青色申告の基礎知識

源泉徴収された場合の仕訳は?個人事業収入の記帳方法

青色申告を行っている個人事業主が受け取った報酬が源泉徴収されている場合は、入金時に天引きされた源泉徴収税額を事業主貸や仮払税金などの勘定項目で記帳しなければなりません。源泉徴収されるケースと日々の記帳方法について解説します。

個人事業の収入も源泉徴収されるケースがある

青色申告を行っている個人事業者の場合、仕事の内容によっては報酬受取時に源泉徴収額が差し引かれた金額が入金されることもあるでしょう。その場合は、確定申告時に支払うべき所得税額から、源泉徴収額を差し引いて差額を支払うことになります。

報酬について源泉徴収が行われている場合、原則として事業年翌年の1月末までに支払調書が作成されます。支払調書は、正式名称を「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」といい、報酬額と支払済の税金が記載されている、会社員時代の源泉徴収票のようなものです。

支払調書の見方

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支払調書で、その取引先から1年間に支払われた報酬と、源泉徴収税額が確認できます。源泉所得税の金額は、報酬の税込金額に対して計算されるのが原則ですが、報酬と消費税額が明確に区分されている場合は、報酬のみを対象とすることもできます。税率は平成25年から49年までは、復興特別消費税と合わせて10.21%です。確定申告を行う際には、この源泉徴収済金額の合計を、確定申告の申告書Bの44番「所得税及び復興特別消費税の源泉徴収税額」に記入します。給与所得者では年末調整にて払い過ぎもしくは不足分の金額調整を会社が行っていましたが、個人事業者では確定申告でこの作業を行っているのです。

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支払調書は必ずもらえるものではない

しかし、支払調書は源泉徴収票と異なり、支払元が税務署へ提出が必要なもので、源泉徴収されている個人について支払者に送付の義務はありません。また、個人が青色申告を行う際にも、添付は義務付けられていないのです。

実務的には、確定申告時期を前に、支払調書を送付してくれる取引先も多いのですが、基本的には請求書と入金額の差額を記録しておくなど、支払調書がなくても支払った税金がわかるよう、日々の記帳を正確に行っておくことが大切です。

源泉徴収された場合の報酬発生時および入金時の記帳方法

青色申告の場合の複式帳簿において、報酬が源泉徴収された場合の記帳方法についてみていきましょう。請求書の発行は売上高で行い、入金と同時に源泉所得税を支払っているというイメージです。

仕訳の実例

・報酬の発生と入金が同一の日の場合
10月31日に100,000円の売上が同日に源泉徴収後、現金で支払われた場合では、以下のような仕訳となります。

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報酬が入金となる際に、源泉徴収額を支払っていることになりますので、事業主貸、もしくは仮払税金等の科目で仕訳します。事業主貸を使う場合には、補助科目を作成しておくと確定申告時の集計でわかりやすくなります。

・報酬の発生日と入金日が別の場合
振込等で報酬を受け取る場合は、ほとんどが報酬の発生日と入金日が別日となるでしょう。10月31日に100,000円の売上が発生し、11月30日に源泉徴収後銀行口座に振り込まれた場合には、発生主義で記帳すると2回の仕訳が発生します。源泉徴収分は、売上の発生日に源泉徴収分を書きます。

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源泉徴収される報酬の種類は決められている

報酬に対して源泉徴収が行われるかどうかは、その報酬の内容によって決められています。

源泉徴収の対象となる報酬の種類

源泉徴収の対象となる報酬の種類の主なものは以下の通りです。対象以外の報酬に対して源泉徴収が行われることはありません。

1.弁護士、税理士報酬
2.司法書士、土地家屋調査士、海事代理士報酬
3.外交員、集金人、電力量計の検診人報酬
4.原稿料、講演料
5.プロスポーツ選手等の報酬
6.芸能人の出演料や芸能プロダクション等に対する報酬
7.プロボクサーへの報酬
8.ホステスやコンパニオンへの報酬
9.契約金、広告宣伝用の賞金、競馬の賞金

源泉徴収金額の計算方法

源泉徴収金額は、一度に支払われる報酬が100万円以下の場合、所得税10%+復興特別所得税0.21%、100万円超の場合は100万円を超える部分×20.42%+102,400円となります。一部報酬の種類によっては、控除額が設定されているものもあります。

平成28年版 源泉徴収のしかた|国税庁 https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/shikata2016/pdf/09.pdf

また、源泉徴収の対象とされている報酬の場合でも、支払い側が源泉徴収義務がない場合は徴収は行われません。家事使用人のみに給与を支払っている場合や、給与支払を行っていない個人が弁護士や税理士に報酬を支払う場合などがこれにあてはまります。請求書のフォーマットが指定されていない個人の取引先に対して請求書を発行する場合には、支払者が源泉徴収義務者かどうかを確認しておくとスムーズでしょう。

No.2502 源泉徴収義務者とは
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2502.htm

まとめ

源泉徴収時の報酬の記帳は一見ややこしそうに感じられますが、徴収分は先に支払っているため事業主貸と覚えておけば簡単です。報酬受取時にきちんと仕訳を行っておけば、支払調書が送られてこない場合でも、問題なく確定申告ができます。

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