勘定科目の基礎知識

予防接種の勘定科目とは? 経費対象となるポイントや仕訳例をわかりやすく解説!

監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

予防接種の勘定科目とは? 経費対象となるポイントや仕訳例をわかりやすく解説!

感染症の拡大は、事業に大きな影響を及ぼす場合があります。本記事では、予防接種費用が経費として認められるケース仕訳時の勘定科目を紹介します。

基本的に、インフルエンザなどの予防接種は治療ではないため、すべて自己負担です。厚生労働省によると、新型コロナウイルスのワクチンの公費負担は2024年3月末で終了し、一部の人は自己負担となります(※)。

介護職など予防医療が必要な事業では、従業員の予防接種を推奨する会社もあるでしょう。予防接種費用の会計処理に関する注意点も説明するため、ぜひ参考にしてください。

※新型コロナウイルスのワクチン費用を自己負担するのは、65歳未満かつ重症化リスクが高くない人

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目次

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予防接種は経費にできる?

基本的に、インフルエンザなどの予防接種は病気やケガに対する治療ではないため、健康保険が適用されません。自治体などから補助されるケースを除いて、予防接種にかかる費用はすべて個人が負担します。

原則として個人事業主の場合は、予防接種の費用は経費にできませんが、法人の場合は次の条件を満たせば経費計上が可能です。

予防接種費用を経費とする条件

  • 業務上、予防接種が必要である
  • すべての社員が対象である
  • 社会通念上、予防接種費用が妥当な金額である

そもそも必要経費とは、所得を得るために事業上欠かせない支出をいいます。「人と接する時間が長い」業務や「感染症の重症化リスクが高い人と関わる」業種など、予防接種が事業に必要だと証明できれば経費と認められるでしょう。

また予防接種費用を経費にする場合、原則として従業員を公平に対象とする必要があります。ただし合理的な基準がある場合は、この限りではありません。

たとえば、次のようなケースであれば経費として処理できます。

経費と認められるケース

  • 病院での業務停滞を防ぐため、すべての医療従事者に対して予防接種を実施する
  • 海外出張が必要な従業員に対して、入国に必要な予防接種を実施する

従業員に海外出張を命じる場合、行き先によっては予防接種が必要なケースがあります。一部の従業員を対象とする場合、「海外出張に赴く従業員のみ」など合理的な基準があれば、経費として扱って問題ありません。

一方、経費の対象外となるのは次のようなケースです。

経費と認められないケース

  • 役員に限定して予防接種を実施する

役員に限定する合理的な基準があれば別ですが、単に対象者を絞る場合は経費として計上できません。

予防接種に用いる勘定科目

経費と認められる予防接種費用は、「福利厚生費」の勘定科目で仕訳します。

福利厚生費とは、会社が従業員のために任意で支出する費用をいいます。福利厚生費に該当する例は、以下の通りです。

福利厚生費に該当する支出

  • 慰安旅行
  • クラブ活動費用
  • 結婚祝い
  • 社内に設置した飲食物の費用

原則、医療費は経費として処理できません。しかし「業務上必要である」など要件を満たせば、次の費用を福利厚生費として計上できる場合もあります。

福利厚生費に該当する場合がある医療費

  • 常備薬
  • 人間ドック
  • 健康診断
  • 予防接種

なお予防接種は、消費税の課税対象となる課税取引です。消費税分を仕訳する場合は、「仮払消費税」の勘定科目を用います。

【事例で解説】予防接種の仕訳例

予防接種費用を支出した際の仕訳例を、詳しく見てみましょう。

すべての従業員を対象に、インフルエンザ予防接種を実施する場合の仕訳例

従業員15名に対して、予防接種費用75,000円を現金で支払った場合

借方貸方
福利厚生費
仮払消費税
68,182円
6,818円
現金75,000円

従業員15名に対して、予防接種費用75,000円を口座振込で支払った

借方貸方
福利厚生費
仮払消費税
68,182円
6,818円
預金75,000円

なお上記仕訳では、「税抜方式」で処理しています。

海外出張に赴く従業員に対して、入国に必要な予防接種を実施する場合の仕訳例

海外出張のために予防接種が必要な従業員3名に対して、予防接種費用15,000円を現金で支払った場合

借方貸方
福利厚生費
仮払消費税
13,636円
1,364円
現金15,000円

海外出張のために予防接種が必要な従業員3名に対して、予防接種費用15,000円を口座振込で支払った場合

借方貸方
福利厚生費
仮払消費税
13,636円
1,364円
預金15,000円

なお上記仕訳では、「税抜方式」で処理しています。

予防接種の費用を会計処理する際の注意点

予防接種の費用を仕訳する際に、気をつけるべき3つのポイントを説明します。

予防接種は消費税の対象である

原則、医療費は消費税の課税対象となりません。ただし予防医療である健康診断や予防接種の場合は、消費税がかかります。

また消費税の仕訳には、「税込方式」と「税抜方式」の2種類があります。消費税の納税義務者である事業者は、どちらの方式を選んでも問題ありません。

税込方式では、消費税を含めた予防接種費用を「福利厚生費」として計上します。税抜方式を採用する場合、消費税分は「仮払消費税」の勘定科目を用いて処理しましょう。

福利厚生費に該当しない場合、給与として扱う

福利厚生費に当てはまらない予防接種費用を支出した際は、「給与」で仕訳します。たとえば次のような場合、予防接種の費用は福利厚生費と認められません。

福利厚生費に該当しない場合

  • 従業員が個人的に受ける予防接種の費用を補助した場合
  • 業務上は予防接種の必要がない役員に限定して実施する
  • 相場と比べて、接種費用が高い

会社の指示ではなく従業員の判断で予防接種を受けた場合や、合理的な基準なく一部の人に限定して予防接種を実施した場合は、経費の対象外です。

また一般的なインフルエンザの予防接種費用は、3,000円から5,000円が相場です。不相応に高額な費用も福利厚生費の対象外となるため、「給与」で仕訳します。

なお給与として会社が負担する費用は、源泉徴収の対象となるため注意しましょう。

まとめ

会社が従業員などを対象に予防接種費用を支出した場合、要件を満たせば「福利厚生費」として経費計上が可能です。

経費になるか否かは、業務上の必要性・対象者の公平性・接種費用の妥当性から判断しなければなりません。

なお仕訳する際は、消費税がかかる点に注意しましょう。

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よくある質問

予防接種は経費にできる?

「業務上必要」「従業員が平等に対象」「高額すぎない」といった要件を満たせば、経費として計上できます。

予防接種を費用できるケースなどを知りたい方は、「予防接種は経費にできる?」をご覧ください。

予防接種に用いる勘定科目

経費の対象となる予防接種費用は、基本的に「福利厚生費」で仕訳します。

予防接種費用の勘定科目に関して知りたい方は、「予防接種に用いる勘定科目」をご覧ください。

監修 安田 亮(やすだ りょう)

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

監修者 安田亮