資金繰り改善の基礎知識

ベンチャー企業が検討すべき資金調達の選択肢とは

公開日:2020/11/20 ベンチャー企業が検討すべき資金調達の選択肢とは

人件費、仕入れ、開発費用、設備費用など、事業を運営する上では運転資金が必須です。自己資金のみでまかなえない場合は、資金調達の必要があるでしょう。

ただ、会社の現状と目的に応じて適切な資金調達方法や、調達金額は異なります。どのような資金調達があるのかを知り、自社に適した方法を選ぶことが重要です。本記事では、ベンチャー企業が知っておきたい資金調達の選択肢と、それぞれの特性について詳しく解説していきます。

目次

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日本における「ベンチャー企業」と「スタートアップ」の違いとは

ベンチャー企業の資金調達について考える前に、まずベンチャー企業とスタートアップの違いを抑えておきましょう。ベンチャー企業は和製英語です。本来、英語のVentureはスタートアップを対象に出資を行う「Venture Capital(ベンチャーキャピタル)」や「venture-backed company(ベンチャーキャピタルから出資を受けている企業)」の文脈で使われます。

日本では「ベンチャー企業」と「スタートアップ」が同義で使われることが多いですが、本来スタートアップとは、以下の性質を備えます。

  • 市場にない(受け入れられていない)事業であること
  • 短期間での大きな成長が見込まれること

「ベンチャー企業」には、上記に加えて設立が間もない企業、スモールビジネスを展開する企業、社員数が少ない企業も含まれているケースがあります。本記事では、スタートアップも含め創業まもない新しい会社を「ベンチャー企業」とします。

ベンチャー企業が適切な資金調達方法を選ぶには

スタートアップの場合、タイミングを見極めスピーディに事業展開をすることが重要です。開発先行になる場合は、事業が安定するまで赤字が避けられないこともあり、銀行からのプロパー融資が受けられないこともあります。

確実な返済と安定が重要な銀行のプロパー融資に対して、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルはハイリターンを狙ってスタートアップに出資をします。事業が上場した後や成長後に大きな還元が求められますが、大型資金を調達できる点が魅力です。ベンチャーキャピタルから経営のプロがアドバイザーとして参画するなど、経営サポートが受けられる点もメリットの一つと言えます。

一方、ビジネスモデルが確立しているスモールビジネスの場合は、日本政策金融公庫の創業融資や銀行のプロパー融資が選択肢として有力です。融資された資金は返済義務がありますが、まとまった金額を借入することができます。借入したことが実績となって信用が増すというメリットもあります。

このようにベンチャー企業が資金調達をしていくためには、自社の事業特性や成長のフェーズを踏まえた上で、資金調達の目的をはっきりさせ、最適な資金調達を選ぶことが重要です。

ベンチャー企業が検討したい資金調達方法

ベンチャー企業が資金調達を考える際に、まず検討をおすすめしたいのが日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫とは、個人事業主・フリーランスなどの小規模事業者や中小企業の支援を目的とした政府系金融機関で、目的に応じて様々な融資メニューを提供しています。

日本政策金融公庫が提供する融資制度には、「国民生活事業」「中小企業事業」「農林水産事業」の3カテゴリがあり、国民生活事業と中小企業事業では融資限度額が異なります。国民生活事業の融資平均額は約700万円、中小企業事業の融資額の平均は約1億円(ただし短期資金の取り扱いはなし)です。事業規模を鑑みた上で、相談窓口を選びましょう。

日本政策金融公庫の創業者向け融資制度

創業資金が必要な場合は、以下の創業者向け融資制度がおすすめです。銀行のプロパー融資と比較して資金を借りやすく、低金利で融資が受けられる点が特徴です。日本政策金融公庫から融資を受ると、融資の実績(信用)ができ他の金融機関からの融資も受けやすくなるメリットもあります。

融資制度 利用対象者 利用限度額 融資期間(うち据置期間)
融資制度 利用対象者 利用限度額 融資期間(うち据置期間)
新規開業資金 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内(2年以内)
女性、若者/シニア起業家支援資金 女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内(2年以内)
新事業活動促進資金 経営多角化、事業転換などにより、第二創業などを図る方 7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内(2年以内)

上記は、日本政策金融公庫が提供する創業者向けの融資制度です。据置期間は利息のみを支払い、元本は据置期間経過後から支払いを開始します。

資金繰りが悪化した際に心強い融資制度

創業時の資金調達だけではなく、経営環境の変化や取引企業の倒産に対応した「セーフティネット貸付」や、商工会議所などから推薦を得て受けられる「マル経融資」なども有名です。新型コロナウイルスの影響で多くの事業が苦境に立たされた際は、無担保・低金利の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を提供し話題を呼びました。

請求書を現金化するファクタリングの活用

手元にすぐに現金が必要な場合に役立つのが、未入金の請求書を現金化するファクタリングです。ファクタリング会社に手数料を支払って請求書を売却することで、スピーディーに現金化することができます。請求書の金額以上の資金調達はできませんが、資産の現金化なので負債にならない点も魅力です。

資金調達の目的と手段をよく知ることが重要

資金調達が必要になるシーンは、積極的に事業を成長させたい時や、逆に事業が苦境に立たされた時など様々です。目的によって、いつまでに・いくら必要なのかも異なります。

適切な資金調達方法を選ぶためにも、自社の資金繰りについて把握することは非常に重要です。数字上は黒字だったとしても資金ショートする可能性も十分にあります。

資金調達には様々な種類があるため、それらの特性と自社の状況を適切に把握することが大切です。

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まとめ

事業を運営・拡大していく上で資金繰りに関する問題は避けて通れない道です。また、なかなか相談相手がいない話題でもあります。

資金調達freeeや会計freeeのデータを活用して、事業を効率的に運営していきましょう。

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