監修 北 光太郎 きた社労士事務所
社会保険における扶養とは、「被扶養者」になった人が自身で社会保険に入らなくても「扶養者」をとおして加入できる仕組みのことです。被扶養者になると自身で社会保険料を負担せずに済むため、収入の手取り額を増やせるメリットがあります。
ただし、将来受け取れる年金額が減ることや、被扶養者になるためにクリアすべき条件がある点には注意が必要です。
本記事では、社会保険の扶養について条件やメリット・デメリット、社会保険適用拡大の傾向などについて詳しく解説します。
▶︎社会保険の加入条件については、まずはこちらの記事!
目次
- 社会保険の扶養とは
- 社会保険の被扶養者になる条件
- 被扶養者の範囲
- 国内居住要件
- 扶養にできる家族の収入条件
- 押さえておきたい「年収の壁」とは
- 106万円の壁
- 130万円の壁
- 150万円の壁(19歳以上23歳未満)
- 180万円の壁(60歳以上・障害者)
- 社会保険の適用範囲の拡大が進む
- 社会保険の扶養に入るメリット・デメリット
- 社会保険の扶養に入るメリット
- 社会保険の扶養に入るデメリット
- 社会保険の扶養に入るために必要な手続き
- 社会保険の扶養に入るために必要な書類
- 被扶養者(異動)届
- そのほかの添付書類
- 社会保険の扶養から外れるケースと手続き
- 扶養から外れる主なケース
- 扶養から外すための手続きと必要な書類
- まとめ
- 社会保険の手続きや保険料の計算をラクにする方法
- よくある質問
社会保険の扶養とは
社会保険の扶養とは、「被扶養者」となった人が自身で社会保険に入らなくても「扶養者」をとおして加入できる仕組みのことです。被扶養者として認定されると、自身で健康保険料を負担することなく、病気やけがをした際に保険給付を受けられます。
健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険という5つの保険を総称して、社会保険(広義の社会保険)といいます。病気・怪我で治療を受けるときや高齢により介護が必要になったとき、失業や労働災害で働けなくなったときなど、被保険者や被扶養者の生活を保証するために整備されているセーフティーネット(安全網)が社会保険です。
扶養には「社会保険上の扶養」のほか、所得税などに関わる「税制上の扶養」があり、それぞれ扶養になるための条件は異なります。
いずれも、未成年者・高齢者・失業などにより収入が少ない人など、ひとりで生計を立てることが難しい家族や親族を経済的に援助する目的や、主に生計を担っている方を支援する仕組みではありますが、異なる制度なので混同しないように注意しましょう。
社会保険の扶養を受ける人を「被扶養者」、所得税の扶養を受ける人を「扶養親族」と呼びます。
社会保険について詳しく知りたい方は別記事「社会保険と雇用保険の違いは?内容や加入条件の違いについてわかりやすく解説」を、扶養について詳しく知りたい方は別記事「【2026年最新】扶養とは?税法上・社会保険上の違いや条件、メリット・デメリットをわかりやすく解説」をそれぞれご確認ください。
▶︎人事・労務の業務をラクにしたいなら、シェアNo.1のfreee人事労務!
