法人の借入先には銀行・信用金庫・政府系金融機関・ノンバンクなど複数の選択肢があります。
借入先によって金利・審査基準・融資スピードが大きく異なるため、金利重視だと審査に落ち、スピード重視だと金利負担が膨らむ点に難しさが生じやすいです。本記事では借入先ごとの特徴・金利相場・審査通過のポイント・必要書類を解説します。
目次
- 法人融資(法人借入)とは
- 法人の融資先一覧と金利・審査期間の比較
- 銀行融資(メガバンク・地方銀行・信用金庫)
- 銀行融資の金利相場と審査のポイント
- 銀行融資に必要な書類
- 日本政策金融公庫の融資制度
- 日本政策金融公庫の主な融資メニュー
- 地方自治体の制度融資
- ビジネスローン(銀行系・ノンバンク系)
- 銀行系ビジネスローンの特徴
- ノンバンク系ビジネスローンの特徴
- ビジネスローンのメリット・デメリット
- 法人融資の審査基準と通過のポイント
- 審査で確認される項目
- 審査に通りやすくするための準備
- 代表者個人の信用情報と法人融資の関係
- 即日融資・短期間で資金調達する方法
- 即日融資に対応する融資先
- ファクタリングを活用した資金調達
- 法人融資に必要な書類一覧
- 法人融資の申し込みから実行までの流れ
- まとめ
- 資金繰り・資金調達をサポート
- よくある質問
法人融資(法人借入)とは
法人融資とは、法人が事業資金を金融機関や公的機関から借り入れることをいいます。借入で企業が成長するなら大きなチャンスであり、借入実績で取引金融機関との信頼関係が深まる利点もあります。主な借入先候補は次の4つです。
法人の借入先候補
- 銀行(メガバンク・地方銀行・信用金庫)
- 日本政策金融公庫
- 地方自治体(制度融資)
- ビジネスローン(銀行系・ノンバンク系)
法人の融資先一覧と金利・審査期間の比較
法人が利用できる主な融資先について、金利・審査期間・融資限度額・担保保証人の要否を一覧で比較します。
| 融資先 | 金利(年率目安) | 審査期間 | 融資限度額 | 担保・保証人 |
|---|---|---|---|---|
| メガバンク(プロパー融資) | 1%〜3%程度 | 2週間〜1ヶ月 | 数千万〜数億円 | 必要な場合あり |
| 地方銀行・信用金庫 | 1%〜4%程度 | 1〜3週間 | 数百万〜数億円 | 必要な場合あり |
| 日本政策金融公庫 | 1%〜3%程度 | 2〜3週間 | 数百万〜数億円 | 原則不要 |
| 自治体の制度融資 | 1%〜3%以内 | 1〜2ヶ月 | 数百万〜数千万円 | 信用保証協会を利用 |
| 銀行系ビジネスローン | 2%〜14%程度 | 数日〜2週間 | 50万〜1,000万円 | 原則不要 |
| ノンバンク系ビジネスローン | 3%〜18%程度 | 即日〜数日 | 50万〜1,000万円 | 原則不要 |
金利が低い融資先ほど審査は厳しく融資実行まで時間がかかります。金利の安さと調達スピードはトレードオフのため、資金需要の緊急度と返済計画から優先順位を決めます。
銀行融資(メガバンク・地方銀行・信用金庫)
銀行融資は金利が低い一方、審査基準が厳しく融資実行まで2週間〜1ヶ月程度かかります。付き合いのある銀行の担当者経由で融資担当を紹介してもらうか、直接融資窓口に問い合わせます。地域密着型の地方銀行や信用金庫は中小企業の有力候補です。
主なメガバンクの中小企業向け融資制度は次のとおりです。
| 銀行名 | 概要 |
|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 中小企業向け融資サービスを提供。東京23区内・大阪市内・名古屋市内はインターネット申込可 |
| みずほ銀行 | ビジネス金融センターを設置し、中小企業や個人事業主向け融資窓口を提供 |
| 三井住友銀行 | 中小企業向け融資「ビジネスセレクトローン」等を提供 |
銀行融資の金利相場と審査のポイント
銀行融資には2種類あります。
- プロパー融資:銀行が独自審査で貸付。リスクを直接負う。金利年1〜3%程度と低めだが設立間もない法人にはハードルが高い
- 信用保証協会付き融資:信用保証協会が保証。保証料(年0.5〜2%程度)が別途かかるが審査は通りやすい
銀行は融資審査で企業を格付け(スコアリング)し、決算書の売上高・経常利益・自己資本比率などが主な評価基準です。決算書の内容を整え、融資担当者に事業の将来性を具体的に伝えることが鍵となります。
銀行融資に必要な書類
銀行融資の申込で求められる主な書類は次のとおりです。
- 登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 納税証明書
- 決算書(2-3期分)
