青色申告の基礎知識

青色申告をするなら理解しておきたい!貸借対照表の書き方とは

青色申告をする際に、申請書とともに提出する書類「青色申告決算書」。
全4ページで、1~3ページが「損益計算書」、4ページ目が「貸借対照表」という構成になっており、65万円の青色申告特別控除を受けるためには、どちらの表も提出する必要があります。
このページでは、そもそも貸借対照表とは何なのか、具体的にどうやって作成すればいいのかをご紹介していきます。

控除額が2種類ある青色申告

青色申告制度には事業者にとってさまざまな特典がありますが、その中でも有名なのが「青色申告特別控除」です。特別控除の金額は、簿記の方法によって最大65万円と最大10万円の2種類に分かれています。

65万円の特別控除を受けるには、正規の簿記の方式「複式簿記」(現金の動きと現金が動いた理由も表すもの)で帳簿をつけて、申告書のほか「貸借対照表」と「損益計算書」を確定申告の期限内に提出しなくてはいけません。
一方、10万円の特別控除を受ける条件はそれより緩く、お小遣い帳のような簡易な簿記の方式「単式簿記」で帳簿をつけて、申告時には申告書と「損益計算書」のみを提出すればいいとされています。
ちなみに、帳簿は申告時には提出しなくてもいいのですが、税務調査などが発生した場合に必要となるため、7年間の保存が必要です。

損益計算書は、一定期間における会社の収益と費用から、その利益を示すもので、簡易な帳簿でも作成することが可能です。一方、貸借対照表は、一定期間における会社の資産、負債、純資産から、その財政状態を表したもので、こちらの作成には、前提として取引きを正規の簿記である複式簿記の形式で記帳した帳簿が必要となります。

貸借対照表ってどんな書類?

損益計算書では、「お金がいくらあるか」はわかっても「そのお金はどこから来たのか」はわかりません。しかし、貸借対照表があれば、会社の財産や負債の状態をしっかり把握することができます。

例えば、資本金200万円で設立した会社が100万円の営業車を買い、さらに100万円の借入れをした場合を考えてみましょう。
収支計算書(簡易の簿記)では、この活動は次のように記載されます。

収入 支出 残高
200万円
自動車 100万円 100万円
借入れ 100万円 200万円

借入れで現金が100万円増えたことはわかりますが、負債が100万円あることは、この表からはひと目でわかりにくくなっています。収支を記録するだけでは、会社の財政状態は読み取れないのです。

一方、同じ取引きが完了した状態を貸借対照表で表すと次のようになります。

資産 負債
現金 200万円
自動車 100万円
借入金 100万円
純資産
資本金 200万円

このように、貸借対照表では、「負債の部」で現金を調達した手段を記録します。事業の状態をきちんと把握するためには、貸借対照表が必要なのです。

青色申告は、日々きちんと帳簿をつけ、しっかり申告し、納税する人に特典を与える制度です。恩恵の大きい65万円の控除を受けるためには、収支を表す損益計算書だけでなく、貸借対照表の提出まで求められるというわけです。

貸借対照表作成のための事前準備と作成方法

貸借対照表の作り方は以下のような手順となります。

日々の取引きを複式簿記で記帳する

前述したとおり、期末に貸借対照表を作るには、大前提として、正規の簿記の方式「複式簿記」で日々の取引きを記録しておく必要があります。
複式簿記は、取引きを「借方」と「貸方」という2つの面からとらえ、左右に分けて並列表記していく方法です。例えば、「3,000円のプリンターインクを購入した」なら、「消耗品費が3,000円増えた(費用が増加した)」「現金が3,000円減った(資産が減少した)」と考えて、ルールに則って次のように表します。

日付 借方 貸方 概要
5月10日 消耗品費 3,000円 現金 3,000円 プリンターインク

この際に仕訳に使われる「消耗品費」や「現金」などを「勘定項目」といいます。勘定項目の数は何十種類にも及びますが、大きく「資産、負債、純資産」に分類されます。貸借対照表の作成には、まず、すべての取引きを適切な勘定項目を使って仕訳して、しっかり記録しておくことが必要になります。
資産、負債、資本にあたる勘定項目は、それぞれ次のようなものがあります。

  • 資産…現金、当座預金、繰越商品、建物、商品など
  • 負債…買掛金、借入金、支払手形など
  • 純資産…資本金、当期純利益など

貸借対照表の作成方法

貸借対照表は、期末時点における資産、負債、純資産それぞれの勘定項目の残高をすべて抜き出して、1枚の表にまとめたものです。

各勘定科目の合計金額がマイナスとなっているようであれば、借方と貸方を逆にしてしまうなど、仕訳時の誤りの可能性が考えられます。間違いの原因だと考えられる勘定科目が関連する仕訳について、その内容をさかのぼって検証する必要があります。

作成方法で不明な点があれば、国税庁の「青色申告決算書(一般用)の書き方」などを参考にしてください。

提出様式への転記

当期末時点における貸借対照表が完成したら、確定申告時に提出する様式(「青色申告決算書」4ページ目の貸借対照表)の期末欄に、各勘定科目の金額を転記していきます。また、同様に前期末時点の貸借対照表を参照しながら、期首欄の金額についても記入すれば、確定申告の際に提出する貸借対照表は作成完了となります。

記載例(決算書4ページ)

引用:国税庁

主要簿と補助簿からなる帳簿

会計帳簿は、日々の事業活動に伴う各取引きを記録するための帳簿です。帳簿の中には、収益や費用、資産、負債、純資産の増減に関連する項目がすべて記入されています。一方、貸借対照表は、会計データのうち、資産や負債・資本に関する項目(勘定科目)のみを合計した表です。つまり、損益計算書または貸借対照表を作成するために必要な元データは、すべて会計帳簿に記載されているということになります。

会計帳簿は、「主要簿」と「補助簿」から構成され、記載すべき内容によっていくつかの種類に分かれています。 主要簿は、すべての取引きを日付順に記載した「仕訳帳」、すべての取引きを勘定科目別に記載した「総勘定元帳」の2つで、最大65万円の青色申告特別控除を受ける際の前提となる複式簿記の場合は、仕訳帳と総勘定元帳は必須となります。
補助簿は事業内容や取引き方法で必要な物は変わりますが、代表的なものとして「現金出納帳」や「預金出納帳」「売掛帳」などがあります。

まとめ

65万円の特別控除を受けるには、貸借対照表の提出が必要となり、そのためには、正確な複式簿記の作成を日々行わなければなりません。複式簿記の知識がほとんどなくても、貸借対照表の作成ができる青色申告ソフトfreeeといった会計ソフトがありますので、活用してみるのも一案です。
青色申告で65万円の特別控除を受けられるよう、スケジュールに余裕を持って準備を進めていきましょう。

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