勘定科目の基礎知識

工具は経費にできる?用いられる勘定科目や工具器具備品などの具体的な仕訳例を解説

監修 税理士・CFP® 宮川真一 税理士法人みらいサクセスパートナーズ

工具は経費にできる?用いられる勘定科目や工具器具備品などの具体的な仕訳例を解説

ドライバーやスパナなどの工具は、事業目的で購入・レンタルする場合なら経費に計上できます。工具の金額に応じた仕訳方法を理解しておくことが大切です。

本記事では、工具に用いる勘定科目仕訳例経費に計上する際のポイント・注意点などを紹介します。

工具の会計処理では、資産で計上するケースと費用で計上するケースにわけられます。どのようなケースでどの方法で計上するかを把握し、正しく処理を行いましょう。

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目次

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工具は経費にできる?

必要経費とは、事業で収入を得るために直接必要な売上原価・販売費・管理費・その他費用です。

ドライバー・スパナ・ソケット・ペンチ・クランプ・スリングなどの工具も、事業で使用する道具であれば経費に計上できます。適切な勘定科目で計上し、正しく処理しましょう。

工具に用いる勘定科目

工具に用いる勘定科目は、購入金額や取得方法で異なります。

工具に用いる勘定科目

  • 耐用年数が1年以上かつ取得価額が10万円以上の場合は【工具器具備品】
  • 耐用年数が1年未満もしくは取得価額が10万円未満の場合は【消耗品費】
  • レンタルした場合は【賃借料】

各勘定科目の詳細を解説します。

【工具器具備品】

工具器具備品は、使用可能期間が1年以上、1個または1組の取得価額が10万円以上の工具や備品に用いられる勘定科目です。事業目的に使用される場合に使用できます。

加工工具・切削工具・取付工具・金型・裁断機などの工具で上記を満たす道具は、購入時に有形固定資産として資産計上します。その後、決算時に減価償却して費用計上する流れです

工具器具備品は、ドライバーやスパナなどの工具のほか、パソコンやコピー機などの事務機器でも用いられます。そのほか、手工具・オフィス用品・特定の作業や業務を行うための装備などでも用いられます。

【消耗品費】

消耗品費は、取得価額が10万円未満もしくは使用可能期間が1年未満の備品などに用いられる勘定科目です。

同じ工具であっても、使用可能期間が短かったり、取得価額が少額であったりする場合は資産計上せず、消耗品費で費用計上します。使用可能期間・取得価額と勘定科目の関係をまとめると次の通りです。


使用可能期間取得価額勘定科目
1年以上10万円以上工具器具備品
1年以上10万円未満消耗品費
1年未満10万円以上
1年未満10万円未満

【賃借料】

賃借料は、機械などの設備や、パソコンなどの備品をレンタルしたときに用いられる勘定科目です。

たとえば、短期間のみ工具をレンタルしてレンタル料を支払った場合は「賃借料」で計上します。ただし、一定期間のリース契約によりリース料を支払った場合は「リース料」で計上することを覚えておきましょう。

【事例で解説】工具の仕訳例

工具の仕訳方法はそれほど難しいわけではありません。以下では3つの事例に分けて、仕訳の具体的な例を紹介します。

工具の仕訳例

  • 10万円以上かつ使用可能期間が1年以上の工具を購入した場合
  • 10万円未満または使用可能期間が1年未満の工具を購入した場合
  • 短期間工具をレンタルした場合

10万円以上かつ使用可能期間が1年以上の工具を購入した場合

10万円以上で使用可能期間が1年以上の工具を購入した場合、購入時に工具器具備品勘定で資産計上し、決算時に減価償却します。たとえば300,000円のドリルドライバーを購入した場合の仕訳例は次の通りです。

