請求書の基礎知識

個人事業主・フリーランスの請求書の書き方は?インボイス対応・一般的な記載項目をわかりやすく解説

監修 好川 寛 プロゴ税理士事務所

個人事業主・フリーランスの請求書の書き方は?インボイス対応・一般的な記載項目をわかりやすく解説

個人事業主やフリーランスが発行する請求書の書き方は、インボイス(適格請求書)発行事業者かどうかによって異なります。インボイス登録をしている場合は法的に定められた6つの記載事項を満たさなければ適格請求書として認められません。

一方、インボイス未登録の免税事業者が発行する一般的な請求書には法律上の記載義務はありませんが、取引先の経理処理をスムーズにするために慣例的に記載される項目があります。

また2024年11月施行のフリーランス新法では支払期日のルールも変わっており、制度対応の漏れは取引先に再発行を求められる原因になります。

本記事では、インボイス制度への対応・一般的な請求書の記載項目・発行時の注意点について解説します。

目次

インボイス制度対応!適格請求書を無料ですぐ作成

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インボイス制度や電子帳簿保存法の法令にも対応済みなので、安心してご利用ください! 請求書以外にも、見積書や納品書なども作成可能です。

インボイス登録の有無で変わる請求書の書き方

2023年10月のインボイス制度開始以降、個人事業主・フリーランスが発行する請求書の書き方は、適格請求書発行事業者に登録しているかどうかによって異なります。

取引先が仕入税額控除を受けるにはインボイスの保存が必要なため、未登録のまま取引を続けると取引先の税負担が増えるリスクがあります。自身の登録状況と取引先への影響を把握したうえで対応を検討しましょう。

インボイス(適格請求書)とは

インボイス(適格請求書)とは、正確な適用税率や消費税額等を記載した請求書です。インボイス制度では、買い手は適格請求書発行事業者から交付されたインボイスを保存することで、消費税の仕入税額控除を受けられます。

インボイスを発行できるのは、事前に税務署へ登録申請を行い「適格請求書発行事業者」となった課税事業者のみです。免税事業者はインボイスを発行できません。


【関連記事】
インボイス制度とは?概要や変更点を図解でわかりやすく解説!

インボイスとして認められるための必須項目

発行した請求書がインボイスとして認められるには、以下の6つの記載事項が法律上必要です。


項目内容
①書類の交付を受ける事業者の氏名または名称取引先(買い手)の名称
②適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号登録番号はT+13桁の数字
③取引年月日実際に商品を提供した日・サービスを完了した日
④取引内容(軽減税率の対象品目である旨)軽減税率対象品目がある場合は明記
⑤税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)および適用税率10%・8%それぞれの合計額と税率
⑥税率ごとに区分した消費税額等10%・8%それぞれの消費税額
出典:国税庁「インボイスの記載事項について」

インボイスの書き方や保存期間、発行できないケースについて知りたい方は、別記事「適格請求書とは?書き方や保存期間、簡単に作成する方法について解説」をご覧ください。

免税事業者・未登録の場合の対応

インボイス発行事業者の登録を行っていない免税事業者は、適格請求書を発行できません。この場合は一般的な請求書を発行して代金を請求します。インボイス未登録の事業者が架空の登録番号を記載したり、適格請求書であると誤認させる表記をしたりすることは禁止されています。

一般的な請求書の記載項目には法律上の取り決めはありませんが、慣例的に記載される項目があります。具体的な記載項目については次の「【個人事業主・フリーランス向け】一般的な請求書の書き方と記載項目」で解説します。

【個人事業主・フリーランス向け】一般的な請求書の書き方と記載項目

インボイス(適格請求書)に該当しない一般的な請求書には法定フォーマットがなく、個人事業主やフリーランスは、記載項目を自分で確認して作成しなければなりません。法律上の義務はありませんが、取引先の経理処理をスムーズにするためにも、以下の項目の記載がおすすめです。

