開業の基礎知識

開業医のための経営戦略 開業する前に明確にすべき選択肢とは?

開業医のための経営戦略 開業する前に明確にすべき選択肢とは?

こんにちは経営コンサルタントのケニーです。
私は本来マーケティングやIT活用が専門の経営コンサルタントですが、最近は新規開業の医院やクリニックのマーケティングの相談も増えています。

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医療の世界でも勝ち組・負け組の格差が広がっている

勤務医として経験を積み、開業して自分の病院を持てば収入も増え、時間の自由も効くようになる。
そんなキャリアを前提に大学で大変な勉強をして、技術も習得し、資金面でも大きな負担をしているはずです。
しかし、お話しした院長さんからは
「医師や看護師の人手不足で常にマネジメントの悩みを抱え休みもろくに取れていない。
患者は地元のお年寄りばかりで、話し相手が仕事のようになっていて、新しい技術など追いかけていられない。
年収は増えたものの、採用等の経費や開業費の返済を考えると勤務医の頃の方がお金の心配は無かった。」
といった不安の声を多くお聞きしました。


目次

医院経営 3つのポジショニング 患者さんの心に残るために

では、経営が上手く行っている病院にはどんな特徴があるのでしょうか?
病院に限らずサービス業(病院はサービス業ですよ!この意識が無いと絶対上手く行きません。)でマーケティングで勝ち残るのは3つのポジションしかありません。


1、最も便利な体制で勝つ
様々な検査を一括して提供する大病院など。(まとめて検査受診できる便利さ)

2、最も親身な関係で勝つ
顔なじみで親身に相談に乗ってくれる地元のクリニックなど。(親身で喜楽な関係性)

3、最も高級な品質で勝つ
特化したメニューを持つクリニックや専門病院。(大切なものは品質重視)

患者さんが病院を選ぶ時は、3つの選択肢のNo.1を比較します。
そして、各ポジション上位の病院は明確にそのポジションに特化しています。
ポジションが絞れていない病院は勝てないんです。


ただし、このポジショニングは、内科、外科、眼科、皮膚科、耳鼻科、小児科、歯科、産婦人科、それぞれに別枠になりますし、最近ですと、ペインクリニック、不妊治療専門、美容専門など、マーケティングニーズに応じた新たな枠が生まれています。
さらに、一人一人の患者さんにとって、通えるエリアや営業時間帯によって選択肢の幅が異なります。
つまり、ある一人の人からみて同質のサービスで意味のある選択肢は3つ程度に限られ、その内容は被らないように差別化されているということなんです。



ありがちな誤解 病院はやっぱり治療技術がすべてじゃないの?

誠実な若い先生にはそう感じる方が多いようです。
ご自身が病気の際も広い人脈の中で腕の確かな人に診断をされているかもしれません。
でも、病院ではなく例えば飲食店や洋服屋さんなど他のサービスを受けるとき、本当に技術力を見極めてお店選びをされていますか?
高収入の先生でもコンビニやチェーンストアで買い物をしますよね。

病院はコンビニとは違う!と反論されるかもしれません。
一つコンビニ的な経営をしている病院の例をご紹介します。
私はコンサルティング先の会社の役員も務めており、従業員が多い会社だと定期検診を人数分申し込むことがあります。
その際、健康診断専門の医院が大変繁盛しているのに驚かされました。
問診など流れ作業で素人目にみても決して技術力は高くなさそうですが、大量の人を効率よくスケジュール調整し、診断し法人向けのレポートも作成してもらえます。
間違いなくとても儲かってますよ!



ポジションと戦略 開業時に設定する理想像

ここまで読んで、
「医院にもビジネスモデルがあるんだな。開業するとしたら自分はこういう医院にしたいなあ。」
という想いと多少なりともワクワクした感覚がある先生は、もう少し読み進めてください。

◎個人医院の開業で目指すポジションと戦略

医療以外の業界でもそうですが、便利さを追求するには大きな設備、多くの人員、24時間の体制、良い立地など、大きな資本が必要になります。
そのため個人での開業では事業承継でなければ、親身な関係か高級な品質を訴求することになります。

◎親身な関係での医院経営

人とのコミュニケーションが得意でリーダーシップのある先生が選ばれるスタイルです。
まず、何よりも地域密着の経営になります。
既に人脈のあるエリアで開業するのがベストですが、土地勘の有る無いに関わらず、必ず商圏分析※をしましょう。
地域住民の生活水準や近隣の医院の立地も分かりますから、地域に求められる医院のイメージとご自身の医院のイメージが合うか、よく考える必要が有ります。
また、このタイプの医院は看護師の評判が経営に大きく影響します。
地域性があるのでなかなか問題のある看護師を辞めさせる訳にもいきません。
近隣の医院の求人状況なども踏まえて看護師の確保が十分できるか見極め、スタートには時間をかけて看護師の採用と教育をするようにしましょう。
地元の患者さんの評判が何よりも大切だとお考えください。

※商圏分析
対象のエリアにどれだけの顧客や競合がいるか分析すること。
大手企業が出店する際には必ず商圏分析を行います。
商圏分析やエリアマーケティングで検索すると様々なサービスがあり、無料で使えるツールもあります。
専門のコンサルティング会社に依頼するのも良いでしょう。

◎高級な品質での医院経営

技術や実績に自身のある先生が選ばれるスタイルです。
技術に投資して付加価値を上げると、保険診療ではない高額な自由診療の割合も高くなります。
結果として富裕層の多くすむエリアに開業するか、商圏を広げて遠方から外来に訪れてもらうことになります。
このスタイルで商圏分析と併せて重要になるのがWEBマーケティングです。
高額な自由診療の対象者は様々なエリア・属性に分散して存在しているので、インターネットで主体的に見つけてもらうプル型のマーケティングが重要になります。
つまり、ライバルは地元の医院ではなくネット上のマーケティングの強い医院になるわけです。
厚労省のガイドラインに沿って、最適なWebのSEOやSEMを行い、医院長自らネット上での情報発信をする必要があります。
ネット上での評判が何よりも大切だとお考えください。



まとめ 勝ち組にはまた悩みが

以上のような大きな方針に即して、どういう医院を目指すのか、ライバルがどこで、勝っているポイントはどこで、劣っているポイントはどこなのか。
そういうことをちゃんと考えてまじめに経営している医院は必ず成果がでます。

勝ち組と負け組に格差ができることは良く無い事かもしれません。
しかし、医院経営の戦略と聞いて面倒だなと感じる方もいれば、勤務医時代には感じられなかったやりがいを感じてワクワクされる先生もいます。
本当に経営について真剣に考えている方はこれまでの時代以上に大きな成功をされています。

そんなわけで、お医者様からの相談で実は一番多いのは、
「ケニーさん不動産投資詳しい?減価償却のとれて収益の出る良い物件無いかな~」
といった景気の良い相談だったりします。



開業フリー
会計フリー
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経営コンサルタント・ケニー

はじめまして、経営コンサルタントのケニー(純日本人)です。中小企業や個人事業主、サロンやカフェオーナーさん、お医者様まで、幅広い業種の方々のコンサルタントをしています。その経験を活かし、初めて開業する方々が抱きがちな疑問にずばりお答えします!

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