監修 好川寛 プロゴ税理士事務所
個人事業主やフリーランスになると、確定申告を自分で行わなければなりません。確定申告には青色申告と白色申告の二種類があり、一般的に青色申告は節税効果が高いと言われています。
しかし、青色申告をするためには条件があり、事前に届出を提出する必要があります。また、これまでの白色申告から青色申告に切り替えたい人もいるかと思います。
本記事では青色申告をするために必要な「青色申告承認申請書」の概要と、その書き方を詳しくご紹介します。
目次
- 青色申告承認申請書を書き始める前の準備
- 申請書用紙の入手方法
- 手元に用意するものリスト
- 青色申告承認申請書の書き方と記入例
- 1.所轄の税務署と提出日
- 2.基本情報
- 3.開始年度
- 4.事業所の所在地
- 5.所得の種類
- 6.青色申告の取消しまたは取りやめの履歴
- 7.本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日
- 8.事業承継について
- 9.簿記の形式
- 10.帳簿について
- 11. 特記事項
- 12. 関与税理士
- 青色申告承認申請書の提出期限
- 青色申告承認申請書の提出期限① 新規開業した場合
- 青色申告承認申請書の提出期限② 白色申告から青色申告に切り替える場合
- 青色申告承認申請書の提出期限③ 事業を相続により承継した場合
- 青色申告承認申請書を書く際の注意点
- 法人の青色申告承認申請書の場合
- 個人事業主・フリーランスの青色申告承認申請書の場合
- まとめ
- 開業freeeなら、税務署に行かずに開業届をかんたんに作成
- よくある質問
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青色申告承認申請書を書き始める前の準備
申請書の記入は難しくありませんが、事前にいくつか準備しておくだけで、迷うことなく一気に完成させることができます。
ここでは、申請書を書き始める前に確認しておくべき「①申請書用紙の入手」と「②必要な情報の準備」の2点を解説します。
申請書用紙の入手方法
申請書の用紙は、主に3つの方法で入手できます。
申請書用紙の入手方法
- 国税庁のサイトからダウンロードする
申請書の正式名称は「所得税の青色申告承認申請書」です。国税庁の公式サイトからPDF形式でダウンロードし、印刷して使用できます。
- 税務署の窓口で入手する
納税地を管轄する税務署の窓口でも、申請書用紙を直接受け取ることが可能です。
- 会計ソフトで作成する
会計ソフトの中には、申請書を作成する機能が備わっているものがあります。例えばfreee開業のようなサービスを利用すれば、画面上の質問に答えていくだけで、必要な届出書類を自動で作成できます。
所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
手元に用意するものリスト
申請書の記入をスムーズに進めるため、以下のものをあらかじめ手元に用意しておきましょう。
- 開業届の控え
- マイナンバーカード
- 事業内容がわかるメモ(事業の内容を事前にまとめておくとスムーズです)
- (法人の場合)定款のコピー
もし、青色申告の制度概要や提出期限について先に詳しく知りたい場合は、こちらの下記の記事をご覧ください。
【関連記事】
青色申告承認申請書の書き方は?いつまでに提出すべきか注意点も解説
青色申告承認申請書の書き方と記入例
青色申告承認申請書は以下の12項目の記載が必要です。項目別に具体的な書き方を解説していきます。
青色申告承認申請書と一緒に提出する開業届の書き方を詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】
開業届の書き方は?必要なものや手続きする際のポイントなどを解説
1.所轄の税務署と提出日
青色申告承認申請書を提出する所轄の税務署名と提出日を記入します。
2.基本情報
個人事業主として行う事業と、以下の事業主の基本情報を記入します。
- 事業主の名前
- 生年月日
- 職業
- 屋号(なければ無記入)
- 電話番号(携帯電話でも可)
自宅を事業所として使う場合は「住所地」の項目にチェックをします。「居所地」とは、自身が継続して生活している場所のことです。事業用にオフィスがある場合は、「事業所」の項目にチェックを入れ、住所を記入しましょう。
3.開始年度
青色申告を開始したい年度を記入します。
4.事業所の所在地
複数の店舗・事務所がある場合に、「◯◯カフェ 五反田店」「◯◯デザイン 品川営業所」など、それぞれの名称と住所を記入します。
店舗や事務所がひとつの場合は空欄で問題ありません。
5.所得の種類
自身の所得の種類にチェックをつけます。一般的な事業の場合、所得区分は事業所得となります。事業所得のほかに不動産所得や山林所得がない場合には、事業所得のみにチェックをつけましょう。
【関連記事】
所得とは? 収入との違いや種類別の計算方法を解説
6.青色申告の取消しまたは取りやめの履歴
過去に青色申告承認の取消しを受けたり取りやめたりしたことがある場合は、チェックをつけて年月日を記入します。特にない場合は「無」にチェックをしましょう。
