人事労務の基礎知識

健康保険の保険者番号とは?種類や確認方法、必要になる企業の手続きを解説

監修 涌井 好文 社会保険労務士

健康保険の保険者番号とは?種類や確認方法、必要になる企業の手続きを解説

健康保険の保険者番号とは、健康保険事業を運営する保険者(健康保険組合、全国健康保険協会など)を特定するための6桁または8桁の数字です。

健康保険の手続きを担当する人事・労務・総務担当者にとって、保険者番号は欠かせない情報です。「番号をどこで確認すればよいのか」「実際にどのように活用するのか」を理解していないと、手続きに支障をきたすことがあります。

本記事では、保険者番号の種類や確認方法、必要になる企業の手続きをわかりやすく解説します。保険者番号を扱う際の注意点や、似た番号との違いについても触れているので、今後の業務の参考にしてください。

目次

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健康保険の保険者番号とは

健康保険の保険者番号とは、健康保険を運営する団体ごとに割り当てられた、6桁または8桁の番号です。

加入している健康保険制度を特定するための重要な情報で、健康保険の種類や運営主体を把握するために使われます。

健康保険の加入条件や国民健康保険との違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご確認ください。

【関連記事】
社会保険とは?5つの種類や加入条件、国民健康保険との違いをわかりやすく解説

保険者番号の意味

保険者番号とは、加入している健康保険を運営する団体を識別するためのコードで、保険者ごとに割り当てられています。

健康保険証には個人を特定する番号(被保険者整理番号)も記載されていますが、保険者番号は組織を識別するものであり、加入者個人を特定するための番号ではありません。

同じ保険者が運営する健康保険に加入している被保険者は、共通の保険者番号を割り振られます。

保険者番号の「保険者」とは

保険者とは、健康保険制度を運営し、加入者から保険料を徴収しつつ保険給付を行う団体を指します。

主な保険者は「協会けんぽ(全国健康保険協会)」と「健康保険組合」の2種類です。

協会けんぽは、主に中小企業の従業員やその家族の健康保険を管掌します。健康保険組合は、大企業や同種・同業の企業が合同で設立し、従業員の健康保険を管掌する団体です。

保険者番号は、これらの団体を識別するコードとして活用されます。

協会けんぽについては、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】
「協会けんぽ(全国健康保険協会)」とは?加入条件から国保との違い、受けられる制度まで詳しく解説

出典:全国健康保険協会「保険者とは?」

保険者番号の種類

保険者番号は、加入する医療保険制度によって6桁か8桁のどちらかに分類されます。

桁数の違いは制度区分を示す重要な情報であり、番号の構造を理解することで企業の手続きや書類管理の正確性を高められます。

8桁の場合

8桁の保険者番号は、健康保険や国民健康保険の退職者医療、後期高齢者医療制度で用いられる形式です。

8桁の内訳は以下のとおりです。

6桁の場合

6桁の保険者番号は、国民健康保険で用いられる形式です。

「都道府県番号」「保険者別番号」「検証番号」の3つの要素で構成され、法別番号は付与されません。

保険者番号を確認する方法

保険者番号は、従業員に交付されている健康保険証の保険者番号欄で確認可能です。ただし、健康保険証は2024年12月で発行終了となっており、マイナ保険証へと移行しつつあります。そのため、健康保険証が手元にない従業員も増えています。

マイナンバーカードに付帯するマイナ保険証には、保険者番号が記載されていないため、カードでの確認はできません。保険者番号を正確に把握するには、加入している健康保険の運営団体に問い合わせるのが確実です。

協会けんぽでは、都道府県ごとの保険者番号一覧をWeb上で公開しているため、自社が加入している地域から保険者番号を特定できます。

保険者番号が必要になる企業の手続き

企業が保険者番号を使用する場面は限られますが、主に健康保険に関する事務手続きや加入団体への申請書類で求められる場合があります。

たとえば、出産育児一時金の直接支払制度を利用する場合などです。現在加入する国民健康保険ではなく、以前加入していた健康保険組合から、直接支払制度を利用した出産育児一時金の支給を希望する場合に必要とされることがあります。

企業担当者は、手続きごとに必要性を確認することに加え、管理台帳や書類の取り扱いに際しては適切なセキュリティ対策を講じ、個人情報の保護に配慮することも重要です。また、事業所番号など他の識別番号と混同しないよう注意しましょう。

出産育児一時金の申請方法については、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】
出産育児一時金とは?いくらに増額された?金額や申請方法をわかりやすく解説
採用後の入社手続きまとめ!必要書類・保険の加入・税金までをわかりやすく解説

保険者番号の取り扱いに関するルール

保険者番号の取り扱いには厳格なルールがあり、取り扱いを誤ると法令違反のリスクがあります。

ここでは、2020年10月から施行された「告知要求制限」のルールを正しく理解し、業務で適切に扱うためのポイントを押さえましょう。

告知要求制限とは

告知要求制限とは、保険者番号や被保険者等記号・番号について、正当な目的以外での告知を求めることを禁止する制度です。

制度の趣旨は、プライバシー保護と個人情報の適正管理にあります。企業は業務上必要な場合であっても、番号を書き写したり記録したりすることが原則禁止されており、法令に抵触しないよう運用ルールを徹底する必要があります。