●購入時の仕訳例

借方貸方
工具器具備品300,000円普通預金300,000円

決算時には、計上した資産の減価償却を行います。減価償却は時間の経過による資産価値の減少に応じて、耐用年数ごとに必要経費とする会計処理です。

減価償却は定額法と定率法のどちらかを選択できます。たとえば、上記のドリルドライバーを定額法、耐用年数3年で減価償却する場合の仕訳例は次の通りです(期首に取得)。

●決算時の仕訳例

借方貸方
減価償却費100,000円工具器具備品100,000円

なお、上記は直接法で減価償却した仕訳例です。減価償却費の計上方法には直接法と間接法があり、間接法を選択する場合は貸方で「減価償却累計額」の勘定科目を用います。

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10万円未満または使用可能期間が1年未満の工具を購入した場合

購入価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満の場合、消耗品費で経費計上できます。たとえば、10,000円のドライバーを購入した場合の仕訳例は次の通りです。


借方貸方
消耗品費10,000円普通預金10,000円

なお、取得価額が10万円未満であるかの判定は、選択している消費税の経理処理でも異なるので注意しましょう。

消費税の経理処理で税込経理方式を選択している場合は、「税込額」で10万円未満であるかを判定します。一方、税抜経理方式を選択している場合は「税抜額」で判定することを覚えておきましょう。

短期間工具をレンタルした場合

工具を短期間レンタルした場合は、賃借料で計上します。電動工具を工具店からレンタルして、レンタル料として40,000円を支払ったときの仕訳例は次の通りです。


借方貸方
賃借料40,000円普通預金40,000円

工具を経費に計上する際のポイント・注意点

工具を経費に計上する際にはいくつかのポイント、注意点があります。ここからは、以下の3つの視点からポイント、注意点を解説します。

工具を経費に計上する際のポイント・注意点

  • 工具により耐用年数は異なる
  • 取得価額10万円以上20万円未満は一括償却できる
  • 中小企業や個人事業主には損金算入の特例がある

工具により耐用年数は異なる

工具器具備品を含め、減価償却資産は耐用年数に応じて減価償却します。耐用年数は、製品の構造や用途で異なる点に注意が必要です。


構造や用途耐用年数
測定工具、検査工具5年
治具、取付工具3年
切削工具2年
型、鍛圧工具、打抜工具・2年(プレスそのほかの金属加工用金型、合成樹脂など)
・3年(そのほかの工具)
活字、活字に常用される金属・2年(購入活字)
・8年(自製活字、活字に常用される金属)

取得価額10万円以上20万円未満は一括償却できる

取得価額10万円以上で20万円未満の減価償却資産は、一括しての償却が可能です。一括償却する場合は、取得価額の合計額を3年間で均等償却します。

中小企業や個人事業主には損金算入の特例がある

資本金1億円以下で青色申告している中小企業や個人事業主には、30万円未満の什器や備品を全額損金に算入できる特例が設けられています(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)。

通常は工具器具備品で資産計上する工具も、場合によっては購入した事業年度で経費計上が可能です。中小企業者等の要件を満たし、取得価額が30万円未満なら可能であると覚えておきましょう。

ただし、経費にできるのは年間300万円が限度である点に注意が必要です。

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まとめ

事業で使用する工具は経費に計上可能であり、取得金額や使用可能年数などで処理が違います。

10万円以上かつ使用可能年数が1年以上の工具は、工具器具備品で資産計上して、決算時に減価償却します。耐用年数は工具の構造や用途で違うので、正しく計算しましょう。

10万円未満または使用可能年数が1年未満の工具は、消耗品費勘定で費用計上が可能です。一括償却できる場合や中小企業の損金算入の特例も設けられているので、法律を理解して適切に処理しましょう。

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工具の勘定科目を詳しく知りたい方は「工具に用いる勘定科目」をご覧ください。

工具の仕訳を行う際の注意点は?

耐用年数の違いや少額減価償却資産の損金算入の特例などに注意が必要です。

注意点を詳しく知りたい方は「工具を経費に計上する際のポイント・注意点」をご覧ください。

監修 宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業後、税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上となる。現在は「100年先の“みらい”を創る。」税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティングを行う。

税理士・CFP® 宮川真一