本記事は、ひとり美容室を経営した場合の平均売上や開業資金、ひとり美容室を開業するメリット、成功させるためのポイントを解説します。
ひとり美容室のメリットや注意点を理解し、独立開業の具体的なイメージを掴みましょう。
目次
- ひとり美容室を開業するにはいくらかかる?
- ひとり美容室を開業するメリット
- 自分のペースで働ける
- 人間関係のストレスがない
- 雇用関係の手続きが必要ない
- 従業員を管理する手間がかからない
- ひとり美容室を開業するデメリット
- 売上や収入に限度がある
- 病気や怪我などで収入が0になるリスクがある
- 電話応対から施術までひとりで対応する必要がある
- ひとり美容室を成功させるためのポイント
- 事業計画書を作成する
- 不要なコストをできる限り削減する
- 補助金や助成金を活用する
- 技術だけに集中しすぎず経営を疎かにしない
- ひとり美容室開業までの流れ
- ひとりで美容室を経営した場合の平均売上はいくら?
- よくある質問
- ひとり美容室は儲かるの?
- 自宅でひとり美容室を開業できる?
- まとめ
- freee開業なら、税務署に行かずに開業届をかんたんに作成
ひとり美容室を開業するにはいくらかかる?
美容室の開業資金は主に、物件取得費・内装工事費・設備費・運転資金の4つで構成されます。なかでも物件取得費や内装工事が大きな割合を占めます。
物件は、立地や物件の状態、広さなど、さまざまな要件で大きく変動します。
スケルトン物件の場合は、一から内装工事をしなければならないため、居抜き物件よりも費用がかかってしまいます。また、駅チカや路面店など立地が良い物件は家賃も相場より高めの傾向です。
また、物件を契約した時点で家賃の12ヶ月分+敷金・礼金を支払う必要があるケースもあるため、備えておく必要があります。
開業資金をひとりですべて賄うのが難しい場合は、融資や補助金・助成金などの活用を検討しましょう。
【関連記事】
融資とは?意味や種類、借入までの流れをわかりやすく解説
ひとり美容室を開業するメリット
ひとりで経営していく形態には売上の限界が伴いますが、理想の働き方を叶えられる、人間関係のストレスがかからないといったさまざまなメリットがあります。
ひとり美容室のメリット
自分のペースで働ける
ひとり美容室は従業員を雇用せずに自分ひとりで美容室を運営するため、店の営業時間や定休日などを自分の都合で決めることができます。
【ひとり美容室の働き方の具体例】
- 平日は17時にお店を閉めて、家庭・子育てを両立する
- 土日は趣味に没頭するため完全休業日とする
- 長期休暇を確保し、リフレッシュや旅行の時間を取る
- 朝が苦手なため14時〜22時を営業時間とする
企業の従業員として働いたり、ほかの従業員を雇ったりすると、シフト調整や急な休みの代理対応などが発生します。
ひとり美容室はワークライフバランスを重視する人にとっては働きやすい環境です。
人間関係のストレスがない
美容師は上下関係がはっきりしており、一般的な職業と比べて閉鎖的であるため、人間関係に悩む方は多い傾向です。もしかしたらあなたも、職場の人間関係のいざこざや、ほかのスタイリストとの比較、強制的な飲み会などにストレスを抱えているのではないでしょうか。
その結果として、独立開業が選択肢に入っている方もいるかもしれません。
ひとり美容室を開業すれば、社長や上司、同僚、後輩との人間関係に悩む必要がありません。オーナー、プレイヤー、アシスタントなどすべてのポジションは自身で担います。
人間関係のストレスから解放されることで、心に余裕が生まれます。人生にゆとりが生まれた結果、より質の高いカウンセリングや温かいおもてなしにつながり、結果的にお客様の満足度とリピート率向上も期待できるでしょう。
雇用関係の手続きが必要ない
従業員を雇用した場合、雇用関係の契約を締結する必要があります。たとえば、社会保険や労働保険、所得税、住民税などの手続きが必要です。また毎月給与の計算もする必要があり、雇用すると美容室の運営以外に非常に手間がかかる作業が多い傾向です。
ひとり美容室であれば、スタッフを雇わないため、そのような雇用に関する複雑な手続きが不要です。
経営の管理コストを最小限に抑えられますし、何より自分の働き方で美容室を運営できる点は大きな利点といえるでしょう。
従業員を管理する手間がかからない
ひとり美容室には、採用や教育、評価、モチベーション維持といった従業員を管理する手間がかかりません。
ひとり美容室は、そもそも従業員を雇わないため、教育や評価をしていく必要がありません。すべて自分のペースで業務を遂行し、サービスの質にばらつきが生じない点がメリットともいえます。
ひとり美容室を開業するデメリット
