青色申告の基礎知識

医療費が多かった人は忘れずに!青色申告における医療費控除の意味と利用方法

医療費が多かった人は忘れずに!青色申告における医療費控除の意味と利用方法

1年間に支払った医療費が多い場合、確定申告の「医療費控除」を利用すれば支払った医療費が戻ってくると考えている人は多いのではないでしょうか。しかし、医療費控除とは、「1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた部分について所得控除を受けられる」という制度であって、払った医療費が返還されるものではありません。
しかし、正しく利用すれば一定額が返ってくることは間違いないです。また、特別控除がある青色申告で確定申告をすれば、いっそう制度の恩恵を受けることができます。
制度を賢く利用するために、医療費控除の対象となるもの、控除額の算出方法、税金支払額は実際どのぐらい変わるのか、利用するにはどのような手続きが必要なのかについてご紹介します。

2024年提出(令和5年分)の確定申告アップデート情報

所得税の確定申告期間:2024年2月16日(金)〜2024年3月15日(金)
消費税の確定申告期間:2024年2月16日(金)〜2024年4月1日(月)
※ 贈与税の申告・納税期間:2024年3月15日(金)まで

<2024年(令和5年分)の確定申告のポイント>

  1. 「源泉徴収票・国民年金基金掛金・iDeCo・小規模企業共済掛金」が追加されるなど、マイナポータル連携をすることで自動入力できる対象が増えます。
  2. 国税庁の確定申告書等作成コーナーでも、消費税の申告書を作成できるようになる予定です。今回、インボイス登録によって課税事業者になり、消費税の納付が必要になった方はチェックしましょう!

詳しくは国税庁ホームページ「令和5年分 確定申告特集」をご参照ください。

目次

freee会計で電子申告をカンタンに!

freee会計は〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポート!口座とのデータ連携によって転記作業も不要になり、入力ミスも大幅に削減します。

医療費控除の対象となるもの

医療費控除は、自分だけでなく生計をともにする家族や親族にかかった医療費も対象となります。
生計を一にしている家族であれば、家を出た子供にかかった医療費も合算できますし、確定申告さえ行えば、給与所得者、事業所得者(自営業者)など、働き方の違いにかかわらず、すべての人が控除を受けられます。

医療費控除の対象にならないもの

病院で支払った医療費が、すべて医療費控除の対象になるわけではありません。医療費によっては、医療費控除の対象外のものもありますので注意が必要です。

  • <医療費控除の対象となるおもな費用>
  • ・医療機関での医師・歯科医師による診療や治療にかかった医療費
  • ・処方された薬代
  • ・出産費用や定期健診などの費用、通院費
  • ・入院費
  • ・あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、はり師、きゅう師の施術に支払った費用
  • ・医療機関で診療を受けるための通院費
  • ・市販の風邪薬などの購入費用
  • ・子供の不正咬合のために必要とされた歯列矯正費
  • ・子供の通院に付き添う場合の交通費
  • ・介護保険制度のサービスを受けた場合の自己負担額
  • ・介護老人保健施設や指定介護老人福祉施設などへ入るための介添人の交通費
  • ・保健師・看護師・准看護師あるいは、家政婦などに病人の付き添いを依頼した場合の費用

  • <医療費控除の対象とならないおもな費用>
  • ・人間ドックやその他の健康診断費用(病気が発見されれば医療費控除の対象になる)
  • ・予防接種にかかった費用
  • ・ビタミン剤やサプリメント類の購入費用
  • ・容姿を美しくするための歯列矯正費用
  • ・美容整形の費用
  • ・入院中の子供の世話のために病院へ通う際の交通費
  • ・自家用車での通院にかかるガソリン代や駐車場料金

また、特例として「セルフメディケーション税制」という制度が設けられています。
セルフメディケーション税制とは、健康の維持・増進及び病気の予防への取組みとして導入されたもので、「スイッチOTC医薬品」(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した場合、購入費用について所得控除が受けられるというものです。2017年1月1日~2021年12月31日のあいだに一定の健診や予防接種などを受けている場合、1年の購入額が12,000円を超えた分だけ所得控除が受けられます(限度額は88,000円)。

医療費控除の対象額の範囲

医療費控除の対象になるのは、支払った医療費すべてではなく「一定金額を超えた分」のみとなります。 また、医療費控除の対象額の計算式は、年間の合計所得金額が200万円以上か未満かで異なります。

医療費控除額=1年間に支払った医療費-保険金などで補填される金額-10万円(合計所得金額が200万円未満の人は合計所得金額×5%)

このうち、「保険金などで補填される金額」とは、民間の医療保険や共済などから支払われる入院給付金や通院給付金、高額療養費などのことです。また、交通事故の相手方から支払われた、医療費を補うための損害賠償金も含まれます。なお、出産育児一時金として受け取った額などもこれにあたりますが、出産手当金は医療費の補填にはあたらないため、医療費控除で差し引くことはありません。

