青色申告の基礎知識

個人事業主なら知っておくべき!廃業に際して実施すべき手続きとは

最終更新日:2020/12/11

個人事業主なら知っておくべき!廃業に際して実施すべき手続きとは

個人事業主が廃業をする際には、税務署へ「廃業届」の提出を行う必要があります。

廃業届を提出しない場合、税務署から「事業を継続している状態」とみなされてしまい、確定申告の案内が送られるなど余計な混乱を招きかねません。最悪のケースでは、税務調査の対象となってしまう恐れもあります。

また、青色申告者に該当する個人事業主は、別途「所得税の青色申告の取りやめ届出書」の提出が必要になるなど、状況に応じて廃業届以外の手続きも必要になってきます。

本記事では、個人事業主が廃業の際に必要になってくる手続きの詳細を、様式とともに確認していきます。廃業を検討している個人事業主の方は、参考にしてください。

目次

廃業時に必要な手続きの一覧

廃業の手続きを進めるための手続きの一覧は以下の5つになります。   

書類 対象者 提出先
①廃業等届出書 全個人事業主 ・所轄の税務署
・都道府県税事務所
②所得税の青色申告
の取りやめ届出書
青色申告をしていた人 所轄の税務署
③所得税および復興特別税
の予定納税額の減額申請書
予定納税をしていた人 所轄の税務署
④事業廃止届出書 消費税を納税していた人 所轄の税務署
⑤給与支払事務所等
の廃止届出書
従業員を雇っていた人 所轄の税務署

以下順番にその詳細を見ていきましょう。

税務署と都道府県税事務所の2カ所へ「廃業等届出書」の提出が必須

廃業等届出書(廃業届)は、「所轄の税務署」と「都道府県税事務所」の2箇所に提出が必要です。

この手続きは、廃業をする全個人事業主が行わなければなりません。

税務署への届出

個人事業主が廃業を決めた場合には、所得税法第229条に基づき、「個人事業の開業・廃業等届出書」(画像1)を作成し、所轄の税務署に提出する義務があります。

この場合、対象となる個人事業主は、事業所得や不動産所得、山林所得を得られる事業を営む人で、届出書の提出期限は、廃業後1ヵ月以内です。期限当日が土日祝日にあたる場合には、その翌日が提出期限となります。

都道府県税事務所への届出

年間290万円の事業主控除額を超える所得があった場合、都道府県から事業税が課されます。

これまで事業税を収めていたり、都道府県税事務所へ開業届を提出していた個人事業主は、上記の税務署への届出に加えて、所轄の都道府県税事務所への廃業届を提出が必要となります。

使用する様式については、それぞれの提出先によって異なります。

例えば、東京都の都税事務所の様式は、「事業開始(廃止)等申請書」で、大阪府税事務所の様式であれば「事業開始・変更・廃止申告書」です。また、提出期限についても、各都道府県税事務所によって異なりますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

なぜなら、東京都の場合の提出期限は、事業廃止後10日以内であるのに対し、大阪府の場合は、「遅滞なく」と有意な差が見られるためです。

自身が手続きすべき都道府県税事務所の公式ホームページなどで、様式および提出期限等を確認することができます。

<画像1>「個人事業の開業・廃業等届出書」

個人事業の開業・廃業等届出書

青色申告者が対象!「青色申告の取りやめ届出書」の提出

青色申告をしている個人事業主は、所得税法第151条に基づき、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」(画像2)を所轄の税務署に提出しなければなりません。

提出期限は、青色申告をやめようと予定している年の翌年3月15日となります。ただ、この書類は税務署への廃業届と同時に提出できるので、同時に済ませた方が良いでしょう。

様式内の項目2.の「青色申告書を取りやめようとする理由」については、基本的には、「廃業のため」と記載します。しかし、個人事業主としてではなく、今後は事業を拡大して、法人として事業を継続する場合には、「法人成りのため」といった記載方法も可能です。

なお、「法人成り」をした後も、自宅を新たに設立した法人に貸与して賃料(不動産所得)等が得られるような場合には、今後も個人事業主として確定申告が必要となります。

したがって、そのような場合であれば、本様式に加え、「個人事業の開業・廃業等届出書」や後述する「事業廃止届出書」の提出が不要となる点に注意しましょう。

<画像2>「所得税の青色申告の取りやめ届出書」

所得税の青色申告の取りやめ届出書

予定納税をしている人は要確認!「所得税等の減額申請書の提出」

前年分の確定申告にて申告した納税額が、15万円以上の場合、その金額の3分の2を、7月1日~7月31日と、11月1日~11月30日の2回に分けて3分の1ずつ納める予定納税の義務が課されます。

