青色申告の基礎知識

なにを用意すれば良い?青色申告で必要となる帳簿とは

青色申告者、白色申告者ともに帳簿については保存の義務がありますが、義務の範囲に含まれる帳簿について違いがあります。さらに、青色申告の場合は、帳簿と記帳の仕方が控除額にまで関係してくるものです。今回は、青色申告における必要帳簿について確認してみましょう。

帳簿は保存する必要がある

帳簿は保存する必要がある

青色申告で提出が必要な貸借対照表と損益計算書の提出にあたって、帳簿を作成することが必要になりますが、作成した帳簿はそれぞれ保存をする期間が定められています。決算関連の書類を作成したら帳簿は捨ててしまっても良いという訳ではないのです。

保存に関しては、帳簿関係や決算関連が7年などと定められていますが、青色申告において、10万円と65万円の青色申告特別控除で必要な帳簿は若干異なります。どの帳簿を用意して保存しておく必要があるのか確認していきましょう。

青色申告特別控除の10万円と65万円の違いは?

青色申告では、青色申告特別控除と言って、青色申告者だけに認められる所得から差し引ける特別な控除があります。10万円または65万円に満たない場合は、所得の限度額となりますが、原則認められているのが、10万円と65万円の青色申告特別控除です。なぜ、10万円と65万円と差があるのでしょうか。

10万円と65万円の青色申告特別控除の違いは、記帳方法の違いです。65万円の青色申告特別控除では原則的な複式簿記での記帳になるのに対して、10万円の青色申告特別控除では簡易簿記が認められています。この簿記の記帳の差が、必要となる帳簿にも影響してきます。

なお、記帳の方法以外にも、65万円の青色申告特別控除を受けるには、法定期限内(原則、申告年の3月15日)に提出すること、事業所得もしくは事業的規模の不動産所得があることが条件となります。

〇簡易簿記とは
簡易簿記とは、言葉通りやや簡略化した簿記になり、65万円の青色申告特別控除で必要な帳簿よりも必要帳簿は少ないのが特徴です。簡易簿記では、現金主義と言って、現金の動きがあった時点での記帳をすることが認められています。通常は、発生主義で、現金の有無に関係なく取引があった時点で記帳しなければなりません。

〇複式簿記とは
複式簿記とは、単式簿記がひとつの勘定科目を軸として記帳することに対して、複数の勘定科目を用いて記帳を行うことです。正規の簿記の原則では、一般的に複式簿記を用いて記帳を行うことになります。

10万円の青色申告特別控除で必要な帳簿

10万円の青色申告控除を受けるには、一般的に現金出納帳に加え、売掛帳や買掛帳、経費帳、固定資産台帳の記帳が必要です。なお、事業内容によってはこの限りではありません。

〇現金出納帳

現金出納帳

現金出納帳は、事業用の現金における日々の流れを記帳したものです。帳簿上は、受け取ってまだ銀行に預け入れていない小切手のほか、普通為替証書も現金で取り扱います。日々の現金残高と突き合わせることが大切です。なお、事業用で銀行口座を設け、取引がある場合は、口座ごとの預金出納帳も記帳する必要があります。

〇売掛帳・買掛帳

売掛帳・買掛帳

売掛帳は掛売での売上がある場合、買掛帳は買掛での仕入がある場合に記帳する帳簿です。得意先ごとに記帳し、回収または支払いの状況を明確にする必要があります。なお、仕入れた商品を家庭用または事業用に使用した場合も売掛帳を用いて記帳することが可能です。

〇経費帳

経費帳

仕入を含まない、経費ごとの帳簿です。勘定科目ごとに、取引の日付や金額、内容を記載していきます。

〇固定資産台帳

固定資産台帳

固定資産台帳は、減価償却費または繰延資産における資産についての帳簿です。資産ごとに記帳を行う必要があります。なお、台帳への記帳はまとめて年末に行うことも可能です。

65万円の青色申告特別控除で必要な帳簿

65万円の青色申告特別控除を受けるには、10万円控除で必要となる現金出納帳、買掛帳、売掛帳、経費帳、固定資産台帳、預金出納帳のほか、仕訳帳と総勘定元帳の保存が必要となります。

〇仕訳帳
仕訳帳は日付順に日々の仕訳を記帳していくものです。

〇総勘定元帳
勘定科目ごとの帳簿になります。イメージとしては経費帳の範囲をより広げたものです。

65万円の青色申告特別控除を受けるには、より詳細な取引の動きを記載した帳簿が必要になることが分かります。

帳簿は提出しなければならないの?

10万円の青色申告特別控除と65万円の青色申告特別控除ではそれぞれ必要となる帳簿が異なる訳ですが、確定申告の際、全て提出する必要はありません。あくまで確定申告で必要となるのは、必要帳簿をもとに作られた貸借対照表と損益計算書です。

しかし、帳簿はそれぞれ保存義務があり、かつ税務調査の際に必要となるものですので、しっかりと手元に保存しておくようにしましょう。なお、保存の方法は原則紙での保存です。一部電子データも認められてはいますが、紙媒体として保存しておくのが確実でしょう。

まとめ

青色申告で青色申告特別控除を受ける際は、10万円と65万円でそれぞれ帳簿の用意が必要です。一見すべてそろえるのが難しく思えるかもしれませんが、会計ソフトを利用すると楽に作成や管理が行えますので、検討してみるのもよいでしょう。

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