勘定科目の基礎知識

書籍代の勘定科目・仕訳方法は? 電子書籍や定期購読の処理方法も解説

監修 西村真衣 西村税理士事務所

書籍代の勘定科目・仕訳方法は? 電子書籍や定期購読の処理方法も解説

事業に関連する書籍代は「新聞図書費」や「研修費」を用いて経費計上が可能です。本記事では、書籍を購入したときの勘定科目仕訳方法を紹介します。

事業に関連する書籍代は、「新聞図書費」や「研修費」を用いて経費計上が可能です。ただし、購入する目的や実態によってはその他の勘定科目を使用するケースもあります。

定期購読の処理方法や、固定資産として処理する必要があるケースについても解説するので、ぜひ参考にしてください。 確定申告の基本をすべて解説!確定申告が初めてでもわかりやすい図解入りの解説記事はこちら

目次

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書籍代は経費に計上できる?

事業に必要な書籍を購入した費用は、経費に計上できます。ただし、書籍代の単価が10万円以上の場合は固定資産として計上し、償却が必要です。

また、事業に関係のない書籍代は経費として認められません。書籍代を支払ったときは、税務調査の際に明確に説明できるよう正しく処理する必要があります。

【関連記事】
減価償却とは?確定申告前に知っておくべき減価償却資産の計算方法について解説

書籍代に用いる勘定科目

業務に関連する書籍を購入したときは、「新聞図書費」や「研修費」で処理するのが一般的です。ただし、購入した目的に応じて上記以外の勘定科目を使用する場合もあります。

書籍代に用いる勘定科目

  • 業務で必要な情報を得るための書籍を購入した場合は【新聞図書費】
  • 研修を目的に書籍を購入した場合は【研修費】
  • 福利厚生を目的に書籍を購入した場合は【福利厚生費】
  • 頻度が低く少額の場合は【雑費】
  • 10万円以上の場合は【工具器具備品】

【新聞図書費】

業務に関連する書籍代は、一般的に「新聞図書費」で経費に計上します。

「新聞図書費」に計上できるものの例

  • 新聞
  • 雑誌
  • 専門書
  • 官報
  • 統計資料
  • 住宅地図や路線価図
  • インターネットのメルマガ

なお「新聞図書費」とは、業務で必要な情報を得るために書籍を購入した際に用いる勘定科目です。

【研修費】

研修やセミナーを行う目的で書籍を購入した場合は、「研修費」で処理するのが良いでしょう。

研修費とは、業務に必要な知識や技術を身につけるための、研修やセミナーに関する費用に用いる勘定科目です。

【関連記事】
研修費の勘定科目とは? 仕訳の具体例や経費に計上できない費用などを解説

【福利厚生費】

従業員に対する福利厚生を目的に書籍を購入した場合の勘定科目は、「福利厚生費」で処理しましょう。たとえば、業務に関連しない書籍や雑誌を購入し、オフィスの休憩室に備え付けた場合などが該当します。

「福利厚生費」とは従業員の職場環境を整えたり、人間関係の親密化をはかったりする目的で支出した費用に用いる勘定科目です。以下のようなものが福利厚生費に該当します。

福利厚生の例

  • 健康診断
  • 社員旅行
  • 忘年会・新年会
  • 結婚祝い
  • 香典
  • 社内に置いた飲食物

そのため、従業員のいない個人事業主の場合、「福利厚生費」の計上はできません。

【雑費】

書籍の金額が少額の場合は、「雑費」で処理するケースもあります。

「雑費」とは、本業以外の費用で、少額かつ他の勘定科目に当てはまらないときに使用する勘定科目です。年間を通して書籍を購入する機会が少なく、重要度が低いときにのみ使用しましょう。

【工具器具備品】

セットで販売されている百科事典など、単価が10万円以上(送料などを含む)の書籍を購入したときは、固定資産として計上しなくてはなりません。購入時に「工具器具備品」として計上し、決算時に「減価償却費」を用いて減価償却を行いましょう。

