監修 好川寛 プロゴ税理士事務所
請求書の摘要欄への記入は義務ではありませんが、適切に活用することでトラブル防止や取引の透明性向上に役立てられます。
本記事では、請求書の摘要欄に書くべき内容を整理し、書き方を具体例を挙げて解説します。
目次
請求書の摘要欄とは
請求書における摘要(てきよう)欄とは、取引・請求内容の要点を補足的に記載する欄です。
摘要欄への記入は任意であり、空欄のままでも請求書として成立します。ただし、品目(名目)だけでは分からない取引の背景や対象期間などを補足しておくことで、買い手側が請求内容を確認して支払いの妥当性を判断しやすくなり、支払い遅延のリスクや問い合わせの手間を減らすのに役立ちます。
混同されやすい品目欄・備考欄との違いは以下のとおりです。
- 品目(必須):提供した商品・サービスの名称を記載する
- 摘要(任意):品目だけでは伝わらない補足情報を記載する
- 備考(任意):支払い情報など取引全体に関わる情報を付記する
なお摘要欄は、請求書だけでなく帳簿(仕訳帳など)にも設けられています。帳簿の摘要欄の書き方については、別記事「摘要とは?帳簿の摘要欄に書く目的や内容、書き方、備考との違いを解説」をご参照ください。
請求書の摘要欄に書くべき内容と記載例
請求書の摘要欄には、以下のような内容を記載するのが一般的です。
・取引対象の期間(継続的なサービスや月次契約の場合)
→「2026年4月1日〜4月30日分」「2026年4月度稼働分」など
・取引内容の補足説明:品目欄に書き切れない具体的な業務内容や案件名
→「〇〇プロジェクト 追加対応分」「2024年5月10日納品分 英日翻訳(A4換算12枚)」「システム改修フェーズ2にかかる作業費」など
・取引上の合意事項:値引き・調整の根拠など双方で合意した条件
→「契約書第〇条に基づく割引適用後の金額」「前月繰越分(2026年4月未払い分)を含む」など
請求書の摘要欄にまつわる注意点
請求書の摘要欄について押さえておきたいポイントとして、以下の3点を解説します。
- 「ただし書き」は請求書には基本的に不要
- 挨拶文は備考欄か送付状に記載する
- 摘要欄はインボイス制度の必須記載項目ではない
「ただし書き」は請求書には基本的に不要
領収書には「ただし、〇〇代として」というただし書きを付けることがありますが、請求書の場合は品目(名目)欄に請求内容を記載するため、原則としてただし書きは必要ありません。具体的な取引内容を品目欄に、書き切れない補足情報を摘要欄に記載しましょう。
挨拶文は備考欄か送付状に記載する
請求書の摘要欄は、品目(名目)についての補足事項を記載するために用います。「いつもお世話になっております」といった挨拶は、摘要欄ではなく備考欄もしくは送付状(鑑・かがみ)に記載するのが適切です。
摘要欄はインボイス制度の必須記載項目ではない
インボイス制度においては、適格請求書(インボイス)に必要な記載項目が法律で定められていますが、摘要欄はその要件には含まれません。請求書の様式としてもインボイス対応の観点でも、摘要欄は空欄でも問題ありません。
まとめ
請求書の摘要欄への記入は任意ですが、品目欄では伝え切れない取引内容を摘要欄で補足しておくことで、受領者が請求対象を正確に把握しやすくなります。
品目欄・摘要欄・備考欄の役割を理解して適切に使い分け、受領者にとって分かりやすく支払いが行いやすい請求書を作成しましょう。
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よくある質問
請求書で摘要とは何ですか?
請求書の摘要とは、品目欄には書き切れない取引内容の要点を補足的に記載する欄です。サービスを提供した期間や具体的な業務内容、値引きや金額調整の根拠などを記載することで、買い手側が請求対象となる取引を確認する助けとなります。
摘要欄の概要について詳しくは、記事内「請求書の摘要欄とは」で解説しています。
摘要を書く理由は何ですか?
摘要を書くのは、請求書における「品目」や帳簿における「勘定科目」などの項目では伝わり切らない内容を補足し、背景や根拠を確認できるようにするためです。
監修 好川寛(よしかわひろし)
元国税調査官。国税局では税務相談室・不服審判所等で審理事務を中心に担当。その後、大手YouTuber事務所のトップクリエイターの税務支援、IT企業で税務ソフトウェアの開発に携わる異色の税理士です。
