資金繰り改善の基礎知識

つなぎ融資を受けるには?日本政策金融公庫や銀行から資金調達する方法を解説

つなぎ融資を受けるには?日本政策金融公庫や銀行から資金調達する方法を解説

「つなぎ融資」とは、一時的に資金繰りが厳しくなったときに受ける融資のことです。大きく分類すると運転資金のひとつですが、突発的に資金が必要な時に利用することが主な特徴です。

本記事では、つなぎ融資の概要やメリット、活用できる日本政策金融公庫の融資制度について詳しく解説します。また、つなぎ融資以外の「つなぎ資金」調達方法も紹介しているため、参考にしてください。

目次

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つなぎ融資とは

つなぎ融資とは、突発的に資金が必要になったときや一時的に資金繰りが厳しくなったときなどに、不足を補う「つなぎ資金」を調達することを目的として受ける融資のことです。

具体的には、以下のような場面でつなぎ融資が必要となります。

  • 取引先からの入金の遅れや、売上の急激な増加による仕入れ費用や人件費の増加、大規模な設備投資などによって手元の資金が不足したとき
  • 銀行融資の実行や補助金・助成金の入金などを待っているとき
  • 災害や経済環境の悪化など予期せぬ事態が発生したとき など

一時的に資金が不足するケースとして、たとえば「大口の新規取引を受注したものの支払いは翌月末。一方で仕入れの支払いは当月行わなければならない」なども考えられます。長期的に見れば利益が出る状況でも、短期的には資金ショートに陥るリスクがあります。

こうした場合に、つなぎ融資として民間の金融機関・信用金庫・日本政策金融公庫などの融資制度が活用できます。対象者や借入期間、金利などは制度によって異なるため、あらかじめ条件を確認して自社に合ったものを選択しましょう。

つなぎ融資のメリット

つなぎ融資のメリットとして、次のような点が挙げられます。

つなぎ融資のメリット

  • 取引先への支払いや借入金の返済、税金の支払いなど直近の支出に対応できる
  • 資金繰りを改善・安定させ、資金ショート・倒産のリスクを軽減できる
  • 事業の立て直しや成長に向けた投資につなげられる

手元の現金が不足して支払いが滞ってしまうと、取引先からの信用を損なったり、追加の資金調達が難しくなったりしかねません。つなぎ融資の利用によって一時的に不足する資金を補い、直近の支出に対応すること、資金繰りに余裕を持たせて改善を図ることができるのです。

資金繰りに余裕が生まれれば次の資金調達も行いやすくなり、人材採用やサービス・プロダクトの改善、マーケティングの見直し・強化など、事業の立て直しのためのボトルネック解消や事業拡大のための投資も見込めるようになります。

日本政策金融公庫と「つなぎ融資」

日本政策金融公庫は、国が全額出資する政府系金融機関です。民間の金融機関では融資が難しい、フリーランス・個人事業主を含む小規模事業者や中小企業を支えることを目的にしています。

このため災害時なども積極的に融資を行っており、2020年には新型コロナウイルス感染拡大に際して実質無利子・無担保の融資を提供し話題になりました。

多様な融資制度が設けられているため自社に合ったものを見つけやすい点、比較的低金利で返済期間も長めに設定されている傾向にあることから、安心して利用できる点などがメリットです。

ただし、即日での資金調達は難しいため、キャッシュ・フロー管理を行って資金ショートに陥りそうなタイミングをあらかじめ予測し、つなぎ融資の選択肢を早めに検討する必要があります。

日本政策金融公庫の融資制度

ここでは、つなぎ資金の調達手段として日本政策金融公庫の融資制度を紹介します。


  • 国民生活事業
  • 中小企業事業

国民生活事業と中小企業事業では窓口が異なります。利用については、『お手続きの流れ』からご自身の事業規模に合った窓口に問い合わせましょう。

また、ここで紹介する以外にも日本政策金融公庫はさまざまな融資制度を提供しています。詳細は『融資制度を探す』をご確認ください。

国民生活事業

日本政策金融公庫の「国民生活事業」は、フリーランスや個人事業主といった小規模事業者などを対象とした小口融資制度を主に提供しています。一般貸付や新規事業サポートなど様々な融資制度がありますが、ここでは資金繰りや経営悪化に対応した融資制度の概要をご紹介します。

