請求書の基礎知識

請求書郵送業務の流れは?手間とコストを削減する方法も解説

請求書郵送業務の流れは?手間とコストを削減する方法も解説

請求書の発行と送付は、法令の遵守やビジネスマナーに基づいた対応が求められる、企業活動において欠かせない重要な業務です。とくに郵送で請求書を送る場合には、信書としての扱いや送付方法に注意が必要であり、手間やコストといった課題も伴います。

本記事では、請求書を郵送する場合の基本知識や、法的な注意点、郵送のメリット・デメリットを解説します。請求書郵送の手間とコストを削減する具体策も紹介しますので、請求書の郵送に課題を感じている方は参考にしてください。

目次

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請求書郵送業務の基本的な流れ

請求書を郵送する業務には、請求書の作成や送付状の作成、郵送などいくつかのステップがあります。

これらの一連の作業は一見シンプルに思えますが、正確さと丁寧さが求められます。とくに取引先との信頼関係を築くためにも、誤送付や記載ミスのないよう注意が必要です。

まずは、以下で請求書郵送業務の基本的な流れを紹介します。

請求書の作成

請求書には、発行者の情報、取引内容、金額、振込先など、必要な情報を正確に記載することが求められます。さらに、インボイス制度が導入された現在では、適格請求書発行事業者は、インボイス制度の要件を満たす請求書を作成しなければなりません。

計算ミスや記載漏れを防ぐには、請求書のテンプレートや請求書発行システムを活用すると効果的です。業務の効率化とミスの削減につながります。

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送付状を同封する

請求書を郵送する際には、送付状を同封するのが一般的です。送付状には、送付日、宛名、差出人、件名、同封書類の名称と部数などを明記しましょう。

また、送付状は同封書類の目録としても機能し、受け取る側が内容をすぐに確認できるため、事務処理の効率が高まります。送付状を同封することで取引先への配慮を示すことにもなり、ビジネスマナーとしても重要な役割を果たします。

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請求書の郵送

請求書を郵送する際は、内容が透けない封筒を選び、「請求書在中」と明記して送付しましょう。宛名には会社名や担当者名を正確に記載し、定形郵便やレターパックなど法令に則った方法で送る必要があります。

取引先の支払スケジュールに合わせて、1週間以上の余裕を持って発送するようにしましょう。

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請求書郵送業務に関する法律知識

請求書は法的な効力を持つ重要な書類です。そのため、郵送に際しては適切な方法を守る必要があります。ここでは、請求書の郵送に関わる法律上のポイントについて解説します。

請求書は信書扱いで郵送する

請求書は「郵便法および民間事業者による信書の送達に関する法律(信書便法)」に基づき「信書」として定義されており、郵送方法に制限があります。

なお、信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」のことを指します。

請求書は、原則として日本郵便が提供する第一種郵便物(定形・定形外郵便)、レターパック、またはスマートレターでの送付が義務付けられています。宅配便やメール便は信書を取り扱っていないため、これらの方法で請求書を送付しないように注意しましょう。

信書扱いで送らなかった場合のリスク

請求書を信書として送付しなかった場合、法的な問題が生じる可能性があります。

たとえば、信書扱いで送らなかった場合は、受取人が請求書を受領したことを証明できなくなり、未払いが発生しても督促が難しくなる恐れがあります。さらに、郵便法第76条に違反する可能性があり、「3年以下の懲役または360万円以下の罰金」という罰則が科される場合もあります。

法的な問題に発展しなくても、不適切な郵送方法はコンプライアンス違反と見なされ、取引先からの信用を損ねる原因となる可能性があります。請求書の郵送は、法令に則った手段を選ぶことが重要です。

2024年10月1日以降の郵便料金

2024年10月1日から、郵便料金が改定されました。

背景には、電子メールやSNSの普及による郵便物の減少があり、郵便サービスの安定的な運営を維持するための措置とされています。

改定後の主な郵便料金は、定形郵便物(25g以内)が84円から110円に、定形外郵便物(50g以内)が120円から140円に引き上げられています。

請求書を郵送する際は、最新の料金体系を確認し、適切な切手を貼付するよう注意が必要です。

  
種類重量2024/9/30まで2024/10/1以降
定形郵便物25g以内84円110円
50g以内94円
通常はがき63円85円
定形外郵便物
規格内 ※
50g以内120円140円
100g以内140円180円
150g以内210円270円
250g以内250円320円
500g以内390円510円
1kg以内580円750円
速達250g以内260円300円
1kg以内350円400円
4kg以内600円690円
レターパックプラス520円600円
レターパックライト370円430円