また、原稿料・デザイン料・講演料など源泉徴収の対象となる業務を行っている場合は、源泉徴収税額(⑥)の記載も求められます。


freee請求書で作成した請求書のサンプル画像

①宛先

取引先の正式名称を正確に記載します。

法人宛の場合は「株式会社」を「(株)」のように省略せず、正式名称のあとに「御中」を付けます。担当者個人に宛てる場合は、会社名・部署名の下に担当者氏名を書き「様」を添えます。「御中」と「様」の併用は避けてください。担当者名が不明な場合は「ご担当者様」と記載します。

②発行者

誰からの請求かを明示するため、自身の屋号・氏名・住所・電話番号・メールアドレスを記載します。屋号がある場合は屋号と氏名を併記します。

③請求日

取引先が指定する締め日に合わせた日付を記載します。

たとえば月末締めの取引先であれば、作成日が翌月初めであっても前月末日を請求日とします。請求日のない請求書は取引先の経理処理月が確定できないため、差し戻しになるケースがあります。

④請求書番号

請求書番号は書類を管理するための整理番号です。日付と通し番号を組み合わせる形式が一般的です。

⑤請求内容と金額

提供したサービスや商品の内容を、第三者が見ても何に対する請求かわかるように記載します。

「業務委託料」のような曖昧な表現は避け、「原稿料(○記事分)」「Webサイトデザイン制作費」のように具体的な品目名を記載してください。項目ごとに数量・単価・金額を明記し、小計・消費税額・合計を記載します。

⑥源泉徴収税額

原稿料・デザイン料・講演料など、源泉徴収の対象となる業務を行っている場合は、請求書に源泉徴収税額を明記します。報酬額が100万円以下の場合、源泉徴収税額は報酬額の10.21%です(報酬額と消費税額が明確に区分されている場合は、消費税抜きの報酬額の10.21%)。「報酬額」「消費税額」「源泉徴収税額」「差引支払額」を分けて記載することで、取引先の計算ミスを防げます。

なお、プログラミングなどのシステム開発業務は原則として源泉徴収の対象外です。


【関連記事】
請求書に源泉徴収額の記載は必要?計算方法や書き方、対象について解説

⑦振込先

金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義をすべて記載します。口座名義はカタカナで記載し、屋号がある場合は忘れずに含めます。

⑧支払期日・入金期日

2024年11月施行のフリーランス新法により、発注事業者は給付を受領した日から起算して60日以内の、できる限り短い期間内で支払期日を定める義務があります。

取引開始時に定めた支払条件に基づき「2026年5月31日」のように具体的な年月日を記載してください。「到着後速やかに」のような曖昧な表現は支払期日として認められません。


出典:公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)パンフレット」

⑨備考

振込手数料の負担者や特記事項を記載します。取引先に振込手数料を負担してもらう場合は「恐れ入りますが、振込手数料はお客様のご負担でお願いいたします」と明記します。自身で負担する場合は請求金額から手数料を差し引いて振り込んでもらう旨を記載しましょう。

請求書の作成・送付を効率化する方法

手書きやExcelでの請求書作成は、件数が増えるほど入力ミスや管理の煩雑さが生じやすくなります。クラウド型の請求書作成ソフトとメール送付を組み合わせることで、作成から送付・保管までの一連の業務を効率化できます。

クラウド型ソフトで作成する

請求書の作成には、クラウド型の請求書作成ソフトの利用が効率的です。手書きやExcelでの管理は、計算ミスや転記漏れ、ファイル管理の煩雑さといった課題が生じやすい一方、請求書作成ソフトでは金額と費目を入力するだけで消費税や源泉徴収税額の自動計算に対応しており、インボイス制度に対応したフォーマットでの出力も可能です。

取引先情報や品目をあらかじめ登録しておくことで次回以降の作成時間を短縮でき、未入金の管理や会計ソフトへのデータ連携機能も備わっているため、経理業務全体の効率化につながります。

freee請求書」は、フォームに沿って入力するだけで個人事業主・フリーランスでも簡単に請求書を作成でき、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。

PDFメールで送付・電子保存する

作成した請求書は、PDF形式でメール送付するのが現在の一般的な方法です。PDF化することで改ざんのリスクを抑えられ、取引先もすぐに内容を確認できます。メールで送付する際は、件名に「【ご請求書】○○月分業務委託料(氏名)」のように用件を明記し、本文には簡単な挨拶と請求金額の合計・支払期日を記載します。