7.本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日
届出を提出する年の1月16日以降に個人事業を新規開業する場合は、開業日を記入します。すでに開業している場合は空欄で問題ありません。
8.事業承継について
相続などで事業承継した場合は、相続開始年月日と被相続人の名前を記入します。特に相続のない場合には「無」にチェックをします。
9.簿記の形式
青色申告で55万円(もしくは65万円)の控除を受けたい場合は「複式簿記」に、10万円控除の場合は「簡易簿記」にチェックを入れます。
提出後に簿記の形式を変更したい場合は再申請などの必要はありません。確定申告で実際に提出した簿記形式によって控除額が判断されます。
10.帳簿について
申請書の帳簿欄は実務に備え付け・保存予定の帳簿にチェックを入れます。
- 現金出納帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
- 預金出納帳
- 総勘定元帳
- 仕訳帳
11. 特記事項
特記事項があれば記入します。特にない場合は、空欄のままで問題ありません。
12. 関与税理士
税理士に青色申告承認申請書の作成を依頼する場合に、税理士が名前と連絡先を記入します。
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青色申告承認申請書の提出期限
青色申告承認申請書には提出期限があるため、注意が必要です。新規開業した場合と、開業後1年以上経って青色申告に切り替えたい場合とで期限が異なります。
青色申告承認申請書の提出期限① 新規開業した場合
青色申告承認申請書の提出期限に関して、国税庁の「[手続名]所得税の青色申告承認申請手続」には下記のように記載されています。
青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをしたりした場合には、その事業開始等の日(非居住者の場合には事業を国内において開始した日)から2月以内)に提出してください。
つまり、ある年の1月16日以降、新たに開業した場合、開業後2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出する必要があります。1月1日から1月15日の間に開業した場合は、その年の3月15日までが提出期限です。
なお、新規開業の場合は、開業届と同時提出が一般的です。開業時には、ほかにも従業員がいる場合や消費税の納税に関して提出する届出がありますが、後述するfreee開業を使えば、無料で作成できます。
青色申告承認申請書の提出期限② 白色申告から青色申告に切り替える場合
白色申告から青色申告に切り替えたい場合は、「青色申告をする年度の3月15日まで」に届出を提出する必要があります。
例:2025年に白色申告を行っている事業者の場合
- 2025年3月15日までに届出を提出した場合
2025年度分(2025年1月1日から12月31日)の確定申告から青色申告が可能です。 - 2025年3月16日以降に届出を提出した場合
2025年度分(2025年1月1日から12月31日)の確定申告は白色申告となります。
2026年3月15日までに提出を完了していれば、2026年度分(2026年1月1日から12月31日)の確定申告から青色申告が可能となります。
青色申告承認申請書の提出期限③ 事業を相続により承継した場合
最後は、相続により事業継承をした場合です。
青色申告をしていた事業主が亡くなり、相続により事業承継をした場合は、相続開始を知った日(死亡の日)の時期に応じて、それぞれ下記の期間内に提出する必要があります。
相続により事業承継した場合の提出期限
- 相続開始が1月1日から8月31日までの場合:死亡の日から4ヶ月以内
- 相続開始が9月1日から10月31日までの場合:その年の12月31日まで
- 相続開始が11月1日から12月31日までの場合:その年の翌年の2月15日まで
なお、提出期限が土・日曜日・祝日の場合は、これらの日の翌日が提出期限となります。
青色申告承認申請書を書く際の注意点
青色申告承認申請書を作成する際に間違えやすいポイントを紹介します。法人と個人事業主・フリーランスに分けて説明するので、提出前にチェックしてみてください。
法人の青色申告承認申請書の場合
法人名のフリガナを忘れるケースがあるため、提出前にチェックしましょう。また、法人番号の記入欄がありますが、不明なときは記載しなくても問題ありません。
個人事業主・フリーランスの青色申告承認申請書の場合
事業所得・不動産所得・山林所得の内、該当する事項を選択します。また、開業時から青色申告が適用されるようにしたい場合は、開業届と青色申告承認申請書を同時に提出しましょう。
青色申告承認申請書の書き方に注意点はありませんが、提出期限(開業日から2ヶ月以内)には注意が必要です。提出期限を過ぎると、開業した年は青色申告できない可能性があります。
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まとめ
