青色申告の基礎知識

減価償却費とは?計算方法と青色申告における特例について

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事務用品や書籍代など、事業を行う上で購入した物は、その年の経費として計上するのが基本です。しかし、車や建物など、高額で長期にわたって使用できる物を購入した場合、その年の経費として計上すると、購入した年だけ経費が膨れ上がる可能性があります。そこで、高額の資産を取得した場合は、会計上「減価償却」という方法で、経費に計上するというルールが設けられています。
減価償却とはいったいどんなものなのか、青色申告にだけ適用される減価償却の特例とともにご紹介します。

目次

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減価償却費はどんな経費?

建物や自動車、機械など、ある程度高価な物は、事務用品などと違い、使ったからといってすぐに価値がゼロになるわけではありません。そこで、その価値は年月とともに下がっていくものと考え、毎年減った分の価値を計上して償却します。これを「減価償却」といいます。つまり、減価償却費とは、この減価償却によって発生する経費のことです。例えば180万円で新車を買った場合、1年後に価値が6分の5まで落ちたと考えて、減った30万円分を減価償却費として計上するという具合です。
減価償却は、原則的には使用可能な期間が1年以上で、取得価格が10万円以上の資産に適用されます。減価償却に該当する資産については、それぞれ「耐用年数」という目安となる年数が定められており、その間、少しずつ経費として計上していきます。
なお、減価償却費に該当しないような文房具や事業用の日用品、10万円未満のパソコンなどに関しては、消耗品などに計上されますので注意しましょう。

減価償却の方法は定額法が原則

減価償却は、耐用年数という決められた期間で、毎年減った分の価値を経費として計上していくというものですが、計上額を算出する方法としては「定額法」と「定率法」という2つの計算方法があります。個人の場合、事前の届け出をしていないと、原則的に定額法となります。2007年3月31日以前に取得した減価償却の対象となる資産については旧定額法、または旧定率法で計算することになります。

・定額法による減価償却
定額法とは、毎年同じ額を計上していく計算方法です。1年の減価償却額は、取得原価に定額法の償却率を乗じることで求められます。定額法の償却率は、ほぼ「取得原価÷年数」と一致します。

<計算方法>
取得価額×定額法の償却率

例えば、耐用年数10年の物を100万円で購入した場合は、毎年10万円ずつ減価償却費として計上することになります。ただし、最後は帳簿上に残す必要性から価値を1円としなくてはならないので、10年目の計上額は10万円とはならず、残存価格1円を差し引いた99,999円となります。基本的には毎年同じ額を計上することになりますので、わかりやすいのがメリットでしょう。

・定率法による減価償却
定率法は、基本的には決められた率で減価償却をしていく方法です。保証率によって償却保証額(※1)というものを設定しますが、償却保証額に達するまでは、残存価格の20%などと決められた償却率で求めた金額を計上していきます。取得した年が新しいほど、減価償却費の計上額が大きくなるのが定率法の特徴です。

<計算方法>
未償却残高×定率法の償却率
改定取得価額(※2)×改定償却率(※3)(上記の金額が償却保証額に満たなくなった年分以後)

  • ※1 資産の取得価額に当該資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額
  • ※2 調整前償却額が初めて償却保証額に満たないこととなる年の期首未償却残高
  • ※3 改定取得価額に対して、その償却費の額がその後同一となるように当該資産の耐用年数に応じた償却率

例として、取得価額100万円、耐用年数10年の減価償却資産についての償却費の計算を見てみましょう。便宜上、1年間事業に使用していたと仮定して計算しています。

例:取得価額100万円/耐用年数10年の場合
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なお、定率法を使用したい場合は「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」で申告する必要がありますので注意しましょう。ただし、すべて定額法にできるわけではなく、建物や建物付属設備及び構築物、無形固定資産、生物については定額法のみが適用となります。

なお、「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」は国税庁のWebサイトでダウンロードできます。

所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続|申告所得税関係|国税庁

減価償却と耐用年数

減価償却の対象となる資産には、それぞれ「耐用年数」という減価償却期間が定められています。資産によって事細かに定められていますので、ここではその一部について見ていきましょう。

・器具・備品の耐用年数
個人事業主として事務所を用意する場合に考えられる資産の一例です。カーテンやじゅうたんといった資産も計上することが可能です。テーブルや椅子については、比較的耐用年数が長くなっています。

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参考:
耐用年数(器具・備品)(その1)

・車両・運搬具の耐用年数
事業によっては、車を取得する場合も考えられるでしょう。車両・運搬具は、器具・備品と比較すると、耐用年数が短くなっています。

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※貨物自動車にあっては積載量が2t以下、その他の自動車にあっては総排気量が2L以下、乗合自動車を除く

参考:
耐用年数(車両・運搬具/工具)

なお、そのほかの資産の耐用年数については、国税庁のWebサイトで確認することが可能です。

減価償却費こんなときはどうする?

