開業の基礎知識

個人事業主におすすめの仕事は?種類・探し方・必要な手続きを解説

監修 羽場 康高 社会保険労務士・1級FP技能士・簿記2級

監修 鶏冠井 悠二

個人事業主におすすめの仕事は?種類・探し方・必要な手続きを解説

個人事業主とは、企業や組織に属さずに個人で事業を行う人を指します。

個人事業主を選ぶ目的や、個人事業主とする職種はさまざまです。働き方も、副業として小さく始めるケースや、企業と業務委託契約を結んで働くケースなど、多様な選択肢があります。

本記事では、個人事業主として働くうえでの仕事の選び方や種類、探し方、働くために必要な手続きを解説します。

目次

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個人事業主の仕事の選び方

個人事業を始めるうえで最初に考えるべきことは、「どのような事業を行うか」です。個人事業主の中には、独立を夢見て会社を辞めたものの、なかなか仕事が得られず苦労するケースも多く見られます。

事業の方向性を明確にするためには、「自分が現在できること」「これから学ぶなどしてできるようになりたいこと」「やりたいこと」を冷静に考えることから始めましょう。

個人事業主の仕事の選び方として、主に以下のケースが挙げられます。

個人事業主の仕事の選び方

  • 現在の仕事から個人事業主になる
  • 新たにスキルを身に付けて個人事業主になる

そのほかの方法としては、フランチャイズで飲食店やコンビニ、学習塾などを始めることも考えられます。この方法では、すでに成功している会社のノウハウやブランドを活用できます。

【関連記事】
フランチャイズ起業とは?メリットや始め方と失敗しないためのポイントを解説

現在の仕事から個人事業主になる

まずは、現在の仕事から独立できるかを考えてみましょう。

これまでの経験やスキルをそのまま活かせるため、ゼロから学び直す必要がなく、事業の立ち上げにかかるコストや時間を抑えられます。その結果、準備期間が短くなり、早期の収益化も期待しやすくなります。

また、現在の仕事で築いた人脈を活かせるため、独立後に仕事を受注しやすい点も大きなメリットです。会社員時代の成果や実績をしっかり示すことができれば、個人事業主としての信頼を得やすくなり、仕事の獲得にもつながります。

新たにスキルを身に付けて個人事業主になる

現在の仕事で独立のイメージがわかない人や、やりたいこと・憧れている仕事などがある人もいるでしょう。その場合は、新たにスキルを身に付けて個人事業を開業する方法もひとつです。

現在の仕事を活かす方法と比べて準備にコストや時間がかかりますが、自分の興味のある分野や将来性のある市場など、幅広い選択肢の中から進む道を選択できます。

近年では、オンライン講座の普及により、本業を続けながら新たなスキルの獲得に挑戦しやすくなっています。また、企業や行政による副業推進の動きを受けて副業を可とする企業も増えてきたため、得たスキルで小さく副業をスタートすることもできます。

ただし、副業をひとつの事業として成り立たせるためには、明確な目標設定と計画的な学習が欠かせません。「どのようなスキルを何のために習得するか」 が明確にあれば、モチベーションを維持しやすくなります。