しかし、本年の所得が前年に比べて減ることが予見される場合には、予定納税額の減額を申請することが可能であり、廃業をする場合もこの申請が可能です。

使用すべき様式はその年の「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」(画像3)となります。参考として「令和2年分」を載せていますが、毎年更新されますので、必ず申請する年のものを使ってください。

なお、減額申請書を税務署に提出するときには、申告納税額の見積もりをした際の根拠資料を1部添付することが求められていますので、事前に準備が必要です。

また、提出期限は、2段階に分かれています。第1期分と第2期分の減額申請をする場合には、その年の7月1日より7月15日まで、第2期分のみの減額申請は、その年の11月1日より11月15日までです。

<画像3>「令和2年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」

令和2年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書

消費税に関する手続き!「事業廃止届出書」の提出

消費税法第57条第1項第3号等に基づいて実施する手続きで、個人事業主のうち、消費税の課税事業者(前々年の課税売上高が1,000万円を超える場合か、前年1月~6月までの課税売上高が1,000万円を超えかつ、給与等支払額が1,000万円を超える場合)が対象となります。

提出すべき様式は、「事業廃止届出書」(画像4)です。事業を廃止した個人事業主は、速やかに所轄税務署への届出書の提出が義務付けられています。

なお、提出期限については、具体的に明示されていないものの、事業廃止から1ヵ月以内に提出すれば基本的には問題ないとされているようです。

<画像4>「事業廃止届出書」

源泉所得税に関する手続き!「給与支払事務所等の廃止届出書」の提出

本手順は、所得税法第230条等に基づく手続きで、個人事業主のなかでも、従業員および事業専従者等に対して給与を支給している場合に必要となります。   

使用する様式は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」(画像5)で、廃業をしてから1ヵ月以内に税務署へ提出する決まりとなっていますので、廃業届と共に提出すると良いでしょう。  

届出書の作成に関して不明な点がある場合には、所轄税務署の源泉所得税担当に相談しましょう。

<画像5>「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

後悔しないためにも知っておきたい「特例」とは

廃業後に後悔することがないよう、必要経費に関する考え方について、確認しておくことをおすすめします。

所得税法第63条の規定により、廃業後であっても、事業を継続していれば当然にして発生しうる経費については、必要経費として認められる特例が設けられています。本特例を活用すれば、確定申告の際には、廃業した年の所得金額を算定する際、該当する廃業後の経費分は損金算入が可能です。

例えば、都道府県に納める事業税は本年の所得をもとに翌年課税され、その課税金額を課税のあった年(事業所得のあった年の翌年)の所得から控除することが可能なのですが、廃業する場合は課税額を算定して本年の所得から控除できるのです。

また、売掛金の貸し倒れなどが後日判明した場合も、廃業する年の所得から控除可能です(確定申告が済んでしまった場合は、更正の請求が可能です)。なお、経費に算入できるかどうか不安がある項目については、事前に税務署に確認をとっておくと安心です。

以上のことから、廃業するタイミングが自身で調整できるのであれば、廃業日を可能な限り12月31日に近い日付に設定することをおすすめします。そうすることで、支払うべき所得税を最小限にとどめることが可能になります。

青色申告者なら使える純損失の繰戻と繰越

青色申告をしている方は、事業所得で発生した純損失を、翌年以降3年間繰り越して所得から相殺できます。

この繰越は廃業した年の純損失にも使え、さらに給与所得や不動産所得とも相殺が可能です。例えば、廃業してサラリーマンになるという場合も、廃業した年が赤字なのであれば将来の所得と相殺して所得税を低くすることができるのです。

また、所得税法第140条の規定により、青色申告をしてきた方は、純損失を前年に繰り戻すことも可能です。前年の所得税がゼロだった場合は意味ありませんが、前年が黒字で所得税を納めていた場合、所得税を減らしてその分の還付を受けることも可能なのです。

これらの手続きのためには、廃業年の確定申告を期限通りに行うことが必須なので、廃業するからといって油断せず期限通りに確定申告をしてください。

また、廃業年の赤字分を繰り越すか繰り戻すかは、後から還付請求することもできるので、廃業した年の翌年末や、3年間経過した後に決めても問題ありません。

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まとめ

個人事業主の中でも、青色申告をしているか、消費税や給与を払っているかどうかによって、廃業に関連する手続きが変わってきます。自身にとって必要な届出書をもれなく確認し、それぞれ定められた期限内に提出できるよう、準備をしていきましょう。

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