美容室において失客を防ぐことは、安定した経営基盤を築くために重要です。
本記事では、美容室の経営における失客の概要や顧客離れの原因、具体的な対策方法まで解説します。
目次
- 失客とは
- 美容院・サロンの失客の判断基準
- 美容院・サロンの失客を放置することのリスク
- 美容院やサロンで常連客が失客する理由
- 引っ越しや家庭の事情などで通えなくなってしまったから
- 顧客ニーズに応えられてないから
- マンネリ化による不信感を与えているから
- 待ち時間が長い・予約が取りにくいなど利便性が悪いから
- 担当者が辞めてしまったから
- なんとなく行きたくなくなったから
- 美容院・サロンで失客を防ぐための対策
- 初心を忘れず丁寧なアフターサービスを提供する
- 再来店向けのクーポンやポイントカードなどを取り入れる
- SNSでつながりお店や担当者を思い出してもらうきっかけを作る
- イベントや期間限定メニューで飽きさせないサービスを提供する
- 顧客満足度アンケートを取りお店の課題や現状を分析する
- まとめ
- freee開業なら、税務署に行かずに開業届をかんたんに作成
失客とは
失客とは、一度来店した顧客が再来店しなくなることを指します。
安定した経営を築くためにリピート率が重要な美容業界において、失客は何よりも重要な課題で、優先して解決していくべき事項です。
経営上の安定化を図りたいのであれば、早期に解決し、リピートで安定した売上を作っていく必要があります。
美容院・サロンの失客の判断基準
美容室・サロンにおける失客の判断基準は、店舗ごとに異なります。
たとえば、再来店日から3ヶ月経過した場合に失客と判断する店舗があれば、1年経過した時点で失客と判断する店舗もあります。この基準を店舗で明確に統一することが、正確な顧客分析を行うための第1ステップです。
まずは自店舗における失客の定義を決定しましょう。
美容院・サロンの失客を放置することのリスク
美容室・サロンが失客を放置するリスクは、新規顧客の売上に依存する利益が出にくい経営状況に陥ることです
たとえば、新規顧客の獲得は既存顧客の獲得コストの5倍以上かかるといわれています。つまり失客を放置し当たり前になっている状態ではつねに広告費をかけて新規を獲得する必要があり、その分利益率は低下します。
いつまでも経営状況は安定せず、うまく新規を獲得できなければ赤字となる月もでてくるでしょう。
そのほかにも、運営上のリスクがあります。継続的に新規顧客の対応に追われると、スタッフは毎回ゼロから関係構築を始める必要があり、疲弊します。常連客との信頼関係から生まれるはずだった、高単価メニューの提案や店販の機会も失われ、客単価も伸び悩むでしょう。
その結果として、思ったようにインセンティブが発生せず、スタッフが退職するリスクもあります。
このように、失客は放置すれば経営の根幹を揺るがす問題です。このリスクから目を逸らさず、まずは自店舗の失客率を正確に把握し、どうすれば対策できるかを戦略的に考えましょう。
美容院やサロンで常連客が失客する理由
顧客の失客にはさまざまな要因があります。そして顧客都合で失客する場合と、美容院が原因で失客する場合の2パターンにわけられます。
美容院やサロンで常連客が失客する理由
本章の内容を参考に、このような理由で失客していないか客観的に分析してみましょう。
引っ越しや家庭の事情などで通えなくなってしまったから
以下のように引越しや家庭の事情などでライフスタイルが変化し、継続的に美容室に通い続けるのは困難です。
- 会社の転勤や結婚に伴う遠方への転居
- 出産・育児でサロンに通う時間が確保できなくなった
- 進学や就職で生活圏が変わった
たとえば、もともと美容室までの距離が歩いて10分の距離だったのに対し、引越したことで車で2時間の距離になってしまうと、どれだけお気に入りのサロンでも通うのは難しいでしょう。そのため、このような理由での失客は、美容室のサービス品質とは直接関係ない外部要因です。
顧客の事情での失客は避けられないのは事実ですが、「これで関係が終わってしまった」と諦める必要はありません。手紙やメール、SNSなどでつながりを保つことで、将来的な利用につながる可能性があります。
本章の失客の理由は顧客事情による防ぎようがない外部要因ですが、次章からは店舗が原因によって失客する内部要因を紹介します。
顧客ニーズに応えられてないから
常連客のニーズに応えられていないケースも失客する理由のひとつです。
顧客の髪質、好み、ライフスタイルは年月とともにかならず変化します。常連客の「いつも通りで」という言葉に甘え、丁寧なカウンセリングを省略していると、顧客が抱える悩みや「本当はこうしたい」という願望のサインを見逃してしまうからです。
たとえば、年齢の変化で白髪やうねりなどの悩みが新たにでてくる可能性がありますし、仕事が変化したことで手入れが楽なヘアスタイルにしたいという潜在的なニーズがあるかもしれません。
長い付き合いの顧客であっても、毎回かならず丁寧なヒアリングを実施することで、失客する確率を減らせます。「今日はどのようなヘアスタイルにしますか?」「チャレンジしてみたいことありますか?」など、顧客ニーズを引き出すような問いかけをするようにしましょう。