例えば、所得が100万円で医療費を15万円支払い、保険金で30,000円受け取っていた場合、医療控除額は70,000円(15万円-30,000円-50,000円)となります。
対して、同じ条件で所得が200万円だった場合、医療控除額は20,000円(15万円-30,000円-10万円)となります。

なお、受け取った保険金の額が実際に支払った医療費を上回っていた場合でも、他の医療費から差し引くことはせず、対象の医療費のみで考えます。例えば、1年間に交通事故の治療に医療費が20万円、その他の医療費が10万円かかり、相手方から治療費用にと慰謝料30万円が支払われた場合でも、余った慰謝料の10万円はその他の医療費10万円と相殺されることはありません。

また、確定申告の際にまだ保険で補填される金額が定まっていない場合は、受け取る予定のおおまかな保険金額を見積もって医療費から差し引きます。

医療費控除を利用すると納税額はどれぐらい変わる?

厚生労働省の「平成26年度 国民医療費の概況」によると、2014年度の人口1人あたりの国民医療費は約32万円でした。これを目安に、年間所得が780万円、年間医療費が32万円、医療保険の保険金を12万円受け取った場合の所得税額をシミュレーションしてみます。

参考:
平成26年度 国民医療費の概況│厚生労働省

この場合、医療費控除額は、年間医療費32万円-保険金12万円-10万円=10万円となります。

ここで仮に、医療費控除や社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、基礎控除など、確定申告書第一表(A・Bともに)の「所得から差し引かれる金額」の合計額が90万円であったとすれば、課税される所得金額は「所得780万円-控除総額90万円=690万円 」となります。
所得税額は「課税される所得金額690万円×0.2(税率20%)-控除額42万7,500円=95万2,500円」となります。

<所得税の速算表>

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%97,500円
330万円超695万円以下20%42万7,500円
695万円超900万円以下23%63万6,000円
900万円超1,800万円以下33%153万6,000円
1,800万円超4,000万円以下40%279万6,000円
4,000万円超45%479万6,000円

参考:
所得税の税率│所得税│国税庁

<医療費控除を行わなかった場合>
もし、医療費控除を行わなかった場合、「所得から差し引かれる金額」の合計額は医療控除額の分だけ減って80万円となりますから、課税される所得金額は「所得780万円-控除総額80万円=700万円 」となります。
所得税額は「課税される所得金額700万円×0.23(税率23%)-控除額63万6,000円=97万4,000円」となります。

つまり、確定申告を行って医療費控除を利用すると、21,500円分 も納税額が減ることがわかります。

医療費控除を利用するのに必要な手続き

【確定申告書A】                             【確定申告書B】

医療費控除を利用するのに必要な手続き

引用元:国税庁                              引用元:国税庁

医療費控除の制度を利用するには、個人事業主・給与所得者を問わず確定申告を行う必要があります。青色申告者・白色申告者は、通常の確定申告の際に医療費控除に関する部分を記入して、確定申告書提出期限内に所轄の税務署に提出するだけで問題ありません。給与所得者は会社任せにせず、自分で確定申告を行う必要があります。申告書類提出の際は、医療機関の領収書や交通費の明細などの添付が必要になりますので、こちらも普段から保管しておきましょう。

確定申告を簡単に終わらせる方法

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。

確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。

freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。

1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!

1年分の経費の入力は時間がかかる作業のひとつです。freee会計に銀行口座やクレジットカードを同期すると、利用した内容が自動で入力されます。

また、freee会計は日付や金額だけでなく、勘定科目も予測して入力します。


freee会計 管理画面イメージ4

溜め込んだ経費も自動入力でカンタン!

2.現金取引の入力もカンタン!

freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけが可能です。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、初心者の方でも安心できます。


freee会計 管理画面の例1

さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。

freee会計の価格・プランについて確認したい方はこちらをご覧ください。

3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!

各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。

freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。


freee会計 管理画面の例2

4.確定申告書を自動作成!

freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成​​した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。

また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。

e-tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。

freee会計 管理画面の例3

完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!

freee会計を使うとどれくらいお得?

freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。

税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。

余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。

まとめ

交通費などは、領収書がなくてもきちんと記録してあれば医療費控除の対象になります。会社員の場合も、まず本人及び家族が1年間にかかった医療費を合算し、医療費控除が受けられる場合は必要書類を添えて確定申告を行いましょう。

なお、「手書きでの記入は難しい」とお考えの方は、ぜひ確定申告ソフトのfreeeをご活用ください。ステップに沿って簡単な質問にこたえるだけで、確定申告書類が完成します。プリントアウトして郵送するだけですので、簡単に確定申告を終えることができます。

freee会計で青色申告をカンタンに!

freee会計は〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポート!銀行口座やクレジットカード連携で入力作業を自動化し、確定申告にかかる時間や手間を大幅に削減します。