- 確定申告書
- 資金繰り表
- 事業計画書
- 試算表
- 借入状況一覧
- 手持工事明細表(建設業の場合)
書類準備には1〜2週間かかることもあり、検討段階から並行して進めます。
日本政策金融公庫の融資制度
日本政策金融公庫は政府系金融機関で、民間金融機関の機能を補完する目的で設立されました。民間銀行に比べ金利が低めで、創業間もない法人や経営環境が厳しい企業向けメニューもあります。特筆すべきは取引先倒産や経済状況変化による資金不足時のセーフティーネット貸付です。
日本政策金融公庫の主な融資メニュー
日本政策金融公庫には事業ステージや状況に応じた複数の融資メニューがあります。代表的なものを以下に挙げます。
- 一般貸付:ほとんどの業種の中小企業が利用可能
- 新規開業・スタートアップ支援資金:新規開業または事業開始後おおむね7年以内の方
- セーフティネット貸付:社会的・経済的環境変化で業況が一時的に悪化している企業
- 新事業活動促進資金:経営多角化や事業転換を図る企業
設立直後でも事業計画書の内容が評価されれば融資を受けられます。銀行融資の審査に通らなかった場合の受け皿としても機能します。
地方自治体の制度融資
各都道府県や市などの自治体と金融機関・信用保証協会が協業して実施する融資です。金利が3%以内に抑えられ融資期間が5年以上と比較的長い点が特徴です。「地区名・都道府県名+中小企業制度融資」で検索します。
ビジネスローン(銀行系・ノンバンク系)
銀行融資や公庫に比べ審査が柔軟・スピードが早い反面、金利が高めの融資商品です。来店不要・保証人や担保不要の商品が多く、急ぎの資金調達で有力な選択肢となります。
銀行系ビジネスローンの特徴
メガバンク3行が提供する代表的な銀行系ビジネスローンを以下の表で整理します。
| 銀行名 | ビジネスローン名 | 概要 |
|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | Biz LENDING | オンライン申込可。銀行口座入出金データをAI審査 |
| みずほ銀行 | みずほスマートビジネスローン | 来店不要・最短2日。決算書不要、金利1%台〜14%(年率) |
| 三井住友銀行 | ビジネスセレクトローン | 借入可能金額1億円以内、原則無担保・第三者保証不要 |
銀行系はノンバンク系より金利が低い傾向ですが審査はやや厳しめです。
ノンバンク系ビジネスローンの特徴
金利は年3%〜18%程度と銀行系より高めですが、審査基準が柔軟で融資スピードも速いのが特徴です。
赤字決算や設立1年目の法人でも申込可能な商品があります。貸金業登録番号や金利上限(利息制限法に基づく年15〜20%以内)を確認し、正規業者かチェックします。
借入履歴は信用情報に記録され、銀行融資審査時に「ノンバンクに頼らざるを得ない企業」と見なされるリスクがあるため、短期完済前提で利用します。
ビジネスローンのメリット・デメリット
ビジネスローンの主なメリットは次のとおりです。
ビジネスローンのメリット
- 審査が比較的柔軟で銀行融資を断られた法人にも門戸がある
- 最短即日〜数日で融資が受けられる
- 事業性融資は総量規制対象外
- 原則担保・保証人不要
一方、主なデメリットは以下が挙げられます。
ビジネスローンのデメリット
- 銀行融資や公庫より金利が高い
- 融資限度額が低い(数十万〜1,000万円程度)
- 返済が滞ると信用情報に記録され将来の調達に影響する
長期借入には適さないため、短期間の資金不足を補う手段として活用します。
法人融資の審査基準と通過のポイント
審査で見られる項目・通過率を高める準備・代表者個人の信用情報との関係を整理します。決算書の数字だけでなく事業計画書での説明力も評価対象となります。
審査で確認される項目
法人融資の審査で金融機関が重視する主要項目を以下に挙げます。決算書だけでなく税金納付や業歴も評価対象となります。
審査で確認される項目
- 決算書の内容:売上高・経常利益・自己資本比率・債務超過の有無
- 事業計画書:資金使途の妥当性・返済計画の現実性
- 税金の納付状況:法人税・消費税・社会保険料の滞納
- 信用情報:過去借入の返済遅延
- 業歴:一般に2期以上の決算実績
- 資金使途:使い道が明確か
税金滞納は一発アウトになりやすい項目です。決算赤字でも一時的要因(設備投資の先行出費等)を事業計画書で説明できれば融資通過のケースはありますが、税金・社会保険料の滞納がある状態ではほぼ通過できません。
審査に通りやすくするための準備
審査通過率を高めるために事前に整えておきたい準備事項を以下に箇条書きで示します。
- 必要書類を不備なく揃える
- 税金や社会保険料を遅滞なく納付しておく
- 事業計画書で資金使途と返済計画を具体的に示す
