勘定科目の基礎知識

個人事業主が支払う労働保険料の勘定科目は? 経費計上の可否や仕訳例を解説

監修 税理士・CFP® 宮川真一 税理士法人みらいサクセスパートナーズ

個人事業主が支払う労働保険料の勘定科目は? 経費計上の可否や仕訳例を解説

個人事業主が自身のために支払った労働保険料は経費にできません。労働保険料を経費にできるケースや使う勘定項目、仕訳方法を把握しておきましょう。

本記事では、個人事業主が支払う労働保険料の仕訳に使う勘定科目仕訳例を解説します。労働保険料の仕訳方法を理解して、正しく会計処理をしましょう。

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目次

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労働保険とは?

労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称です。

労災保険は、通勤や仕事が原因で労働者がケガや病気をしたり、死亡したりした場合に給付金を支給する保険です。労災保険は、企業に雇用される労働者を対象としているため、個人事業主は基本的に加入の対象にはなりません。

ただし、建設業者や林業従事者などは、仕事の性質上ケガをする可能性が高いことから、個人事業主であっても労災保険に特別加入できます。

雇用保険は、労働者が失業した場合や育児休業、介護休業を取得する際などに給付金を支給する保険です。雇用保険は、労働者の失業や休業のリスクをカバーするための保険であるため、個人事業主は加入対象外となっています。

労働保険料のうち、労災保険分は全額が事業主負担、雇用保険分は事業主と労働者で負担します。

個人事業主の労働保険料は経費にできる?

個人事業主は、労災保険の特別加入対象者であれば、労災保険に加入できるものの、自身のために支払った労働保険料は経費にできません。労災保険は、あくまでも事業者側の負担が法律で義務付けられている費用ではないからです。

ただし、自身のために支払った労働保険料は、自身の年間所得から社会保険料控除として控除できます。つまり、課税所得額を減らせるため、所得税や住民税を節税する効果があります。なお、従業員を雇っている場合は、従業員分のみ経費に計上可能です。

労働保険料の勘定科目

労働保険料の仕訳に使う勘定科目は、以下の3つです。

労働保険料の仕訳に使う勘定科目

  • 個人事業主が自身の労働保険料を支払った場合は【事業主貸】
  • 従業員の労働保険料は【法定福利費】
  • 従業員負担分の労働保険料を明確にする場合は【立替金】

勘定科目ごとの違いを理解して適切に仕訳を行いましょう。

【事業主貸】

個人事業主が支払う自身の労働保険料は、事業者側の負担が法律で義務付けられている費用ではありません。そのため、基本的に経費にできず、帳簿に記帳する必要がありません。

ただし、労働保険料を事業用の口座から支出した場合など、帳簿づけが必要な場合は「事業主貸」を使って仕訳します。事業主貸は、事業用の資金を用いて事業以外の支払いをした場合に用いる勘定科目です。

【法定福利費】

従業員を雇っている際に労働保険料を仕訳する場合は「法定福利費」を使って仕訳します。法定福利費とは、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料、労災保険や雇用保険の労働保険料のうち、事業者側の負担が法律で義務付けられている費用のことです。

労働保険料には、従業員と事業主で労使折半しなければならない保険料もありますが、それらを合算して「法定福利費」として仕訳できます。

【立替金】

労働保険料を事業主負担分と従業員負担分に明確に区別したい場合は、従業員負担分に「立替金」を使って仕訳します。立替金とは、従業員が支払うべき費用を会社が一時的に代わりに支払った場合に使う勘定科目です。

労働保険料は、まず会社が前年度に支払った確定賃金の総額をもとに、今年度支払う賃金見込み額から概算保険料を算出し、6月~7月頃に概算保険料を支払います。

その後、従業員への給与支給時に概算保険料を天引きし、最終的に概算保険料と確定保険料の過不足分を調整します。

給与支給時に天引きする従業員負担分を事業主負担分と明確に分けて管理したい場合は、従業員負担分を法定福利費とせずに「立替金」で処理するとよいでしょう。

【事例で解説】労働保険料の仕訳例

労働保険料の具体的な仕訳例をケースごとに解説します。

個人事業主が自身の労働保険料を3万円支払った場合

個人事業主が自身の労働保険料として3万円を事業用の口座から支出した場合の仕訳は以下の通りです。


借方貸方
事業主貸30,000円普通預金30,000円

プライベートの口座から支出した場合は、記帳する必要がありません。

概算保険料4万円を支払った場合

個人事業主が従業員分を含めて概算保険料を4万円支払った場合、簡単に仕訳をする場合は「法定福利費」を使って以下のように仕訳します。


借方貸方
法定福利費40,000円預金40,000円

概算保険料4万円を支払って従業員負担分と分けて管理する場合

個人事業主が従業員分を含めて概算保険料を4万円支払った際に、従業員負担分と分けて管理したい場合は、「立替金」を使って仕訳しましょう。


借方貸方
法定福利費22,000円預金40,000円
立替金18,000円

従業員負担分相当額を法定福利費とせずに「立替金」とすることで、事業主負担分と従業員負担分を明確に分けて管理できます。

まとめ

個人事業主が自身のために支払った労働保険料は経費にできません。原則として仕訳の必要もありませんが、事業用資金から支払っている場合は「事業主貸」を使って仕訳をする必要があります。

また、従業員を雇っている場合は、「法定福利費」や「立替金」を使って仕訳をしなければなりません。労働保険料の仕訳方法を理解して、正しく会計処理をしましょう。

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よくある質問

個人事業主の労災保険料は経費にできる?

個人事業主が自身のために支払った労働保険料は経費にできません。従業員を雇っている場合は、事業主負担分のみを経費にできます。

個人事業主が支払う労災保険料に関して詳しく知りたい方は「個人事業主の労働保険料は経費にできる?」をご覧ください。

労働保険料の仕訳に使う勘定科目は?

労働保険料の仕訳に使う勘定科目には「事業主貸」「法定福利費」「立替金」があります。

労働保険料の仕訳に使う勘定科目を詳しく知りたい方は「労働保険料の勘定科目」をご覧ください。

監修 宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業後、税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上となる。現在は「100年先の“みらい”を創る。」税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティングを行う。

税理士・CFP® 宮川真一