開業の基礎知識

開業費用に関する疑問を解決!集め方や償却方法を解説

開業費に関する疑問

事業を始めるにあたっては、様々な疑問を持つことでしょう。特に疑問が多く出てきそうなのが、開業費用に関してです。そこで、開業費用に関するありがちな疑問を、まとめて解決してしまいましょう。

目次

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開業費用に含まれる支出とは?

まず気になるのは、開業費用にどのような支出が含まれるのかですね。開業費用には、開業に必要となった幅広い資金が含まれます。例えば、開業をアピールするためのチラシを印刷した場合、印刷費用は「広告宣伝費」ではなく、「開業費」に分類されます。開業後に発生した場合は詳しい内容で分類する費用も、開業に際して発生した場合は、「開業費」でまとめられるのです。

事業を始めると、経費を細かく分類して記帳する必要があります。記帳に時間をとられてしまう、と感じる個人事業主も少なくありません。開業時にある程度必要な費用をまとめて支出しておけば、勘定科目で悩む時間が少なくて済みますよ。

とはいえ、開業後に使用する消耗品等の購入費用は「開業費」として計上することはできません。あくまでも、開業するまでに準備をできるだけ進めておき、準備にかかった費用を開業費として計上すべき、と理解しておきましょう。

いつまでにかかった費用が開業費用になるの?

開業費用に様々な支出が含まれることがわかりましたね。では、開業費用にできる支出には、期限があるのでしょうか。帳簿をつける際に、勘定科目を「開業費」とすべきか同課についても気になりますよね。

開業費として認められる支出の期間は明確ではありません。税務署が適正と判断するかどうかによって開業費と認められるかどうかが決まるためです。多少期間が長めであっても税務署に対してきちんと納得のいく説明ができるのであれば問題ありませんよ。

ただ、目安は知っておくと良いでしょう。開業費として計上できるのは、開業準備にかかった費用です。開業準備にどのくらいの期間をかけるのかを常識的に考えると、半年~1年程度ではないでしょうか。そのため、開業費として計上できる支出は、開業の半年~最大でも1年前くらいまでの期間の支出である、と考えておきましょう。

開業後に発生した費用は、「開業費」にはなりません。開業後すぐに宣伝のために交通費を使ったとしても、分類は開業費ではなく、旅費交通費となります。

開業費はどのくらいかかる?

事業を始める段階では、資金力に余裕がないこともしばしばです。そこで、開業費がどのくらいかかるのかを確認しておきましょう。開業するかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

開業にかかる費用は、業種によって大きく異なります。ただ、最低でも100万円程度は必要、と考えておきましょう。ただし、自宅をオフィス代わりに使うなど、プライベートの資産を事業に活用できる場合は、開業費用を100万円以下に抑えることも不可能ではありません。どうしても用意できる開業資金が少ない...という人は、自宅の設備を活用できないか検討してみましょう。

自宅設備等を利用できないケースでは、開業費が1,000万円近くに上ることがあります。いったん利益が生まれ始めれば成長が見込めるビジネスであっても、最初に必要な資金が多いと、事業が軌道に乗る前に頓挫しかねません。事業計画を立てるにあたっては、開業費がどのくらいかかるのかをきちんとシミュレーションしておきましょう。

開業費用の集め方とは?

開業費用が少ない場合は、自己資金を充てたり、知人に借りたりすれば調達できます。しかし、費用が高額の場合は、資金が不足してしまうことがあり得ます。そんな時には、開業費用をどのようにして集めればよいのでしょうか。

まず、助成金を活用する方法があります。助成金は返還する必要がありません。そのため、いったん手に入れてしまえば、開業時の準備費用として使用しても問題ありませんよ。

助成金を受け取るためには、申請を行う必要があります。申請には様々な書類の作成が必要になりますね。もちろんすべて自力で作成してもよいのですが、時間と労力が多くかかってしまいます。獲得した助成金の一部を報酬として支払ってでも、開業支援サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

また、融資を受ける方法もあります。助成金が支給されなかったり、支給額が不十分だったりする場合には融資を検討してみましょう。融資を受けるためには、事業の継続性等が見込める必要があります。事業の確実性が高いと判断されればされるほど、金利が低く抑えられたり、融資額が増えたりすると考えられます。したがって、融資を受ける場合は丁寧に事業計画を策定しておきましょう。

事業計画の策定は、自力で行うことが難しい場合がありますよね。そんなときは、営業支援サービスを利用すると良いでしょう。営業支援サービスを開業時だけ受けるという選択肢もありますよ。もちろん、開業後もサポートを受け続けることもできます。

支援サービスと聞くと大げさに考えてしまうかもしれません。しかし、手軽に利用できる開業支援もありますよ。例えば、開業freeeであれば無料で開業届等の書類を作成することができます。初心者でも使いやすい作りになっているので、開業費を抑えたいと考える個人事業主はぜひ利用してみましょう。

開業費用の償却方法とは?

開業費用を事業の経費にするためには、適切な会計処理を行う必要があります。では、どのような処理を行うべきか、具体的にチェックしていきましょう。

開業費用は「開業費」という勘定科目で計上します。そして、開業費は繰り延べ資産となります。繰延資産をどのように償却していくかは、事業主の裁量にゆだねられています。均等に償却する場合は5年が基準となっていますが、償却年数を設定しない任意消却も認められていますよ。

個人事業を営むにあたっては、節税対策をしっかり行うことが望ましいです。せっかくの収益をできるだけ多く手元に残すためです。そこで、開業費は均等償却ではなく、任意消却するようにしましょう。税金のうち、所得税は累進税率となっています。つまり、所得が多ければ多いほど、税率が高くなるのです。

開業費を任意消却にしておけば、収入が多い年に多めに減価償却費を計上することができます。収入が多くても経費を多く計上できれば、所得額が平準化されますよ。日本の所得税制では所得に波があるよりも、安定した所得が続く方が課税額を減らせるケースが大半です。開業後しばらくは収入が少ない状態になる可能性がありますよね。収入が少ないのに焦って開業費を償却してしまわないように気を付けましょう。

ただし、償却を先送りしすぎると、節税メリットを受けないまま年数がどんどん経過していきます。所得が増えて安定してきたら、積極的に開業費の減価償却を進めると良いですよ。特に任意消却の場合は償却作業を失念してしまうリスクがあります。多くの節税につながるくらいの所得にまで事業が成長すれば、速やかに償却を進めてくださいね。

まとめ

開業費用として認められるのは、おおよそ開業1年前以降に発生した、開業準備のための費用です。あらかじめ商品を仕入れたとしても、開業費には分類できません。開業費に分類できるのは、名刺の作成費用やテナント不動産の礼金、HPの作成費用等です。
開業費は繰延資産となり、減価償却で経費化します。減価償却のペースは任意に設定できるので、節税効果が大きくなるよう、償却ペースをうまく調整しましょう。

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