開業の基礎知識

開業届へのこだわりで分かる!?利益を出す事業主と赤字の事業主の違いとは?

開業届けへのこだわりで分かる!?利益を出す事業主と赤字の事業主の違いとは?

将来的に「自分の店舗を持ちたい!」「フリーランスになって収入UPしたい」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、独立して長年事業を続けるのは、なかなか難しく、数年で廃業するケースも多いのが実情です。

では、成功する個人事業主と失敗する個人事業主の違いは、一体何なのでしょう。

結論から言うと、「開業届などの役所への手続きや会計業務をあっさりすませる人が成功する!」といった傾向があります。

「本当にそれだけで違いがでるの?」と、疑問に思っている人もいるでしょう。そういう方にこそ、ぜひこの記事を読んで成功してほしいと思います。

目次

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開業の届出をあっさりすませる人が成功する理由

成功した人の中にも、最初は開業届を提出する必要があることすら知らない人もいます。しかし、成功する人たちは必要性を知ったらすぐに行動を起こします。

また、税理士や便利なクラウド会計サービスを利用して、最小限の労力で青色申告を行うのです。このように、煩雑な事務処理を簡単に済ませ、本業である営業やサービスの向上に集中することが大切です。

成功のチャンスを逃してしまう人は、まず開業届を提出するかどうかで迷ってしまいます。そして、まだ売り上げも無いうちから将来の税金のことで悩み、簿記の勉強をしなくてはと意気込んでみたり、経費で落とす方法を考えたりします。しかし考えてみてください。

・売り上げやサービスのことばかり考えているライバル
・経理や税務などの勉強に時間を費やしているライバル

近所に開業されて嫌なのはどちらでしょう?答えは簡単です。前者ですね。とはいえ、納税でミスをしてしまうルーズな事業主では話になりません。個人事業主として成功したいのであれば、

・成功するために必要なことへ時間とエネルギーをかける
・それ以外の基本的な事務作業は、迅速かつ適切に最小限の労力でこなす

この2つがポイントです。個人事業主は多くのことを自分でやらなくてはならないため、とにかく時間が貴重です。幸いなことに、今の時代はインターネットで申請のやりとりも出来ますし、便利なクラウドサービスも低コストで利用できるので、事務処理も簡単に済ませることができます。

開業届を出す際に本当にこだわるべきポイント

しかし、開業届は適当に記載して提出すればよいというものでもありません。

利益を出す個人事業主になりたいのであれば、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

ポイント1:屋号の決定

事務作業にこだわりがなくても成功はできますが、屋号にはこだわりを持つべきでしょう。

屋号とは、フリーランスや個人事業主が事業を行う際に使用する名称のことです。会社でいうところの「会社名」に相当します。店舗名や事務所名、ブランド名として使われることが多いです。また、作家や画家、芸能界の人が使う場合は「雅号」とも呼ばれます。

屋号又は雅号とは、個人事業者の方が使用する商業上の名のことです。
よって、個人事業者の方においては、商店名等を入力してください。
雅号とは、著述家、画家、書家、芸能関係者などが本名以外につける別名のことです。

これから屋号をつけようと思っている方、その屋号は、

・自信と愛着を持って名乗れる屋号でしょうか?
・お客様に信頼と愛情を持ってもらえる屋号でしょうか?

また、ホームページを開設したら必ず屋号を記載することになりますので、その屋号で検索されることも考えておきましょう。

・同名の屋号、企業名、サービス名はないでしょうか?
・一般名詞に埋もれてしまう屋号ではないでしょうか?
・検索時に屋号だけでヒットするでしょうか?少なくとも業種やエリアで絞れば上位にヒットするような屋号になっていますか?

以上が、基本です。
また、ビジネスによっては他にも考慮すべき要素があります。例えば、電話でのやり取りが多い場合は発音しやすいことが必須ですし、海外のお客様を相手にする場合は、英語表記で美しく、意味が伝わりやすいものが理想的です。

ポイント2:開業日の決定

客商売であれば、開業日は年に一度のお店の誕生日のようなものです。

様々な顧客向けのキャンペーンのネタにできますし、従業員のモチベーションアップのためのイベントとしても活用できます。しかし、このような年に一度の記念日が営業日でなかったり、クリスマスやお正月のイベントと重なったりしてしまってはもったいないですよね。

開業日に付加価値を加えたいのであれば、様々な角度から検討して決めると良いでしょう。開業日は厳密に設立した日にする必要はなく、準備を開始した日など任意で設定しても構わないのです。有効に利用しましょう。

なお、開業届は開業日から1ヶ月以内に税務署に提出する必要がありますのでご注意ください。

[提出時期]
事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出してください。
なお、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。

ポイント3:開業する職業

開業届には、職業欄があります。税金の観点から述べると、職業欄の記載内容によって事業税の税率が変わってくるので、その点は考慮に入れても良いでしょう。

事業税(個人事業税)とは、個人事業にかかる税金で、年間290万円の控除額を超えると事業税が課税されます。事業税の対象となる法定業種は70の業種があり、ほとんどの業種は5%の事業税率が適用されますが、畜産業や水産業、あんま・マッサージ業など業種によっては4%や3%の事業税率が適用される場合もあります。

詳しくは、下記の東京都国税局のリンクを参照ください。
参考:東京都主税局「個人事業税 | 税金の種類

しかし、税金を下げるためだけに自分の職業を決めるというのも、もったいない話ではないでしょうか?

