監修 好川寛 プロゴ税理士事務所
請求書を受領者が紛失した場合や記載内容に誤りがあった場合には、再発行が可能です。ただし、記載内容やコミュニケーション上の注意点を押さえて対応することが求められます。
今回は、請求書の再発行が必要になった際の対応方法・書き方と注意点を解説します。
目次
請求書は再発行してもよい
請求書を受領者が紛失した場合や、内容に誤りがあった場合などには、請求書を再発行しても問題ありません。取引の事実を示す証拠(証憑)が正しく買い手側のもとで保存され、支払いが滞りなく行われるよう、再発行の必要が生じたときは迅速に対応しましょう。
請求書の再発行の流れ
- 再発行が必要となった請求書の記載内容を確認する
- 必要に応じて記載項目を修正して再発行を行い、再発行された請求書である旨を示す
- 再発行した請求書を改めて送付する
なお、インボイス制度下では、適格請求書発行事業者が交付した適格請求書の記載事項に誤りがあった場合、売り手は買い手に対して修正した適格請求書を交付する義務があります。
再発行時の請求書の書き方
請求書を再発行するにあたっての各項目の書き方において、とくに注意すべき以下の3点について解説します。
請求書を再発行する際に注意が必要な項目
- 発行日
- 請求書番号
- 支払期日
その他の項目については、契約内容や取引の進捗などに照らして記載内容に誤りがないかを確認し、抜け漏れなく修正を行いましょう。
発行日の扱い
請求書の発行日は、基本的には再発行する場合でも当初の日付をそのまま使用します。
請求書の発行日は単に作成日を示すものではなく、買い手側の支払い義務が確定した時点を明らかにする役割を持つためです。発行日を変更すると、たとえば紛失していた元の請求書が見つかった場合に「買い手側がそれぞれを異なる取引にまつわる請求書であると誤認して二重に支払いを行ってしまう」などのリスクがあります。
請求書番号の扱い
請求書を再発行する場合の請求書番号は、枝番(補助的な番号)を用いて元の番号との関連性がわかるように付けるのが有効です。たとえば請求書番号「〇〇〇〇」の請求書を再発行する場合、新たな請求書の番号を「〇〇〇〇-1」や「〇〇〇〇-R」などとします。
万が一、もう一度再発行が必要になった場合も「〇〇〇〇-2」や「〇〇〇〇-R2」などと枝番を更新することで修正の履歴や最新版の所在を明らかにできます。
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支払期日の扱い
請求書を再発行する場合、基本的には支払期日は当初の日付のまま記載します。請求書発行日(請求日)の時点で買い手側の支払い義務は確定しており、再発行によって契約に定めた支払いサイト(代金を支払うまでの期間)が変わるわけではないためです。
ただし、再発行時点で支払期日が過ぎている場合や契約書に延滞利息・遅延損害金についての記載がある場合などは、契約内容や各ケース・事情に応じた対応が必要となる可能性があります。対応に悩んだら、弁護士などの専門家に相談しましょう。
請求書を再発行する際の注意点
請求書を再発行する場合、各記載項目の書き方以外に以下の点にも注意が必要です。
請求書を再発行する際の注意点
- 二重請求などのトラブルを予防する
- 買い手側とコミュニケーションを十分にとる
元の請求書をそのまま再印刷したり、不備があった項目の修正のみを行って再送したりすると、元の請求書と再発行分が混同されて請求・支払いが重複してしまうなどのトラブルにつながりかねません。請求トラブルを未然に防ぐために、「再発行」印を押す・備考欄に記載するなど、再発行された請求書である旨を明示するようにしましょう。
また、請求にまつわるやりとりは取引先との信頼関係に直結するものです。再発行の必要が生じた際は、修正箇所について双方で確認のうえ迅速に対応しましょう。加えて、発行者(売り手側)のミスによって請求書を再発行する場合は、謝罪や今後の対応について伝える・郵送の際に詫び状を添付するなどの配慮が求められます。
まとめ
請求書の紛失や不備があった場合は再発行を行っても問題ありませんが、二重請求などのトラブルにつながらないよう注意して対応する必要があります。
基本的には発行日・支払期日は変更せず、請求書番号を当初の番号と関連づけて設定することで元の請求書との関連を示し、さらに「再発行」印を用いて再発行された請求書であることを明示するなど、ポイントを押さえて対応を行いましょう。
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インボイス制度とは、2023年10月1日から導入された新しい仕入税額控除の方式で、一定の事業者に影響があります。インボイス制度について詳しく解説した記事はこちら
よくある質問
請求書の発行し直しは可能?
請求書の発行し直し(再発行)は可能です。ただし、再発行された請求書である旨や元の請求書との関連性を示すことが求められます。
対応の流れは記事内「請求書は再発行してもよい」で、具体的な書き方は記事内「再発行時の請求書の書き方」で詳しく解説しています。
請求書を再発行するとき、枝番は付けるべき?
請求書を再発行するときは、元の請求書との関連性がわかるよう当初の請求書番号に枝番を付けて記載するのが望ましいでしょう。
詳しくは、記事内「請求書番号の扱い」で解説しています。
監修 好川寛(よしかわひろし)
元国税調査官。国税局では税務相談室・不服審判所等で審理事務を中心に担当。その後、大手YouTuber事務所のトップクリエイターの税務支援、IT企業で税務ソフトウェアの開発に携わる異色の税理士です。