- 希望融資額を必要最低限に絞る
- 複数社に同時申込しない(信用情報に申込履歴が残り「焦っている」と判断される)
申込前に自社決算書を見直し、課題があれば税理士に相談して改善策を講じます。
代表者個人の信用情報と法人融資の関係
法人融資でも代表者個人の信用情報が参照されるケースは珍しくありません。ビジネスローンや信用保証協会付き融資では、代表者の連帯保証が求められることが多くなります。
信用情報はCIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)やJICC(日本信用情報機構)に記録され、過去のクレジットカードやローン返済遅延・債務整理の記録があると不利になります。不安があればCICやJICCに開示請求を行います(開示手数料:CICインターネット開示500円、JICC1,000円)。
即日融資・短期間で資金調達する方法
即日対応可能な融資先と、融資以外の選択肢としてのファクタリングを整理します。資金需要の緊急度が高い場面で活用できる手段を押さえておきます。
即日融資に対応する融資先
法人が即日〜翌営業日で融資を受ける場合、ノンバンク系ビジネスローンが選択肢となります。銀行融資や公庫は最短でも数日〜数週間かかります。即日融資のポイントは次のとおりです。
- 午前中のできるだけ早い時間に申し込む
- WEB申込対応の融資先を選ぶ
- 必要書類(登記簿謄本・決算書・本人確認書類等)を事前準備
「即日融資可能」でも申込が午後になると翌営業日扱いのケースがほとんどです。午前10時までの申込を目安にします。
ファクタリングを活用した資金調達
売掛債権を売却して現金化するファクタリングも即日対応可能です。借入ではないため融資審査と異なる基準で判断されます。売掛先の信用力が重視されるため、自社決算が赤字でも売掛先が大手企業なら利用できるケースがあります。手数料は売掛債権の2%〜20%程度が目安です。
- 2社間ファクタリング:売掛先への通知不要だが手数料高め(10%〜20%程度)
- 3社間ファクタリング:売掛先への通知必要だが手数料低め(2%〜10%程度)
法人融資に必要な書類一覧
融資先によって必要書類は異なります。銀行融資・公庫・ビジネスローンそれぞれで求められる書類を以下の表に整理します。
| 書類 | 銀行融資 | 公庫 | ビジネスローン |
|---|---|---|---|
| 登記簿謄本 | ○ | ○ | △ |
| 印鑑証明書 | ○ | ○ | △ |
| 決算書(2〜3期分) | ○ | ○ | △ |
| 事業計画書 | ○ | ○ | × |
| 納税証明書 | ○ | ○ | △ |
| 資金繰り表 | ○ | △ | × |
| 本人確認書類 | ○ | ○ | ○ |
○:必須/△:求められる場合あり/×:通常不要
銀行融資や公庫の申込では書類準備に1〜2週間かかります。登記簿謄本や納税証明書は法務局・税務署で平日に取得する必要があるため、融資検討段階から並行して進めます。
法人融資の申し込みから実行までの流れ
法人融資の申し込みから実行までは概ね6つのステップで進みます。一般的な手続きの順序を以下に示します。
法人融資の申し込みから実行までの流れ
- 事前相談:金融機関の窓口やオンラインで融資相談、自社が対象となる融資制度を確認
- 書類の準備:必要書類を揃える
- 申し込み:融資申込書と必要書類を提出
- 審査:書類審査・面談(必要時)。銀行融資では事業内容の説明を求められる
- 融資契約:金銭消費貸借契約を締結
- 融資実行:指定口座に資金が振り込まれる
銀行融資や公庫は全体で2週間〜1ヶ月程度、ビジネスローンは最短即日〜数日が目安です。
まとめ
法人の融資先は銀行・日本政策金融公庫・地方自治体・ビジネスローンと複数あり、金利・審査基準・スピードが異なります。
低金利・通りやすさ・スピードの何を優先するかで最適な融資先は変わります。書類不備や税金滞納がないか事前確認し、事業計画書で資金使途と返済計画を明確に示すことで審査通過率を高められます。判断に迷う場合はfreee資金調達で複数の調達手段を一括比較しましょう。
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よくある質問
法人融資の金利相場はどれくらいですか?
銀行のプロパー融資は年1%〜3%程度、日本政策金融公庫は年1%〜3%程度、ビジネスローンは年2%〜18%程度が目安です。金利が低い融資先ほど審査は厳しくなります。
詳しくは「法人の融資先一覧と金利・審査期間の比較」をご覧ください。
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