店販とは、美容室やサロンに来店した顧客に商品を販売する営業手法のことです。
顧客ニーズや課題にマッチしたトリートメント・シャンプー・ヘアオイルなどを提案・販売することで、顧客と信頼関係を構築するきっかけとなり、新たな収益源も作れます。
本記事では、店販の概要や導入のメリット・デメリット、注意点を解説します。
目次
- 店販とは
- 美容院で店販を導入するメリット
- 客単価UPで利益率の向上が期待できる
- 他店との差別化で集客につながる
- 顧客満足度が上がる
- 美容院で店販を導入するデメリット
- 商品を仕入れるコストがかかる
- 顧客との信頼関係を損なう可能性がある
- 在庫を抱えるリスクがある
- 美容院で店販を実施するときのポイント
- ポップや動画で商品の興味を引く
- 顧客が手に取れる場所に置く
- 施術中に使用し自然な流れで商品を紹介する
- SNSやホームページで紹介する
- 美容室で店販するときに気をつけるポイント
- 値段を明確に提示する
- 興味を引いたら会計までしっかり案内する
- まとめ
- よくある質問
- freee開業なら、税務署に行かずに開業届をかんたんに作成
店販とは
店販とは、美容室やサロンに来店した顧客に商品を販売する営業手法のことです。
顧客ニーズや課題にマッチしたトリートメント・シャンプー・ヘアオイルなどを提案・販売することで、顧客と信頼関係を構築するきっかけや新たな収益源になります。
店販は個人のスキルに依存せず、売上を伸ばすことができる魅力的なビジネスモデルです。
美容院で店販を導入するメリット
店販は売上を増やすだけでなく、美容室のブランド価値や顧客との関係性にもよい影響を与えます。本章では、店販を導入するメリットを3つにわけて解説します。
美容院で店販を導入するメリット
客単価UPで利益率の向上が期待できる
店販は、スタイリストの時間的リソースをほとんど消費することなく、客単価の向上につながる施策です。
技術による売上はスタイリストの労働時間に比例するため、売上を伸ばすには限界があります。一方、店販は商品を販売して売上を立てるため、労働集約的な収益構造から脱却できます。
たとえば、客単価10,000円、月間客数200人のサロンで考えてみましょう。現在の店販購入率が10%(平均単価3,000円)だとすると、店販売上は月6万円です。
これを30%まで引き上げることができれば、店販の売上は月18万円となります。
施術以外で年間144万円もの売上アップにつながるのは、経営の面で大きな支えとなるでしょう。
他店との差別化で集客につながる
スタイリストの視点から顧客一人ひとりの悩みに合わせて行う商品提案は、「髪の悩みを本気で解決してくれる専門サロン」という付加価値を生み、他店との強力な差別化要因となります。
また、薬局などの市販で購入できない商品が置かれていることをきっかけに、来店してくれるケースもあります。「ここでしか手に入らない」という希少価値も大きな差別化要因となるでしょう。
その結果として差別化に成功し、顧客離れや新規客の取りこぼしリスクを防ぐことが可能です。
顧客満足度が上がる
顧客一人ひとりの悩みに寄り添い、適切な商品を紹介することで顧客満足度の向上が期待できます。
顧客が商品を利用し効果を実感できれば、再購入の可能性だけでなく、顧客からの信頼関係にもつながるでしょう。
美容院で店販を導入するデメリット
スタイリストの時間的リソースを消費せず、売上の向上が期待できる店販は経営の大きな支えとなるでしょう。
しかし店販にはリスクもあります。課題を事前に理解し、正しい対策を講じることで、リスクを最小限に抑えるようにしましょう。
美容院で店販を導入するデメリット
商品を仕入れるコストがかかる
店販の実施には、商品の仕入れコストがかかります。人材、家賃、広告などのコストに加えて、商品仕入れのコストの発生により、キャッシュフローを圧迫する可能性がある点はデメリットです。
商品は先払いで仕入れるのが一般的であり、売れる前から資金がでていきます。とくに、魅力的な売り場を作るためにある程度の品数を揃えようとすると、初期投資は数十万円単位になることも珍しくありません。
