給与計算・労務管理の基礎知識

雇用保険の加入条件と加入手続きの仕方と必要書類などを解説

新たに従業員を雇用したときは、雇用保険の加入手続きを行い、被保険者に雇用保険被保険者証を渡さなければなりません。雇用保険の対象となる従業員やその加入条件、加入できる年齢などの基本的な情報のほか、加入に必要な書類や雇用保険被保険者資格取得届の書き方を記入例とともに解説します。

雇用保険の加入条件

事業所に対する加入条件

従業員を1人でも雇っている事業所は雇用保険法に基づき、雇用保険適用事業所とされます。事業主は従業員の生活を守るため、加入条件を満たす従業員を雇用保険に加入させなければなりません。

正社員の場合の雇用保険の加入条件

雇用保険適用事業所で働く正規雇用の従業員(一般社員)はすべて雇用保険に加入する義務があります。

従来は加入者は65歳未満という年齢制限がありましたが、平成29年1月1日以降、制度改正により年齢制限がなくなりました。以後は65歳以上の従業員も雇用保険への加入が必要です。一般社員の場合、雇用保険の加入に雇用契約書の有無は問いません。報酬が払われていれば、試用期間中も雇用保険の加入対象になります。

なお、個人経営の農林水産業で、従業員が常時5人未満の場合は、例外として「暫定任意適用事業」にあたり雇用保険への加入は任意となります。

パートやアルバイト従業員、派遣社員の場合の雇用保険の加入条件

雇用保険に加入できる非正規雇用者は、週の所定労働時間が20時間以上で、かつ継続して31日以上雇用される見込みのある者です。特に雇用期間が決まっていない場合や、雇用契約の更新により31日以上続けて働くことができる場合、当初は31日未満だった雇用契約が延長により31日以上になった場合なども、雇用保険への加入が必要です。

季節労働者

季節に左右される仕事に従事する者で、1年のうち4カ月以上の雇用契約で、週所定労働時間が30時間以上の者が雇用保険に加入でき、短期雇用特例日保険者となります。

日雇労働者

1日単位の単発の仕事に従事する者や雇用期間が30日以内の者が、雇用保険適用事業所に雇用される場合は、日雇労働被保険者として雇用保険に加入できます。

日雇でも同じ事業主の元で31日以上継続して働いている場合や、2カ月継続して18日以上働く場合は、一般社員と同様に一般被保険者として雇用保険に加入することが可能です。

日雇労働者は雇用保険の加入手続きを行う際、自らハローワークへ出向き、雇用保険被保険者資格取得届に雇用保険日雇労働被保険者手帳を添えて届け出を行わなければなりません。この点がほかの雇用保険被保険者と異なるため注意しましょう。

雇用保険加入の必要書類

新規に雇用保険に加入する事業所は、雇用保険に加入するための「適用事業所の設置」手続きが必要です。これにより労働者の雇用保険加入手続きができるようになります。手続きはハローワークで行いますが、その前に「労働保険関係成立届」を労働基準監督署に提出しなければなりません。

「労働保険関係成立届」提出後、「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険資格取得届」を所轄の公共職業安定所(ハローワーク)に提出し、雇用保険の加入手続きを行います。

新規に加入する事業所以外で新たに雇用保険に加入する場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」を所轄の公共職業安定所(ハローワーク)に提出して手続きを行います。
手続きの用紙はハローワークに置いてあります。資格取得届は1人に1枚必要なので、あらかじめ被保険者の人数を確認して多めにもらっておくとよいでしょう。

「雇用保険適用事業所設置届」の手続きを行う際は下記の書類が必要です。

  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届
  • 被保険者が持っている場合は雇用保険被保険者証、なければ履歴書の写し
  • 労働保険関係設立届の控え(労働基準監督署に提出した控え)
  • 法人登記謄本(原本)または登記事項証明書
「被保険者資格取得届」は、社会保険労務士や労働保険事務組合を通して提出する場合や特に問題がない場合、添付書類は不要です。

一方、事業主として初めて「被保険者資格取得届」を提出する場合や提出期限を過ぎて提出することになった場合、過去3年間において事業主の届け出による不正受給が明らかになった場合、労働保険料の納付状況が悪い場合、株式会社の取締役や事業主と同居している親族が被保険者になる場合には、添付書類(賃金台帳や労働者名簿、出勤簿など)が必要となります。

ハローワークでの雇用保険の加入手続き

雇用保険に加入する際は、新たな従業員を雇用した翌日から10日以内に、管轄の公共職業安定所(ハローワーク)で雇用保険の手続きを行います。出向など人事異動がある際は、加入手続きの見落としがないか必ず確認しておきましょう。

該当年度の雇用保険料は、概算保険料を計算し、労災保険と合わせて申告・納付します。それぞれの書類の書き方及び記入例は次の通りです。

保険関係成立届

会社の概要、会社名、住所を記入し、雇用保険への加入日、雇用者数を記入します。1ヶ月の間に雇用者数の変動がある場合は平均使用労働者数でかまいません。雇用保険被保険者数は、一般・短期の労働者数と日雇労働者数の合計を記入します。

詳細は厚生労働省のページ「保険関係成立届」でご確認いただけます。

雇用保険適用事業所設置届

会社名、住所、被保険者を雇用した日、会社の概要、保険関係成立届に記載される労働保険番号を記入します。

詳細は厚生労働省のページ「雇用保険適用事業所設置届」でご確認いただけます。

雇用保険被保険者資格取得届

労働保険番号は再取得の場合に記入します。最後に被保険者でなくなってから7年以上たっている場合は新規取得として扱います。事業所番号は、雇用保険適用事業所設置届提出の際に交付される番号です。 雇用の原因には、中途採用者や新卒者、出向によるものなど理由を番号で記入し、賃金、専門職や事務職など雇用形態、職種も併せて記載します。契約期間と1週間の労働時間などを記入して提出します。

従業員の雇い入れ日には、試用期間も含めます。 雇用保険の加入手続きをすると、「雇用保険適用事業所設置届事業主控」と「雇用保険被保険者証」、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」が交付されるので、このうち「雇用保険被保険者証」労働者本人に渡します。

「雇用保険適用事業所設置届事業主控」には、その事業所に割り当てられた雇用保険の加入番号が印字されています。「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)」とともに事業所で保管しましょう。

詳細はハローワークのページ「雇用保険被保険者資格取得届」でご確認いただけます。

まとめ

雇用保険の加入手続きは、従業員1人ずつに対して行います。パートやアルバイトの従業員などの加入手続きも忘れないように行いましょう。人事異動や新規雇用などがあった際は、加入手続きの確認をすることが大切です。



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