資金繰り改善の基礎知識

売掛債権とは?未収金との違いや仕訳・管理・回収方法をわかりやすく解説

監修 好川 寛 プロゴ税理士事務所

売掛債権とは?未収金との違いや仕訳・管理・回収方法をわかりやすく解説

売掛債権とは、商品・サービスの提供によって売り手側に発生する「代金を後日受け取る権利」です。

売掛債権が未回収となって資金繰りが悪化することを防ぐために、種類ごとに適切な管理を行うとともに、回収方法や売掛債権を活用した資金調達方法を押さえておきましょう。

本記事では、売掛債権の意味・種類や管理・回収方法、未回収リスクを低減する方法についてわかりやすく解説します。

目次

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売掛債権とは?

売掛債権とは、商品やサービスを提供した際に発生する「代金を後日受け取る権利」のことです。売上債権とも呼ばれます。商品・サービスの提供時点では代金の受け渡しを行わず、提供から1~2ヶ月後にまとめて支払いを行う「信用取引(掛取引)」において、売り手側に売掛債権が生じます。

代金を受け取る権利という性質上、売掛債権は会計上で資産と見なされ、なかでも1年以内に現金化できる流動性の高い資産(流動資産)に分類されます。

効率的な取引、手元に現金がない状態での取引などを可能にする便利な仕組みですが、売掛債権を行使できる期間には限りがあるほか、回収の遅れによって資金繰りが悪化するリスクもあるため扱いには注意が必要です。

3種類の売掛債権

売掛債権には、主に以下の3種類があります。それぞれの概要を解説します。

  • 売掛金
  • 受取手形
  • 電子記録債権

売掛金

売掛金とは、商品・サービスの提供への対価を、将来的に金銭の形で受け取る権利です。

一般に、契約時に互いに合意した支払いサイト(買い手側の企業が代金を支払うまでの期間・条件)に基づき、後日請求書などをもって金銭のやりとりを行います。

売掛金と未収金の違い

売掛金と似た債権に未収金があります。どちらも「まだ受け取っていない代金を受け取る権利」ですが、発生事由となった取引の性質に違いがあります。

売掛金は、商品・サービスの販売など何かしらの営業取引の結果として発生した債権であるのに対し、未収金は、備品や不動産の売却など営業取引以外で発生した債権です。

受取手形

受取手形とは、売掛金と同様に商品・サービスの提供への対価を将来的に受け取る権利であり、取引の相手から「あらかじめ定めた期日に一定の金額を支払うこと」を約束する証書(手形)の発行を受ける点が特徴です。

売り手側は、手形に設定された支払い期日に額面の全額を金融機関で受け取れます。手数料を支払えば、支払い期日より前に手形を現金化することも可能です。


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電子記録債権

金銭債権の発生や譲渡などを電子的に記録する「電子記録債権」も登場しています。

手形や振込など従来の手段に代わって効率的な債権の管理や早期の資金化を実現すること、電子記録によって手形の保管コストや紛失リスクを低減することなどが期待されます。


出典:金融庁・法務省「電子記録債権 事業資金を調達するためのあたらしい金融手段」

売掛債権の未回収リスク

売掛債権を回収できないと資金繰りが悪化し、信用力が低下したり連鎖倒産に追い込まれたりするリスクがあります。未回収に至る理由としては、主に以下のふたつが挙げられます。

  • 取引先の経営悪化・倒産
  • 時効による売掛債権の消滅

掛取引を行った相手方の経営状況が悪化して支払い能力がなくなった場合、倒産してしまった場合などには、売掛債権の回収が困難になります。

また、売掛債権には消滅時効があり、所定の期間を過ぎると代金を受け取る権利が行使できなくなるため、注意が必要です。

消滅時効の基準

以下の場合には債権が時効によって消滅します


  • 債権者が権利を行使できることを知ったときから5年間行使しないとき
  • 権利を行使できるときから10年間行使しないとき

出典:e-GOV法令検索「民法」

企業が契約書を交わしたうえで掛取引を行う場合、基本的には契約書上で支払い期日(=代金を請求できるようになる日)を認識していると見なされることから、実質5年が消滅時効となります。

なお、改正前の民法では債務の種類ごとに異なる短期の時効期間が定められていましたが、2020年4月の改正でこれらは廃止され、2020年4月以降に発生した売掛債権は上記の基準で消滅します。

