監修 好川 寛 プロゴ税理士事務所
請求書は「信書」に該当する書類であり、取引先に送付するにあたっては法律で定められた方法に則って差し出す必要があります。
今回は、請求書の送付に関するルールや注意点などの基礎知識を解説します。
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目次
請求書は「信書」の扱いになるのか
郵便法や信書便法の規定では、特定の受け取り人に対して差し出し人の意思表示または事実の通知を行う文書を「信書」と定義し、その送付手段として利用できるサービスが限定されています。
請求書は信書に該当し、宅配便やメール便などの配送サービスを利用して送付することは認められません。請求書の郵送に利用できるのは定形郵便物・定形外郵便物・レターパックなどの郵便サービスか、総務省の許可を受けた事業者による信書便サービスのみです。
信書の送付に利用できないサービス・できるサービス
【信書の送付に利用できないサービス】
- ゆうパック
- ゆうメール
- ゆうパケット
- クリックポスト
出典:郵便局「信書の送付について」
【信書の送付に利用できるサービス】
- 上記以外の、日本郵便による郵便サービス
- 総務省の許可を受けた運送会社による信書便サービス
出典:郵便局「Q.信書を送ることができるのはどのようなサービスですか?」
出典:総務省「信書便制度について」
請求書が信書として扱われるのは、特定の受取人、つまり取引先(買い手側)に対して、差出人である売り手側が請求の事実や支払いを求める意思を示す書類であるためです。
なお、信書の送付方法の定めに違反すると、郵便法で定められた罰則の適用対象となる可能性があります。
出典:e-Gov法令検索「郵便法 第四条」
出典:e-Gov法令検索「民間事業者による信書の送達に関する法律 第二条」
出典:総務省「信書の送達についてのお願い」
その他の取引関係書類は信書の扱いになる?
請求書以外の取引関係書類に関しても、納品書・領収書・見積書などは信書に該当するとされています。郵便局による区分や「特定の受け取り人に対して差し出し人の意思表示または事実の通知を行う文書」という定義に照らし、該当書類は所定の郵便サービスまたは信書便サービスで送りましょう。
郵便法の罰則はどういうものがある?
請求書をはじめとした信書を宅急便など指定外のサービスで送った場合、郵便法第4条違反として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
請求書や、その他の主な取引関係書類は信書に該当することをふまえ、適切な方法で送付しましょう。その他の書類で信書に該当するかが不明な場合は、郵便局や総務省による区分を参照するか、総務省の信書相談窓口に問い合わせるのが望ましいといえます。
また郵便法の定める罰則が適用されなくとも、誤った方法での送付によって、コンプライアンス違反として取引先からの信用を失うことにもつながりかねないため注意が必要です。
出典:総務省「信書の送達についてのお願い」
出典:e-Gov法令検索「郵便法 第七十六条」
郵便以外で請求書を送る手段はないのか
郵便以外に信書である請求書を送る手段としては、総務省の許可を受けた一部の運送業者による信書便サービスが挙げられます。利用を検討してみてもよいでしょう。
なお郵便で送る場合でも、ゆうパックやゆうメールなどでは信書を送ることはできません。この点に関しても気をつけておきたいところです。
また請求書を電子化すれば、メールや請求書発行システムなどを通じて送付することもできます。ただし、電子データでやりとりした請求書の保存に際しては、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があるため注意しましょう。
【関連記事】
請求書をペーパーレス化・電子化するメリットとは?作成・送付時の注意点についても解説
電子帳簿保存法とは?対象書類や2024年改正のポイントを解説
まとめ
請求書は信書に該当し、送付する際は特定の郵便サービスまたは総務省の許可を受けた事業者による信書便サービスを利用しなければなりません。
宅配便などを利用して取引先へ送ることは認められず、郵便法違反として罰則が科される可能性があります。またコンプライアンス違反として、取引先からの信用に傷をつけることにもなりかねません。
請求書を送付する際は適切なサービスを利用するようにしましょう。
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よくある質問
請求書は信書ですか?
請求書は、特定の受取人( = 買い手側)に対して差出人( = 売り手側)が支払いを求める意思や請求の事実を示す書類であるという性質上、信書の扱いとなります。
詳しくは、記事内「請求書は「信書」の扱いになるのか」をご確認ください。
信書扱いになるものは何ですか?
請求書に類する取引関連書類では、見積書・契約書・納品書などが信書に該当します。
詳しくは、記事内「その他の取引関係書類は信書の扱いになる?」で解説しています。
監修 好川 寛(よしかわひろし)
プロゴ税理士事務所。元国税調査官。国税(調査・相談2万件・審判実務)×民間(事業会社実務・PdM)の複眼的な視点が強み。クリエイター/IT・SaaS等の現代的ビジネス、海外取引・非居住者税務に明るい。