減価償却費の計算を行う上で、中古品を購入した場合や、耐用年数が過ぎるまえに処分した場合は、どのような処理を行う必要があるのでしょうか。それぞれ考えられるケースについて確認してみましょう。

年の途中で購入した場合

減価償却費は、購入した月の翌月からが計算の対象となります。そのため、年の途中で購入した場合は、購入した月から12月末までで計算し、計上する必要があります。

例:9月20日に30万円の接客業用応接セットを購入した場合(定額法の場合)
月の途中からの使用開始でも、その月は一月とみなしますので、本年中に使用した月数は4ヵ月となります。

接客業用応接セットの耐用年数…5年
償却率…0.2

1年間の減価償却費:30万円×0.2=60,000円
1年目の減価償却費:60,000円×4ヵ月÷12=20,000円

中古で購入した場合

中古で購入した場合、同じ商品の新品を購入した場合の50%を超える金額の場合は、法定耐用年数が用いられます。ただし、50%以下の場合は事業用として取得した時点でどのくらい年数が使用可能かを見積もり、個別で計算する必要があります。算出方法がわからない場合は、所轄の税務署に問い合わせるといいでしょう。
なお、試用期間の見積もりが困難な場合は、次の簡易な方法によって算定した年数が適用できます。

・法定耐用年数の全部を経過した資産は、法定耐用年数の20%に相当する年数
・法定耐用年数の一部を経過した資産は、法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に、経過年数の20%に相当する年数を加えた年数

ただし、これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときはその端数を切り捨てて、結果が2年に満たないときは2年とします。

参考:
中古資産の耐用年数|法人税|国税庁

処分した場合

もし、残存している資産を処分した場合は、固定資産を廃棄処分した際に発生した損失を計上するときに使う勘定科目「固定資産除却損」を使って記帳します。「10万円で購入し、すでに70,000円分を減価償却費として計上、残存価格30,000円の備品を処分した場合」を記録するには、2つの方法があります。

<方法1 直接法>
直接法は、減価償却費を直接固定資産から差し引いていく方法で、「30,000円分の備品が減り」「固定資産除却損が30,000円増えた」ことを表しています。

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<方法2 間接法>
間接法は、減価償却を行っても備品の価値を直接減らさず、「減価償却累計額」という専用の勘定科目を使って処理する方法です。「10万円で購入した備品が70,000円分減り」「固定資産除却損が30,000円増えた」ことを表しています。
なお、間接法の記帳方法は、複式簿記を用いています。例えば備品を購入した場合、「現金が減った」「備品が増えた」ということを、両方同時に記録します。

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売却した場合

売却時の処理の仕方は、基本的に処分した場合と同じです。例えば、取得価格10万円、すでに70,000円分を減価償却費として計上している備品を10,000円で売却したときの記帳方法は、以下になります。

<方法1 直接法>

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<方法2 間接法>
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なお、減価償却費は、建物や自動車など固定資産を事業用と家庭用で共有している場合、家事按分といって使用している比率に応じて計上する必要があります。例えば、居宅兼事務所で事務所として用いている面積が「20%」の場合、事業用固定資産の対象となるのは建物の20%のみとなります。

青色申告での減価償却費の特例について

減価償却は原則として使用可能な期間が1年以上で、取得価格が10万円以上のすべての資産に適用されます。
青色申告者の場合は、2019年3月31日までに購入した取得価格が30万円未満の資産であれば、「少額減価償却資産」として、購入した年度に全額経費として計上することができます。ただし、取得価格の合計が300万円以下までとなります。また、取得価格が10万円以上20万円未満のものであれば、その合計額を3年間で均等償却できます。
一括償却や短い年数で償却したほうが、通常の減価償却より各年の損金計上額が大きくなりますので、結果として所得を少なくする効果があります。

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基本情報の入力

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余裕を持って確定申告を迎えるためにも、ぜひ確定申告ソフトの活用をご検討ください。

まとめ

青色申告の場合、購入価格が30万円未満の物なら一括償却できるという点がメリットです。購入時期に関係なく一括償却できますので、利益を圧縮するためにパソコンなどの備品を新調するなど、取得年度に経費を一気に計上したいときに便利です。これは、青色申告・白色申告の大きな違いでもありますので、申告方法を検討する材料にしてみてください。

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