社会保険の被扶養者になる条件
社会保険の被扶養者として認定されるには、主に以下の条件を満たす必要があります。
- 被扶養者として認められる家族の範囲に含まれている
- 原則として日本国内に住所がある
- 被保険者によって主に生計を維持されている
- 年間収入が所定の基準を下回っている
- 自身が勤務先の健康保険などの被保険者になっていない
被扶養者の認定では、家族の年間収入だけでなく、被保険者との続柄や同居・別居の状況なども確認されます。ここでは、それぞれの条件について解説します。
被扶養者の範囲
社会保険の被扶養者として認められる家族や親族は、基本的には被保険者(扶養する人)の3親等内の親族まで、もしくは事実婚など「同一生計」の実態がある人です。
また、被保険者の直系にあたる父母・祖父母・曾祖父母・兄弟姉妹・配偶者・子・孫は、被保険者の収入によって生計を維持されている事実があれば同居の有無は問われません。
ただし、これら以外で第3親等に含まれている親族と、婚姻届未提出で被保険者と事実上の婚姻関係にある配偶者の父母および子(配偶者が亡くなった後にも継続して同居する場合も含む)が被扶養者になるには、被保険者と同居していることが要件となります。
なお、75歳以上の高齢者は「後期高齢者医療制度」の被保険者となるため、社会保険の扶養対象とはなりません。
国内居住要件
社会保険の被扶養者になるには、原則として日本国内に住所があり、住民票が作成されていることが必要です。
ただし、日本国内に住所がなくても、生活の基礎が日本国内にあると認められる以下のような人は、例外として被扶養者になれる場合があります。
- 外国で留学している学生
- 被保険者の海外赴任に同行する家族
- 観光・保養やボランティア活動など、就労以外の目的で一時的に海外へ渡航している人
- 被保険者が海外赴任中に身分関係が生じ、同行することになった家族
- そのほか、渡航目的などを踏まえて日本国内に生活の基礎があると認められる人
海外に居住する家族を扶養に入れる場合は、査証や在学証明書、海外赴任に同行していることが分かる書類など、海外特例要件を確認できる書類が必要です。
一方、日本国内に住所があっても、医療を受ける目的や長期観光を目的とする「特定活動」の在留資格で滞在する外国人は、原則として被扶養者にはなれません。
扶養にできる家族の収入条件
被扶養者として認定されるには、原則として年間収入が130万円未満でなければなりません。ただし、60歳以上または一定の障害がある人は、年間収入180万円未満が基準です。
この年間収入に含まれる「収入」とは、継続して得られる下表のようなものを指します。また、収入は見込みで計算しますが、退職などによって明らかに状況が変化していないかぎりは、原則として「労働条件通知書」や「雇用契約書」に記載された賃金をもとに年収見込みを計算します。
また、2025年10月1日以降に扶養認定を受ける19歳以上23歳未満の人は、配偶者を除き、年間収入150万円未満まで認められます。
扶養にできる家族の収入条件
- 原則:130万円未満
- 19歳以上23歳未満(配偶者を除く):150万円未満
- 60歳以上または一定の障害がある人:180万円未満
上記に加えて、被保険者との同居・別居に応じて、以下の収入条件を満たす必要があります。
- 同居している場合:被扶養者の年間収入が、原則として被保険者の年間収入の2分の1未満
- 別居している場合:被扶養者の年間収入が、被保険者から受け取る年間の仕送り額未満
条件に含まれる収入
| 収入の種類 | |
|---|---|
| 給与収入 | ・給与 ・賞与(ボーナス) ・各種手当 |
| 年金 | ・厚生年金 ・国民年金 ・企業年金 ・共済年金 ・個人年金 ・障害年金 ・労災年金 ・遺族年金 など |
| 事業収入 | ・農業 ・営業 など |
| 不動産収入 | ・土地やアパート、駐車場などの賃貸収入 |
| 利子収入・投資収入 | ・預貯金や有価証券、国債などの利子 ・株式配当など |
| 仕送り | ・被保険者以外からの生活費や養育費など |
| そのほか | ・分割で受け取る遺産相続や退職金 ・育児休業給付金 ・出産手当金 ・職業訓練受講給付金 ・失業保険 ・傷病手当金などの各種手当や給付金 |
