開業の基礎知識

自宅開業 気づきにくいメリット・デメリットとお役立ちTips

自宅開業 気づきにくいメリット・デメリットとお役立ちTips

こんにちは、経営コンサルタントのケニーです。
私はIT系の会社の役員もしているのですが、自社のエンジニアやデザイナーの若者から、独立して自宅で仕事をしたいという相談をよく受けます。(経営陣に独立の相談を平気でするのはイマドキですよね。)
以前は地方で暮らしながら都会の仕事がしたいとか、子育てをしながら仕事がしたいとか、そういう理由が多かったのですが、最近は「会社に通いたくない」と言いにくいことをハッキリおっしゃる方も増えています。


私自身は、オフィスを構えてはいるものの、自宅で仕事をすることも多く、自宅での仕事については、ちょっとこだわりを持っています。
今回は、これから主にクリエイティブワークで独立を目指す方にちょっと気づきにくい自宅開業のメリットとデメリットをお伝えしたうえで、個人的なTipsもご紹介します。

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お客様にもアピールできる!? 意外な自宅開業の強み、メリット

よく言われるメリットとして、

  • ・移動時間や交通費の節約
  • ・オフィス家賃の節約、自宅家賃の経費化
  • ・育児や介護との両立
  • ・人とかかわるストレスが無い

といったものがあります。

これってお客様から見て何のメリットもない、つまり事業としての強みではないですよね?
でも、視点を変えると差別化や強みになるんです。


◎強み1 朝対応・夜対応も可能 稼働時間の柔軟性

クリエイティブの仕事にはクライアントコミュニケーションがつきものです。
「明日の朝までにクライアント向けの資料を準備しなくちゃ」「クライアントのメールの返事が来ないと帰れない」といった、相手のペースに合わせた仕事にうんざりしている方も多いのではないでしょうか?
人づきあいが嫌だから自宅開業という考え方も分りますが、強みを生み出す発想だと「私は自宅開業なので、御社の出社前・退社後の対応大丈夫です」というアピールになります。
大変そうに感じるかもしれませんが、昼間に家事をすることも、テレビを見ながら仕事をすることもできるわけです。
私は経営者相手に深夜の電話コンサルをしていますがクライアントも疲れて本音が出るので信頼関係を築きやすかったりします。


◎強み2 フリーランスの大敵<病気>になりにくい

私もそうですが、フリーランスは体が資本。
納期前に病気になったら大問題です。
自宅で仕事をすると歩かなくなるから不健康だという意見を聞きますが、自己管理して定期的に運動するべきなのは言うまでもありません。
ただ、ここで重要なのは、たとえ不健康でも自宅で働くと病気にはなりにくいということです。
風邪やインフルエンザなどの感染症は、公共交通機関での感染が最も避けにくいので、ラッシュ時に電車に乗らないだけでもリスクはかなり低減します。
フリーランスに発注する側としては、仕事の質以上に納期等のリスク管理で悩むことが多いので、「フリーランスですが、食事・運動には気を使い、風邪のシーズンには人の多いところには出歩かないので、これまで病気で仕事に影響が出たことはありません。」言えれば地味なようでいて強いアピールになりますよ。
もちろん、こういうアピールをしたら仮病で納期を遅らせるわけにはいかなくなりますが。(苦笑)


◎強み3 育児、介護等の生活者目線を強みにできる

クリエイティブの仕事には生活者の目線が重要な場合が多くあります。
育児や、介護はビジネス上も重要なマーケットなので、クリエイティブの専門家としてのアピール以上に、生活者としての目線が評価されることがあります。
「自宅で介護をしながら仕事をしているなんて、言ったらマイナスに思われるかな?」と考えがちですが、積極的にクライアントの業種や仕事の内容を選べばむしろ強みとして十分にアピールできます。


開業後に分かる、自宅開業の意外な弱み、デメリット

では、一方で自宅開業をする上で気づきにくいデメリットは何でしょう?
仕事とプライベートのメリハリがつきにくくなるというのが一般的な意見だと思います。
実際、すぐにメリハリについては実感されるとおもいますが、ここではちょっと時間がたってから遭遇するデメリットをご紹介します。

◎弱み1 インフラ、ファシリティの脆弱性

オフィスビルに比べて住宅物件は電源やインターネットなどのインフラ・ファシリティが弱く(容量が小さかったり、品質が低かったり)、保守管理も行き届いていません。
また、マンションオフィスと比べても、自宅開業だと自宅での用途とインフラを共有しているので、例えば生活用の家電を使っていてブレーカーが落ちてしまうなどリスクはどうしても高くなります。
セキュリティや情報管理の観点でも大事な書類が私物に紛れてしまったり、家族が捨ててしまうといったことを100%排除するのは困難です。
オフィスと自宅を分けることで、知らないうちに様々なリスクも切り分けができているんです。


