最終更新日:2022/05/24

取引が発生した際に送る請求書には、ビジネスマナーとして送付状の同封が必要です。送付物のミスを減らし、取引相手とのコミュニケーションをスムーズに行うためにも、送付状の正しい書き方を覚えましょう。
この記事では、請求書に同封する送付状の正しい書き方や、注意点について解説します。
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目次
請求書に添付する送付状とは
送付状とは、郵便やFAXを送る際に添える文書で、挨拶や送付する書類の内容を記載したものです。ほかにも挨拶状・カバーレター・添え状とも呼ばれます。
送付状は取引先に業務報酬や交通費などを請求するための「請求書」を送付する際にも同封します。請求書などの書類を受け取る取引先の担当者は、日々送られてくる多くの書類をチェックします。送付状が同封されていなかったり、送付状の内容に不備があったりすると、取引先からの自社に対する印象が悪くなる可能性があります。
請求書の書き方や送付方法を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】
請求書の書き方完全ガイド!請求書の作り方、記載すべき事項、請求書のやりとりの流れを紹介します
請求書に送付状が必要な理由
請求書に送付状が必要な理由の一つは、添付することで、請求書発行のプロセスで起こりうるミスを防ぐことができるためです。たとえば、請求書の送付数が少なすぎる(または多すぎる)場合や請求書の送付先を間違えてしまった場合、請求書や送付書類の補足説明やメッセージを付けたい場合は、送付状にその内容を記載することで認識の違いを未然に防ぐことができます。
請求書の受け渡しは、本来であれば取引先を直接訪問し挨拶やお礼をした後、請求書を手渡し支払いをお願いするのが理想ですが、現実的には直接取引先に出向き請求書を渡すことは難しいでしょう。そのため、請求書の受け渡しは、一般的に郵送やメールで行われます。
請求書を送った後に担当者へ電話やメールで報告をするのと同様に、挨拶や宛先、書類内容などを記した送付状を同封することで、取引先に「この会社はビジネスマナーが良い」という印象を与えられ、会社の信用度も上がります。
請求書に添付する送付状の書き方
請求書と同様に、送付状には法的なフォーマットなどはありませんが、ビジネスマナーとして、請求書に添付する送付状に書くべき項目について解説します。

1. 送付日
送付状の用紙の右上に「送付日」を右揃えで記載します。記載する日付は発送予定日、もしくは記入日を記載します。
記載する日付は、西暦・和暦どちらでも構いませんが、請求書や同封書類の表記と一致させてください。
2. 宛先
送付状の用紙の左上に宛先を記載します。宛先には「郵便番号 + 住所 + 会社名 + 部署名 + 担当者名」を記載します。簡略化した記載の場合には「会社名 + 部署名 + 担当者名」を記載するのが一般的です。会社名・部署名・担当者名の間で改行しましょう。
事前に取引先に確認した情報をもとに、間違いのないように注意しながら、正式名称で宛先を記載します。
【関連記事】
請求書の宛名の正しい書き方とは?「御中」と「様」の使い方や宛名に関する注意点を解説
3. 送信者の社名、部署名、担当者名、連絡先
送付状の用紙の右上、日付の下、取引先の宛先より下に「送信者の社名・部署名・担当者名・連絡先」を右揃えでそれぞれ改行して記載します。
会社の住所、電話番号、FAX、Eメールなどの連絡手段も記載し、送付した書類について取引先が問い合わせできるようにします。
4. 挨拶文
送付状の構成は「前文」、「主文」、「末文」の三部構成です。
<前文>
主に挨拶の部分です。見慣れた文章かもしれませんが、「平素は格別のご厚情を賜り御礼申し上げます」などの日頃からの感謝の意を伝える文章にします。また、時候の挨拶は入れなくても構いません。
<主文>
請求内容に言及した文章で構成します。たとえば、「この度の納品に関しまして、ご請求申し上げます。よろしくお願いいたします」といった文章です。
<末文>
末文は結びの挨拶と結語で構成します。取引先へのマナーを考え、今後の取引をスムーズに進行できるよう文章を整えます。「今後とも何卒宜しくお願い申し上げます」というフレーズが一般的です。
頭語と結語