収入と聞くと、給与や事業収入などを想像するかもしれません。しかし給与や事業収入に限らず、基本的に「金銭として入金されるものすべて」が対象になると考えておきましょう。
失業手当といった公的な手当・給付金も、収入と見なされます。失業手当を受給中の人は扶養に入れないケースが多いため、注意が必要です。
なお、繁忙期の残業などで一時的に年収130万円を超えた場合は、事業主が一時的な収入変動である旨を証明すれば扶養を継続できます。
条件に含まれない収入
| 条件に含まれない収入 | 収入の種類 |
|---|---|
| 上記以外の一時的な収入 | ・一括で受け取る遺産相続や退職金 ・継続しない不動産売買収入や譲渡収入 ・再就職手当などの各種雇用保険給付金(一時金) ・生命保険一時金 ・出産育児一時金 ・懸賞や宝くじなどの賞金 |
収入条件を月間収入に換算すると、月間108,333円以下(60歳以上または障害者であれば150,000円未満)であれば被扶養者として認められます。
押さえておきたい「年収の壁」とは
社会保険における「年収の壁」とは、一定の年収に達した際に、勤務先の社会保険への加入義務が発生したり、家族の被扶養者から外たりする基準を指します。
社会保険における主な年収の壁は以下の4種類です。
社会保険における年収の壁
- 106万円の壁
- 130万円の壁
- 150万円の壁
- 180万円の壁
ただし、106万円の壁とほかの3つでは、関係する制度が異なるため注意が必要です。
なお、税制上の「年収の壁」については、別記事「扶養控除とは?適用条件や差し引かれる金額、年収の壁、外れるデメリットなどの重要事項を押さえよう」を参考にしてください。
106万円の壁
106万円の壁とは、パートやアルバイトなどの短時間労働者が、勤務先の社会保険へ加入するかどうかを判断する要件のひとつです。ただし、月額8万8,000円以上とする賃金要件(106万円の壁)は、2026年10月に撤廃されます。
賃金要件撤廃後は、週の所定労働時間や企業規模などの要件を満たす場合は勤務先の社会保険へ加入することになります。通常の労働者の所定労働時間・所定労働日数の4分の3未満で働く人でも、以下の要件をすべて満たす場合は勤務先の社会保険へ加入しなければなりません。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 2ヶ月を超えて雇用される見込みがある
- 学生ではない
- 厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業などに勤務している
勤務先の規模や労働時間によっては社会保険への加入義務が発生します。それまで扶養者の社会保険に加入していた扶養家族が、個人で社会保険に加入することになるため、新たに保険料の負担が増加します。
130万円の壁
130万円の壁とは、健康保険の被扶養者として認定される年間収入の基準です。今後1年間の収入が130万円以上になると見込まれる場合は、原則として被扶養者から外れます。
扶養から外れた後は、勤務先の健康保険・厚生年金保険に加入するか、自身で国民健康保険と国民年金へ加入し、保険料を負担しなければなりません。そのため、収入が増えても、保険料の負担によって手取り額が一時的に減少する恐れがあります。
150万円の壁(19歳以上23歳未満)
150万円の壁とは、19歳以上23歳未満の家族に適用される、健康保険の被扶養者認定における年間収入の基準です。2025年10月1日以降の扶養認定から、従来の「年間収入130万円未満」が「150万円未満」へ引き上げられました。
対象となるのは、被保険者の子や兄弟姉妹など、19歳以上23歳未満の被扶養者です。配偶者は年齢要件を満たしていても対象外で、原則どおり年間収入130万円未満の基準が適用されます。また、学生であることは要件とされていません。
年齢は、扶養認定日が属する年の12月31日時点で判定します。たとえば、その年の12月31日時点で19歳以上23歳未満に該当すれば、年間収入150万円未満の基準が適用されます。
ただし、年間収入が150万円未満でも、自身が勤務先の社会保険への加入要件を満たす場合は、家族の被扶養者にはなれません。
