青色申告の基礎知識

減価償却費とは?確定申告・青色申告前に知っておきたい計算方法

最終更新日:2021/03/04

減価償却費とは?計算方法と青色申告における特例について

事務用品や書籍代など、事業で使った費用は、その年の経費として計上するのが基本です。しかし、事業で車や建物など、年月の経過などによって価値が減っていく物を購入した場合、購入金額によっては「減価償却」という方法で、経費に計上するというルールが設けられています。

ここでは、事業を行う上での減価償却の必要性や減価償却の方法のほか、減価償却の対象となる資産にはどのようなものがあるのかをご紹介します。また、青色申告にだけ適用される減価償却の特例についてもご紹介しましょう。

確定申告の期間延長について

確定申告は通常3月15日が期限ですが、2021年3月提出分(令和2年分)の確定申告期間は、新型コロナウイルスの影響により4月15日に延長されました。

併せて、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限も4月15日に延長されます。

詳細は以下のサイトからご確認ください。

参考:
国税庁「令和二年分 確定申告特集」
国税庁「申告・納付期限を令和3年4月15日(木)まで延長します(報道発表資料)」

目次

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減価償却費はどんな経費?

「減価償却費」は、減価償却によって発生する経費です。減価償却とは、事業で使う「減価償却資産」を、その資産の使用可能期間にわたって分割して、毎年、経費計上する会計処理のことです。建物や自動車など、年月の経過とともに価値が減っていく資産が減価償却資産にあたります。

減価償却資産とみなされるのは、原則として、使用可能な期間が1年以上で、取得価額が10万円以上の資産と定められています。また、減価償却資産の使用可能な期間の目安は、国税庁によって定められており、それが「耐用年数」と呼ばれるものです。

減価償却はなぜ必要なのか?

減価償却は、費用に対する収益を適正に示すことで、株主や金融機関など、事業の利害関係者が、経営状態について正しく判断できるようにするために必要なものです。例えば、事業に必要な100万円の機械を購入したとします。減価償却を行わずに100万円を購入した年の経費にすると、その年の決算が赤字になって、銀行から融資を受けたいときなどに、不利になる可能性があるでしょう。

また、事業で使う設備などの資産は長期にわたって使用すると、劣化して価値が減少します。この価値の減少を財務諸表に記録して、事業の資産状況を正確に開示するためにも減価償却が必要になります。

減価償却に関連する用語

続いて、減価償却を行う上で知っておきたい用語の意味を解説します。

・減価償却資産
減価償却の対象となる資産。

・減価償却費
減価償却資産の取得価額を、各年分の必要経費として配分していく際に使用する勘定科目。

・取得価額
減価償却資産の購入代金と、購入手数料や運送料など、購入に付随する費用の合計金額。

・耐用年数
減価償却資産の種類ごとに定められた、使用可能な期間。

・事業供用日
減価償却資産を実際に使い始めた日。

・減価償却累計額
計上した減価償却費の合計額。

・未償却残高
減価償却資産の取得価額から、減価償却累計額を差し引いた金額。

減価償却に関連する用語については関連記事を参照してください。

【関連記事】
減価償却費とは|「そもそも減価償却って何?」から図入りで分かりやすく

減価償却の方法は定額法が原則

毎年、経費として計上する減価償却費を求めるための計算方法には、「定額法」と「定率法」があります。個人の場合、事前の届出をしていなければ、原則的に定額法を使用します。定額法と定率法の計算方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

なお、2007年3月31日以前に取得した減価償却の対象となる資産については旧定額法、または旧定率法で計算することになります。
減価償却の2つの計算方法イメージ図

定額法による減価償却

定額法とは、減価償却費の額が毎年同じになる計算方法です。減価償却費の額は、下記の式で算出します。

減価償却費の額=取得価額×定額法の償却率

例えば、耐用年数10年の機械設備を100万円で取得した場合、定額法の償却率は0.1なので、上記の式にあてはめると、毎年の減価償却費の額は10万円となります。定額法では毎年同じ額を計上するため、1年あたり10万円を10年間かけて減価償却費として計上することになります。

ただし、耐用年数の最後の年は、減価償却費から1円を引いた額で計上しなければなりません。この1円は「残存簿価」と呼ばれるもので、その資産が残っていることを帳簿に記載するためのものです。この例の場合、10年目は10万円から1円を差し引いた9万9,999円を減価償却費として計上します。

なお、減価償却の対象となる資産がソフトウェアなど、形のない資産である場合は、残存簿価の1円を残す必要はありません。

定率法による減価償却

定率法とは、未償却残高を一定割合で減価償却する計算方法で、減価償却費の額が年とともに減少するという特徴があります。減価償却費の額は、下記の式で算出します。

・減価償却費の額=未償却残高×定率法の償却率
・減価償却費の額=改定取得価額×改定償却率

(上記の式で算出される減価償却費の額が、償却保証額に満たなくなった年分以後)