頭語とは、手紙の最初に書かれる「こんにちは」にあたる言葉です。結語とは、手紙の最後に書かれる「さようなら」にあたる言葉です。請求書などのビジネス文書で使われる頭語は「拝啓」、結語は「敬具」が一般的です。
以下はビジネス⽂書でよく使⽤する頭語と結語です。文書によって使い分けるので覚えておきましょう。
ビジネス文書でよく使用する頭語と結語
- ⼀般的な⽂書の場合:頭語「拝啓」、結語「敬具」
- 前⽂を省略する⽂書の場合:頭語「前略」、結語「草々」
- 祝い状・詫び状などかしこまった内容の場合:頭語「謹啓」、結語「謹⾔」
5. 書類の内容と送付枚数
送付した書類が何の文書か、何枚あるかなど、書類の内容を書くときは「記書き」と呼ばれる「記」と「以上」を使用します。これによって、送付する書類の内容を明確に示すことができます。
行の中心に「記」と書き、下を1行空けます。そして、書類の内容を箇条書きで列挙し、最後に「以上」で締めくくります。
書類の内容を書く位置は、左右に寄りすぎないように調整します。
請求書と送付状の送り方
請求書と送付状の送り方には、郵便・FAX・メールの3種類があります。それぞれの送付方法について解説していきます。
郵便で送る場合
請求書と送付状を郵便で送る場合は、以下のポイントに注意しましょう。
一般的にA4サイズ1枚で作成する
定められた形式はありませんが、送付状の用紙サイズは基本的に他の書類に合わせます。A4サイズ1枚が⼀般的です。
送付状は1枚目にくるようにする
取引先が封筒を開けたときに最初に送付状が確認できるよう、請求書の上に送付状を重ねて封筒に入れます。
書類に合わせた封筒を使用する
三つ折りの場合の一般的な封筒サイズは⻑形3号です。印刷されている⾯を内側にし、下、上の順で、請求書と送付状を重ねて三つ折りにします。書類を折らない場合は、クリアファイルにいれてA4サイズが丁度入る⾓形2号の封筒に入れます。
封筒の表に請求書在中と記載する
請求書を入れる封筒が縦型であれば、一般的には表⾯の左下に、横型であれば表⾯の下、または右下に青字で「請求書在中」と記載します。
【関連記事】
請求書を送る封筒に「請求書在中」の記載は必要?封筒の書き方や記載位置について解説
請求書は宅配便で送らないこと
請求書は信書に分類されるため、宅配便などダイレクトメール便などで送ってはいけません。
信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法及び信書便法で規定されています。信書の送付が認められているのは、特定信書便事業または一般信書便事業として認可を受けた事業者だけですので、一般的な宅配便などダイレクトメール便は該当しません。
請求書などの信書を送る際には、日本郵便の定形郵便、定形外郵便、レターパック、EMSや佐川急便の飛脚特定信書便などを利用して送付します。
郵便費用を確認する
請求書と送付状を入れた封筒を送るのに必要な切手は、請求書と送付状の2枚だけなら84円切手で足ります(2022年4月時点)。請求書が複数枚になり重量がある場合は、重さに適した切手を貼ってから投函します。重量・切手の金額は郵便局のホームページから確認できます。正確な重量が不明な場合は郵便局の窓口で確認してもらいましょう。
FAXで送る場合
請求書は取引先の了承を得ていればFAXで送っても構いません。ただしFAXは紛失しやすいので、取引先が急ぎで希望した場合や、外出時などでメールでも送れない場合のみとした方がよいでしょう。
また、請求書をFAXで送付する場合も、後日原本の請求書は郵送した方が望ましいでしょう。その場合は手書きでも構わないので、その旨を郵送時の送り状に記載しておきましょう。
メールで送る場合
請求書をメールで送る場合、送付状の内容と同様の文章をメール本文に記載します。送付状としてファイルを別に用意する必要はありません。
請求書は改ざんのリスクを軽減するために、ワードなどの変更できる形式ではなく、PDFで送ります。また、郵送の場合よりも宛先のミスが起こりやすいので、CC含めて注意する必要があります。
【関連記事】
請求書をメールで送る際の基礎知識と注意点
まとめ
請求書に送付状を添付するのはビジネスマナーです。送付状は取引先が内容を確認する際にも役⽴ち、トラブルの回避にもつながります。
送付状を作成する際は、宛先や記載内容に間違いがないかをしっかりと確認した上で、請求書と一緒に送付しましょう。
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