180万円の壁(60歳以上・障害者)
180万円の壁とは、60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害がある人に適用される、健康保険の被扶養者認定における年間収入の基準です。
対象者は、今後1年間の収入が180万円未満であれば、ほかの要件も満たすことで被扶養者として認定されます。月額に換算した場合は、15万円未満が目安です。
年間収入には給与だけでなく、老齢年金や遺族年金、障害年金などの公的年金も含まれます。遺族年金や障害年金は税制上非課税ですが、社会保険の扶養判定では収入として扱われる点に注意しましょう。
社会保険の適用範囲の拡大が進む
パートやアルバイトなどの短時間労働者に対する社会保険の適用範囲は、段階的に拡大されています。2026年10月には所定内賃金要件が撤廃されます。
また2026年10月時点では、通常の労働者の週所定労働時間および月所定労働日数の4分の3未満で働く人のうち、以下の要件をすべて満たす場合に健康保険・厚生年金保険へ加入しなければなりません。
| 加入要件 | 2026年9月30日まで(改正前) | 2026年10月1日から(改正後) |
|---|---|---|
| 企業規模 | 従業員数 51人以上 | 従業員 51人以上 |
| 週の所定労働時間 | 週20時間以上 | 週20時間以上 |
| 所定内賃金 | 月額88,000円以上 | 要件なし(撤廃) |
| 雇用期間 | 2ヶ月を超えて雇用される見込みがある | 2ヶ月を超えて雇用される見込みがある |
| 学生 | 原則として対象外 | 原則として対象外 |
ここでいう従業員数とは、企業で働くすべての従業員ではなく、厚生年金保険の被保険者数を指します。法人の場合は、同一の法人番号を持つすべての事業所の被保険者数を合計して判定します。
また、2025年の年金制度改正法により、企業規模要件は下表の流れで段階的に縮小・撤廃される予定です。
| 適用時期 | 社会保険の適用対象となる企業 |
|---|---|
| 2027年10月から | 従業員数 36人以上 |
| 2029年10月から | 従業員数 21人以上 |
| 2032年10月から | 従業員数 11人以上 |
| 2035年10月から | 企業規模を問わず適用 |
2035年10月に企業規模要件が撤廃されると、企業の従業員数にかかわらず、週の所定労働時間などの要件を満たす短時間労働者が社会保険の加入対象となります。
さらに、「106万円の壁」にあたる所定内賃金月額8万8,000円以上の要件は、2026年10月に撤廃されます。撤廃後は、企業規模や週の所定労働時間などの要件を満たせば、勤務先の社会保険へ加入することになります。
このように、今後は勤務先の規模や業種にかかわらず、社会保険へ加入する短時間労働者が増えていきます。企業は対象となる従業員を把握し、本人への説明や資格取得の手続きを適切に進めましょう。
社会保険の扶養に入るメリット・デメリット
社会保険の扶養に入る場合、以下のメリット・デメリットがあります。それぞれ確認しておきましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・年金や健康保険料の支払負担がなくなる ・収入の手取り額が増える | ・将来の年金受給額が減る ・扶養条件を満たせるよう収入の調整が必要 |
社会保険の扶養に入るメリット
社会保険の扶養に入る主なメリットは、自身で年金や健康保険の支払いを負担せずに、被保険者の健康保険を利用できる点です。病気やケガで医療機関を受診した際には、被保険者と同様に医療費の給付を受けられます。
また、自身の給与から社会保険料が差し引かれないため、扶養に入らず社会保険へ加入する場合と比べて、手取り額を確保しやすいこともメリットです。扶養の収入条件を満たす範囲で働く場合、社会保険料の負担を抑えながら収入を得られます。
社会保険の扶養に入るデメリット
社会保険の扶養に入ると、年金の受給額が厚生年金加入者に比べて少なくなるというデメリットがあります。これは、扶養に入っている人に認定される「第3号被保険者」が受け取れる年金が、国民年金のみと定められていることが理由です。