このリスクを避けるためには、最初から多くの商品を揃えようとせず、顧客の悩みの声が最も多いカテゴリの売れ筋商品に絞って、最小ロットで仕入れることです。小さくはじめて、売れ行きや顧客の興味関心など様子を分析し、今後の取り組みを考えましょう。
顧客との信頼関係を損なう可能性がある
来店した客に一方的に商品を紹介・販売を勧めるのは、信頼関係を損なうリスクがあるため避けましょう。
商品の販売ではなく、あくまで「顧客の悩みを解決する提案」という考えをスタッフに共有することで、信頼関係を損なうリスクを回避できます。
施術台の前に商品のポップや実物を配置し、客が興味をもった段階でその商品についての紹介や、店舗で購入できることの説明をすると自然な流れで購入につなげることができます。
在庫を抱えるリスクがある
商品が売れなければ不良在庫となり、倉庫を圧迫するだけでなく、投資回収できないことによるキャッシュフローの悪化を招く要因となります。
とくに美容業界のトレンドは変化が早く、新商品も次々と発売されるため、仕入れた商品がすぐに時代遅れになる可能性があります。
店販は、早期に商品を現金化することが鍵です。販売データを活用し、「何が」「いつ」「どれくらい売れたか」を正確に把握したうえで発注するようにしましょう。
美容院で店販を実施するときのポイント
今日からでも実施できる店販のポイントをまとめました。店販のメリットを最大化し、店舗の収益の柱とするためにも、まずは下記のポイントを実践してみてください。
美容院で店販を実施するときのポイント
ポップや動画で商品の興味を引く
手作りのポップや短い動画は、顧客の興味をひくための有効な手法です。施術中も顧客の認知・興味を獲得でき、24時間働く無言のセールスマンとして活躍してくれます。
たとえば、「パサつき髪が5分でまとまるヘアオイル」「洗うだけでふわふわ髪」といった、顧客の悩みに寄り添うキャッチコピーのポップが有効です。また、待合席のタブレットで商品の使い方動画やレビュー動画を流すのも効果的でしょう。
顧客の中には、スタッフから直接商品を勧められることに抵抗を感じる方もいます。ポップや動画であれば、セールスすることなく商品の魅力が伝わるため、自然と商品への関心が高まります。
商品の名前と値段をただ書くのではなく、「この商品を使うことで、顧客の未来がどう素敵に変わるか(ベネフィット)」を伝えるポップ・動画作りを意識しましょう。
顧客が手に取れる場所に置く
顧客が施術中や待ち時間に、物理的に手に取れる場所に商品を陳列することもポイントです。
効果的な陳列場所は、待合スペースのテーブルの上、セット面の鏡の横、シャンプー台の近く、受付カウンター横など、顧客が座ったり滞在したりする時間が長い場所です。
商品を詰め込みすぎず、一つひとつの商品が際立つように余裕を持たせたディスプレイにし、「ご自由にお試しください」と書いたカードとともに、テスターも設置しましょう。
人は商品を実際に手に取ることで、その商品に対する所有意識が高まり、興味や愛着が湧くという心理効果があります。ガラスケースの中や手の届かない高い棚にある商品は、顧客にとって「自分とは関係のないもの」と認識され、せっかくの購入の機会を失います。
美容室の顧客の動線をあらためて確認し、顧客が自然と商品に触れられる場所に設置しましょう。
施術中に使用し自然な流れで商品を紹介する
店販の成功は、いかに自然な流れで商品を紹介できるかが重要です。
たとえば、シャンプーのときに「今日の髪の状態に合わせて、保湿効果が高いこちらのシャンプーを使いますね。ハーブの香りでリラックスできますよ」と一言伝えます。
ヘアオイルを訴求したい場合は、ドライヤーの前にオイルをつけながら、「このオイルは熱から髪を守るだけでなく、通りがよくなります」と、顧客自身に髪の変化を実感してもらうのもよいでしょう。
その際に、「ディスプレイに置いてある商品を使います」と付け加えてもいいかもしれません。商品のパッケージやデザインも認識してもらうためです。このような流れでセールスせずとも、顧客に「欲しいかも」と自然に興味・関心をもたせることが可能です。
SNSやホームページで紹介する