なお、メールなど電子的な手段でやり取りした請求書は、電子帳簿保存法上の「電子取引」に該当します。

2024年1月以降、電子取引データは電子データのまま保存することが義務付けられており、検索機能の確保やタイムスタンプの付与など、一定の要件を満たした形での保存が必要です。クラウド型の請求書作成ソフトを利用することで、法令要件に対応した形でのデータ保管が可能になります。


【関連記事】
請求書をメールで送る際の文例をケース別に解説 | 注意点やメリット・デメリットについてもまとめました


出典:国税庁「電子帳簿保存法特設サイト」

請求書を発行する際の注意点

請求書の記載内容に問題があると、取引先からの差し戻しや入金遅延につながります。以下の4つのポイントは、個人事業主・フリーランスがとくにミスをしやすい箇所です。

発行日と取引年月日の混同

発行日と取引年月日は役割が異なるため、区別して記載します。発行日は請求書全体の処理日であり、通常は取引先の締め日に合わせた日付を記入します。一方、取引年月日は実際に商品を提供した日やサービスを完了した日です。

インボイス制度の記載要件には「取引年月日」が含まれるため、明細ごとに正確な日付を記す必要があります。日付を混同すると売上の計上時期に齟齬が生じ、税務上のトラブルや差し戻しにつながります。

金額・消費税の表記ルールの統一

請求書に記載する金額や消費税の表記ルールは、常に統一します。税込金額と税抜金額が混在していたり、端数処理の基準(切り捨て・切り上げ)が変わったりすると、取引先の経理担当者に余計な確認作業が生じます。

インボイス登録をしている場合、消費税の端数処理は「ひとつの適格請求書につき、税率ごとに1回のみ」行うルールです。個別の品目ごとに端数処理を行うことは認められていません。表記ルールを固定し継続して運用することで、取引先の経理担当者が迷わず処理できます。


出典:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問57」

発行者名義と口座名義の一致

請求書の発行者名義と振込先口座の名義は一致させます。屋号で活動している個人事業主が個人名義の口座を振込先に指定すると、取引先が別の支払先と混同するリスクがあります。

口座名義が個人名のみの場合は、請求書の発行者名に「屋号+氏名」を記載しましょう。備考欄で口座名義との関係を補足すると丁寧です。なお、旧姓での活動や家族名義の口座指定は経理上のトラブルになるケースがあるため推奨しません。

源泉徴収の対象業務の確認

個人事業主・フリーランスの報酬は、業務の内容によって源泉徴収の対象となる場合があります。主な対象はライターの原稿料・デザイナーのデザイン料・講演料などです。一方、プログラミングなどのシステム開発業務は原則として対象外となります。

源泉徴収の対象業務を行っている場合は、請求書に「報酬額」「消費税額」「源泉徴収税額」「差引支払額」を分けて記載します。報酬額が100万円以下の場合、源泉徴収税額は報酬額(消費税抜き)の10.21%です。税額を明記することで取引先の計算ミスを防ぎ、確定申告時の自身の集計も容易になります。

まとめ

インボイス登録事業者ではない個人事業主・フリーランスが請求書を発行する際は、宛先・発行者情報・請求日・請求書番号・請求内容と金額・源泉徴収税額・振込先・支払期日・備考の9項目を記載することが一般的です。

インボイス登録事業者である個人事業主・フリーランスがインボイスを発行する場合には、法律上定められた必須項目の記載がなければインボイスとして認められません。2024年11月施行のフリーランス新法により支払期日のルールも変わっているため、取引先との条件確認も欠かせません。

手書きやExcelによる管理は件数が増えるほどミスや漏れが生じやすくなります。「freee請求書」などインボイス制度・電子帳簿保存法に対応したクラウド型の請求書作成ソフトを活用することで、記載漏れの防止と法令対応を同時に実現できます。

無料で請求書・見積書を発行したいならfreee請求書がおすすめ

請求書や見積書の作成は、お金が絡む業務なので少しのミスが重大な問題に発展する場合もあります。請求・見積業務を負担に感じる方には、無料で請求書・見積書を発行できるfreee請求書の利用がおすすめです。