◎弱み2 人・世間に対して鈍感になってしまう

人との関わりがストレスで自宅開業したいという方もいらっしゃるぐらいなので、自宅開業すると家にこもりがちになりますが、クリエイティブな仕事をする上では常に<人>に対して敏感である必要があります。
世間の流行を見聞きしたり、人間観察をする機会を意図的に持つようにしないとどうしても人に対して鈍感になってしまいます。
また、自分は人嫌いだと思っている方でも、自宅にこもって仕事ばかりしていると鬱になってしまうケースもあります。


◎弱み3 社会的信用の蓄積がされにくい

自宅開業だと信用面でマイナスになることがあります。
例えば、ローンやカードの契約の際には自宅と事務所の住所を書くことになります。
自宅開業だからNGというわけではいですが、法人成りして融資を受けようとするならば、会社として家賃を定期的に払っているというのは蓄積された実績になります。
融資なんか必要無い!という方もいらっしゃると思いますが、「結婚相手の親に自宅で仕事をしているのが不評だからオフィスを借りた」というケースもありました。
私は親がデザイナーで自宅開業しており、子供のころ一生懸命仕事をしている姿を見るのが好きだったのですが、仕事が無くて手持無沙汰にしていると心配になった記憶があります。
世間体なんてバカバカしいですが、そういうこともあるという現実はご理解ください。


知っててよかった自宅開業のお役立ちTips

最後にちょっとしたTipsをご紹介します。


◎Tips1 サードプレイスならぬセカンドプレイスを複数持とう!

豊かな暮らしには職場と自宅以外の居場所としてサードプレイスが必要だと言われていますが、職場と自宅が一緒のみなさんはなおさらもう一つの居場所(セカンドプレイス?)が必要になります。
行きつけのカフェでもバーでもいいですが、例えば自宅で停電が起きた時、近所で工事がはじまり騒音で集中できない時、そうした時に朝でも夜でも避難できる場所があったら心強いですよね?
電源やプリンターが利用できたり、商談に使えたり、朝・夜の利用ができたり。
気分転換がてら日ごろから開拓しておくといざという時に救われます。


◎Tips2 作業イプを試してみて!

作業イプってご存知ですか?何か作業をするときにスカイプでだれかとつながる。
スカイプしながら作業するから作業イプ(さぎょいぷ)です。
世の中には見ず知らずの人と作業イプするためのマッチングサイトがあったりします。


「え、何それ?何を話すの?気が散るんじゃない?」
そう思いますよね。ところが、これが逆に集中できるんですよ。
スカイプをつないで何をしゃべるわけでも無いんです。
受験生とか、納期間際のクリエイターとか、数字とにらめっこしている経営コンサルタントが夜な夜なただスカイプ越しにつながって仕事しているんです。
無言上等で、たまに「終わったー。」とか、「休憩しよっかな。」とか、ボソボソいうだけ。
もちろん、ちょっとした会話になることもありますがそれが目的ではない。
皆一生懸命勉強している自習室に入ると、つられて集中したりしませんか?
一人でもすぐ集中できる人には不要かもしれませんが、気が散ってなかなか集中できない人は是非一度試してみてください。

最初は友人・知人でためすのが良いかとは思います。
下記に上手くいくポイントをまとめます。


  • ・お互いに何か集中して作業する目的がある(締め切りがあるのがベスト)
  • ・利害関係者は避ける(お互いにプレッシャーにならない相手)
  • ・オフラインで電話やプライベートの会話をするときはマイクをミュートに
  • ・相手の作業の邪魔は絶対にしない

オフィスで他の人がいるとやりにくい(変人だと思われます。)ので、自宅開業した方は作業イプ活用してみてください。

クリエイター以外の職種の方に

今回はクリエイターの方を想定して書きましたが、お客様から見て自宅開業であることを強みに感じてもえるところは無いか?と考えることは他の職種でも有意義だと思います。
サロンや店舗型のビジネスを自宅でやられる場合は、人とのかかわりに関しては今回の事例は当てはまらないかもしれませんが、それ以外の部分で共通するところは是非参考にしてください。

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経営コンサルタント・ケニー

はじめまして、経営コンサルタントのケニー(純日本人)です。中小企業や個人事業主、サロンやカフェオーナーさん、お医者様まで、幅広い業種の方々のコンサルタントをしています。その経験を活かし、初めて開業する方々が抱きがちな疑問にずばりお答えします!

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