・償却保証額
資産の取得価額に、当該資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額。

・改定取得価額
調整前償却額が初めて償却保証額に満たないこととなる年の期首未償却残高。

・改定償却率
減価償却費の額が償却保証額に満たなくなった年以降に使用する、当該資産の耐用年数に応じた償却率。

定率法においても、耐用年数の最後の年に残存簿価を1円とする必要があります。しかし、未償却残高に定率法の償却率を最後の年まで乗じていっても、耐用年数内に1円までに償却することができません。

そこで、減価償却費の額が償却保証額より小さくなった年分以後は、定額法と同じく、毎年同額を減価償却することで最後の年の残存簿価が1円となるように調整するのです。

例として、取得価額100万円、耐用年数10年の減価償却資産についての、定率法における償却費の計算を見てみましょう。便宜上、1年間事業に使用していたと仮定して計算しています。

例:取得価額100万円/耐用年数10年の場合

償却率 0.200
改定償却率 0.250
保証率 0.06552
償却補償額 65,520円(100万円×0.06552)
1年目の償却費の額 20万円(100万円×0.200)
2〜6年目の償却費の額 (100万円-前年までの償却費の合計額)×0.200
7〜9年目の償却費の額 65,536円(改定取得価額26万2,144×0.250)
10年目の償却費の額 65,535円(期首帳簿価額-1円)

減価償却で定率法を適用したい場合は、その年の確定申告期限内に、所轄の税務署に「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する必要があるので注意してください。

なお、すべての資産の減価償却において定率法を適用できるわけではなく、建物や建物付属設備および構築物、無形固定資産、生物については定額法のみが適用となります。

「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」は国税庁のWebサイトでダウンロードできます。
所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続|申告所得税関係|国税庁

減価償却と耐用年数

減価償却の対象となる資産には、それぞれ耐用年数という使用可能期間が定められています。資産によって事細かに定められていますが、ここではその一部について見ていきましょう。

器具・備品の耐用年数

下記は、個人事業主として事務所を用意する場合に考えられる資産の一例です。カーテンやじゅうたんといった資産も計上することが可能です。テーブルやいすについては、比較的耐用年数が長くなっています。

器具・備品の耐用年数一覧

車両・運搬具の耐用年数

事業によっては、車を仕事で使う場合もあるでしょう。車両・運搬具は、器具・備品と比較すると、耐用年数が短くなっています。

車両・運搬具の耐用年数一覧

※貨物自動車は積載量が2トン以下、そのほかの自動車は総排気量が2リットル以下、乗合自動車を除く。

引用:国税庁「耐用年数(車両・運搬具/工具)

なお、そのほかの資産の耐用年数については、国税庁のWebサイトで確認することが可能です。

減価償却費こんなときはどうする?

減価償却費の計算を行う上で、中古品を購入した場合や、耐用年数が過ぎる前に処分した場合は、どのような処理を行う必要があるのでしょうか。それぞれ考えられるケースについて確認してみましょう。

年の途中で購入した場合

減価償却費は、購入した月の翌月からが計算の対象となります。そのため、年の途中で購入した場合は、購入した月から12月末までで計算し、計上する必要があります。

例:9月20日に30万円の接客業用応接セットを購入した場合(定額法の場合)
月の途中から使用を開始した場合でも、その月は一月とみなしますので、本年中に使用した月数は4ヵ月となります。

接客業用応接セットの耐用年数…5年
償却率…0.2

1年間の減価償却費:30万円×0.2=60,000円
1年目の減価償却費:60,000円×4ヵ月÷12=20,000円

中古で購入した場合

事業で使うものを中古で購入した場合、購入金額が、同じ商品の新品を購入した場合の50%を超える場合は、減価償却費を計算する際に法定耐用年数が適用されます。

購入金額が50%以下であった場合は、事業用として取得した時点で、あとどのくらいの年数、使用可能であるのかを見積り、個別で計算する必要があります。算出方法がわからない場合は、所轄の税務署に問い合わせるといいでしょう。

なお、試用期間の見積もりが困難な場合は、次の簡易な方法によって算定した年数が適用できます。

  • 法定耐用年数の全部を経過した資産…法定耐用年数の20%に相当する年数
  • 法定耐用年数の一部を経過した資産…法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に、経過年数の20%に相当する年数を加えた年数
これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときはその端数を切り捨てます。結果が2年に満たないときは2年とします。

