請求書の基礎知識

請求書に印鑑は必要?法律やビジネスマナーの面から請求書と印鑑の関係を解説

最終更新日:2022/06/09

請求書はビジネス文書として欠かせないものですが、印鑑との関係が複雑で、「請求書に印鑑を押す必要はあるのか?」「訂正印はどのように押せばいいのか?」など、わかりにくいことが多くあります。

この記事では、請求書への押印の必要性を法律やビジネスマナーの面から解説します。また、具体的な押印方法やオンラインでのやりとりで使用する電子印鑑についてもまとめました。

目次

請求書に印鑑を押すのは義務?

請求書に印鑑は必要?法律やビジネスマナーの面から請求書と印鑑の関係を解説

まず知っておいていただきたい点として、請求書には厳密な形式や記載事項が定められていません。法的には請求書を送らずに口頭で依頼しても、その依頼自体は有効とみなされます。

しかし、請求書を発行しないと「言った」「言わない」といったトラブルが起きた場合や税務調査の際に、正しい取引があったことを証明することが難しくなってしまいます。請求書を発行することでこれらのトラブルを未然に回避することができるのです。

したがって、企業間の取引では請求書を作成して送付することは望ましいが、請求書そのものは法的にはなくても構いません。もちろん、請求書への印鑑の押印も不要です。

請求書の基礎知識や記載項目について詳しく知りたい方は「請求書の書き方完全ガイド!請求書の作り方、記載すべき事項、請求書のやりとりの流れを紹介します」をご参照ください。

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請求書に印鑑は必要?

請求書に印鑑を押す行為自体は義務ではありません。しかし、請求書に印鑑が押されていることで、その請求書が本当にその会社から発行されたものであることを証明する手段になります。

実際に印鑑が押されている請求書を偽造することは、印鑑が押されていない請求書を偽造するよりも困難であり、抑止力として機能する可能性があります。

近年、新型コロナウイルスの感染防止への取り組みなどによるリモートワークでの業務需要の増加や、地方公共団体における押印見直しの影響により、請求書への印鑑の使用は徐々に減少していますが、ビジネス習慣の面でも日本はまだまだ印鑑文化が強く、印鑑のない請求書は受け付けないという会社や役所もあります。

法的には問題なくても、取引先の社内規定で印鑑が必要な場合は、その規定に従うことが必要です。

請求書に使用する印鑑の種類

会社には基本的に実印(丸印)、銀行印、角印の3種類の印鑑があります。ここでは、会社の印鑑の3点セットと呼ばれる「実印」「銀行印」「角印」のそれぞれの役割と、請求書に押すべき印鑑について解説します。


会社印の種類一覧

実印

実印は会社の登記時に利用する印鑑で、法人は本店所在地の法務局に届出し、印鑑登録を行います。契約書類など会社が正式に作成した文書に押されることが多く、代表印とも呼ばれます。

実印・丸印(じついん・まるいん)とは、会社の登記に使用する印鑑で、法人は本店所在地の法務局に届出を行い、印鑑登録します。代表印とも呼ばれ、契約書類など会社が正式に作成した大きな取引や重要な文書に押されることが多い印鑑です。

最も重要な印鑑であるため、会社設立時は験担ぎも兼ねて、複雑で真似しにくい細かい印影やデザインにする会社が多いです。

銀行印

銀行印(ぎんこういん)とは、その名の通り、銀行口座を開設する際に使用する印鑑のことです。実印(丸印)と同じ印鑑を使うこともできますが、摩擦による消耗や紛失のリスクを減らすために実印と分けるのが一般的です。

また、特に決まりはありませんが、他の印鑑と区別するため、大きさは認印(みとめいん)よりも大きく、実印より小さめに作られることが一般的です。これは、重要な印鑑ほど大きく作るという長年の習慣があるためです。

角印

角印(かくいん)とは、印影が四角い印鑑のことです。角印には「会社名や屋号が彫られており、請求書や見積書などによく使われる印鑑です。

読みやすく見やすいように四角い形をしていることが多く、届け出が必要なものではありませんが、企業が書類に押す印鑑として一般的に使用されています。

この3つの印鑑は、法人設立や開業時に使用されることが多いため、会社の印鑑の3点セットとして販売されることが多い印鑑です。

個人事業主やフリーランスは認印でも大丈夫?

個人事業主やフリーランスの場合、法人のような角印の使用マナーにこだわる必要はありません。実印を使用する必要もなく、請求書や見積書への押印も通常の認印(みとめいん)で問題ありません。

ただし屋号などがある場合は、ブランドや信頼感を高めるために専用に印鑑を作成してもよいでしょう。

請求書の押印方法

請求書に印鑑を押す場合の位置や注意点についてみていきましょう。

印鑑を押す位置

捺印欄がある場合はその位置の中央に押印します。捺印欄がない場合は、社名や住所が記載されている箇所の右側に押印するのが一般的です。

印影のコピーや請求書自体の偽造を防ぐため、印鑑は印字された文字を部分的に覆うように押印します。これは、社名と印鑑がセットであることも意味します。

freee会計では印鑑データが適切な位置に挿入されるので、迷うことなく請求書を作成できます。


押印時の注意点

認印や一般的な印鑑にも言えることですが、捺印の際、印影が不鮮明であったり、部分的に欠けていたりしてはいけません。

押印時は、しっかりと紙に対して垂直に印鑑を立てて捺印し、位置をずらさないように注意しながら印鑑の角全体が紙に押し当たるようにし、力を加えます。離す時も垂直にゆっくりと離します。

力が弱すぎると印影が薄くなってしまいますし、強すぎると紙や押した箇所にシワが残ることがあるので、力加減には注意が必要です。

きれいに印影が残るように押印して請求書を送付するようにしましょう。

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請求書に訂正印は使ってもいい?

