青色申告とは、複式簿記に基づいて帳簿をつけ、所得税や法人税を正しく計算して申告する納税制度です。
確定申告の方法には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。不動産所得・事業所得・山林所得がある人は、事前に申請することで青色申告による確定申告が可能です。
本記事では、青色申告のメリットや申請に必要な書類・提出期限、申請方法などについて解説します。
目次
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青色申告とは
青色申告とは、複式簿記に基づいて帳簿をつけ、所得税や法人税を正しく計算して申告する納税制度です。
確定申告の方法には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。不動産所得・事業所得・山林所得がある人は、事前に申請することで青色申告による確定申告が可能です。
出典:国税庁「No.2070 青色申告制度」
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青色申告とは? 知っておきたい基礎知識、 白色申告との違いについて解説
青色申告のメリット
確定申告を青色申告で行うメリットは以下のとおりです。
青色申告のメリット
- 最大65万円の特別控除が受けられる
- 赤字を3年間繰越しできる
- 家族への給与を経費として計上できる
- 30万円未満の減価償却資産はその年の経費にできる
- 貸倒引当金を経費にできる
青色申告の最大のメリットは、青色申告特別控除が受けられることです。
青色申告特別控除とは、貸借対照表・損益計算書を確定申告書に添付し、e-Taxによる電子申告を行うことで65万円の特別控除を受けられる制度です。
青色申告のメリットについては、別記事「青色申告のメリットとは?」をあわせてご確認ください。
出典:国税庁「はじめてみませんか?青色申告」
青色申告と白色申告の違い
青色申告と白色申告の違いは以下のとおりです。
白色申告 | 青色申告 (10万円控除) | 青色申告 (最大65万円控除) | |
---|---|---|---|
届出 | 不要 | 必要 | 必要 |
記帳方法 | 簡易簿記 | 簡易簿記 | 複式簿記 |
提出書類 | 確定申告書 収支内訳書 | 確定申告書 青色申告決算書 (損益計算書) | 確定申告書 青色申告決算書 貸借対照表 損益計算書 |
節税効果 | × | ○(10万円控除) | ○(最大65万円控除) |
青色申告は、原則として複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられています。確定申告の際には、総勘定元帳をもとに「損益計算書」と「貸借対照表」を作成し、確定申告書や青色申告決算書とともに提出します。
一方、白色申告は簡易簿記による帳簿で問題ありません。確定申告の際も、確定申告書と収支内訳書のみの提出で済みますが、節税効果はありません。
青色申告と白色申告の違いについての詳細は、別記事「青色申告と白色申告の違いは?7項目で比較するメリット・デメリットを徹底解説」をご確認ください。
青色申告をするために必要な書類と提出期限
個人事業主が青色申告をするために必要な書類とその提出期限は以下のとおりです。
書類名 | 概要 | 提出期限 |
---|---|---|
開業届 | 個人事業主として事業を開始したことを税務署に申告する書類 | 事業開始日から1ヶ月以内 |
事業開始等申告書 | 個人事業主として事業を開始したことを各都道府県税事務所に申告する書類 | 各都道府県によって異なる |
青色申告承認申請書 | 青色申告を利用する承認を得るために税務署に提出する書類 | 事業開始日から2ヶ月以内 または 青色申告をする年度の3月15日まで |
なお、法人の場合は、法人専用の「青色申告承認申請書」を税務署に提出することで、青色申告を利用できます。
出典:国税庁「C1-19 青色申告書の承認の申請」
開業届
開業届の正式名称は「個人事業の開廃業届出書」で、事業を開始することを税務署に申告するための書類です。
個人事業の開業届の記載項目は以下のとおりです。
開業届の記載項目
- 提出先の税務署
- 提出日
- 納税地/上記以外の住所地・事業所等
- 氏名/生年月日
- 個人番号
- 職業
- 屋号
- 届出の区分
- 所得の種類
- 開業・廃業等日 など
開業届における各項目の書き方についての詳細は、別記事「開業届のダウンロード〜提出までを解説!税務署に行かなくても大丈夫」をご確認ください。
出典:国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
事業開始等申告書
事業開始等申告書は、開業する所在地に該当する都道府県の税事務所に対して開業したことを申告する書類です。各都道府県によって提出先や提出期限に違いがあり、提出しなくても罰則などはありません。
上記は、東京都における都税事務所に提出する事業開始等申告書で、各自治体によって様式は異なります。
事業開始等申告書の主な記載項目は以下のとおりです。
事業開始等申告書の主な記載項目
- 事業所の住所・電話番号
- 屋号
- 事業の種類
- 事業主の住所・氏名
- 開業日
- 提出日 など
また、提出期限も自治体によって異なります。開業する際には、事業所を設置する都道府県の税事務所のWebサイトで期限を確認しましょう。
- 東京都:事業開始日より15日以内
- 大阪府:事業開始日より2ヶ月以内
- 愛知県:事業開始日より1ヶ月以内