マンネリ化による不信感を与えているから
いつもと同じという安心感が、いつしか代わり映えしないとマンネリに変わり、他店へ刺激を求めるようになり失客へとつながります。
顧客は心のどこかで、「新しい自分を発見したい」「もっと素敵になりたい」という潜在的な欲求があります。美容室側が安定したサービスを提供しているつもりでも、いずれは「私のことに関心を持ってくれていないのでは?」「もしかして手を抜いている?」という不信感を抱いてしまう可能性もあります。
【マンネリ化につながる要素】
- 来店するたび同じ雑誌、同じドリンク、同じ会話のテーマで新鮮味がない
- 新しいトリートメントや髪のケア方法の紹介が一切なく、顧客に新しい発見を提案できていない
- インテリアやBGMが何年も変えていない
- 顧客との関係性に甘えて手抜き感を与えている
小さな変化や刺激を提供し続けることが、マンネリ化を防ぐポイントです。季節に合わせたヘッドスパの提案、ヘアスタイルに適したスタイリング剤の紹介、新メニューの提案など、顧客を飽きさせない工夫を取り入れてみましょう。
待ち時間が長い・予約が取りにくいなど利便性が悪いから
待ち時間が長い、予約が取りにくいなどの利便性が悪ければ継続して利用してもらえません。
「予約したのに毎回15分以上も待たされる」「希望の日時に予約がまったく取れない」「予約するシステムが面倒」といった利便性の低さは、サロンへの満足度を直接的に低下させる大きな不満要因となります。質の高いサービスを提供できていても、失客へとつながってしまうでしょう。
対策としては、美容室の公式LINEから自動で予約できるシステムの構築や、やむを得ず待ち時間が発生する場合は必ず事前にお伝えし、快適な待合環境を提供するなどです。
「顧客の時間はとても貴重な資産」と考え、美容室の利便性を高める仕組みを構築しましょう。その結果、顧客満足度が上がり、失客を防ぐことができます。
担当者が辞めてしまったから
長年担当してもらっているスタイリストの退職がきっかけで、失客へとつながってしまう可能性があります。
このようなケースでの失客の場合、常連客は美容室よりも「担当スタイリスト個人」に信頼を寄せている傾向にあります。後任者への引き継ぎが不十分だと、お客様は「また関係を築くのは面倒」「自分のことを理解してもらえない」と不満を感じ、前任者の美容室に通うか、新しいサロンを探し始めてしまいます。
担当者の退職が決まった時点で、後任者とともにお客様に挨拶し、情報を引き継ぐ機会を設けるようにしましょう。日頃からカルテを充実させ、美容室のファンになってもらう仕組み作りが、根本的な失客対策となります。
なんとなく行きたくなくなったから
「なんとなく行きたくなくなった」という失客理由の背景には、ここまで解説してきた要因が積み重なってしまった可能性があります。
一つひとつは我慢できるレベルの小さな不満でも、複数回重なることで、顧客の中でサロンの評価が低下します。その結果、「このサロンでなくてもいいかな」「ほかのサロンはどうなんだろう」という気持ちが生まれ、通わなくなってしまうわけです。
失客を防ぐために、顧客に以下のような気持ちを与えていないか、あらためて考える機会を設けましょう。
- 技術はよいが、最近お店の清掃が行き届いていないと感じた
- 雰囲気は好きだが、会話がいつも同じで少し退屈に感じた
- SNSをみてほかのサロンのほうが魅力的に感じた
技術、接客、空間、利便性など、あらゆる側面で質を向上させ、高い顧客満足度を維持しましょう。定期的な顧客アンケートなどを実施し、小さな不満を見つけることも大切です。
美容院・サロンで失客を防ぐための対策
この章では、常連客が離れてしまう理由を踏まえ、大切なお客様との関係を維持し、失客を防ぐための具体的な対策を5つの視点から解説します。
常連客の失客は、一度失うと取り戻すのが難しいだけでなく、サロンの雰囲気やスタッフのモチベーションにも影響を与えます。安定した経営基盤を築くため、今日から実践できる具体的なアクションプランを見ていきましょう。
失客を防ぐための対策例
初心を忘れず丁寧なアフターサービスを提供する
何度も来店をしてくれている客に対しては、従業員もフランクな対応になりやすいですが、行き過ぎた慣れはときに相手に不快感を与え、客離れの原因になるおそれがあります。
失客を防ぐためには、相手にとって心地よい距離感と接客を提供しつつ、初めて来店してくれたときのような丁寧なアフターサービスも心がけていきましょう。アフターサービスの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 仕上げの際に、自宅でのスタイリング方法や簡単なアレンジ方法を、お客様の髪質に合わせて具体的にレクチャーする
- 次回来店までの最適な期間を提示したり、おすすめのホームケアを提案したりする
- 来店から数日後にLINEやメールでお礼のメッセージと髪の状況を確認する
このとき、アフターサービスを美容師個人の裁量に任せるのではなく、店舗全体で標準化できると、スタイリスト全員がリピート率の向上を期待できます。