一般的な書類では二重線を引き、その上に訂正印を押しますが、請求書の場合は訂正印などによる訂正や修正は行いません。その理由は、請求書を発行する際に、代表者などの承認を得る会社もあり、請求書は会社の顔であると捉える人が多いからです。

請求書に訂正や修正が必要な場合には、請求書を一度破棄し、新たに請求書を発行するようにしましょう。

オンラインのやりとりでは電子印鑑も有効

メールなどのオンラインで請求書をやり取りする場合、まず一度請求書を印刷して押印します。さらにその請求書をスキャンする必要があるため、作成に工数がかかります。また、スキャナーで読み込むと元のデータより画質が落ちてしまいます。

最近では請求書をPDFなどのデータで受領する企業も増えています。オンラインで請求書をやり取りする場合には、電子印鑑の利用がおすすめです。

電子印鑑とは、パソコンでPDFファイルなどに電子的に捺印できる印鑑データのことで、印刷やスキャンの手間がかかりません。

単純に印鑑の印影を画像として取り込んでファイルに貼り付けるだけのものもありますが、印鑑の発行元や誰に押されたものかなどの識別情報を含む高機能な印鑑もあります。

特に2022年現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、実文書のやり取りや、印鑑を押しに出勤(移動)したりすることは避けられる傾向にあります。そのため、最近では多くの企業で電子印鑑は比較的スムーズに認められるようになっています。

取引先に確認し、可能であれば電子印鑑の利用を認めてもらいましょう。

電子印鑑の作り方

電子印鑑の作り方には主に3つの方法があります。

  1. 実際の印影から作成する
  2. Excelで作成する
  3. 無料ソフトやオンラインツールを使って作成する

実際の印影から作成する

1. 真っ白な紙に印鑑を押す
真っ白な紙を用意し、はっきりと印影が残るように電子印鑑の元となる実際の印鑑を押します。

2. 画像をデータ化する
印鑑を押した紙に撮影者の影が入らないように注意し、スマホのカメラやデジカメで撮影し、パソコンに取り込みます。

取り込みの際には、画質が低いと改ざんリスクが高くなるため、高解像度で取り込むようにします。

3. 画像データをExcelに挿入する
Excelを新規で開き、「挿入」タブの「画像」から「画像をファイルから挿入」をクリックし、作成した画像データを選択します。

4. 挿入した画像を編集する
Excelに挿入した画像を編集します。画像の余白や影を丁寧に削除し、背景を透過させ、画像サイズを編集します。

画像の編集が終わったら画像を保存して電子印鑑の作成は完了です。

Excelで作成する

1. Excelに電子印鑑の縁になる図を挿入
Excelを新規で開き、「挿入」から「図」を選択します。作りたい電子印鑑の形に合わせて「円形」や「角丸四角形」などを「枠線あり」、「塗りつぶしなし」で挿入します。

2. 図の中心に会社名や苗字を入力
挿入した図の中心に位置するように、会社名や名字を入力します。

3. 図を調整する
図の配置と文字の入力ができたら、図の枠の太さ、文字サイズ、文字の太さを実際の印鑑のサイズを参考にして、調整します。

調整が完了したら保存して、Excelによる電子印鑑の作成は完了です。

無料ソフトやオンラインツールを使って作成する

電子印鑑を作成するにはExcelや画像編集ソフトを使った作成方法の他に、無料ソフトやオンラインツールを使っても作成できます。

有料の電子印鑑作成ツールはコストがかかりますが、自作や無料フリーソフトと比べるとセキュリティが高いものも多く、捺印者の識別情報を印鑑に付与できるものもあり、電子印鑑の改ざんのリスクを軽減できます。

請求書でも、取引先の許可さえあれば電子印鑑を使用しても問題ないでしょう。

まとめ

請求書に印鑑を押印するのは、法律上は必須ではありませんが、ビジネスマナーの観点から企業間の取引をスムーズに行うために必要な場合が多くあります。

テレワーク推進や取引の証明の観点からも、電子印鑑の導入も検討しましょう。

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ここからはfreee請求書を利用するメリットについて紹介します。

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またフォームに沿って入力した内容がリアルタイムで書類上に反映されるため、プレビューを見ながら簡単に書類を作成できます。入力が必要な項目はあらかじめ設定されており、消費税(内税・外税)や源泉税なども自動計算されます。

freee請求書を利用することで、入力漏れや計算ミスなどを未然に防ぎ、正確な書類をスピーディに作成できるようになります。


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2023年10月からインボイス制度が施行されました。インボイス制度の制度施行に伴い、インボイス制度の要件を満たした適格請求書の交付、計算方法の変更、インボイスの写しの保存義務化など請求書業務の負担が増えることが予想されています。

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