出典:厚生労働省「副業・兼業」

個人事業主の仕事の種類

個人事業主として働く際の主な仕事の種類(職種)は、以下の通りです。

仕事の種類内容
プログラマーソフトウェアやアプリケーションなどの開発を行う
システムエンジニア業務システムやWebサービスなどの設計・要件定義を担い、開発プロジェクト全体を技術面から支える
WebデザイナーWebサイトをはじめとしたWeb上のクリエイティブのデザインを行う
WebライターWebメディアをはじめとしたインターネット上に掲載される記事を作成する
アフィリエイター自身のWebサイト・ブログ・SNSなどで広告を紹介し、広告経由で商品が売れた際に成果報酬を受け取る
オンラインストア運営オンラインで商品を企画・販売・管理する
動画制作・編集企画や撮影を行い、その映像にテロップや音声、エフェクトなどを加えて編集する
コンサルタントクライアントの課題をヒアリングなどを元に明らかにし、解決に向けた助言や提案を行う
講師セミナーやスクールなどを通して特定の知識やスキルを教える
士業高度な専門知識を活かして依頼者に助言や手続きを行う(弁護士・司法書士・行政書士・税理士・社会保険労務士など)
事務職バックオフィス業務全般(文書作成・メール応対・伝票作成・データ入力など)を行う
フードデリバリー料理や飲料を店舗から客先に配達する
飲食店経営レストランやカフェなど店舗を構え、食事や飲み物を提供する
美容サロン経営美容に関するサービスを提供する(美容師・エステティシャンなど)
翻訳者さまざまな文章(文学作品・ニュース・マニュアルなど)を外国語から日本語、または日本語から外国語に翻訳する

個人事業主の職種は、特別なスキルがなくても始められるものから資格が必要なものまで多岐にわたります。たとえば、リスクを抑えて副業から始めたい人には、初期費用が比較的少なく在宅でもできるWebライターやアフィリエイターなどの仕事が適しています。

個人事業主として仕事を始める方法

個人事業主として働くには、「業務委託で仕事を受ける」方法や「自身で商品やサービスを販売する」方法があり、いずれも副業として始めることもできます。

副業として始めれば、本業で安定した収入を得ながら事業に挑戦できるため、失敗のリスクを抑えられます。自分に合っているかどうかや、事業に成長の見込みがあるかどうかを見極められる点も、大きなメリットです。ただし、事前に本業の勤務先が副業を禁止していないかを確認してください。

事業内容・確保できる資金・働き始められるまでの期間などを踏まえ、自身に合った方法で事業を始めましょう。

以下では、個人事業主として仕事を始める主な方法を解説します。

業務委託で仕事を受ける

業務委託とは、雇用関係を結ばず、取引先から委託された業務を遂行し、報酬を受け取る働き方です。単発の業務もあれば、同じクライアントから継続的に受注する業務もあります。

また、報酬の形態には、毎月一定額が支払われるものや、成果に応じて報酬が決まる成果報酬型のものなどがあります。

自身で商品やサービスを販売する

自身で実店舗やネットショップなどを構え、商品を製造または仕入れて販売したり、サービスを提供したりする方法です。

近年は、個人が作成したECサイトやSNSアカウント経由での商品・サービスの販売がしやすくなり、開業のハードルが下がっています。これらは実店舗を構える場合と比べて、初期費用や運用費用を抑えられる点もメリットのひとつです。

個人事業主の仕事の探し方・獲得方法

個人事業主が仕事を探し、獲得する主な方法は以下の通りです。

仕事の探し方・獲得方法内容
人脈を活用する過去の取引先や知人などを通じて仕事を獲得する
エージェントを利用する仕事の受注や条件の交渉などをサポートしてくれるサービスを活用する
クラウドソーシングで案件に応募するクラウドソーシングサービスに登録し、募集されている案件に応募し、仕事を受注する
企業に直接営業する仕事を受注したい企業に電話・メールなどでアプローチする
Webサイト・ブログ・SNSなどで発信するWebサイトやSNSを活用して実績や活動状況を発信し、仕事の依頼を促す
出典:J-Net21「SNSでの集客方法」

人脈や実績が少なければ、クラウドソーシングサービスの活用検討もひとつです。未経験でも応募できる案件が多数掲載されており、比較的仕事を受注しやすい点が特徴です。

個人事業主として働くための準備・手続き

個人事業主になるためには、税務署への各書類の届出や確定申告の準備などの手続きも欠かせません。

必要となる主な準備・手続き

  • 税務署への届出(開業届・青色申告承認申請書など)
  • 国民健康保険・国民年金の加入
  • 確定申告の準備
  • 事業用口座の開設
  • 事業用クレジットカードの発行

開業届は事業の開始を税務署に申告するための書類で、開業後1ヶ月以内に提出する必要があります。e-Taxを利用すれば、自宅から提出できます。本人確認はマイナンバーカードなどの電子証明書で行うため、別途書類の提出は不要です。