原価償却とは、長期間使用し、時の経過によって価値が減っていくような資産の取得価額を、取得時に全額経費とせず耐用年数に応じて少しずつ経費に計上することです。代表的なものにパソコンや車などがあります。

減価償却資産に該当するものは、取得時に一括で経費とせず、使用可能期間にわたって少しずつ経費化します。

ただし、単価が10万円以上20万円未満の場合は、3年間で均等に償却する「一括償却資産」として処理することもできます。

また、「少額減価償却資産の特例」の適用が受けられる中小企業等は、30万円未満であれば一括で経費計上が可能です(※)。

なお、1冊ずつ分けて購入でき、1冊あたりの金額が10万円以下の場合は、「新聞図書費」として一括で経費に計上できます。

(※)「少額減価償却資産の特例」は、青色申告法人のうち、常時使用する従業員の数が500人以下の中小企業者または農業協同組合等が対象です。

【事例で解説】書籍代の仕訳例

書籍を購入したときの仕訳方法を、事例を用いて紹介します。

書籍代の仕訳例

  • 事業に必要な専門知識を得るための専門書を購入した場合
  • 研修で使用する書籍を購入した場合
  • 休憩室に置く雑誌・マンガを購入した場合
  • セットで販売されている百科事典を購入した場合

事業に必要な専門知識を得るための専門書を購入した場合

事業に必要な専門知識を得るために、5,000円の専門書を購入した場合は、次のように仕訳できます。


借方貸方
新聞図書費5,000円現金5,000円

事業に関連する書籍代であるため、「新聞図書費」で経費に計上しましょう。

研修で使用する書籍を購入した場合

研修で使用する書籍(1冊1,000円)を購入し、研修に参加する30人に配布した場合は、次のように仕訳します。


借方貸方
研修費3万円現金3万円

研修やセミナーで使用する目的で購入した書籍は、上記のように「研修費」で処理するのが一般的です。

休憩室に置く雑誌・マンガを購入した場合

雑誌・マンガを5,000円分購入し、従業員が自由に読めるよう休憩室に置いた場合は、「福利厚生費」を用いて仕訳します。


借方貸方
福利厚生費5,000円現金5,000円

セットで販売されている百科事典を購入した場合

事業に関連する百科事典のセット(12万円)を購入し、一括償却資産として処理する場合は、購入時・決算時に仕訳が必要です。

購入時

借方貸方
一括償却資産12万円現金12万円

一括償却資産は、3年間で均等に償却します。したがって、減価償却費は4万円(12万円÷3万円)です。

決算時

借方貸方
減価償却費4万円一括償却資産4万円

書籍代を会計処理する際のポイント・注意点

書籍を購入し、会計処理する際に知っておきたいポイント・注意点を解説します。

書籍代を会計処理する際のポイント・注意点

  • 同一の勘定科目を継続して使用する
  • 電子書籍も「新聞図書費」として計上する
  • 定期購読で決算をまたぐ場合は「前払金」で処理する
  • 週2回以上発行される新聞は軽減税率の対象になる
  • 従業員が自費で購入したときは控除を受けられる場合がある

同一の勘定科目を継続して使用する

使用する勘定科目は法律で明確に決められているわけではないため、企業によって異なる場合があります。ただし、「継続性の原則」(企業会計原則)にもとづき、会計処理の原則や手続きは毎期継続して適用しなければなりません。

書籍代は、一般的に「新聞図書費」を用いて処理しますが、「研修費」や「雑費」を使用するケースも考えられます。1度勘定科目を設定したあとは、毎回同じ勘定科目で処理しましょう。