事業開始等申告書の書き方についての詳細は、別記事「【記入例あり】事業開始等申告書とは?開業後に提出する届出について」をご確認ください。
出典:東京都主税局「事業を始めたとき・廃止したとき」
出典:大阪府「個人の事業開始等の申告[開業、変更、廃止]」
出典:愛知県「開業(廃業)事務所等設置(移転・廃止)報告書」
青色申告承認申請書
青色申告承認申請書は、確定申告を青色申告で行うために必要な書類で、正式名称は「所得税の青色申告承認申請書」といいます。
確定申告を青色申告で行う場合は、その年の3月15日までに開業届とともに所轄の税務署に提出しなければなりません。
なお、青色申告承認申請書を提出をしていない場合は自動的に白色申告となります。
青色申告承認申請書の主な記載項目は以下のとおりです。
青色申告承認申請書の主な記載項目
- 所轄の税務署と提出日
- 事業所の所在地
- 事業主の氏名と住所
- 職業名
- 屋号
青色申告承認申請書の提出期限は以下のとおりです。
青色申告承認申請書の提出期限
- 原則として事業を開始した日から2ヶ月以内
- 1月1日から1月15日の間に開業した場合は、その年の3月15日まで
- すでに開業していて、これまで白色申告をしていたが青色申告に変更したい人は、青色申告をする年の3月15日まで
青色申告承認申請書についての詳細は、別記事「青色申告承認申請書と開業届は提出期限あり!書き方と提出方法を解説」をご確認ください。
出典:国税庁「所得税の青色申告承認申請手続」
青色申告をするために必要な書類と提出期限
青色申告をするための申請と各申請の流れは以下のとおりです。
青色申告をするための申請と各申請の流れ
- 開業届・事業開始等申告書を作成する
- 青色申告承認申請書を作成する
- 作成した書類を提出する
1. 開業届・事業開始等申告書を作成する
事業を開始してから青色申告をするためには、まず開業届と事業開始等申告書を作成します。
開業届の提出期限は事業開始日から2ヶ月以内ですが、東京都における事業開始等申告書の期限は事業開始日から15日以内なので早めに作成しましょう。
2. 青色申告承認申請書を作成する
次に、青色申告承認申請書を作成します。
提出期限に間に合わない場合、その年は白色申告になってしまうため注意が必要です。
3. 作成した書類を提出する
各申請書類を作成したら、開業届と青色申告承認申請書は税務署に、事業開始等申告書は都道府県税事務所に提出します。窓口で直接提出する場合は開庁時間に気をつけましょう。
青色申告の申請方法
青色申告の申請方法は、以下の3つです。
青色申告の申請方法
- 税務署の窓口で申請する
- e-Taxで申請する
- 税務署に郵送して申請する
税務署の窓口で申請する
税務署の窓口での申請であれば税務署の職員に直接質問や相談ができます。
ただし、税務署は開庁時間が短かったり、直接出向くのが手間になったりなどのデメリットもあります。
e-Taxで申請する
e-Taxでは、自宅や外出先など好きな場所から青色申告の必要書類をアップロードして送信するだけで申請ができます。
なお、e-Taxの利用にはマイナンバーカードが必要なので事前に準備しておきましょう。
税務署に郵送して申請する
青色申告の申請は、税務署に書類を郵送する方法でも行えます。必要書類を封筒に入れ、切手を貼り付けて送るだけなので手間がかかりません。
切手代が必要になりますが、なかなか税務署に足を運べなかったり、e-Taxの利用が難しかったりする場合には便利です。
【関連記事】
青色申告に必要な提出書類の作成方法と提出先について
白色申告から青色申告に切り替える場合の手続き
白色申告から青色申告に切り替える場合は、通常どおり青色申告承認申請書の提出が必要です。
申請期限は、青色申告をしようとする年の3月15日(土曜日・日曜日の場合は翌月曜日)までになります。
出典:国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」
青色申告から白色申告に切り替える場合の手続き
青色申告から白色申告に切り替えるには、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」の提出が必要です。
青色申告を取りやめようとする年の翌年3月15日(土曜日・日曜日の場合は翌月曜日)までに所轄の税務署に提出します。
出典:国税庁「A1-10 所得税の青色申告の取りやめ手続」
まとめ
青色申告で確定申告を行うには、開業届と青色申告承認申請書を事業開始日から2ヶ月以内に税務署に提出しなければなりません。
期限までに提出できなかった場合は白色申告になるため注意が必要です。
確定申告を簡単に終わらせる方法
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。
確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。
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詳しくは記事内「青色申告をするために必要な書類と提出期限」をご確認ください。
青色申告の申請はどうやってしますか?
青色申告の申請は、税務署に直接出向く方法・e-Taxを利用する方法・税務署に書類を郵送する方法があります。
詳しくは記事内「青色申告の申請方法」をご確認ください。
開業届を出さずに青色申告はできますか?
原則として、開業届を出さずに青色申告を行うことはできません。新しく事業を開始したら開業届と青色申告を行うために青色申告承認申請書を提出しましょう。
詳しくは記事内「青色申告をするために必要な申請と申請の流れ」をご確認ください。