ 2023年10月1日からインボイス制度が開始
インボイス制度とは、2023年10月1日から導入された新しい仕入税額控除の方式で、一定の事業者に影響があります。インボイス制度について詳しく解説した記事はこちら
目次
請求書に発行日は必要?
請求書の発行日は法律によって記載を義務付けられた項目ではありませんが、記載するのが一般的であり望ましいといえます。請求書に発行日を記載しておくことで、請求先(買い手側)に支払いを行う義務(債務)が生じた時点を明確にできるためです。
代金を遅延なく適切に回収するためにも、取引の事実を示す証憑としての正確性・信頼性を高めるためにも、発行日を記載するようにしましょう。
請求書の発行日の決め方
請求書の発行日は、「あらかじめ定めた締め日」または「商品・サービスの納品が完了した日」に合わせるのが一般的で、掛売方式・都度方式のどちらで取引を行っているかによって決まります。
ふたつの取引方式
- 掛売方式:毎月、あらかじめ定めた締め日にまとめて請求を行う方式
- 都度方式:商品・サービスの納品が完了するごとに請求を行う方式
原則として、商品・サービスの提供や納品が完了する都度請求を行い、その場合はこの納品完了日を発行日とします(都度方式)。
ただし、月に複数の取引がある場合や継続的に取引を行っている場合、都度請求を行うと業務負荷が大きくなります。そこで、一定期間(基本1ヶ月)に発生した取引についてまとめて請求を行う「掛売方式」を選択することも可能となっており、この場合はあらかじめ定めた締め日を請求書の発行日とします。
掛売方式(月末締め・翌々月10日払い)で取引を行っている場合
2026年5月中の取引についての請求は
・5月29日(最終営業日)締め →請求書の発行日は5月29日
・7月10日払い
なお、請求書の受領者(買い手側)の都合によっては、決められた締め日でも納品が完了した日でもない請求書発行日が指定されることもあります。いずれのケースでも、契約時に請求の方式や締め日・支払い日などの条件を確認しましょう。
請求書を発行するタイミング
実際に請求書を発行するタイミングと請求書に記載する「発行日」は、必ずしも一致するわけではありません。
請求書の発行は基本的に、都度方式では納品と同時または納品後、掛売方式では締め日以降に行います。請求書をいつまでに発行すべきかに関しては、取引先ごとに異なります。事前に確認し、必ず指定された日までに請求書を送付するようにしましょう。
なお例外として、前払金や着手金を受領する契約を結んでいる場合などは、納品前に請求書を発行することもあります。
再発行する場合も発行日は変更しない
内容の不備や受領者による紛失などの理由で請求書を再発行する場合も、発行日は変更しないほうがよいでしょう。
請求書の発行日は単に作成日を示すものではなく、買い手側の支払い義務が確定した時点を明らかにする役割を持ちます。この発行日を変更してしまうと、紛失していた元の請求書が後から見つかった場合などに、買い手側がそれぞれを異なる取引にまつわる債務と認識して二重支払いを行ってしまいかねません。
請求書に記載する発行日は変えずに、元の請求書番号に枝番を付けるなどの工夫を行って、再発行の事実や請求書どうしの関連性を示すのが望ましいといえます。
【関連記事】
請求書番号とは?付け方・ルールから管理方法までを解説
発行後の請求書は保存義務がある
請求書は取引の事実を示す証拠(証憑)となります。請求書の発行者および受領者は、発行後の請求書を法律に定められた一定期間保存しなければなりません。
請求書の保存期間
【法人】
- 原則として、起算日(※)から7年間
(※作成日または受領日が属する事業年度終了の日の翌日から2ヶ月を経過した日) - 欠損金が生じた事業年度においては10年間
【個人事業主】
- 原則として、確定申告の種類を問わず起算日(※)から5年間
(※作成日または受領日が属する年の翌年3月15日の翌日) - 消費税の課税事業者となっている場合、仕入税額控除を受けるための適格請求書は7年間
出典:e-Gov法令検索「法人税法|第六十七条第二項」
出典:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」
出典:e-Gov法令検索「所得税法施行規則|第六十三条」
出典:国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」
発行した請求書の写し(控え)を作成した場合は、受け取った請求書と同様に保管が求められます。
なお、請求書以外にも見積書や契約書、納品書、送り状など取引に関して作成または受領した書類についても、上記の期間保存しなければなりません。
発行した請求書の保存方法
発行した請求書は、以下の方法で保存します。
発行した請求書の保存方法
- 電子的に作成した場合:電子データ(PDF)のまま保存
- 紙で作成した場合:写し(控え)を紙のまま保存、またはスキャナで読み取って電子データとして保存