具体的な利用要件や条件に応じた金利設定など詳細については、日本政策金融公庫ホームページをご確認ください。

融資制度対象者の概要融資限度額金利(年)
※2026年4月1日時点
融資期間
(うち据置期間)
取引企業倒産対応資金(セーフティネット貸付)取引企業などの倒産により経営に困難を来している人別枠(※)
3000万円
基準利率
3.40〜4.80%または3.35~4.75%(無担保)
2.40〜4.40%(有担保)
10年以内
(3年以内)
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)商工会議所・商工会などの実施する経営指導を受けていて、商工会議所などの長の推薦を受けた人2000万円特別利率F
(2.50%)
10年以内
(2年以内)

(※別枠:通常の融資額とは別に設けられた融資枠)

中小企業事業

日本政策金融公庫の「中小企業事業」では中小企業者向けの長期資金が主に取り扱われています。

具体的な利用要件や条件に応じた金利設定など詳細については、「融資対象」や日本政策金融公庫ホームページをご確認ください。

融資制度対象者融資限度額金利(年)
※2026年4月1日時点
融資期間
(うち据置期間)
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)外的要因による売上減少など業況が悪化しているものの、中長期的に回復・発展すると見込まれる人7億2000万円基準利率
(2.55%〜)
※長期運転資金に限り、上限3.0%
設備資金:20年以内
(3年以内)
運転資金: 10年以内
(3年以内)
取引企業倒産対応資金(セーフティネット貸付)取引企業などの倒産により経営に困難を来している人1億5000万円基準利率
(2.55%〜)
10年以内
(3年以内)
企業再建資金経営改善または経営再建などに取り組む必要のある中小企業のうち条件を満たす人など20億万円基準利率(2.55%〜)・特別利率③(1.65%〜)・特別利率②(1.90%〜)のいずれか
※上限3.0%
20年以内
(5年以内)

つなぎ融資以外の「つなぎ資金」調達方法

突発的に資金が必要になったときや一時的に資金繰りが厳しくなったときに「つなぎ資金」を調達する手段として、つなぎ融資のほかにも以下のような選択肢があります。

つなぎ資金の調達方法

  • ファクタリング
  • 手形割引
  • ビジネスローン
  • 不動産担保ローン/融資 など

ファクタリングとは、売掛債権(売掛金や受取手形)をファクタリング会社に売却して現金化することをいいます。また手形割引は、取引先から受け取った約束手形を金融機関や業者に買い取ってもらって現金化する資金調達方法です。

ファクタリングや手形割引は、早期に資金調達ができる点、取引先(売掛先・手形の振出人)の支払能力が重視されるため財務状況が悪化していても利用しやすい点などが魅力です。銀行融資や日本政策金融公庫からのつなぎ融資を待てない場合、融資の審査に不安がある場合に役立つでしょう。

ほかに、事業用のクレジットカードを利用することで支払いを先送りにする方法も有効です。一時的に急ぎ資金が必要な場合は、このように状況に合わせて資金調達を行いましょう。

まとめ

つなぎ融資とは、突発的に資金が必要になったときや一時的に資金繰りが厳しくなったときなどに、不足を補う「つなぎ資金」を調達することを目的として受ける融資のことです。

日本政策金融公庫では、基本的に低金利・長期での資金調達をサポートするさまざまな融資制度を設けています。ただし即日での調達は難しいため、キャッシュ・フロー管理を行って資金ショートに直面しそうなタイミングをあらかじめ予測し、早めにつなぎ融資を検討できるようにしましょう。

緊急度が高い場合は、ファクタリングや手形割引、事業用クレジットカードの活用なども有効です。

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よくある質問

つなぎ融資とはどういうものですか?

つなぎ融資とは、突発的に資金が必要になったときや一時的に資金繰りが厳しくなったときなどに、手元資金の不足を補うことを目的として受ける融資のことです。

つなぎ融資の概要は、記事内「つなぎ融資とは」で詳しく解説しています。

つなぎ融資のメリット・デメリットは?

つなぎ融資には、以下のようなメリットがあります。

  • 取引先への支払いや借入金の返済、税金の支払いなど直近の支出に対応できる
  • 資金繰りを改善・安定させ、資金ショート・倒産のリスクを軽減できる
  • 事業の立て直しや成長に向けた投資につなげられる

ただし、金利や手数料などがかかる点、資金計画が練られていないと返済の負担によってさらに資金繰りが悪化する可能性もある点には注意が必要です。

つなぎ融資のメリットについて、詳しくは記事内「つなぎ融資のメリット」をご確認ください。

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