第3号被保険者とは、厚生年金または共済年金に加入している「第2号被保険者」に扶養されている、20歳以上60歳未満、かつ年収130万円(または所定労働時間が20時間)未満の配偶者を指します。将来受け取る年金の額を増やしたい場合は、扶養に入らず、自身の就業先で社会保険に加入し、第2号被保険者になる必要があります。
また、社会保険の扶養に入るには、収入面の条件もあります。月々の収入や年間の収入を管理・調整する手間がある点も、デメリットのひとつです。
社会保険の扶養に入るために必要な手続き
配偶や親族を社会保険の扶養に入れる際は、被扶養者の要件に該当するかどうかを事前に確認し、被扶養者になる事実が発生した日から5日以内に「被扶養者(異動)届」と必要な添付書類を所轄の年金事務所または事務センターに提出しなければなりません。
配偶者を扶養に入れる場合は、「被扶養者(異動)届 第3号被保険者関係届」に記入することで厚生年金の第3号被保険者への切り替え手続きもあわせて進められます。厚生年金のみを切り替える場合は、「第3号被保険者関係届」を提出しましょう。
提出方法は、勤め先を通じて窓口持参や郵送、電子申請のほか、CDまたはDVDなどの電子媒体で行われます。
社会保険の扶養に入るために必要な書類
社会保険の扶養に入るための手続きでは、「被扶養者(異動)届」が必要です。そのほかの添付書類も提出が求められるため、以下で詳しく解説します。
被扶養者(異動)届
「被扶養者(異動)届」の正式名称は、「健康保険被扶養者(異動)届 国民年金第3号被保険者関係届」といいます。配偶者を扶養する際の「被扶養者(異動)届」の各項目に記載する内容は、以下のとおりです。
被扶養者(異動)届の書き方
- 事業所整理記号:法人に付与された記号(事業者が記入)
- 事業主確認欄:被扶養者の収入の証明を省略する際に、事業主が収入要件を確認した上で「1.確認」を〇で囲む
- 被保険者整理番号:各事業所で異なるため、事業主に確認または事業主が直接記入
- 収入:被保険者(扶養する人)の扶養届の提出時以降の年収見込額を記入
- 提出日:事業主に提出した日を記入
- 被扶養者(第3号被保険者)になった日:被扶養者の資格を取得した日を記入(婚姻や離職など)
- 収入:被扶養者(扶養される人)の扶養届の提出時以降の年収見込額を記入
- 備考:被保険者と被扶養者の続柄を確認した後に事業主がチェック
原則として、「被扶養者(異動)届」は事由の発生から5日以内に提出しなくてはなりません。
そのほかの添付書類
「被扶養者(異動)届」とあわせて提出する書類は、以下のとおりです。
| 添付書類 | 例 | 提出する人 |
|---|---|---|
| 続柄が確認できる書類 | 被扶養者の戸籍抄本、戸籍謄本または住民票の写しなど(マイナンバーの記載がないもの) | 全員 ※被保険者と被扶養者両方のマイナンバーが届出書に記載されており、かつその続柄を事業主が確認したうえでその旨を記載している場合は不要 |
| 収入が確認できる書類 | 雇用保険受給資格証、離職票、労働条件通知書、直近の確定申告書などのコピーや課税証明書など | 全員 ※16歳未満、または事業主の証明がある所得税上の扶養親族の場合は不要 |
| 入籍したことが確認できる書類 | 婚姻届受理証明書 | 入籍した人 ※入籍の際に子どもを養子縁組する際は「養子縁組受理証明書」を合わせて提出が必要 |
| 仕送り額が確認できる書類 | 現金書留の写し、預金通帳の写し、振込証明書など | 被保険者と別居している人 ※16歳未満、また学生の場合は不要 |
| 内縁関係を確認できる書類 | 内縁関係双方の戸籍謄本、世帯全員の住民票など(マイナンバーの記載がないもの) | 内縁関係の人 |
続柄を確認できる書類、および収入を確認できる書類は、基本的に全員提出が必要です。忘れずに用意しましょう。また、そのほかの書類は、扶養に入る人の状況にあわせて用意してください。
なお、勤め先が加入している健康保険組合によって必要な添付書類が異なるため、事前に勤め先の担当者に確認しておきましょう。
社会保険の扶養から外れるケースと手続き