※規格内:長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内および重量1kg以内のもの

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請求書郵送のメリット

請求書を郵送で送る方法には、改ざんリスクの低減や、電子データを扱えない取引先への対応といった、郵送ならではのメリットがあります。

改ざんリスクの低減

郵送は請求書の原本をそのまま相手に届ける手段であるため、途中での改ざんが発生しにくく、安全性が高い方法です。

一方で、電子データでの送付にはファイルの改ざんや不正アクセスによる情報漏洩のリスクが伴います。紙の書類を封書で送る郵送は、信頼性と機密性を重視する取引において有効な手段といえるでしょう。

電子データを受け取れない取引先にも対応できる

郵送は、取引先のIT環境や電子化の状況にかかわらず、確実に請求書を届けられる手段です。

なかには、社内の規定やセキュリティ上の理由から、電子請求書を受け取れない企業も存在します。そうした相手にも柔軟に対応できる点は、郵送の大きなメリットです。

請求書の電子化を一方的に強制してしまうと、取引先との関係性に悪影響を及ぼすおそれもあるため、紙での送付は関係維持の効果も期待できます。

請求書郵送のデメリット

請求書の郵送には信頼性や柔軟性といった利点がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、業務負担やコスト、保管に関する課題について詳しく解説します。

手作業のためミスが起こりやすい

郵送による請求書の送付作業は、印刷、封入、宛名記載、切手の貼付といった多くの手作業を伴います。

これらの工程では、誤字脱字、封入ミス、宛先の記載漏れといった人的ミスが発生しやすく、内容にミスがある場合は再送が必要になることもあります。

その結果、支払い遅延や取引先からの信用低下につながる可能性もあるため、注意が必要です。

手間とコストがかかる

請求書の郵送業務には人件費と郵送費の両方がかかり、請求書の件数が多いほど企業の負担も大きくなります。

とくに、請求書の郵送数が多い企業においては、準備・発送にかかる時間が膨大となり、本来集中すべきコア業務への影響も無視できません。

また、2024年10月の郵便料金改定により、請求書郵送のコストがさらに増大しています。従業員の手間と費用がかかる点は、郵送を選ぶうえで避けられない課題です。

紙での保管スペースが必要

請求書は、法人の場合は原則7年間、個人事業主の場合は5年間(消費税の課税事業者の場合は7年間)の保管が義務付けられています。

請求書の保存義務は、法人税法・所得税法・消費税法などで定められているため、請求書が郵送された場合、所定の期間内は紙の請求書を保存する必要があります。しかし、取引量が多い企業では書類の山が膨大になり、管理コストやスペースの制約を招くケースも少なくありません。

ただし、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」の要件に従って紙の請求書を電子化して保存すれば、紙の請求書は破棄できます。

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請求書郵送の手間とコストの軽減策

請求書の郵送には多くの手間やコストが発生するため、効率化に向けた対策を講じることが重要です。以下で、郵送にかかる負担を減らすための具体的な方法として、「郵送代行サービスの利用」と「業務のシステム化」について解説します。

郵送代行サービスの利用

郵送作業の手間とコストを削減したい場合には、請求書郵送代行サービスの利用が有効です。

郵送代行サービスでは、請求書の印刷から封入、宛名印字、切手貼付、郵便局への持ち込みまで、郵送に必要な一連の作業を委託できます。

郵送代行サービスを活用すれば、社内での作業負担を大幅に軽減でき、ミスのリスクも抑えられます。また、従業員の業務効率が向上することで、本来注力すべきコア業務にリソースを集中できるようになるでしょう。

