最終更新日:2022/04/07

確定申告は、1年間の所得額と納めるべき所得税額を計算した上で税務署に申告・納税する手続きです。
確定申告および納税期限は、通常2月16日〜3月15日です。なお、自動で預貯金口座から引き落とす「振替納税制度」を利用する場合は、国税庁が定める振替日(例年では4月中旬)までに入金が必要です。
この記事では、確定申告における税金の納付方法についてご紹介します。なお、振替納税制度以外の納付期限は、確定申告の期限と同じです。

目次
税金の納付方法は6種類
確定申告書した所得税を納付する方法には、下記の6つがあります。手数料や事前準備の有無など、納付方法それぞれにメリット・デメリットがあります。
納付方法 | メリット | デメリット | |
振替納税制度 | ・手数料がかからない ・一度手続きをすれば翌年以降の手続きが不要 |
・事前に依頼書の提出が必要 | |
電子納税 | ダイレクト 納税 |
・手数料がかからない ・自宅で納付手続きが完了する |
・利用には事前に準備が必要 ・e-Taxのシステムに慣れていないと使いにくい ・領収書が発行されない |
インターネットバンキング | ・パソコンやスマートフォンから簡単に納付できる ・多くの金融機関で利用できる |
・利用には事前に手続きが必要 ・領収書が発行されない |
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クレジットカード | ・自宅から納付できる ・分割払いやリボ払いが選べる ・特別な準備が必要ない |
・決済手数料がかかる ・毎回手続きをしなければならない |
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コンビニ | ・買い物のついでに納付できる ・手数料がかからない ・特別な準備が必要ない |
・クレジットカードや電子マネーは使えない ・30万円を超える納付ができない |
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金融機関や 税務署窓口 |
・手数料がかからない | ・窓口の開いている時間にしか納付できない ・窓口まで出向く手間がかかる |
振替納税制度を利用する
振替納税制度とは、確定申告をした本人名義の金融機関口座から、自動で税金を引き落としてくれる制度です。
一度手続きをしておけば、翌年以降は特に手続きをしなくても自動で引き落としてくれます。納付期限は通常確定申告の提出期限と同じですが、この方法を使うと、引き落としは約1ヵ月後になります。なお、領収書は発行されません。
この制度を使うためには、期限までに「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を所轄の税務署、または口座振替を利用する金融機関に提出する必要があります。確定申告書を税務署に出向いて提出する方は、同じタイミングでこちらも提出しておきましょう。
ただし、個人の方に限り、2021年1月より振替依頼書などの記入や金融機関届出印の押印なしに、オンラインでの提出が可能になりました。
電子納税
電子納税とは、オンラインで国税の納付手続きをする方法です。
ダイレクト納付
ダイレクト納付とは、e-Taxを利用して簡単な操作でご自身の口座から振替する方法です。
e-Tax(国税電子申告・納税システム)とは、国税庁が提供するサービスで、所得税や相続税・贈与税などの申告、法定調書の提出、個人事業の開業・廃業届の提出などの各種手続きをインターネット上で行うことができます。
ダイレクト納付は、e-Tax上で行う電子納税の方法のひとつですが、書面(窓口・郵送)で確定申告した方であっても利用できます。
e-Taxの利用登録を行った後、納税する約1ヵ月前までに「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を所轄の税務署に提出するか、利用する金融機関に専用の届出書を提出しておけば、e-Tax上で申告から納税までを完結させることができます。
ただし、個人の方に限り、2021年1月より「国税ダイレクト方式電子納税依頼書 兼 国税ダイレクト方式電子納税届出書(個人)」のオンライン提出が可能になりました。
ダイレクト納付方法
- e-Taxで確定申告の電子データを送信
- 「今すぐ納付される方」または「納付日を指定される方」のいずれかを選択
- 画面の指示に従って入力
- 口座引き落としで納税が完了
インターネットバンキングで納付する
税金は、金融機関のインターネットバンキングや、ATMなどでも納付することができます。
利用するには、e-Taxによる電子申告後、e-Taxに納付情報を事前登録する「登録方式」と、e-Taxに納付情報の登録は行わない「入力方式」の2つがあります。
なお、登録方式と入力方式いずれの場合も、税金・各種料金支払いサービス「ペイジー」を利用して納付が可能です。ペイジーを利用して納付をする際の手順は下記のとおりです。
ペイジーを利用して納付する方法
- e-Taxの「開始届出書」を提出し、16桁の利用者識別番号を取得
- 届出書作成の途中で自身で設定する「納税用確認番号(半角数字6桁)」をメモしておく
- 金融機関のインターネットバンキングにログインして、税金の払込みを選択。収納機関番号の入力を求められますので、国税庁の番号である「00200」を入力
- 続画面の指示に従い、「納付番号」「確認番号」「納付区分」を入力。
納付番号は16桁の利用者識別番号、確認番号は「2」で設定した納税用確認番号 - 画面の指示に従って必要事項の入力を行う
納付区分は、登録方式か入力方式かで異なります。
- 登録方式(e-Taxに納付情報などを事前登録する場合):
e-Taxの納付区分番号通知から取得できる「納付区分番号」を入力 - 入力方式(e-Taxに納付情報などを事前登録しない場合):
自身で電子納税用に設定した納付目的コードを入力
納付目的コードは、「税目番号+申告区分コード+元号コード+課税期間(和暦)」の順に設定します。 例えば、確定申告で令和2年分の申告所得税を支払う場合の納付目的コードは、「税目番号(020)+申告区分コード(4)+元号コード(5)+課税期間(02)」で「0204502」です。
詳しくは下記のe-Taxのサイトで確認ができます。
電子納税の注意点
e-Taxを利用した電子納税を行った場合、領収証書が発行されません。どうしても領収証書が必要な方は、税務署の窓口や金融機関で納税手続きをしましょう。
電子申告の方法について詳しく知りたい方はこちら
クレジットカードで納付する
クレジットカードでの納付は、専用のサイト「国税クレジットカードお支払サイト」から行います。クレジットカード以外は特に準備するものはなく、納付金額や納付先の税務署がわかれば自宅のパソコンやスマートフォンから24時間いつでも納付手続きが可能です。
また、ほかの支払い方法とはちがい、クレジットカードで納付する場合は分割払いやリボ払いを選択することが可能です。ただし、納付にあたって決済手数料がかかる点に注意しましょう。
具体的な手続きの流れは以下の通りです。
クレジットカードの納付方法
- 「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセス
- 氏名・住所などの個人情報を入
- 納付先税務署・申告区分・納付税額といった納付情報を入力
- クレジットカードの情報を入力
- 内容を確認し、納付ボタンを押して手続き完了
また、メールの送信先を入力しておけば、「クレジットカード納付手続完了通知」が届きます。
「事業用クレジットカード」を発行・利用しておけば、経費管理や確定申告書の作成時に会計ソフトと連携させて、利用明細データを自動で取り込むことができます。普段の記帳作業・仕訳がスムーズになり大幅な効率化につながるでしょう。
コンビニで納付する
納付金額が30万円以下であれば、コンビニでも納付できます。希望する方は、税務署で確定申告書を提出する際に「バーコード付納付書」の発行を依頼してください。
自宅のパソコンなどを使い、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や「コンビニ納付用QRコード作成専用画面」、e-Taxで作成・出力したQRコードを使って納付することもできます。
コード付納付書、もしくは出力したQRコードと、納付する現金(クレジットカードは使用できません)を持って、下記のサイトにある国税の納付が可能なコンビニで支払いましょう。
金融機関や税務署の窓口で現金に納付書を添えて納付する
税務署や確定申告会場、金融機関などに用意されている納付書に、確定申告書に書いた納税額を記載して、近くの金融機関(銀行、信用金庫、郵便局など)や税務署の窓口で納付します。
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期日までに税金を納付できない場合や、忘れてしまった場合はどうすればいい?
税金は、納期限までに必ず納めなければなりません。しかし、税金が納付できない場合や、振替口座の残高不足などで振替ができなかった場合は、どうなるのでしょうか。対処法と併せて解説します。
利息に相当する延滞税が課される
期限までに税金を納付できない場合、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じた延滞税が自動的に課されます。
この延滞税とは、「納税を忘れていた」「振替口座の残高不足で振替されなかった」というような、税法上の手続きを踏まずに、納付期限を過ぎてしまった場合に課税されるものです。
納期限の翌日から2ヵ月を経過する日までは、「年7.3%」または「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合で、延滞税がかかります。延滞税の税率は毎年変動しますが、令和4年1月1日から令和4年12月31日までの期間は、年2.4%です。
さらに、期限の翌日から2ヵ月を経過する日の翌日以後については、「年14.6%」または「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合がかかります。令和4年1月1日から令和4年12月31日までの期間は、年8.7%となっています。
また、延滞税と同様に、納付期限を過ぎた場合に課される税金には「利子税」がありますが、利子税は延納手続きなどを行っている場合に課せられるものであり、その性質は異なります。
所得税には延納制度がある
期日までに税金を納付できないことがあらかじめわかっている場合は、延納制度を利用することができます。延納制度とは、納付期日までに納める税額の2分の1以上の金額を納付すれば、残りの金額の納付期日を延長できる制度です。
延納を希望する場合は、確定申告を行う際、確定申告書AまたはBの第一表「延納の届出」欄に延納届出額と申告期限までに納付する金額を記入します。
例:「納める税金(51)」欄が20万円の場合
申告期限までに2分の1以上を納付する必要があるため、「延納届出額(63)」欄には、10万円以下の金額を入力します。
<延納の届出の記入欄(確定申告書Bの場合)>

