青色申告の基礎知識

個人事業主がクレジットカード決済した場合の会計処理方法

事務用品の買い物や仕入れなど、個人事業主も使うことが多いクレジットカード。とても便利な物ですが、その代金は翌月や翌々月にまとめて金融機関の口座から引き落とされるため、どのように会計処理をすればいいのか疑問に思う人もいるでしょう。ここでは、個人事業主が経費をクレジットカードで決済した際の会計処理について説明します。

また、青色申告で65万円控除を受けるためには、正規の簿記「複式簿記」の方法で、「発生主義」という会計の基本原則に基づいて記帳することが必要です。よって、ここではその場合の処理の仕方を中心に解説していきましょう。

目次

クレジットカードで決済した場合の記帳方法

クレジットカードで経費を支払った場合、取引きを複数の科目で記載する複式簿記での記帳は、プライベート用のクレジットカードで支払った場合と、事業用のクレジットカードを用意している場合とで処理方法が異なります。4月2日に3,000円のプリンターのカートリッジを買い、5月10日に引き落としがされた例で見ていきましょう。

青色申告特別控除について、詳しくはこちら。
青色申告特別控除とは?65万円と10万円の控除を分ける要件について

<白色申告の場合、または青色申告で10万円控除を受ける場合>
白色申告を行う場合、または青色申告でも10万円控除を受ける場合は、複式簿記での記帳は求められません。取引きをひとつの科目に絞って記載する単式簿記ですので、クレジットカードで購入した場合も購入日に「消耗品費 3,000円」と記帳するだけで済みます。

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<青色申告で65万円控除を受ける場合>
複式簿記で、収入や支出の事実が確定した時点で記帳する「発生主義」での対応が必要になります。クレジットカードがプライベート用か、事業用かによって書き方が変わります。

・プライベート用のクレジットカードで決済した場合
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プライベート用の口座で引き落とされるクレジットカードで支払った場合は、購入時に勘定項目に応じて記帳するだけで、クレジットカード会社からの引き落としの際の処理はありません。費用である「消耗品費」と負債である「事業主借」として、購入した日に「(借方)消耗品費 3,000円」「(貸方)事業主借 3,000円」と記帳します。

・事業用のクレジットカードで決済した場合
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事業用の口座から引き落とされるクレジットカードを使用する場合は、購入時には「未払金」として処理するため、代金の引き落とし時にもう一度記帳が必要です。購入時は「消耗品費」と負債である「未払金」として、代金の引き落とし日には「未払金」と資産である「普通預金」を使って記帳します。

ただ、クレジットカードでの購入のたびに2回記帳するのは面倒なものです。しかし、クレジットカードでの購入は、以下のように例外的にカード代金の引き落とし時の1回の記帳とすることも認められています。

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ただしこの場合も、例えば年末に購入したために引き落としが年をまたぐ場合は、先述の「未払金」として購入時と引き落とし時の2回記帳することが必要になります。

記帳時の注意事項

クレジットカードで経費を支払った場合に注意したいポイントを挙げていきます。

1. ネット通販を利用した際に領収書がない場合は?
インターネット通販でクレジットカードを利用した場合、領収書は発行されません。クレジットカードで決済した段階では、カード会社が購入費用を立て替えている状況だからです。では、どのように支払いを証明すればいいかというと、購入した際にショップから発行される「利用明細書」が領収書の代わりになります。利用明細書にはショップの名称や購入した商品・サービス、購入金額、購入日が明記されていることが前提です。カード会社からの請求明細書は領収書代わりにはなりませんので、ショップからの利用明細書は大切に保管しておきましょう。

2. 分割払いの手数料はどう記帳する?
クレジットカードでの購入では分割払いを利用するケースもありますが、分割払いになると手数料が発生します。この場合は、勘定科目を「支払手数料」として手数料分を記帳してください。

3. ポイントやマイルはどう記帳する?
ポイントやマイルを使って経費を支払った場合には、会計処理は不要です。事業用のクレジットカードでポイントやマイルを商品券に交換したケース、キャッシュバックを受けた場合には、勘定科目を「雑収入」として記帳します。

4. Web明細はダウンロードしておく
クレジットカード会社では紙の利用明細書を発行せずに、「Web明細」を推奨するケースが増えています。しかし、確定申告に関連する書類は基本的に紙で保存することが義務付けられているため、Web明細の場合は印刷して保管しておくことが必要です。クレジットカード会社によっては、ダウンロードできる期間を数ヵ月程度に制限しているケースがあるので、Web明細はこまめにダウンロードしておきましょう。中には、確定申告の時期に合わせて利用明細書の郵送サービスを行っているクレジット会社もありますが、送付まで2週間ほど要することもありますので、その都度対応しておくことが大切です。

クレジットカードで事業の経費を支払う場合のメリット・デメリット

クレジットカードの利用は便利である一方、経費処理の面ではデメリットといえることもあります。ここでは、その両面について説明しましょう。

ポイント獲得、管理のしやすさにおけるメリット

クレジットカードで事業の経費を支払うことで、個人での使用と同様に、ポイントが貯まることがメリットです。また、現金の購入と違って支払いを先延ばしにできるため、資金繰りの面でも有利といえるかもしれません。

また、事業用のカードがある場合は、カード払いを基本とすると利用明細書から経費を把握できるため、管理がしやすくなります。

「プライベート用」と「事業用」が混在することのデメリット

クレジットカードの多くは年会費がかかります。また、事業用カードでのプライベートの買い物が頻繁な場合、その金額が多いと税務調査で指摘を受けることがあります。

一方、プライベート用のクレジットカードで経費を支払っている場合は、カード明細の中から経費分を抜き出す作業が煩雑です。また、事業用と個人としての使用分が曖昧になりやすく、税務署から経費として認められないものが生じる可能性があります。

また、一枚のクレジットカードでプライベート用と事業用の利用を混在させていると、分割払いで購入する場合に利息の計上をどうするのか、処理が難しいケースも生じます。クレジットカードで経費を支払う場合には、個人のプライベート用とは別に事業用のカードを作り、混在させないことが望ましいです。

まとめ

クレジットカードでの経費の支払いの会計処理は、青色申告の65万円控除で必要な複式簿記でも慣れれば難しいものではありません。事業用と個人のプライベート用でのクレジットカードの使用をきちんと分けて、適切な確定申告をしましょう。

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