ひとり美容室を成功させるために、デメリットもきちんと理解しておきましょう。
ひとり美容室のデメリット
売上や収入に限度がある
ひとり美容室は、自分の労働力が売上の上限となるため、収入に限界があります。スタッフを増員して売上規模を拡大する、という一般的な美容室の成長戦略が使えません。
ただし客単価を上げる戦略を進めることで、売上や収入の向上が期待できます。もちろん上限はありますが、ヘッドスパや眉毛カットの追加メニューの提案、シャンプーやトリートメントといった店販など、客単価を上げる工夫を考えましょう。
病気や怪我などで収入が0になるリスクがある
病気や怪我などで自分が働けなくなった場合、売上や収入は0になるリスクがあります。人間関係のしがらみがなく、自分のペースで働けるひとり美容室ですが、収入保障のない点がデメリットです。
会社員のような有給休暇や傷病手当金はなく、休業期間中に収入は入ってきません。
そのために確保した利益は、病気や怪我をしたときの運転資金としてある程度確保しておくことが重要です。
電話応対から施術までひとりで対応する必要がある
美容師としてのプレイヤー活動だけではなく、下記のような業務もすべてひとりでこなす必要があります。
- 予約受付
- 電話応対
- シャンプー
- 掃除
- 片付け
- 備品発注
- 経理
- 集客活動
たとえば、予約の電話が施術中にあった場合、客を待たせなければなりません。忙しいだけでなく、顧客満足度の低下につながるリスクがある点にも注意が必要です。
予約システムなどを導入し、電話予約を最小限にするなどの改善策も検討しましょう。
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ひとり美容室を成功させるためのポイント
ひとり美容室は、優れた技術力に加えて、経営者としての視点を持もつことが成功のポイントです。
ひとり美容室を成功させるためのポイント
事業計画書を作成する
ひとり美容室を成功させるために、まず事業計画書の作成からはじめることが重要です。
事業計画書があると、売上・利益・キャッシュフローを数値で把握でき、どのくらいの期間で軌道に乗るのか、また経営上の課題がどこにあるのかを客観的に判断できます。
また、開業資金の調達では事業計画書の提出が求められます。金融機関は事業計画書の内容をもとに、美容室の収益性や将来性、返済能力を評価するためです。
つまり、ひとり美容室の独立・開業において事業計画書は欠かせない資料です。
「投資した資金をいつ回収できるのか」「○○円の広告費でどれだけ新規顧客を獲得できるのか」「利益率は適正か」など、根拠のある数字を用いて計画を立てることで、無理のない経営が可能になります。
【関連記事】
事業計画書の書き方と記入例を項目別に解説! テンプレートや作成時のポイントも紹介
不要なコストをできる限り削減する
ひとり美容室は人件費がかからないというメリットがある一方で、日々の運営コストをどれだけ削減できるかが成功に大きく関係します。
メニューや価格に見合った設備・薬剤を選び、原価率を意識することが大切です。ほかにも、光熱費はLED照明を導入する、広告費は有料広告に頼りすぎず、SNSやブログするといったコスト削減の工夫をするようにしましょう。
抑えられるところは徹底的に削減することで、利益を最大化でき、経営が安定するようになります。
補助金や助成金を活用する
開業資金のすべてを自己資金や融資で賄うのではなく、政府や地方自治体が実施する返済不要の補助金や助成金も活用しましょう。
たとえば東京都が実施している創業助成金は、店舗家賃・備品購入費・設備などのリース料・レンタル料・広告費が最大400万円まで助成される制度です。条件はあるものの、制度を活用することでひとり美容室の開業を有利に進められます。
ただし補助金や助成金は競争率が高く、申請が遅いと受けられない場合があります。補助金・助成金の専門家や商工会議所で情報収集を日頃から徹底し、開業を決意するころには申請できる段階にまで進めておきましょう。
【関連記事】
個人事業主が開業する際に活用できる助成金・補助金・支援金を解説
技術だけに集中しすぎず経営を疎かにしない
ひとり美容室で成功するために、技術力は必要不可欠です。しかし同じように経営者としてのレベルも上げていく必要があります。
利益を生む仕組みがなければ、「忙しいのに儲からない」という状態に陥ってしまうためです。どんぶり勘定の経営は、価格設定の誤り、集客の非効率、無駄な経費の発生につながり、長期的な成長を妨げます。
- 毎月末に「稼働率」「客単価」「次回予約率」「店販売上比率」の4つの数値を確認し、改善策を考える
- Googleビジネスプロフィールの閲覧数や電話数を毎日管理し、どれくらいの見込み顧客のアクセスを獲得できているか確認する
