青色申告の基礎知識

個人事業主の給与は?「事業主貸」勘定科目を使った仕訳と生活費の管理

公開日:2017/09/18
最終更新日:2020/02/22

個人事業主の生活費は、給与という概念がないため、経費として扱うことはできません。事業で得られた売上を生活費として個人的に使った場合、「事業主貸」の勘定科目で仕訳します。

ご家族が同じ事業に従事されている場合青色申告なら「専従者給与」として経費計上できます。

この記事では、具体的に個人事業主の生活費はどのように管理し、仕訳をすることが適切なのか、考え方の基本と記帳の方法、青色申告の手続をご説明します。

目次

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個人事業主に給与はない

個人事業主に給与はない

個人事業主には、会社員のような給与がありません。自分への報酬として支払った分を給与として経費計上できないのです。

個人事業の売上は全てが利益ではありません。事業を運営するための経費を売上から支払い、残った利益を事業としての蓄え、事業主の生活費にあてます。

個人事業主の生活費管理の考え方

個人事業主として生活費を事業用の資金から取り出す場合、どのように取り決めるべきなのでしょうか。

個人事業主の生活費は法律上の制約がない

法律上は、個人事業主の生活費には制約はありません。給与のように毎月同じ時期に一定額を入れる必要はないということです。額に決まりはないため、必要に応じて事業主貸として生活費を計上することができます。

給与のように管理する場合は毎月同じ時期に一定額を生活費に

単純に給与のように生活費に入れるのであれば、やはり給与のように毎月同じ時期に一定額を入れるという方法の方が管理はしやすいです。

事業の経費と調整しながら生活費額を調整

個人事業においては赤字が発生したり、資金繰りが厳しくなったりする場合もありますので、基本は給与のように毎月一定のルールを決めて、必要があれば生活費の額を調整するなどとした方が管理の面では判りやすいでしょう。

生活費を給料として経費計上するなら法人化を検討

どうしても生活費を給料としたいという場合は、個人事業から法人成りするという方法もあります。

法人化すれば給与が経費として計上できます。法人成りについての詳しい解説は関連記事を参照してください。

【関連記事】
個人事業から法人成りするために必要な手続き

個人事業から法人化した場合のメリットについても関連記事で解説しています。

【関連記事】
個人事業主が法人成りする10のメリットと5のデメリット

個人事業主の生活費は「事業主貸」勘定科目で仕訳

実際に個人事業主が生活費を受け取った場合、どのように処理を行うべきなのか解説します。

個人事業主の生活費は「事業主貸」勘定科目で仕訳

図は、普通預金から生活費10万円を受け取った場合、そして現金から生活費10万円を受け取った場合です。いずれも、給料の代わりに「事業主貸」という勘定科目が設定されていることが判ります。事業主貸という勘定科目は、経費ではなく貸借対照表の資産の部に分類される科目です。経費には該当しないため、個人事業主に生活費を払った場合は、所得に影響しないということが判ります。

この事業主貸という勘定科目ですが、事業で使用するお金から事業主にお金を貸したという考えから使用される勘定科目です。実際には個人事業主にお金を貸すというと語弊があるかもしれませんが、帳簿処理上はお金を貸すという考えで書類をしていくことになります。

「事業主貸」勘定科目は納税などの仕訳にも用いる

事業主貸の勘定科目は、個人事業主に対して事業用のお金からいくらかを貸すという科目ですから生活費を支払った場合以外でもいくつかの使い道が考えられます。

事業用現金から所得税及び復興特別所得税を支払った場合

事業主貸 250,000 / 現金 250,000

所得税及び復興特別所得税は、確定申告が本来所得税の計算のためにあることから、経費としては認められていない項目です。そのため、所得税を支払った場合は、事業主貸勘定を用いて仕訳を行うことになります。

主に事業用で使用しているクレジットカードで個人的な買い物をした場合

事業主貸 10,000 / 未払金 10,000

事業でクレジットカードを使用している場合、中には個人的なものを購入するために使用するとういうこともあるでしょう。クレジットカードで個人的な買い物をしたときにも事業主貸を使用して処理を行います。

青色申告なら専従者給与を経費計上できる

生計をともにしている配偶者や親族への給与の経費計上は、青色申告であれば「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出すれば経費として計上することができます。

届出書では給与や賞与の支給額、賞与の基準を記載する項目があります。専従者給与を用いる場合は、届出書に記載した方法に沿って支払われた場合でないと経費と認められませんので、注意しましょう。青色申告で専従者給与を支払う場合は、勘定科目「専従者給与」を使って仕訳を行います。

青色申告専従者給与の詳細については関連記事を参照してください。

【関連記事】
青色申告の専従者給与 家族への給与支払いで節税効果を高める方法

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まとめ

個人事業主の生活費は勘定科目を事業主貸として仕訳をします。事業用のお金の出入りと分けて管理することが必要です。

青色申告の適用を受け、青色事業専従者給与に関する届出書を提出すれば、専従者に支払う給与は経費として認められます。

面倒と思われがちな、青色申告に必要な複式簿記による記帳ですが、会計ソフトを使えば簡単に処理できます。青色申告のために、確定申告ソフトfreeeの活用をおすすめします。

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