青色申告の基礎知識

準備はできていますか?青色申告をするために必要な帳簿書類とつけ方

青色申告の特典を最大限に活用するためには、適切な会計処理をする必要があります。ここでは会計処理の方法について学ぶとともに、必要な帳簿書類や関係する書類の整理等について確認していきましょう。

青色申告をするのに必要なこと

【青色申告承認申請書を提出する】

青色申告をするには、青色申告承認申請書を提出することが必須になります。毎年3月15日までに、管轄の税務署へ提出しなければなりません。青色申告承認申請書に記載するのは、名前や生年月日、住所、事業所の名称や住所などです。個人事業主は自宅の住所を記載することになります。確定申告の時期に「青色申告にしたい」と思っても、切り替えたい年度の3月15日までに申請していなければ変更できない点に注意が必要です。

【青色申告決算書を作成する】

確定申告時には確定申告書と青色申告決算書が必要になります。この決算書を作成するには適切な会計処理すなわち、帳簿の作成が大切です。

複式簿記と簡易簿記

適切な会計処理の方法として、複式簿記と呼ばれる方法を使います。対する言葉として簡易簿記や単式簿記といったものがありますが、その違いは次のようなものです。

・簡易簿記(単式簿記):売上や経費の発生額のみに注目して集計する方法

例えば表計算ソフトなどを使って、売上、仕入、給与、交通費、通信費など各項目について金額を合計していくようなやり方です。この方法でも一年間の所得(儲け)の金額を計算することは可能です。しかし、把握できるのは売上や経費の額だけで、もう一つの大切な情報を把握することができません。

・複式簿記:売上や経費だけでなく、資産や負債など「持ち物」の情報も併せて処理する方法

複式簿記を使うと「現金はどんな出入りがあったのか?」「売上の代金は、いつ、どのように回収されたのか?」「借入金の返済はどの口座からされているのか?」といった情報を把握することができます。複式簿記は所得だけでなく、その人の保有する財産の状態(プラスもマイナスも含めて)を明らかにすることができます。複式簿記を採用しようとする場合、通常は会計ソフトを使用します。会計ソフトに日常的な取引を入力していくと、それがそのまま申告作業に必要な会計資料としてまとめられていきます。

発生主義と現金主義

もう一つ、知っておかなければいけない会計の考え方に発生主義と現金主義というものがあります。

・発生主義:売上や費用について、その債権債務が確定した日で認識していく方法

例えば売上ですが、「相手から代金をもらった時」ではなく「相手に対して代金を請求することができるようになった時点」で計上をしなければなりません。

具体的に言えば、12月25日に請求した売上が1月10日に入金されている場合、売上としては12月25日の時点で計上しなければならない、という考え方です。1月10日で売上を計上する方法を現金主義と呼びます。

正式な会計処理では、現金主義ではなく発生主義を採用します。もちろん、業種によっては債権の発生と代金の回収が同時に起こることもあります(小売業や飲食業など)。ご自分の業態に併せて、どの時点で売上を計上しなければならないのか確認をしましょう。仕入や各種経費についても、発生主義の考え方を適用して会計処理を行います。

・最終的には青色申告に必要な「決算書」の形にまとめる

複式簿記で処理をされた取引は、最終的に決算書として申告書に添付します。決算書は「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」と「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」に分かれています。前者は一年間の所得(儲け)の金額が、後者は年始と年末時点におけるその人の資産と負債の状態が表示されます。正しく作成された決算書を添付することが、青色申告の特典を最大限に活用するために必要不可欠です。 損益計算書や貸借対照表以外にも、税務署には提出をしませんが総勘定元帳といった一年間の取引をまとめた書類などが必要です。これらの会計処理をまとめた書類は、きちんと整理をした上で保管をしておく必要があります。もし税務署から申告の内容について問い合わせがあった場合には、その根拠としてきちんと説明ができる状態を保たなければなりません。

領収書や請求書などを保管する

会計処理を行うにあたって、根拠となる資料(領収書や請求書、預金通帳の写しなど)も併せて保管をしておく必要があります。例えば日付ごとや項目ごとにファイリングするなど、継続的に管理できる何かしらのルールを定めてきちんと分類をしておきましょう。

会計帳簿やその根拠なった各種資料については、保管期間が定められています。基本的には7年間、適切に保管をしなければなりません。保管義務に違反した場合でも罰則はありませんが、もし税務署から申告について問い合わせがあったとき、保管をしていなければ、申告の正当性を主張することができなくなります。申告の内容について修正等が必要になった場合には、納付が漏れていた税金を納付するだけでなく、罰金的な意味合いの税金も 追加で支払う必要があります。

適切な会計処理は、経営を助ける

青色申告の特典を最大限に活かし、正しい申告と納税を行うためには、適切な会計処理とその整理、保管が必要不可欠です。また、しっかりと作成された会計帳簿は、申告だけでなく経営判断においても有用な資料として活用することができます。

会計ソフトの活用や専門家の力を借りるなど、様々な選択肢を検討した上で、日常的に正しい会計処理を行うようにしたいものです。

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