電子書籍も「新聞図書費」として計上する

紙媒体でない電子書籍も書籍であることには変わりないため、「通信費」ではなく「新聞図書費」で処理します。

たとえば、美容院で顧客が閲覧するために雑誌の読み放題サービスを購入した場合は、「新聞図書費」を用いて経費に計上しましょう。

ただし紙媒体の書籍と同様に、購入目的や実態に応じて「福利厚生費」や「雑費」で処理するケースもあります。

定期購読で決算をまたぐ場合は「前払金」で処理する

定期購読で1年間の購入費用を前払いし、決算をまたぐ場合、翌期以降分は「前払金」で処理します。

たとえば、3月決算の企業が10月から専門誌の定期購読を開始し、年間購読料2万円を支払った場合、「新聞図書費」として計上するのは6ヶ月分です。


借方貸方
新聞図書費1万円現金2万円
前払金1万円

翌期分は、翌年度に「新聞図書費」に振り替えましょう。


借方貸方
新聞図書費1万円前払金1万円

週2回以上発行される新聞は軽減税率の対象になる

新聞図書費は基本的に消費税の課税取引ですが、週2回以上発行される定期購読の新聞には軽減税率(8%)が適用されます。

週2回以上発行され、定期購読契約にもとづくものであれば、スポーツ新聞や業界紙、日本語以外の新聞も軽減税率の対象です。

ただし、定期購読の新聞でも、発行が週2回未満の場合や電子版は標準税率(10%)が適用されます。また、売店やコンビニエンスストアで購入した新聞は、定期購読契約にもとづくものではないため軽減税率の対象ではありません。

従業員が自費で購入したときは控除を受けられる場合がある

従業員が自費で書籍を購入した際、「特定支出控除」を受けられる場合があります。

特定支出控除とは、特定支出の合計額が給与所得控除額の1/2を超えるときに、給与所得控除後の所得金額から差し引ける制度です。事業所得(収入-必要経費)の必要経費に代わるものとして認められています。

特定支出となるのは、給与所得者が支出する通勤費や転居費、研修費、資格取得費、図書費などのうち一定のものです。

書籍代は、上記のうち「図書費」(書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用)に含まれます。

特定支出控除を受けるには、確定申告が必要です。書籍代だけで給与所得控除額の1/2の額を超える可能性は高くありませんが、他の特定支出と合計すれば控除を受けられる可能性があるため、領収書などを保管しておく必要があります。

まとめ

書籍を購入した際の費用は、事業に関連するものであれば経費に計上できます。一般的に「新聞図書費」で処理しますが、目的によっては「研修費」や「福利厚生費」を用いるケースもあります。

また、定期購読で決算をまたぐ場合や、セット販売の書籍で金額が10万円以上の場合は、処理方法が異なるため注意が必要です。

書籍代の処理方法を理解して適切な勘定科目を設定し、正しく仕訳しましょう。

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よくある質問

書籍代に用いる勘定科目は?

事業に関連する書籍代は、「新聞図書費」で処理するのが一般的です。ただし、目的に応じて「研修費」や「福利厚生費」を用いる場合もあります。

書籍代に用いる勘定科目を詳しく知りたい方は「書籍代に用いる勘定科目」をご覧ください。

電子書籍も「新聞図書費」に計上できる?

電子書籍も書籍であることに変わりないため、「通信費」ではなく「新聞図書費」で処理します。

電子書籍に用いる勘定科目を詳しく知りたい方は「電子書籍も「新聞図書費」として計上する」をご覧ください。

監修 西村真衣(にしむら まい)

父も祖父も税理士という家系に長女として生まれる。実家は60年続く税理士事務所。学生結婚し、子供を授かるも、母、妻、娘の役割以外に、自分の人生も生きていきたいと2人の子供を育てながら税理士試験に合格する。自身も経営者の立場を経験しない事には、お客様の気持ちに真に寄り添うことはできないと感じ、実家の税理士事務所とは別に2021年に西村税理士事務所を開業。現在は、女性起業支援を中心に活動している。

西村真衣