青色申告の基礎知識

減価償却費とは?計算方法と青色申告における特例について

減価償却費とは、一般的に取得価格の大きい資産に適用される経費のことです。青色申告の場合、白色申告にはない特典もあります。青色申告の特典はどのようなものなのか、そもそも減価償却費とはどのようなものなのか確認してみましょう。

■減価償却費とはどんな経費?

建物や自動車、機械などは、年月とともに価値が下がっていくものと考えられます。減価償却費とは、こうした価値が減っていく資産に対して用いる経費です。原則的には使用可能な期間が1年以上で10万円以上の資産に適用されます。減価償却費に該当する資産については、決まった年数で少しずつ経費として計上していくというしくみです。

なお、減価償却費に該当しないような文房具や事業用の日用品に関しては、消耗品などに計上されますので注意しましょう。

■定額法と定率法

減価償却費は、耐用年数という決められた期間の間に分けて経費を計上していくというものですが、計上額を算出する方法としては2つの計算方法があげられます。定額法と定率法です。個人は事前の届け出をしていないと、原則定額法になります。平成19年3月31日以前の減価償却費が対象となる資産については旧定額法、または旧定率法で計算することになりますが、ここでは平成19年4月1日に取得したものとしてそれぞれの計算方法を確認してみましょう。なお、現行法は、旧計算方法と異なり、残存価格1円になるまで償却するようになっています。

〇減価償却費と定額法

定額法とは、毎年同じ額を計上していく計算方法です。たとえば耐用年数10年のものを100万円で購入した場合は、10年目以外毎年10万円減価償却費として計上することになります。限度年数である10年目の計上額は、残存価格1円を差し引いた99,999円です。基本的には毎年同じ額を計上することになりますので、分かりやすいというのがメリットだと言えるでしょう。

〇減価償却費と定率法

一方定率法は、基本的には決められた率で償却をしていく方法です。保障率によって償却保障額というものを設定しますが、償却保障額に達するまでは、残存価格の20%などと決められた償却率で求めた金額を計上していきます。取得した年が新しいほど減価償却費の計上額が大きくなるのが定率法の特徴です。

なお、定率法を使用したい場合は「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」で申告する必要があるので注意しましょう。ただしすべて定額法にできる訳ではなく、建物や建物附属設備及び構築物、無形固定資産、生物については定額法のみが適用となります。

■減価償却費と耐用年数

減価償却費に計上される資産は、耐用年数といって、減価償却償却の期間が定められています。資産によって事細かに定められていますので、ここでは一部についてみていきましょう。

〇器具・備品による耐用年数の一例

個人事業主として事務所を用意する場合に考えられる資産の一例です。カーテンやじゅうたんといった資産も計上できることが分かります。テーブルやいすについては比較的耐用年数が長いです。

〇車両運搬具の耐用年数

事業によっては、車を取得する場合も考えられるでしょう。車両運搬具の場合は、器具・備品と比較するとやや耐用年数が短いことが分かります。

なお、そのほかの資産の耐用年数については国税庁のホームページで確認することが可能です。
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34353.php

■減価償却費こんなときはどうする?

減価償却費の計算を行う上で中古を購入した場合や、処分した場合はどのような処理を行う必要があるのでしょうか。それぞれ考えられるケースについて確認してみましょう。

〇年の途中で購入した場合

減価償却費は、購入した月の翌月からが計算の対象となります。そのため、年の途中で購入した場合は、購入した月から12月末までで計算し、計上する必要があります。

(例)9月20日に30万円の接客業用応接セットを購入した場合(定額法の場合)
   ※接客業用応接セットの耐用年数…5年
   300,000×0.2=60,000
   60,000×3÷12=15,000円 (1か月未満は切り上げて計算します。)

〇中古で購入した場合

中古で購入した場合、同じ新品を購入した場合の金額の50%を超える場合は法定耐用年数が用いられます。ただし、50%以下の場合は事業用として取得した時点でどのくらい使用可能かを計算し個別で計算する必要があります。算出方法が分からない場合は、所轄の税務署に問い合わせると良いでしょう。


〇処分した場合

もし残存している資産を処分した場合は、固定資産除却損として計上可能です。

(例)残存価格3万円の備品を処分した場合
   固定資産除却損 30,000 / 備品 30,000

   ※減価償却累計額を採用している場合(取得価格10万円、累計額7万円とする。)
   減価償却累計額 70,000 / 備品 100,000
   固定資産除却損 30,000

〇売却した場合

事業用資産を売却した場合は、総合課税の譲渡所得となります。事業所得の計算上は損益に関係させず、譲渡所得の計算欄で固定資産売却損を計上するので、結果は同じになりますが、計算方法が複雑になるのでご注意下さい。

 (例)残存価格3万円の備品を1万円で売却した場合
   現     金 10,000 / 備品 30,000
   事業主貸 20,000

   ※減価償却累計額を採用している場合(取得価格10万円、累計額7万円とする。)
   減価償却累計額 70,000 / 備品 100,000
   現     金 10,000
   事業主貸 20,000

■家事按分について

建物や自動車など固定資産を事業用と家庭用で共有している場合は、家事按分といって使用している比率に応じて計上する必要があります。

■青色申告での減価償却費の特例について

青色申告者の場合は、特例により取得価格30万円未満であれば一括で償却することができます。ただし、取得価格の合計300万円以下までが対象となるので注意しましょう。

なお、青色申告者・白色申告者ともに一回の取得価格20万円未満の減価償却費であれば、一括償却または3年に渡り償却することのどちらかの選択が可能です。青色申告者は、30万円未満に適用される少額減価償却、または20万円未満に適用される一括償却のどちらかを自由に選択することができます。

まとめ

青色申告の場合は、30万円未満を損金として一括で償却することができるという点がメリットだと言えます。取得年度に経費を一気にあげたいときに便利です。白色申告でも20万円未満であれば計上可能ですが、両方の申告が使用できる所得の場合は、こうしたメリットにも目を向けて検討してみると良いのではないでしょうか。

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