ここからはfreee請求書を利用するメリットについて紹介します。

フォーム入力で誰でも簡単に作成できる

freee請求書は見積書や発注書など、請求書以外にもさまざまな書類を簡単に作成することが可能です。

またフォームに沿って入力した内容がリアルタイムで書類上に反映されるため、プレビューを見ながら簡単に書類を作成できます。入力が必要な項目はあらかじめ設定されており、消費税(内税・外税)や源泉税なども自動計算されます。

freee請求書を利用することで、入力漏れや計算ミスなどを未然に防ぎ、正確な書類をスピーディに作成できるようになります。


freee請求書利用画面のイメージ1

2023年10月から開始されたインボイス制度にも対応

2023年10月からインボイス制度が施行されました。インボイス制度の制度施行に伴い、インボイス制度の要件を満たした適格請求書の交付、計算方法の変更、インボイスの写しの保存義務化など請求書業務の負担が増えることが予想されています。

freee請求書では、金額を入力するだけでインボイスの計算方法で自動計算し、適格請求書の項目も満たした請求書を作成・発行することが可能です。

また、作成した請求書は電子保存されるため、インボイスの写しの保存義務化にも対応できます。

テンプレートは40種類以上!自分にあった請求書・見積書を作成可能

freee請求書には40種類以上のテンプレートが用意されています。その中から自分にあったテンプレートを選択して書類を作成できます。書類に記載する項目はテンプレートから変更を行うことも可能です。


freee請求書利用画面のイメージ2

請求書や見積書の作成から管理までを効率化できるfreee請求書の使い方は動画でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。ぜひ参考にしてみてください。

会員登録不要で請求書のテンプレートを無料ダウンロードできるサービスも

freee請求書のほかにも、freeeでは請求書を無料で作成できるサービスを新たにご提供しています。会員登録不要で誰でも無料で請求書のテンプレートをダウンロードすることができます。

具体的に、freeeの無料テンプレート集でダウンロードできる書類には以下のようなものがあります。

<会計>
・請求書(インボイス制度対応)
・発注書
・納品書
・領収書

<人事労務>
・内定通知書
・在籍証明書
・顛末書 など

freeeの無料テンプレート集では、上記のほかにも無料でダウンロードできる書類を準備中です。ぜひこちらもご活用ください。

よくある質問

消費税や源泉徴収の記載は必須ですか?

法律上、請求書に消費税額や源泉徴収税額を記載する義務はありません。ただし、記載がない場合、取引先の経理担当者が自ら計算する必要が生じ、税率や計算方法の認識違いによるトラブルが起きるケースがあります。インボイス登録をしている場合は、税率ごとの消費税額の記載が適格請求書の要件として必須です。

詳しくは記事内「【個人事業主・フリーランス向け】一般的な請求書の書き方と記載項目」をご覧ください。

個人宛の請求書の書き方は?

基本項目は法人向けと同じです。宛名には会社名や「御中」を使用せず、個人名のあとに「様」を付けて記載します。一般消費者は経理の専門知識を持っていないケースが多いため、専門用語を避けたわかりやすい品目名にし、支払期日や振込先口座をわかりやすく配置することが現実的な対応です。

インボイス未登録でも請求書は発行できますか?

インボイス発行事業者の登録を行っていない免税事業者でも、請求書を発行して代金を請求すること自体は問題ありません。この場合は適格請求書ではなく、一般的な請求書を発行します。ただし、取引先が課税事業者の場合、適格請求書がないと仕入税額控除を受けられないため、取引先の状況を確認したうえで対応を検討しましょう。

詳しくは記事内「インボイス登録の有無で変わる請求書の書き方」をご覧ください。

参考文献

監修 好川 寛(よしかわひろし)

プロゴ税理士事務所。元国税調査官。国税(調査・相談2万件・審判実務)×民間(事業会社実務・PdM)の複眼的な視点が強み。クリエイター/IT・SaaS等の現代的ビジネス、海外取引・非居住者税務に明るい。

監修者 好川 寛

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