青色申告の基礎知識

個人事業主の住民税の計算方法、納付時期、均等割・所得割について

青色申告をして所得税を支払ったあとにやってくるのが住民税の納付です。所得税は確定申告書類作成時にいくら納付すればいいかがわかりますが、住民税は確定申告データをもとに市区町村が計算をするので、税額を把握していない人が少なくありません。ここでは自分で計算する機会があまりない住民税についてご説明します。

住民税の納付時期

確定申告書を提出していれば住民税の申告は必要ありません。確定申告書類の必要情報は税務署から市区町村に連絡され、市区町村ではその情報をもとに市民税を計算し、住民税額を納税者に通知します。

個人事業主(普通徴税)の住民税は、分割払い(6月末、8月末、10月末、翌年の1月末の4回払い)か一括払いかを選ぶことができます。ただし、一括払いにしても税金額の割引はありません。

6月頃に市区町村役場から送られてくる納税通知書には、分割払い用の4枚の納付書(第1期~第4期)と、一括払い用の納付書が同封されています。したがって、事前に市町村役場に知らせなくても、分割払いか一括払いかは納税者側で自由に選択可能です。

<住民税の納付期限>

住民税の納付期限

なお、会社員の人で青色申告の際に住民税の徴収方法を「給与から差引き」(給与からの特別徴収)を選んだ場合は、6月から翌年の5月までの毎月の給与から天引きされます。

住民税の納付方法・納税窓口

普通徴税の住民税の納付方法は、納付書に書いてある方法で納付します。通常は、市区町村役場の収納窓口か、郵便局(ゆうちょ銀行)・銀行・信用金庫など、指定の金融機関の窓口で現金で支払います。指定金融機関以外の金融機関で支払う場合は、手数料を取られる場合があるため注意が必要です。

住民税が納付書1枚につき30万円以下でバーコード付き納付書であれば、コンビニ払いが可能です。また、口座振替の手続きをすれば口座振替にもできます。

均等割の金額について

個人住民税は「市区町村民税」と「都道府県民税」からなり、それぞれに「均等割」と「所得割」があります。均等割は一定以上の所得がある住民に一律同じ金額がかかる税金です。税額は、一般に、市区町村民税3,500円+都道府県民税1,500円=5,000円です(平成26年度~平成35年度は、復興特別税が500円ずつ加算されています)。

均等割の金額について

ただし、市区町村民税については、北海道夕張市、神奈川県横浜市など、一部の自治体で独自の税額を設けているところがあります。また、都道府県民税についても、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨木県、栃木県、群馬県、神奈川県、富山県、石川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県などの県では独自の税額を設けています。

所得割の税率と計算方法

〇所得割の税率
所得割は前年の所得金額に応じて金額が変わります。課税所得金額に税率をかけて計算します。税率は、原則として、市区町村民税6%+都道府県民税4%=10%です。

所得割の税率

ただし、市区町村民税については、北海道夕張市、愛知県名古屋市、兵庫県豊岡市など、一部の自治体で独自の税率を設けているところがあります。また、都道府県民税についても、神奈川県のように独自の税率を設けているところがあります。

〇所得割の計算方法
所得割の税額は、一般に次のような計算式で計算されます。

所得割の計算方法

住民税の「所得控除」には、医療費控除、生命保険料控除、雑損控除、配偶者控除、扶養控除など、所得税と同じような控除があります。しかし、なかには所得税と住民税では控除額が違う控除があるので注意が必要です。

<住民税と所得税で所得控除額が同じもの>
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除

<住民税と所得税で所得控除額が違うもの>

住民税と所得税で所得控除額が違うもの

最後の「税額控除」は税額から直接差し引かれる控除です。他の税金との二重課税を調整するために引かれる「配当控除」や「外国税額控除」のほか、「調整控除」「寄附金税額控除」「住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)」などがあります。例えば「ふるさと納税」(地方自治体への寄附金)は「寄附金税額控除」で調整されます。

均等割額 + 所得割額 = 住民税の金額

住民税は、一定以上の所得がある住民に一律かかる「均等割」と、前年の所得に応じてかかる「所得割」を合計したものです。したがって、均等割額と、上の計算式で求められた所得割額を合計したものが住民税の金額です。この金額が納税通知書で通知され、同封の納付書で納めることになります。

住民税の仕訳について

住民税は事業主個人にかかる税金のため、個人事業の必要経費(租税公課)にはできません。よって、窓口で現金で納付した場合は、記帳の必要はありません。ただし、事業用の金融機関口座から口座振替で納付した場合は、「事業主貸(ジギョウヌシカシ)」という勘定科目で処理することになります。文字どおり、事業資金を「事業主に貸す」のです。 <複式簿記での仕分け例>

複式簿記での仕分け例

「事業主貸(ジギョウヌシカシ)」「事業主借(ジギョウヌシカリ)」は法人会計には出てこない個人事業主特有の勘定科目です。確定申告の際には、「事業主貸」と「事業主借」の金額を相殺して事業の「元入金」の金額に反映させます。「事業主貸」の方が多い場合は「元入金」を事業主貸の分だけ減らし、「事業主借」の方が多い場合は元入金を事業主借の分だけ増やします。

まとめ

以上のように、個人事業主の住民税は、一律に課される「均等割」と所得に応じて課される「所得割」からなります。住民税額をきちんと把握して、住民税の通知がきたときに「忘れていた。払えない!」ということがないようにしましょう。

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