青色申告の基礎知識

起業する前に知っておきたい!個人事業主が納めるべき税金と税率

個人事業主として事業を営む場合、所得等に応じて税金を納める義務があります。また、青色申告をしている事業主であれば、一定の税の控除を受けることも可能です。個人事業主が納税義務を負う税金の種類、および各々の税率について、まとめて紹介していきましょう。

個人事業主が納める「国税」と税率

個人事業主が支払わなければならない国税は、「所得税」と「消費税」の2種類となります。それぞれの税金の内容と税率については、以下のとおりです。

○所得税
所得税は、個人事業主が1年(毎年1月1日から12月31日)の間に、事業経営などによって得られた所得に対して課される国税です。所得税の課税対象となる所得は、事業所得のほか不動産所得、譲渡所得および雑所得など全10種類に分かれています。すべての所得金額を合計したあと、税法にて定められている所得税の税率を掛け、控除額を差し引きすることで、所得税の税額が計算できます。税率は、所得金額が195万円以下の場合は5%で、所得金額が増えれば、税率も10%、20%と段階的に高くなる仕組みです(画像1参照)。

平成27年分以降の所得に対する適用税率は、最高で45%、平成19年分~平成26年分までの適用税率は、最高で40%となっています。なお、平成25年分~平成49年分の所得税については、復興特別所得税とあわせて申告および納付をおこなうルールとなっています。

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○消費税
消費税は、商品やサービスの提供・販売をする際、消費者に課される税金です。消費税の税率は、一部の地方消費税分も合わせて、平成28年時点では8%となっています。消費税の納税義務者である個人事業主の場合、原則顧客から預かっている消費税と、自らが支払った消費税の金額を相殺し、最終的に納めるべき納付税額を算出します。

なお、個人事業主の場合、前々年における課税対象売上高が1,000万円以下であれば、消費税の納税が免除される特例が設けられています。したがって、実際に消費税の課税対象となるのは、最早で起業してから3期目以降で、それまでは「消費税課税事業者選択届出書」の提出も原則不要です。すなわち、課税対象売上高が1,000万円以上となった事業年度から起算し、2年後に初めて消費税の納税義務者となる仕組みとなっています。

個人事業主が納める「地方税」と税率

地方税の中でも、個人事業主が負担すべきものは、「個人事業税」および「住民税」となります。以下、それぞれの税金の概要と税率について紹介していきましょう。

○個人事業税
個人事業税は、前章の所得税とは別に都道府県に対して納付すべき税金です。毎年、3月15日までに、都税事務所や県税事務所など、所属する都道府県の所轄事務所に前年中の事業所得等を申告し、納税をおこないます。なお、所得税の確定申告をおこなっていれば、個人事業税のみの申告手続きは不要です。

適用される税率は、業種によって異なります。「第1種事業」の税率は5%、「第2種事業」の税率は4%、「第3種事業」の税率は5%または3%です。自身が営む事業がどの業種に属するかは、東京都主税局および各自治体の公式サイトで確認できます。

ちなみに、第1種事業に属するのは37業種で、製造業や物品販売業、飲食店業などが該当します。第2種事業として定められている業種は、畜産業および水産業、薪炭製造業の3種類のみです。第3種事業に属する業種は30業種で、医業や弁護士業、美容業などが該当します。第3種事業のなかでも、あんまやマッサージといったその他の医業に限り、適用税率は3%となります。

○住民税
住民税は、個人住民税とも呼ばれ、毎年1月1日時点に住所がある市区町村に納める税金です。各市区町村が住民に対しておこなう行政サービスの必要経費等を負担することを目的としています。住民税の計算は、各自治体によって実施され、確定した税額が各個人に通知される仕組みとなっています。

住民税の算定方式は、「均等割」と「所得割」の2段階に分かれています。均等割分については、原則、都道府県民税に該当する分が一律1,500円、市町村民税に該当する分が一律3,500円と定められており、その合計額となります(平成28年時点の総務省資料: http://www.soumu.go.jp/main_content/000427389.pdf)。

ただし、実際には、各自治体によって独自の増税および減税政策等をおこなっているところもあることから、これらの金額とは異なる可能性があります。一方、所得割分については、前年の所得金額から必要経費と所得控除分を差し引きし、標準税率10%を乗じることで算出することが可能です。

知っておきたい!個人事業主が受けられる税金控除とは

個人事業主が支払わなければならない税金のうち、一定条件を満たしている場合や必要書類の提出をおこなった場合には、税金の一部が控除されるルールが存在しています。以下、個人事業主に関連する項目を紹介しましょう。

○青色申告特別控除
所得税に関する特別控除のルールです。青色申告をしている個人事業主の中で、複式簿記による損益計算書および貸借対照表を確定申告時に提出することで、最大65万円の特別控除が受けられます。

○事業主控除
個人事業税に関する税額控除のルールです。個人事業主として1年間事業を営んでいれば、一律290万円の控除を受けることができます。したがって、年間の事業所得が290万円に満たない個人事業主は、個人事業税の納付義務はありません。

まとめ

個人事業主として、納めるべき税金に関する知識を持っておくことで、安心して事業運営や資金計画の策定をすることが可能となります。もし、不明な点や不安があれば、管轄の税務署などに早めに相談しておきましょう。

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