一度だけでなく複数回にわたって情報に触れることで、その商品への親近感や興味が高まる傾向があります。そのため、顧客にInstagramやXなどのSNSをフォローしてもらい、商品の魅力を継続的に発信して、正しく認識してもらうことが店販のコツです。
来店時以外の日常的なタイミングで情報に触れてもらうことで顧客の関心を育て、「SNSで見たあの商品、気になっていました」という来店時のスムーズな会話のきっかけを作れます。
たとえば、Instagramでは、スタッフが実際に商品を使っている様子をリール動画で投稿したり、ストーリーの質問箱で商品に関する質問に答えたりします。ホームページでは、商品の開発ストーリーやくわしい成分や効果の解説といった情報を発信し、より深く商品を知ってもらうきっかけを作ります。
より多くの顧客に商品の存在を知ってもらい、売上を伸ばすためにもオンラインとオフラインを戦略的に駆使しましょう。
「オンラインでは商品の存在を知ってもらい興味を育てる」「オフラインでは実際に体験してもらい購入を後押しする」という役割分担を意識することで、顧客の購買体験を最大化し、販売サイクルを生みだせます。
美容室で店販するときに気をつけるポイント
店販では以下のポイントに気をつけることが重要です。
あと一歩で購入に至らなかったという機会損失を防ぎ、快く購入をしてもらうためのポイントです。
- 値段を明確に提示する
- 興味を引いたら会計までしっかり案内する
値段を明確に提示する
商品の値段を明確に提示しましょう。ポップやプライスカードで明確に提示することが、顧客の安心感と信頼につながり、購買のきっかけとなります。
顧客にとって値段は購入を決めるための重要な情報のひとつです。どれだけ商品が魅力的でも値段が不明瞭な状態では、「これは高そう」「値段を聞いたら断りづらくなるかも」といった不安や警戒心を顧客に与えてしまい、購買の機会が生まれません。
値段表示はセールスではなく、顧客への重要な情報提供であると捉え、サロン内のすべての店販商品にかならずわかりやすい値段を表示するようにしましょう。
興味を引いたら会計までしっかり案内する
顧客が商品に興味を示したサインを見逃さず、会計までしっかり案内しましょう。
「欲しいけれど、言いだすタイミングを逃してしまった」「なんとなく言いづらくて諦めた」という機会損失はサロンで頻繁に発生しています。
スタッフからの最後の一押しが、購入決断を後押しする重要な役割を果たします。
商品紹介→体験→クロージングといった営業プロセスを構築し、スタッフ全員がこの流れを実現できるように研修を実施してみましょう。
まとめ
店販とは単なる物販ではなく、顧客の悩みに寄り添い、信頼を深める価値提案です。押し売り感をなくし自然に売るには、施術中の体験提供や、手に取りやすいディスプレイ、興味を引くポップ作りが欠かせません。
よくある質問
「店販」の読み方は?
「店販」の読み方は「てんぱん」です。
物販と混同されがちで意味は一緒ですが、美容室やサロンでは店販がよく使われています。
「店販(てんぱん)」という正しい読み方を覚え、スタッフ全員で共通認識をもつようにしましょう。
店販とは何ですか?
店販(てんぱん)とは、美容室やサロンなどの店舗で顧客にシャンプーやトリートメントといった商品を販売することです。
商品の提案を通じて顧客との信頼関係を築き、かつ客単価の向上も期待できる施策といえます。店販のみで年間売上1,000万円を達成している美容室も存在しており、成功すれば大きな収益の柱となります。
「店販」の言い換えは?
店販の言い換えは「店舗販売」や「店頭販売」ですが、スタッフの意識改革のためには、「ホームケア提案」「アフターカウンセリング」といった、より顧客にとってポジティブな言葉を使うのがよいでしょう。
「店販」という言葉は、どうしても売り手側の都合や「売り込み」といったネガティブなイメージを連想させがちです。店舗内で「顧客にとって最高の価値を提供する」という文化を醸成するためにも、店販を別の表現に言い換えるのもよいかもしれません。
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