売掛債権の管理と回収

ここでは、売掛債権を確実に回収するために押さえておきたい、管理・回収方法について解説します。

種類ごとの管理

売掛債権は売掛金・受取手形などの種類ごとに管理しましょう。取引の発生や入金のタイミングごとに「売掛金」「受取手形」の勘定科目をそれぞれ用いて記帳します。

売掛債権についての仕訳は、たとえば以下のように行います。

売掛金の仕訳

【70,000円の商品を掛取引で販売した場合:取引発生時】

借方貸方
売掛金70,000円売上70,000円

【70,000円の商品を掛取引で販売した場合:代金回収時】

借方貸方
現金70,000円売掛金70,000円

受取手形の仕訳

【商品70,000円を販売し代金を手形で受け取った場合:取引発生時】

借方貸方
受取手形70,000円売上70,000円

【商品70,000円を販売し代金を手形で受け取った場合:代金回収時】

借方貸方
現金70,000円受取手形70,000円

売掛債権の回収方法

売掛債権の回収は、主に銀行振込や受取手形、現金での手渡しなどの手段を用いて行います。

掛取引開始(契約)時に、あらかじめ支払い方法・支払いサイト(買い手側の企業が代金を支払うまでの期間・条件)などを定め、契約書に明記しておきましょう。

売掛債権の未回収リスクを低減する方法

売掛債権の未回収リスクを低減する方法として、以下のふたつを紹介します。

  • 回収代行を第三者に依頼する
  • 売掛債権を活用して資金調達を行う

回収代行を第三者に依頼する

「期日を過ぎても売掛金が入金されない」といった場合、電話やメール・書面での催促、期日延長・支払い方法の変更などの提案のほか、法的手段も含めて売掛債権回収の措置を講じる必要があります。

このとき、ノウハウやリソースの不足により自社での回収が難しいケース・取引先とのトラブルを回避したいケースなどでは、第三者である弁護士や債権回収代行業者(サービサー)に回収を委託することが可能です。専門家に依頼することで回収の可能性を高められ、また違法な取り立てを行ってトラブルに発展するリスクを軽減できます。


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売掛債権を活用して資金調達を行う

売掛債権は会計上で資産に分類されるため、この債権を担保にした借入や売却による資金調達などができます。

たとえばファクタリングサービスを活用すれば、売掛債権に保険をかけて回収不能に陥った際に支払いの保証を受けたり(保証型)、売掛債権を売却して回収期限前に現金化したり(買取型)することが可能です。

ファクタリングサービスは基本的に担保不要で早期の現金化ができるため、とくに以下のような状況下では活用の余地があるでしょう。

  • 銀行に融資を申し込んだが断られてしまった
  • 担保にできる資産がなく保証人もいない
  • すぐに手元の現金が必要

ただし、取引先との契約書に債権譲渡を禁止する条項が記載されている場合など、これらの方法を活用できないケースもあるため、あらかじめ確認しましょう。

まとめ

売掛債権とは、商品やサービスを提供した際に発生する「代金を後日受け取る権利」のことで、会計上では企業の資産と見なされます。

売掛債権を回収できないと資金繰りが悪化し、信用力が低下したり連鎖倒産に追い込まれたりするリスクがあります。種類ごとに適切に管理を行うとともに、必要に応じて、専門家への相談やファクタリングサービスの活用など未回収リスクを低減する手段も講じることが重要です。

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売掛金と売上債権の違いは何ですか?

売掛金は「商品・サービスの提供への対価を,将来的に金銭の形で受け取る権利」で、売上債権(売掛債権)の一種です。

売掛債権の種類について、詳しくは記事内「3種類の売掛債権」で解説しています。

売掛金と未収入金の違いは?

いずれも「まだ受け取っていない代金を受け取る権利」ですが、売掛金は営業取引によって発生した債権を、未収入金(未収金)は営業取引以外によって発生した債権を指します。

記事内「売掛金と未収金の違い」もご確認ください。

監修 好川 寛(よしかわひろし)

プロゴ税理士事務所。元国税調査官。国税(調査・相談2万件・審判実務)×民間(事業会社実務・PdM)の複眼的な視点が強み。クリエイター/IT・SaaS等の現代的ビジネス、海外取引・非居住者税務に明るい。

監修者 好川 寛

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