請求書郵送業務のシステム化

業務効率化を図る手段として、請求書発行システムの導入も効果的です。

請求書発行システムは、販売管理・会計ソフトなど既存基幹システムと連携し、請求書の自動作成や送付に対応しています。郵送だけでなく、PDFデータのメール送信など複数の送付手段を選べるため、取引先のニーズに応じた柔軟な対応が可能です。

ミスの防止やコスト削減といったメリットもあり、業務全体のコスト削減とDXに貢献します。

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まとめ

請求書を郵送する際には、信書として適切に送付するなど、法律に則った対応が不可欠です。メリットを重視する場合は、法律に基づいた信書扱いでの郵送や郵送料金といった要点を押さえましょう。

一方で、作業負担やコストが課題となる場合は、郵送代行サービスや請求書発行システムの導入を通じた業務効率化を検討するのがおすすめです。

無料で請求書・見積書を発行したいならfreee請求書がおすすめ

請求書や見積書の作成は、お金が絡む業務なので少しのミスが重大な問題に発展する場合もあります。請求・見積業務を負担に感じる方には、無料で請求書・見積書を発行できるfreee請求書の利用がおすすめです。

ここからはfreee請求書を利用するメリットについて紹介します。

フォーム入力で誰でも簡単に作成できる

freee請求書は見積書や発注書など、請求書以外にもさまざまな書類を簡単に作成することが可能です。

またフォームに沿って入力した内容がリアルタイムで書類上に反映されるため、プレビューを見ながら簡単に書類を作成できます。入力が必要な項目はあらかじめ設定されており、消費税(内税・外税)や源泉税なども自動計算されます。

freee請求書を利用することで、入力漏れや計算ミスなどを未然に防ぎ、正確な書類をスピーディに作成できるようになります。


freee請求書利用画面のイメージ1

2023年10月から開始されたインボイス制度にも対応

2023年10月からインボイス制度が施行されました。インボイス制度の制度施行に伴い、インボイス制度の要件を満たした適格請求書の交付、計算方法の変更、インボイスの写しの保存義務化など請求書業務の負担が増えることが予想されています。

freee請求書では、金額を入力するだけでインボイスの計算方法で自動計算し、適格請求書の項目も満たした請求書を作成・発行することが可能です。

また、作成した請求書は電子保存されるため、インボイスの写しの保存義務化にも対応できます。

テンプレートは40種類以上!自分にあった請求書・見積書を作成可能

freee請求書には40種類以上のテンプレートが用意されています。その中から自分にあったテンプレートを選択して書類を作成できます。書類に記載する項目はテンプレートから変更を行うことも可能です。


freee請求書利用画面のイメージ2

請求書や見積書の作成から管理までを効率化できるfreee請求書の使い方は動画でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。ぜひ参考にしてみてください。

会員登録不要で請求書のテンプレートを無料ダウンロードできるサービスも

freee請求書のほかにも、freeeでは請求書を無料で作成できるサービスを新たにご提供しています。会員登録不要で誰でも無料で請求書のテンプレートをダウンロードすることができます。

具体的に、freeeの無料テンプレート集でダウンロードできる書類には以下のようなものがあります。

<会計>
・請求書(インボイス制度対応)
・発注書
・納品書
・領収書

<人事労務>
・内定通知書
・在籍証明書
・顛末書 など

freeeの無料テンプレート集では、上記のほかにも無料でダウンロードできる書類を準備中です。ぜひこちらもご活用ください。

よくある質問

請求書郵送業務の流れは?

請求書を郵送する際には、請求書の作成や送付状の作成、郵送などいくつかのステップがあります。

詳しくは記事内「請求書郵送業務の基本的な流れ」をご覧ください。

請求書を郵送する際の料金は?

請求書を郵送する際の料金は110円からです。

詳しくは記事内「2024年10月1日以降の郵便料金」をご覧ください。

請求書郵送業務の手間を減らすには?

郵送代行サービスの利用や、請求書発行システムの導入、請求書の電子化などが有効です。

詳しくは記事内「請求書郵送の手間とコストの軽減策」をご覧ください。

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インボイス制度や電子帳簿保存法の法令にも対応済みなので、安心してご利用ください! 請求書以外にも、見積書や納品書なども作成可能です。