請求書の基礎知識

マイナス表記や値引きがあった場合の請求書の書き方とは?

監修 税理士・CFP® 宮川真一 税理士法人みらいサクセスパートナーズ

マイナス表記や値引きがあった場合の請求書の書き方とは?

取引で値引きなどを行う場合、マイナス伝票を作成する必要があります。その際は、請求書にマイナス表記を用いて、値引きなどを行ったことを明確にしなければなりません。また、インボイス制度下でマイナス伝票を発行する場合、売り手は買い手に対して適格返還請求書を交付する必要があります。

本記事では、マイナス伝票を作成しなければならない場合のインボイス以外の請求書でマイナス表記を書くケース、マイナス処理を行うときの注意点を詳しく解説します。

目次

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請求書でマイナス伝票が出た場合、項目はどうする?

請求書でマイナス表記の項目がある場合は、「なぜマイナスになっているのか」がわかる文言を請求書に記載しましょう。この時、記載ルールや、書かなければならない項目があるわけではありません。該当の項目がマイナスであることが分かるように、請求書には「◯◯代より値引き」「◯◯のため値引き」という表記をすることが一般的です。

ただし、2023年10月より始まったインボイス制度下では、商品の返品や値引きなどによって対価を返還する場合、売り手は買い手に対して適格返還請求書を交付しなくてはなりません。適格返還請求書に記載する項目や交付しなければならないケースなど、詳しくは別記事「適格返還請求書とは?記載事項や保存期間、適格請求書と1つにまとめる方法を解説」をご覧ください。

本記事では、適格請求書以外の請求書で生じたマイナス伝票について、書き方などを解説します。

マイナス伝票の表記の仕方

請求書の項目にマイナスが生じた場合、前述のとおり「なぜマイナスになっているのか」の文言を明記した上で、下記のように記載しましょう。

請求書でのマイナスの記載方法

  • マイナス記号(-)を用いてマイナスの金額を記載
  • 三角形(△または▲)を用いてマイナスの金額を記載
  • マイナスの数字を赤字にして(¥5,500)のようにくくる

請求書にマイナス表記を書くケース

請求書にマイナス表記を書くケースは、主に次の3つです。

請求書にマイナス表記を書く3つのケース

  • 大量購入などによる売上割戻
  • 交渉などによる値引き
  • 返品などによる返金

大量購入などによる売上割戻

売上割戻とは、大量購入やセット購入で価格が安くなることをいいます。他にも「リベート」、「キックバック」、「ボリュームディスカウント」など売上割戻の言い方はさまざまです。

売上割戻では、請求書に契約時の販売価格から安くなった金額をマイナス表記して計上します。

交渉などによる値引き

販売した商品に欠陥がありクレームになった場合や、取引先から端数を値引いてほしいなどの交渉を受けた場合に、値引きを行うことがあります。

これらのケースでは、契約時の金額と実際の販売価格に差異が出ないよう、請求書に契約時の販売価格から値引きした金額をマイナス表記で記載します。

返品などによる返金

返品による返金の義務が発生した場合、実際に返金をするのではなく、次回の取引の請求金額から減額するケースがあります。この場合も、マイナス表記で記載します。

たとえば、同一顧客で返品によって10万円の返金義務が発生したとします。しかし、すぐに新たな取引で100万円の発注を受けたため、返金分の10万円を減額して90万円を請求することにしました。この場合、10万円をマイナス表記で記載して請求書を発行します。

マイナス伝票を作成するときの注意点

請求書でマイナス表記を用いる際の注意点は、以下の2つです。

マイナス伝票を作成する際の注意点

  • 消費税の計算タイミングに注意する
  • 金額にカンマを付ける

消費税の計算タイミングに注意する

マイナスを請求書で用いるときの注意点として、消費税の税込みをしたタイミングか、もしくは消費税を入れる前か、どのタイミングで値引きをして請求書に記載するかという問題があります。取引先とあらかじめ取り決めておきましょう。

なお、消費税より前にマイナスの計算をしておく方が、税抜価格の算出や端数の計算の手間が省けるというメリットがあります。

金額にカンマを付ける

請求書の金額にはカンマを付けましょう。カンマを付けると、金額がわかりやすくなるだけではなく、桁数を増やす・減らすなどの改ざん防止につながります。

また、カンマを付ける以外に、金額の頭に「¥」を付けたり末尾に「-」を付けたりするのも改ざん防止に役立ちます。

なお、意味合いは同じであることから「¥」と「円」どちらを使用しても問題ありませんが、△表示(マイナス表記)がある場合には「円」を用いたほうがよいでしょう。「¥」「△」がどちらも金額の頭に付ける記号であることから、2つを同時に使用することでわかりづらくなる恐れがあるためです。

まとめ

売上割戻や値引き、返金が生じた場合は請求書にマイナス表記をして作成します。書き方に決まりがあるわけではないので、取引先が確認したときになぜマイナスになっているのかわかるようにしましょう。

本記事のマイナス伝票作成の注意点も参考にしながら、取引先が確認しやすいものを作成してください。

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よくある質問

請求書のマイナス表記の書き方は?

請求書にマイナス表記を書く場合は、マイナス記号(-)や三角形(△)、三角形を塗りつぶしたもの(▲)などを使います。

詳しくは記事内「マイナス伝票の表記の仕方」をご覧ください。

請求書にマイナス表記が発生するケースは?

マイナス表記が発生するケースは、売上割戻や値引き、返金などが考えられます。

詳しくは記事内「請求書にマイナス表記を書くケース」をご覧ください。

監修 宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは25年以上に及ぶ。現在は、税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表としてコンサルティング、税務対応を担当。また、事業会社の財務経理を担当し、複数企業の取締役・監査役にも従事。

税理士・CFP® 宮川真一

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