青色申告をすると控除額が増やせるだけではなく、赤字分を活用して翌年以降の課税対象額を減らしたり、家族への給与を経費計上できたりと、節税につながるさまざまなメリットを受けられます。
青色申告をしたい人は、青色申告承認申請書を作成し、開業届と同時に提出しましょう。開業届と同時に提出しなくても問題はありませんが、開業した年から青色申告ができない可能性があります。早めに作成して、開業届と同時に提出できるようにしておきましょう。
freee開業なら、税務署に行かずに開業届をかんたんに作成
個人事業を始める際には「開業届」を、青色申告をする際にはさらに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。 記入項目はそれほど多くはありませんが、どうやって記入したらいいのかわからないという方も多いと思います。
そこでおすすめなのが「freee開業」です。ステップに沿って簡単な質問に答えていくだけで、必要な届出をすぐに完成することができます。
freee開業で作成可能な5つの届出
1. 個人事業の開業・廃業等届出書
開業届のことです。
2. 所得税の青色申告承認申請書
青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内、もしくは1月1日から3月15日までに提出する必要があります。期限を過ぎた場合、青色申告できるのは翌年からになるため注意が必要です。
3. 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
家族や従業員に給与を支払うための申請書です。
4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
原則毎月支払う源泉所得税を年2回にまとめて納付するための手続です。毎月支払うのは手間ですので、ぜひ提出しましょう。
5. 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
青色申告をする場合に、家族に支払う給与を経費にするための手続です。青色申告をして家族に給与を支払う場合は必ず提出しましょう。
freee開業の使い方を徹底解説
freee開業を使った開業届の書き方は、準備→作成→提出の3ステップに沿って必要事項を記入していくだけです。
Step1:準備編
準備編では事業の基本情報を入力します。迷いやすい職業欄も多彩な選択肢のなかから選ぶだけ。
事業の開始年月日、想定月収、仕事をする場所を記入します。
想定月収を記入すると青色申告、白色申告のどちらが、いくらお得かも自動で計算されます。
Step2:作成編
次に、作成編です。
申請者の情報を入力します。
名前、住所、電話番号、生年月日を記入しましょう。
給与を支払う人がいる場合は、上記のように入力をします。
今回は準備編で「家族」を選択しましたので、妻を例に記入を行いました。
さらに、見込み納税金額のシミュレーションも可能。
※なお、売上の3割を経費とした場合の見込み額を表示しています。経費額やその他の控除によって実際の納税額は変化します。
今回は、青色申告65万円控除が一番おすすめの結果となりました。
Step3:提出編
最後のステップでは、開業に必要な書類をすべてプリントアウトし、税務署に提出します。
入力した住所をもとに、提出候補の地区がプルダウンで出てきます。地区を選ぶと、提出先の税務署が表示されますので、そちらに開業届けを提出しましょう。
届け出に関する説明とそれぞれの控えを含め、11枚のPDFが出来上がりました。印刷し、必要箇所に押印とマイナンバー(個人番号)の記載をしましょう。
郵送で提出したい方のために、宛先も1ページ目に記載されています。切り取って封筒に貼りつければ完了です。
いかがでしょう。
事業をスタートする際や、青色申告にしたい場合、切り替えたい場合など、届出の作成は意外と煩雑なものです。
しかし、freee開業を活用すれば、無料ですぐに届け出の作成が完了。
また、確定申告書の作成もfreee会計を使えば、ステップに沿ってすぐに完了します。
freee開業とfreee会計を使って、効率良く届出を作成しましょう。
よくある質問
青色申告承認申請書を書く際は何に注意すべき?
青色申告承認申請書を作成するときは、法人の場合は法人名のフリガナを忘れないようにしてください。また、書き方自体は難しくはありませんが、提出期限に注意が必要です。開業日から2ヶ月以内とされているため、早めに提出しましょう。
詳しくは、記事内「青色申告承認申請書を書く際の注意点」をご覧ください。
青色申告承認申請書はいつまでに提出する?
開業時から青色申告をしたいなら、開業から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出しましょう。
詳しくは、記事内「青色申告承認申請書の提出期限」をご覧ください。
監修 好川寛(よしかわひろし)
元国税調査官。国税局では税務相談室・不服審判所等で審理事務を中心に担当。その後、大手YouTuber事務所のトップクリエイターの税務支援、IT企業で税務ソフトウェアの開発に携わる異色の税理士です。
