青色申告の基礎知識

青色申告のメリットとは?

青色申告は、白色申告に比べて詳細な帳簿付けが必要なのでたいへんな部分もあります。しかし、その分さまざまな優遇措置を受けることができます。
しかし「優遇措置の内容がいまいちわからない」ことで、白色申告で十分かもしれないと、決めかねている人もいるのではないでしょうか。ここでは、青色申告のおもなメリット・デメリットについて、詳しく紹介していきます。

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目次

青色申告のおもなメリット

青色申告には、さまざまな優遇措置があります。まずは、それらのメリットを見ていきましょう。

メリット1 最大65万円の特別控除が受けられる

青色申告を行う最大のメリットは、なんといっても10万円または65万円の特別控除が受けられることです。
そもそも所得税は、その名のとおり、所得に掛かる税金のことです。この特別控除は、その所得から10万円または65万円を差し引くというものですから、その分、税金も安くなるということです。

控除


控除額が10万円になるのか65万円になるのかは、記帳の方法によって決まります。単式簿記(お小遣い帳のように、1つの項目に絞って記録する記帳法)による記帳の場合は、控除額は10万円になります。複式簿記(例えば「消耗品を10,000円分購入し、現金が10,000円減った」のように、取引きの二面性に着眼し、取引きを複数の科目で記録する記帳法)による記帳を行い、最終的に「損益計算書」と「貸借対照表」を作成して、申告書類とともに提出すれば控除額は65万円となります。
ただし、提出期限である3月15日(土日の場合は月曜日)を過ぎてから申告した場合は、「損益計算書」と「貸借対照表」を添付しても、10万円の控除しか受けることができません。

メリット2 赤字を繰り越せる

青色申告をすれば今年の赤字を翌年以降(個人事業主で最長3年間、法人で最長9年)の所得から差し引ける制度があります。白色申告の場合、今年赤字だったとしても、翌年黒字なら税金を支払う必要があります。しかし、青色申告であれば、翌年の黒字から今年の赤字を差し引くことができ、翌年度の税金を安くすることができるのです。これは、純損失の繰越控除というものです。
例えば、1年目が300万円の赤字、2~4年目がそれぞれ100万円の黒字だった場合、1年目の所得は-300万円、2年目は-300万円+100万円で-200万円、3年目は-200万円+100万円で-100万円、4年目は-100万円+100万円で0円となり、どの年も所得税はかかりません。
特に個人事業主は、独立直後に黒字を出すことが難しい場合も多いでしょう。そこで、青色申告を行い、翌年以降、事業が軌道にのって黒字が出てきたときに、当初の赤字と相殺します。これにより、大きな節税メリットを得ることができるのです。

赤字繰越

メリット3 家族への給与を経費にできる

事前(申告する前年の3月15日)に届出が必要ではありますが、事業主が生計を同じくする家族に支払った給与を経費として計上できるのも青色申告ならではのメリットです。これを「青色事業専従者給与」といいます。
白色申告の場合は経費には計上できず「専従者控除」として、下記のどちらか小さいほうの額が認められるに過ぎません。

  • ・配偶者なら86万円、その他親族は50万円
  • ・所得÷(専従者人数+1)

青色事業専従者給与の場合、もちろん給与額は仕事内容に応じたものである必要はありますが、金額の縛りはなく認められますので、高い節税効果が期待できます。

詳しくは、下記の記事をご参照ください。
青色事業専従者給与に関する届出書

なお、家族を青色事業専従者とするには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • ・生計を一にする配偶者や親族であること
  • ・その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
  • ・その年を通じて6ヵ月を超える期間(一定の場合には事業に従事できる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業にもっぱら従事していること

メリット4 貸倒引当金を経費にできる

青色申告では、「貸倒引当金」を経費に計上して、納める税金を減らすことができます。貸倒引当金とは、掛け売り(商品やサービスを先に提供し、後日代金を回収すること)の代金などが回収できないと思われる場合に、回収見込み不能額として計上しておくものです。青色申告では、貸倒引当金が年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額であれば、その金額が必要経費として認められます。
白色申告の場合、「個別評価による貸倒引当金」(取引先に支払い能力がない等で、回収できないことがほぼ間違いないケース)のみ経費にできます。

メリット5 30万円未満の資産を取得した場合、一度に経費に計上できる

業務のために購入した建物や機材、車などの資産は、取得価額が10万円未満ならその年の経費として計上します。しかし、10万円以上なら「減価償却資産」として、規定のルールに則り、数年にわけて経費に計上するのが原則です。
ただし、青色申告を行っている事業主は、1個あたり30万円未満の少額減価償却資産に関しては、購入・使用した年度に一括して経費に計上できるという特例があります。これは「少額減価償却資産の特例」といい、2018年3月31日までに取得した資産に適用される限定措置です。これにより、利益の多く出た年に30万円未満の資産を購入すれば、その年の経費として計上できますので、結果的に支払う税金を安くすることができます。ただし、上限額としては、合計が300万円までとなります。

青色申告のデメリット

このようにさまざまな特典がある青色申告ですが、そのデメリットとしてはおもに以下の2つが挙げられます。

  • ・青色申告をしようとする年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなければならない
  • ・65万円の特別控除を受けたい場合は、正規の簿記の原則に則った会計処理(複式簿記による記帳)が求められる

ただし、複式簿記による記帳をしっかり行うことは、経営状態をはっきりさせることにもつながりますので、必ずしもデメリットとはいえない部分もあります。

まとめ

ここまで紹介してきたように、青色申告には税金の面で多くのメリットがあります。 一方、デメリットとして事前の手続きの必要性と帳簿付けの難しさがありますが、事前手続きは期日までに税務署に申請書を提出するだけですし、帳簿付けも「青色申告ソフトfreee」などの会計ソフトを使えば、簡単に行うことが可能です。また、青色申告をスタートするための必要書類作成が行える「開業freee」などのサービスもありますので、ぜひ活用して、青色申告への切替えを検討してみてください。

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