クレジットカードでの納付が便利
6つの支払い方法にはそれぞれ一長一短がありますが、おすすめはクレジットカードを使う方法です。
クレジットカード以外は特に何も準備する必要がなく、自宅のパソコンやスマートフォンから、24時間いつでも納付手続きができます。
なお、「事業用クレジットカード」を普段から利用することで、経費管理も簡単になります。また、確定申告書を作成する際にも、クレジットカードは会計ソフトとの連携が可能なため、利用明細データが自動で取り込め、仕訳をスムーズに行うことができて便利です。
【関連記事】
カード会社と共同開発した事業特化のクレジットカード「freeeカード」
まとめ
確定申告書を提出しても、納税が完了するまで確定申告は終わりではありません
今回ご紹介したように、所得税にはさまざまな納付方法がありますので、自分に合った方法で確実に納税するようにしましょう。
よくある質問
Q1.確定申告後の所得税の納税方法にはどのようなものがある?
所得税の納税方法には、「金融機関や税務署の窓口での納付」「振替納税制度の利用」「ATMやインターネットバンキングでの納付」「e-Taxのダイレクト納付」「クレジットカードでの納付」「コンビニでの納付」の6つがあります。→納付方法別のメリット・デメリットの詳細
Q2.税金の納付期限に間に合わない場合はどうする?
期限内に税金を納付できない場合は、納税分の一部を先延ばしできる「延納制度」を利用しましょう。→申請方法や延納できる金額についての詳細
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4.あとは確定申告書を税務署に提出するだけ
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