再来店向けのクーポンやポイントカードなどを取り入れる
常連客だけが受けられる特典やポイント制度は、再来店への動機付けを強化できる施策です。
リピートしてもらうにはもちろん技術や接客への満足という要素も大切です。しかし人間は価格の安さやお得さに惹かれる生き物です。「割引」や「特典」といった経済的な価値を提供することで、他店に流れてしまうリスクを減らせます。
何度かリピート(3回目以降など)してもらえている場合には、リピート客限定のクーポンやポイントカードを発行してみるとよいでしょう。たとえば以下のような制度も効果的です。
- 来店回数や利用金額に応じてランクが上がり、特典が豪華になるステップアップ型の会員制度を設ける
- 誕生日月にトリートメント無料などの特典が受けられるバースデークーポンを提供する
- 友人・知人を紹介してくれた場合に、紹介者と新規客の双方に割引を提供する紹介制度を作る
ただし、単なる割引に頼ると客単価の低下を招くため、「〇〇円以上で使えるクーポン」「1,000円で1ポイント」といったようにハードル高めの条件をつけて、顧客満足度のほか、売上も同時に伸ばせるような仕組みを構築しましょう。
SNSでつながりお店や担当者を思い出してもらうきっかけを作る
顧客離れを防ぐには、Instagramや公式LINEなどのSNSを活用して、顧客と継続的なつながりを保ちましょう。
美容室の利用は男性の場合で1ヶ月に一度、女性の場合は数ヶ月に一度です。よほど高い価値提供をできていない限り、多忙な日常生活の中で店舗の存在は忘れられがちです。
そこで必要となるのが、SNSによる定期配信です。ストーリーやメッセージの定期配信でサロンの存在を忘れさせず、次回の予約を自然と思い出してもらうことが可能です。
- Instagramでヘアモデルの写真や、スタッフの人柄が伝わるオフショットを投稿する
- 公式LINEで、季節ごとのヘアケア情報やキャンペーン情報など、お客様にとって有益な情報を定期的に配信する
- お客様からのメンションやタグ付け投稿に対して、感謝のコメントやリポストで反応する
上記のように、まずはコンテンツ発信を実践してみましょう。ただし、SNSを単なる発信ツールではなく、お客様との信頼関係の構築に必要なツールと捉えることが大切です。
特に公式LINEは個別のアプローチがしやすいため、お客様一人ひとりに合わせた情報発信を行うことで、より強い繋がりを築くことができます。
イベントや期間限定メニューで飽きさせないサービスを提供する
季節ごとのイベントや、いましか体験できない限定メニューを導入し、顧客が飽きないサービスを提供するようにしましょう。このような取り組みで、来店することへの楽しみや、きっかけを提供できます。
いつもと同じという状況では、顧客は次第に刺激が足りなくなり、ほかのお店の新しいサービスに目移りしてしまうでしょう。非日常的な体験や限定サービスは、お客様の来店意欲を効果的に刺激し、サロンへの関心を高く維持させる効果があります。
たとえば、下記のようなサービス提供が飽きさせない取り組みとして効果的です。
- 夏限定の紫外線ダメージケア&クールヘッドスパ、冬限定の頭皮乾燥を防ぐトリートメント
- ヘッドスパ&フェイシャルマッサージを組み合わせたサービスの提供
- プロのパーソナルスタイリストを招いてメイクレッスンやカラー診断の提供
- ハロウィンやクリスマスシーズンに合わせた店内装飾
年間のイベントカレンダーを作成し、計画的に限定メニューやキャンペーンを企画・実行してみましょう。マンネリを解消し、顧客はつねに新鮮な気持ちで美容室を利用できます。
顧客満足度アンケートを取りお店の課題や現状を分析する
定期的な顧客満足度アンケートの実施は、顧客が口に出せずにいる小さな不満や、隠れたニーズを可視化します。
顧客離れの原因に従業員が気付けないケースがあります。アンケートによって接客や施術内容、店内の雰囲気などさまざまな視点での課題を客観視できます。
ただし、アンケートの回答を求めるときは、匿名性にしたり一定期間を設けたりと、客側が回答しやすい工夫が大切です。具体的な工夫としては以下のとおりです。
- 退店時にタブレット端末で、技術・接客・空間・待ち時間などについて5段階評価で回答してもらう
- LINEを通じて、匿名で回答できるアンケートフォームを配信し、より率直な意見を収集する
- アンケートの質問項目に「当サロンに今後期待することは?」といった自由記述欄を設け、新サービスのヒントを得る
上記を参考に顧客満足度アンケートをあらゆる角度で実施してみましょう。
まとめ
失客が続くと経営・売上が安定せず、美容室の廃業リスクが高まります。またつねに新規を獲得し続ける必要があるため、継続的に広告費をかけていかなければいけません。
そのようなリスクを回避するために、失客の原因を正しく分析し、戦略的に対策を講じていきましょう。
丁寧なアフターサービスやアンケートでお客様の声に耳を傾ける日々の積み重ねが、安定した経営を築く基盤となります。
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