コンピュータを用いて電子的に作成した請求書を電子データの形で保存する場合、また紙で作成した請求書を電子データとして保存する場合は、電子帳簿保存法が定める保存要件を満たす必要があります。
保存要件について詳しくは、別記事「電子帳簿保存法とは?対象書類や2024年改正のポイントを解説」をご参照ください。
出典:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」
インボイス制度導入による請求書発行への影響
2023年10月からのインボイス制度導入に伴い、仕入税額控除の適用を受けるには適格請求書(インボイス)の発行・保存が必須となりました。適格請求書発行事業者としての登録を受けた売り手側には、以下の対応が求められます。
インボイス制度によって売り手側に求められる対応
- 買い手側(課税事業者)からの求めに応じて、6つの必要事項を記載した適格請求書を発行する
- 発行した適格請求書の写しを、7年間(※)保存する
(※発行日が属する課税期間の最終日の翌日から2ヶ月が経過した日を起点に7年間) - 消費税の申告を行う
出典:国税庁「インボイス制度について 売手・買手の留意点」
請求書の発行日は、適格請求書に記載する義務はないものの、債務確定日を明確にするという役割をふまえ記載しておくのが望ましいといえます。
インボイス制度や適格請求書に関して詳しく知りたい方は、別記事「インボイス制度とは?概要や変更点を図解でわかりやすく解説!」をあわせてご確認ください。
まとめ
請求書を作成する際は、請求書の発行日を記載しておくことが望ましいといえます。
ひと月単位など定期的に請求・支払いを行う「掛売方式」と、商品・サービスの納品が発生するごとに請求・支払いを行う「都度方式」、それぞれで請求書発行日の決め方は異なります。買い手側の事情・要望をふまえ、双方合意のもとで請求書の発行タイミングと発行日を設定しましょう。
なお、発行した請求書の控えは、原則として法人なら7年、個人事業主の場合は5年保存する必要があります。法律で定められる保存要件をふまえた対応が求められる点も理解しておきましょう。
無料で請求書・見積書を発行したいならfreee請求書がおすすめ
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ここからはfreee請求書を利用するメリットについて紹介します。
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freee請求書を利用することで、入力漏れや計算ミスなどを未然に防ぎ、正確な書類をスピーディに作成できるようになります。
2023年10月から開始されたインボイス制度にも対応
2023年10月からインボイス制度が施行されました。インボイス制度の制度施行に伴い、インボイス制度の要件を満たした適格請求書の交付、計算方法の変更、インボイスの写しの保存義務化など請求書業務の負担が増えることが予想されています。
freee請求書では、金額を入力するだけでインボイスの計算方法で自動計算し、適格請求書の項目も満たした請求書を作成・発行することが可能です。
また、作成した請求書は電子保存されるため、インボイスの写しの保存義務化にも対応できます。
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請求書や見積書の作成から管理までを効率化できるfreee請求書の使い方は動画でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。ぜひ参考にしてみてください。
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具体的に、freeeの無料テンプレート集でダウンロードできる書類には以下のようなものがあります。
<会計>
・請求書(インボイス制度対応)
・発注書
・納品書
・領収書
<人事労務>
・内定通知書
・在籍証明書
・顛末書 など
freeeの無料テンプレート集では、上記のほかにも無料でダウンロードできる書類を準備中です。ぜひこちらもご活用ください。
よくある質問
請求書の発行日はいつですか?
請求書の発行日は、実際に請求書が作成された日付ではなく、「掛売方式」であれば決められた締め日、「都度方式」であれば納品が完了した日に合わせるケースが一般的です。
詳しくは記事内「請求書の発行日の決め方」をご覧ください。
請求書を再発行する場合、発行日は変更する?
請求書を再発行する場合、発行日は変更しないのが一般的です。
詳しくは、記事内「再発行する場合も発行日は変更しない」で解説しています。
請求日と締め日の違いはなんですか?
請求日は請求書を発行する日、締め日は取引先が定める請求期間の最終日を指します。締め日が請求書の発行日になるケースが一般的です。
監修 好川 寛(よしかわひろし)
プロゴ税理士事務所。元国税調査官。国税(調査・相談2万件・審判実務)×民間(事業会社実務・PdM)の複眼的な視点が強み。クリエイター/IT・SaaS等の現代的ビジネス、海外取引・非居住者税務に明るい。