参考:中古資産の耐用年数|法人税|国税庁

処分した場合

もし、減価償却資産を処分した場合は、固定資産を廃棄処分した際に発生した損失を計上するときに使う勘定科目「固定資産除却損」を使って記帳します。

「10万円で購入し、すでに70,000円分を減価償却費として計上、未償却残高30,000円の備品を処分した場合」を記録するには、2つの方法があります。

<方法1 直接法>
直接法は、減価償却費を直接固定資産から差し引いていく方法で、「30,000円分の備品が減り」「固定資産除却損が30,000円増えた」ことを表しています。

借方 貸方
固定資産除却費 30,000 備品 30,000

<方法2 間接法>
間接法は、減価償却を行っても備品の価値を直接減らさず、「減価償却累計額」という専用の勘定科目を使って処理する方法です。「10万円で購入した備品が70,000円分減り」「固定資産除却損が30,000円増えた」ことを表しています。

なお、間接法の記帳方法は、複式簿記を用いています。例えば備品を購入した場合、複式簿記では「現金が減った」「備品が増えた」という風に、取引を2つの方向から記録するのがルールです。

借方 貸方
減価償却累計額 70,000 備品 100,000
固定資産除却費 30,000

売却した場合

個人事業主が、減価償却資産を売却した場合、売却した代金は譲渡所得として扱います。また、売却価格や会計処理によって使用する勘定科目が異なりますので注意が必要です。

<方法1 直接法>
個人事業主が減価償却資産を売却し、直接法で会計処理を行う場合は、勘定科目の「事業主貸」を使って記帳します。

例えば、取得価額が10万円で、すでに70,000円分を減価償却費として計上している備品を10,000円で売却したときの記帳方法は、下記のとおりです。

借方 貸方
現金 10,000 備品 30,000
事業主賃 20,000

<方法2 間接法>
個人事業主が減価償却資産を売却し、間接法で会計処理を行う際には、売却価格が未償却残高より高い場合の勘定科目は「事業主借」を、売却価格が未償却残高より低い場合の勘定科目は事業主貸を使って記帳するのがルールです。

例えば、取得価額10万円で、すでに70,000円分を減価償却費として計上している備品を40,000円で売却した場合、未償却残高3万円より売却価格が1万円高くなるため、記帳方法は下記のとおり事業主借を使用します。

■売却価格が未償却残高より高い場合

借方 貸方
現金 40,000 備品 100,000
減価償却累計額 70,000 事業主借 10,000

また、取得価額が10万円で、すでに70,000円分を減価償却費として計上している備品を20,000円で売却した場合、未償却残高3万円より、売却価格が1万円低くなるため、記帳方法は下記のとおり事業主貸を使用します。

■売却価格が未償却残高より低い場合

借方 貸方
現金 20,000 備品 100,000
減価償却累計額 70,000
事業主賃 10,000

なお、減価償却費は、建物や自動車など固定資産を事業用と家庭用で共有している場合、家事按分といって使用している比率に応じて計上する必要があります。例えば、居宅兼事務所で事務所として用いている面積が「20%」の場合、事業用固定資産の対象となるのは建物の20%のみとなります。

減価償却できない資産

減価償却の対象となるのは、耐用年数が1年以上かつ取得価額が10万円以上の資産です。年月が経っても劣化したり価値が下がったりしない資産や業務に使っていない資産は、減価償却の対象となりません。

<減価償却できない資産の例>

  • 土地
  • 借地権
  • 電話加入権
  • 書画・骨董品
  • 稼働休止中の資産

土地や借地権、歴史的な価値のある骨董品などは、年月の経過により価値が減少することはありません。また、故障して放置したままの設備のように、稼働を休止している資産は、業務に使っていない状態であるため、減価償却できない資産となります。

青色申告で受けられる減価償却費の特例について

青色申告で確定申告を行う場合、一定の要件を満たすことで、取得価額が30万円未満の減価償却資産について、購入した年度の経費として全額計上できるという特例を受けることが可能です。

ただし、特例の対象となるのは、2006年4月1日から2022年3月31日までのあいだに購入した減価償却資産であり、経費計上できるのは、年間の減価償却資産合計額300万円が限度となります。

「30万円未満」は税込み?税抜き?

青色申告で受けられる減価償却の特例において、取得価額30万円未満とは税込みなのか税抜きなのかは、その事業者が採用している経理処理によって決まります。税込経理方式を採用している場合は税込30万円未満、税抜経理方式を採用している場合は税抜30万円未満です。

なお、消費税の免税事業者の場合は税込経理方式しか採用できないため、税込30万円未満となります。

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まとめ

青色申告には、購入価格が30万円未満の減価償却資産であれば、一定の要件を満たすことで全額を一括償却できるというメリットがあります。パソコンなどの備品購入費を、その年に一括で経費にすれば節税にもつながります。これは、青色申告・白色申告の大きな違いでもありますので、申告方法を検討する材料にしてみてください。

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