被扶養者の収入や状況の変化などによって、社会保険の扶養から外れるケースがあります。扶養から外れると、扶養者や被扶養者の税金や保険料の負担が変わるため、適切な手続きを行う必要があります。
以下で、扶養から外れる主なケースとその手続きについて詳しく解説します。
扶養から外れる主なケース
被扶養者の年収が130万円(または週の所定労働時間が20時間)以上になったとき
被扶養者の年間収入が130万円を超えると扶養から外れ、自身で社会保険に加入する必要があります。先に説明したとおり、週の所定労働時間が20時間を超えた際に社会保険への加入義務が生じる場合もあります。
被扶養者が就職して自分で社会保険に加入したとき
被扶養者が就職し、就職先の企業で健康保険に加入した場合は、扶養から外れる手続きが必要です。扶養から外れた人は、自身の収入に基づいて社会保険料を支払うことになります。
離婚したとき
離婚した場合も、配偶者は扶養から外れることになります。扶養者は速やかに手続きを行わなければなりません。
被保険者(本人)が退職・転職したとき
被保険者が退職または転職した場合は扶養の条件が変わるため、被扶養者は扶養から外れることになります。
扶養から外すための手続きと必要な書類
家族・親族を扶養から外す際にも、「被扶養者(異動)届」を事由発生から5日以内に提出する必要があります。この届出は、扶養者の勤め先を通じて行います。また、資格確認書の交付を受けている場合は、資格確認書も扶養者の勤め先を通じて返却しなければなりません。
この手続きが遅れると、扶養者の資格が失われた時点まで遡って資格を取り消されることがあります。その間に保険証を使用して受診した場合、発生した医療費は全額返還しなければなりません。
まとめ
社会保険の扶養とは、被扶養者になった人が自身で社会保険に入らなくても保険に加入できる仕組みのことです。被扶養者になるには、被保険者の第3親等以内(もしくは事実婚など同一生計の事実がある)に該当し、年間の収入が130万円未満でなければならないなどの条件が定められています。
また、近年は社会保険の適用拡大が進んでおり、2026年現在、従業員数が51人以上の法人で加入対象者となる人は原則として社会保険への加入が必須となっています。今後も拡大する可能性が高いため、気にしておくとよいでしょう。
社会保険の手続きや保険料の計算をラクにする方法
社会保険料の計算含む、給与計算事務全体を効率化
freee人事労務では、従業員情報や最新の料率にもとづいて、社会保険の計算をミスなく効率的に行えます。
また、勤怠管理をクラウド上で行うことで、勤怠データをリアルタイムに集計でき、ワンクリックで給与計算・給与明細の発行が完了します。
気になった方は是非労務管理システム「freee人事労務」をお試しください。
よくある質問
社会保険における扶養とは?
社会保険における扶養とは、被扶養者になった人が自身で社会保険に入らなくても被保険者を通して保険が受けられる仕組みのことです。
詳しくは記事内の「社会保険の扶養とは」をご覧ください。
社会保険の被扶養者になる条件とは?
社会保険の被扶養者になるには、被扶養者の範囲に該当することと、扶養扱いにできる家族の収入条件を満たしていることが必要です。どちらも満たす必要があるため、あらかじめ条件を理解しておきましょう。
詳しくは記事内の「社会保険の被扶養者になる条件」をご覧ください。
社会保険の扶養に入るメリット・デメリットは?
主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 年金や健康保険料の支払負担がなくなる
- 収入の手取り額が増える
デメリット
- 将来の年金受給額が減る
- 扶養条件を満たせるよう収入を管理・調整する手間が発生する
詳しくは記事内の「社会保険の扶養に入るメリット・デメリット」をご覧ください。
参考文献
監修 北 光太郎
きた社労士事務所 代表
中小企業から上場企業まで様々な企業で労務に従事。計10年の労務経験を経て独立。独立後は労務コンサルのほか、Webメディアの記事執筆・監修を中心に人事労務に関する情報提供に注力。法人・個人問わず多くの記事執筆・監修をしながら、自身でも労務専門サイトを運営している。
