青色申告の基礎知識

個人事業主なら知っておくべき!廃業に際して実施すべき手続きとは

個人事業主が、何らかの事由により廃業をする場合には、税務署等へ廃業届の提出をおこなう必要があります。青色申告者に該当する個人事業主は、別途独自の手続きも必要となりますので、様式とともに順番に確認していきましょう。なお、諸手続きに関する費用は、すべて無料となっています。

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2カ所への廃業等届出書の提出が必須

○税務署への届出
個人事業主が廃業を決めた場合には、所得税法第229条に基づき、「個人事業の開業・廃業等届出書」(画像1)を作成し、所轄の税務署に提出する義務があります。この場合、対象となる個人事業主は、事業所得や不動産所得、山林所得を得られる事業を営む人で、届出書の提出期限は、廃業後1ヵ月以内です。期限当日が土日祝日にあたる場合には、その翌日が期限となります。

○都道府県税事務所への届出
上記の税務署への届出に加えて、所轄の都道府県税事務所への廃業届を提出することも必要となります。使用する様式については、それぞれの提出先によって異なります。例えば、東京都の都税事務所の様式は、「事業開始(廃止)等申請書」で、大阪府税事務所の様式であれば「事業開始・変更・廃止申告書」です。また、提出期限についても、各都道府県税事務所によって異なりますので、事前に確認しておくことをおすすめします。なぜなら、東京都の場合の提出期限は、事業廃止後10日以内であるのに対し、大阪府の場合は、「遅滞なく」と有意な差が見られるためです。自身が手続きすべき都道府県税事務所の公式ホームページなどで、様式および提出期限等を確認することができます。

<画像1>「個人事業の開業・廃業等届出書」

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青色申告者が対象!青色申告の取りやめ届出書の提出

青色申告をしている個人事業主は、所得税法第151条に基づき、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」(画像2)を所轄の税務署に提出しなければなりません。提出期限は、青色申告をやめようと予定している年の翌年3月15日となります。

様式内の項目2.の「青色申告書を取りやめようとする理由」については、基本的には、「廃業のため」と記載します。しかし、個人事業主としてではなく、今後は事業を拡大して、法人として事業を継続する場合には、「法人成りのため」といった記載方法も可能です。なお、「法人成り」をした後も、自宅を新たに設立した法人に貸与して賃料(不動産所得)等が得られるような場合には、今後も個人事業主として確定申告が必要となります。したがって、そのような場合であれば、本様式に加え、「個人事業の開業・廃業等届出書」や後述する「事業廃止届出書」の提出が不要となる点に注意しましょう。

<画像2>「所得税の青色申告の取りやめ届出書」

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予定納税をしている人は要確認!所得税等の減額申請書の提出

個人事業主が廃業することとなった際、予定納税額が一定の基準額より多くなると予想される場合には、予定納税額の減額を申請することが可能です。使用すべき様式は「平成28年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」(画像3)となります。減額申請書を税務署に提出するときには、申告納税額の見積もりをした際の根拠資料を1部添付することが求められていますので、事前に準備が必要です。なお、提出期限は、2段階に分かれています。第1期分と第2期分の減額申請をする場合には、その年の7月1日より7月15日まで、第2期分のみの減額申請は、その年の11月1日より11月15日までです。

<画像3>「平成28年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」

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消費税に関する手続き!事業廃止届出書の提出

消費税法第57条第1項第3号等に基づいて実施する手続きで、個人事業主のうち、消費税の支払いをおこなっていた「課税事業者」が対象となります。提出すべき様式は、「事業廃止届出書」(画像4)です。事業を廃止した個人事業主は、速やかに所轄税務署への届出書の提出が義務付けられています。なお、提出期限については、具体的に明示されていないものの、事業廃止から1ヵ月以内に提出すれば基本的には問題ないとされているようです。

<画像4>「事業廃止届出書」

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源泉所得税に関する手続き!給与支払事務所等の廃止届出書の提出

本手順は、所得税法第230条等に基づく手続きで、個人事業主のなかでも、従業員および事業専従者等に対して給与を支給している場合に必要となります。使用する様式は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」(画像5)で、廃業をしてから1ヵ月以内に税務署へ提出する決まりとなっています。届出書の作成に関して不明な点がある場合には、所轄税務署の源泉所得税担当に相談しましょう。

<画像5>「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」

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後悔しないためにも知っておきたい「特例」とは

廃業後に後悔することがないよう、必要経費に関する考え方について、確認しておくことをおすすめします。すなわち、所得税法第63条の規定により、廃業後であっても、事業を継続していれば当然にして発生しうる経費については、必要経費として認められる特例が設けられています。本特例を活用すれば、確定申告の際には、廃業した年の所得金額を算定する際、該当する廃業後の経費分は損金算入が可能です。なお、経費に算入できるかどうか不安がある項目については、事前に税務署に確認をとっておくと安心です。

以上のことから、廃業するタイミングが自身で調整できるのであれば、廃業日を可能な限り12月31日に近い日付に設定することをおすすめします。なぜなら、そうすることにより、支払うべき所得税を最小限にとどめることができるからです。

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あとは確定申告書を提出するだけ

あとは完成した確定申告書を提出して納税するだけ

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確定申告を行うためには、日頃から帳簿をつけたり、必要書類をそろえたりしておく必要があります。しかし、確定申告ソフトを活用すれば、「青色申告をしたかったのに、書類不備で手続きできなかった!」「何度も書き直しで大変だった」という思いをすることは少ないでしょう。
余裕を持って確定申告を迎えるためにも、ぜひ確定申告ソフトの活用をご検討ください。
【初めての向けにオススメ】そもそも確定申告とは?スマホ申告の活用など

まとめ

個人事業主の中でも、青色申告をしているか、消費税や給与を払っているかどうかによって、廃業に関連する手続きが変わってきます。自身にとって必要な届出書をもれなく確認し、それぞれ定められた期限内に提出できるよう、準備をしていきましょう。

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