個人事業主であれば、昇進や上司からの評価もありません。自分で自分の職業を決められるのですから、長い目で見て、どこまで自分の仕事が広がるのか、自分への期待をこめて名乗りを上げる。そのような視点で考えてみてはいかがでしょうか。

開業届に関するよくある質問と回答

以下に、開業届に関するよくある質問をまとめました。

Q1.開業届の提出は必須ですか?

提出しない場合のペナルティはありませんが、青色申告が利用できる・証明書の役割を果たすなど、さまざまなメリットがあります。なお、開業届の提出期限は事業開始から1ヶ月以内となっています。

参考:国税庁「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

Q2.開業届を提出するメリットは?

納税の際は、所得に応じて65万円の特別控除が受けられるなど、様々な節税効果がある「青色申告」を利用することができます。
※税制改正により、令和2年分から青色申告特別控除の適用要件が変更されました。詳しくは「【税制改正 令和2年分】青色申告とは?」をご覧ください。

そして、「青色申告」をすると、会計上の損失を3年間繰り越すことができます。例えば、今年赤字だった場合、その損失額分を翌年の黒字と相殺して節税できる可能性があります。

ただし、「青色申告」を利用するには、開業後2ヶ月以内に青色事業承認申請書を提出する必要があります。

業務を開始した日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。

なお、先ほどご紹介したクラウド会計サービスの開業freeeは、開業届だけではなく、青色事業承認申請書も一緒に自動作成することが可能です。

また、開業届を提出することにより、屋号付きの口座を開設することもできます。

楽天銀行」や「PayPay銀行」などのネットバンクや、「三菱UFJ銀行」や「みずほ銀行」、「三井住友銀行」などのメガバンクでは、屋号付きでの口座開設が可能で、「ゆうちょ銀行」では屋号のみでの口座開設も可能です。

Q3.開業届を提出するデメリットは?

開業届を提出する方が「扶養」に入っている場合には、扶養から外れてしまう可能性があります。

「税法上の扶養」については、扶養者の給与所得が103万円以下であれば、開業届の提出の有無にかかわらず「扶養」を継続することができます。「健康保険上の扶養」については、各健康保険組合が条件を決めており、中には無条件で「個人事業主は不可」としているところもあるようです。詳しくは、各健康保険組合にお問い合わせください。

また、開業届の提出時期によっては、「失業手当」を受け取れない場合もあります。

退職した会社で雇用保険に加入していた場合は、ハローワークで手続きをすることで、一定期間「失業手当」を受給することができます。ただし、失業手当の受給条件の一つとして「再就職の意思と能力があること」が挙げられますが、開業する場合は、再就職の意思がないとみなされ、「失業手当」を受給できない可能性があります。

ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。

詳しくはお近くのハローワークへお問い合わせください。

そして、先ほども記載しましたが、開業届の職業欄の記載内容によって個人事業税の税率が変わってくるので、そちらも注意しましょう。

Q4.副業について届出した場合、本業の勤務先にばれませんか?

開業届を出しても会社から連絡が来ることはありませんが、ホームページに個人名が記載されていたり、知人や友人から伝わってしまう場合もあります。

Q5.開業には費用がかかりますか?

開業届の提出に費用はかかりません。

Q6.開業届の入手先や書き方、手続き方法は?

国税庁のホームページから「個人事業の開業・廃業等届出書」をダウンロードすることができますし、税務署で受け取ることもできます。先ほど紹介した開業freeeを使えば、無料で簡単に作成することも可能です。

書き方、手続き方法については、「開業届の書き方。正確・簡単に記入するための初心者ガイド」で詳しく説明していますのでそちらをご覧ください。

Q7.開業届を出さず確定申告もしなければ収入もわからないし、税金を納める必要もないのでは?

納税は国民の社会的義務であり、脱税は犯罪です。マイナンバー制度により、国税庁は資産や所得の特定にも対策を講じています。

なお、期限までに確定申告をしなかった場合は「無申告加算税」が課される可能性があります。

無申告加算税は、納付した税額に対し50万円までは15%、50万円を超える部分については20%の税率を乗じて計算されます。また、税務署の調査を受ける前に納税者が自主的に期限後申告を行った場合、この無申告加算税の課税割合は5%に軽減されます。

期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると、申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課されます。
各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。
なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

まとめ

ここまで説明してきましたが、ポイントを押さえて時間を無駄にすることなく開業届を提出するのがベストです。また、税理士や便利なクラウド会計サービスを利用することで、最小限の手間で青色申告を行うことができます。煩雑な事務処理を簡略化することで、本業である売上やサービス向上に集中して成功を勝ち取りましょう。

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