被保険者証の提示等を求める際の注意点

本人確認などの目的で、被保険者証の提示を求めること自体は可能です。ただし、保険者番号の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。

たとえば、保険者番号を書き写したり、コピーをそのまま保管したりする行為は法令違反です。コピーを取得する場合は、番号部分に必ずマスキングを行い、番号を復元できない状態にしなければなりません。QRコードに含まれる番号についても、同様の処理が必要です。

写しを送付してもらう場合、事前にマスキング済みのものを要求し、万が一未処理のものが送られてきたら受領側で適切に処理することが求められます。

また、ホームページや書面で「番号の記載面を送付してください」といった番号の記載を促す表現を使用しないよう注意しましょう。

出典:厚生労働省「医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限について」

保険者番号と似た番号との違い

社会保険の手続きでは「保険者番号」と混同しやすい複数の番号があります。これらは事業所や加入者ごとに割り振られ、管理や手続きの目的によって使い分けられます。

番号の種類や桁数、用途を正しく理解することは、人事・労務担当者が社会保険や年金の手続きを円滑に進めるうえで欠かせません。

1.記号

記号とは、健康保険において保険者(運営主体)や事業所を識別するために付与される番号です。

旧社会保険庁時代は漢字やひらがな、数字の組み合わせで表され、健康保険証に記載されていました。2008年10月の協会けんぽ発足に伴い、従来の文字表記から7桁または8桁の数字に変換され、現行ではこの数字が健康保険証に記載されています。

健康保険では勤務先の企業や団体ごとに、国民健康保険では自治体ごとに異なります。記号は個人を特定するものではなく、あくまで事業所や保険者を管理するためのものです。

2.被保険者整理番号

被保険者整理番号は、健康保険や厚生年金保険の加入者一人ひとりに付与される個別の番号です。

健康保険証には「番号」として表示され、従業員の資格取得・変更・喪失など、さまざまな社会保険手続きで個人を識別するために使用されます。

被保険者ごとに同じ番号が割り当てられるため、扶養家族には被保険者と同じ番号が割り当てられます。

3.事業所番号

事業所番号とは、企業が健康保険と厚生年金保険の新規適用事業所となった際に、日本年金機構から告知される5桁の番号です。

告知番号とも呼ばれ、事業所が制度加入の事実を示す証として付与されます。年金事務所への各種手続きや保険料納付に使用されますが、健康保険証には記載されていません。

4.雇用保険被保険者番号

雇用保険被保険者番号は、雇用保険に加入している従業員に割り振られる11桁の番号です。

雇用保険被保険者証や離職票に記載されており、主に失業給付や教育訓練給付に関する手続きで使用されます。

5.労働保険番号

労働保険番号は、労災保険や雇用保険に加入する事業所ごとに、都道府県労働局が割り振る14桁の番号です。

主に労働保険に加入していることを証明する番号として使用され、労災の保険請求や労働保険料の申告・納付などの手続きで使用されます。

労働保険関係成立届や労働保険事務組合の会員証があれば、労働保険番号を確認できます。

6.基礎年金番号

基礎年金番号は、国民年金・厚生年金に加入する全加入者に割り当てられる10桁の番号です。年金手帳や基礎年金番号通知書に記載されており、加入記録の一元管理や年金額の計算に使用されます。

すべての公的年金制度で共通して使われる個人番号のため、就職や転職で加入する制度が変わっても番号自体は変わりません。

まとめ

健康保険の保険者番号とは、加入している健康保険を運営する団体を識別するための6桁または8桁の番号です。

企業の手続きで必要になることがあるため、番号の種類や確認方法、取り扱いルールを理解しておくことが重要です。誤って他の番号と混同したり、不適切に使用したりしないよう注意しましょう。

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よくある質問

保険者番号とは何ですか?

保険者番号とは、保険事業の運営者(保険者)を特定するための番号です。

6桁または8桁の番号があり、桁数や数字によってどの種類の保険者かを識別できます。

詳細は「健康保険の保険者番号とは」をご確認ください。

保険証番号と保険者番号は同じですか?

そもそも「保険証番号」という番号は存在しません。健康保険証にはさまざまな番号が記載されており、特に混同しやすいのは以下の3つです。

番号の種類概要
記号・被保険者が加入している保険者や事業所を識別するための番号
被保険者整理番号・被保険者一人ひとりに付与される個別の番号
・健康保険証の番号欄に記載
保険者番号・保険事業を運営する団体や自治体を特定するための番号

被保険者整理番号は、個人を特定するために使われる番号です。記号・保険者番号は事業所や運営団体を特定するために使われる番号で、個人を識別するための番号ではありません。

このように、健康保険証に書かれている番号には役割の違いがあるため、混同しないよう注意が必要です。

詳細は「保険者番号と似た番号との違い」をご確認ください。

監修 涌井好文(わくい よしふみ) 社会保険労務士

平成26年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録を行い、以後地域における企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を行う。退職時におけるトラブル相談や、転職時のアドバイスなど、労働者側からの相談にも対応し、労使双方が円滑に働ける環境作りに努めている。また、近時は活動の場をWeb上にも広げ、記事執筆や監修などを通し、精力的に情報発信を行っている。

監修者 涌井好文

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