出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
出典:国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」「確定申告が必要な方」


【関連記事】
個人事業主になるには?必要なものや事前準備・開業後の手続きも解説

まとめ

個人事業主として働くには、自分の経験や興味に合った仕事を選ぶことが重要です。WebライターやデザイナーなどのIT関連分野から、講師やコンサルタントなどのビジネス系分野まで、個人事業主として働ける職種は多岐にわたります。

まずは、これまでのスキル・経験を生かして事業を始めるか、新たにスキルを身に付けて事業を始めるかを考えましょう。

また、個人事業主として仕事を始める手段には、業務委託での受注や自身で商品・サービスを販売する方法などがあります。

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2. 所得税の青色申告承認申請書
青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内、もしくは1月1日から3月15日までに提出する必要があります。期限を過ぎた場合、青色申告できるのは翌年からになるため注意が必要です。

3. 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
家族や従業員に給与を支払うための申請書です。

4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
原則毎月支払う源泉所得税を年2回にまとめて納付するための手続です。毎月支払うのは手間ですので、ぜひ提出しましょう。

5. 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
青色申告をする場合に、家族に支払う給与を経費にするための手続です。青色申告をして家族に給与を支払う場合は必ず提出しましょう。

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freee開業を使った開業届の書き方は、準備→作成→提出の3ステップに沿って必要事項を記入していくだけです。

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Step1:準備編

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準備編では事業の基本情報を入力します。迷いやすい職業欄も多彩な選択肢のなかから選ぶだけ。


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事業の開始年月日、想定月収、仕事をする場所を記入します。
想定月収を記入すると青色申告、白色申告のどちらが、いくらお得かも自動で計算されます。

Step2:作成編

次に、作成編です。


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申請者の情報を入力します。
名前、住所、電話番号、生年月日を記入しましょう。


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給与を支払う人がいる場合は、上記のように入力をします。
今回は準備編で「家族」を選択しましたので、妻を例に記入を行いました。


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さらに、見込み納税金額のシミュレーションも可能。
※なお、売上の3割を経費とした場合の見込み額を表示しています。経費額やその他の控除によって実際の納税額は変化します。

今回は、青色申告65万円控除が一番おすすめの結果となりました。

Step3:提出編

最後のステップでは、開業に必要な書類をすべてプリントアウトし、税務署に提出します。


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入力した住所をもとに、提出候補の地区がプルダウンで出てきます。地区を選ぶと、提出先の税務署が表示されますので、そちらに開業届けを提出しましょう。


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届け出に関する説明とそれぞれの控えを含め、11枚のPDFが出来上がりました。印刷し、必要箇所に押印とマイナンバー(個人番号)の記載をしましょう。

郵送で提出したい方のために、宛先も1ページ目に記載されています。切り取って封筒に貼りつければ完了です。

いかがでしょう。
事業をスタートする際や、青色申告にしたい場合、切り替えたい場合など、届出の作成は意外と煩雑なものです。

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よくある質問

個人事業主の職種にはどんな種類がある?

士業などの資格が必要な仕事から、スキルなしで始められるものや在宅でできる仕事など、多岐にわたります。

詳しくは記事内「個人事業主の仕事の種類」をご覧ください。

個人事業主の仕事の取り方は?

知人から紹介を受ける方法や、エージェント・クラウドソーシングサービスを利用する方法などが挙げられます。

詳しくは記事内「個人事業主の仕事の探し方・獲得方法」をご覧ください。

監修 羽場康高(はば やすたか) 社会保険労務士・1級FP技能士・簿記2級

現在、FPとしてFP継続教育セミナー講師や執筆業務をはじめ、社会保険労務士として企業の顧問や労務管理代行業務、給与計算業務、就業規則作成・見直し業務、企業型確定拠出年金の申請サポートなどを行っています。

監修者 羽場康高

監修 鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。

監修者 鶏冠井 悠二

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