- 「経営について考える日」をスケジュールに組み込み、カルテの見直しや新メニュー・キャンペーンの企画立案を行う
開業を決めた時点で、あなたはスタイリストであると同時に、店舗を存続させていくための経営者でもあります。技術を磨く時間と経営を学ぶ時間の両方を大切にすることが、長く続くサロンを作るためにやるべきことです。
ひとり美容室開業までの流れ
ひとり美容室を開業するまでの流れは大きく以下のとおりです。
従業員を雇う場合は、人材の採用や研修が必要ですが、ひとり美容室の場合はそれがないため、店舗や設備が整い次第、自分のタイミングでお店をオープンができます。
美容室を開業するには、入念な調査と計画が重要です。
事業計画書は融資を受ける際に必要になるだけでなく、自身の考えを言語化できるので、作成することで課題が見えやすくなります。事業計画書の書き方は、別記事「事業計画書の書き方と記入例を項目別に解説! テンプレートや作成時のポイントも紹介」で詳しく解説しています。
ひとりで美容室を経営した場合の平均売上はいくら?
ひとりで美容室を経営する場合の平均売上を示す具体的なデータはありません。しかし、客単価と月間来店数である程度計算することは可能です。
たとえば、客単価6,000円で、月間来店数90名(1日3名の施術)の場合の売上は54万円です。また客単価10,000円(カットとカラーなど)で、月間来店数が120名と想定すると、売上は120万円にもなります。
このように美容室ごとに売上は大きく変わります。「ひとり美容室で儲けたい」と考えているのであれば、客単価と月間見込み来店数を意識し、経費をできる限り削減していく意識をもつようにしましょう。
よくある質問
ひとり美容室は儲かるの?
経営戦略や客単価の設計の仕方次第ですが、ひとり美容室でも受けることは可能です。
成功の鍵は、売上の絶対額だけでなく、高い利益率を確保できるビジネスモデルを構築することです。たとえば経費を最小限(例:毎月20万円)まで抑え、ひとりあたりの客単価を15,000円と仮定すれば、毎月100人の施術で130万円の利益を生み出せます。
上記はあくまで一例です。儲かるかどうかは、あなた自身の運営方針と戦略にかかっています。
自宅でひとり美容室を開業できる?
保健所の規定をクリアする必要があるなど、ルールはありますが、自宅でひとり美容室の開業は可能です。
自宅で開業できれば、家賃や水道光熱費などのランニングコストを抑えられる、通勤の手間がかからないなどの利点があります。自宅を工事したり、設備を整えたりなど大変な側面はありますが、自宅サロンに憧れがある人は、ぜひアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ひとり美容室は、「自分のペースで働きやすい」「人間関係のストレスがない」といったメリットがあります。
収入に限界があるというマイナスの面もありますが、人間関係や時間といった縛りにとらわれず、のびのびと働きたい方にはおすすめの経営形態です。
まずは事業計画書を作成し、経営の側面を整理して、融資や助成金・補助金の活用も検討してみてください。
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青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内、もしくは1月1日から3月15日までに提出する必要があります。期限を過ぎた場合、青色申告できるのは翌年からになるため注意が必要です。
3. 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
家族や従業員に給与を支払うための申請書です。
4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
原則毎月支払う源泉所得税を年2回にまとめて納付するための手続です。毎月支払うのは手間ですので、ぜひ提出しましょう。
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青色申告をする場合に、家族に支払う給与を経費にするための手続です。青色申告をして家族に給与を支払う場合は必ず提出しましょう。
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次に、作成編です。
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給与を支払う人がいる場合は、上記のように入力をします。
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