勘定科目の基礎知識

内装工事の勘定科目は? 減価償却する際の耐用年数や仕訳方法も解説

監修 北田 悠策 公認会計士・税理士

内装工事の勘定科目は? 減価償却する際の耐用年数や仕訳方法も解説

内装工事費は「建物」や「建物附属設備」に計上し、減価償却が必要です。本記事では、内装工事を行った際の勘定科目仕訳方法を解説します。

使用する勘定科目によって減価償却すべき金額が変わってくるため、正しい知識を身に付けましょう。

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目次

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内装工事の費用は経費にできる?

内装工事にかかった費用は、原則として支払時に全額を経費とすることはできません。

内装工事は、その工事によって「建物の価値が増加する」と考えられるため、資本的支出(資産価値を上げるための費用)とみなされます。

そのため、耐用年数に応じた減価償却が必要です。

工事見積書などの明細に応じて処理する必要があるため、「内装工事一式」となっており明細がわからない場合は、工事業者に問い合わせましょう。

なお、内装工事は床や壁、天井などの建物内部の仕上げ工事を指します。

減価償却とは

減価償却とは、時の経過によって価値が減っていく資産(減価償却資産)の取得価額を耐用年数で分割して少しずつ経費にする処理方法です。

減価償却資産の取得にかかった費用は、取得時に全額経費に計上するのではなく、決められた使用可能期間にわたって分割で経費化します。

下記でより詳しく解説しています。

【関連記事】
減価償却とは?確定申告前に知っておくべき減価償却資産の計算方法について解説

減価償却資産の耐用年数とは

耐用年数は、使用可能な年数のことです。

使用可能期間にあたるものとして財務省令の別表で「法定耐用年数」が定められており、減価償却を計算する際のもとになります。

内装工事の費用を減価償却する際は、構造や用途に応じて定められた法定耐用年数を確認したうえで、定額法または定率法で分割して経費とします。

(※)財務省令の別表「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」

内装工事に用いる勘定科目

内装工事費を支払ったときは、「建物」や「建物附属設備」、「工具器具備品」の勘定科目で資産に計上します。

内装工事に用いる勘定科目

  • 建物の内装工事費を行った場合は【建物】
  • 建物に付属する各種設備の費用を支払った場合は【建物附属設備】
  • 業務で使用する10万円以上の用品を購入した場合は【工具器具備品】
  • 業務で使用する10万円未満の用品を購入した場合は【消耗品費】

勘定科目によって法定耐用年数が大きく変わってくるため、正しく理解しておきましょう。

【建物】

内装工事費は、次に解説する「建物附属設備」に該当するものを除き、原則として「建物」で処理します。

「建物」で処理するものの例

  • 左官工事
  • 防水工事
  • ガラス工事
  • 塗装工事

上記のように、建物に固定されて動かせない部分の内装工事には「建物」を用います。

【建物附属設備】

建物に付属している各種設備に関する支出を処理する際は、「建物附属設備」で処理します。

「建物附属設備」とは、建物に固着されたもので、建物の利用価値を増加させる設備のことです。

「建物付属設備」で処理するものの例

  • 電気設備(照明設備)
  • 通信設備
  • 給排水または衛生設備
  • ガス設備
  • 冷暖房
  • ボイラー設備
  • 避難設備
  • 自動ドア
  • エスカレーター
  • ブラインド

建物附属設備に該当するか迷ったときは、国税庁のホームページで建物附属設備の耐用年数表を確認しましょう。

【工具器具備品】

デスクやパソコンなどの業務上必要な用品で、金額が10万円以上の場合は、「工具器具備品」に計上します。

「工具器具備品」とは、10万円以上、かつ1年以上使う固定資産の費用を処理する際に用いる勘定科目です。

工具器具備品の例

  • 椅子
  • 金庫
  • コピー機
  • パソコン
  • 電話設備
  • 陳列棚

「建物附属設備」と「工具器具備品」は、建物に固着しているかどうかで判断します。

たとえば、天井に埋め込んでいる冷暖房機器は「建物附属設備」、壁に後付けしたものや置いて使うものは「工具器具備品」として処理します。

ただし、金額が10万円以上20万円未満の場合は、3年間で均等に償却できる「一括償却資産」の適用も可能です。

また中小企業者等は、「少額減価償却資産の特例」の適用により、金額が30万円未満の場合は、年300万円を限度として取得した年度に全額を一括で経費に計上できます(※)。

(※)中小企業者または農業協同組合等で、青色申告法人のうち、常時使用する従業員の数が500人以下の法人が対象です。

【消耗品費】

業務上必要な用品のうち取得価額が10万円未満のものは、「消耗品費」として取得時に全額を経費に計上できます。

なお、「消耗品費」とは取得価額10万円未満、または1年未満で消耗する物品を購入したときに用いる勘定科目です。

【事例で解説】内装工事の仕訳例

内装工事を行い、費用を支払ったときの仕訳例をいくつか紹介します。

内装工事の仕訳例

  • 新規店舗オープンに伴い軽鉄工事を行った場合
  • 店舗改修に伴い電気設備工事を行った場合
  • オフィス移転時に原状回復工事を行った場合

新規店舗オープンに伴い軽鉄工事を行った場合

新規店舗オープンに伴い軽鉄工事を実施し、40万円(仮設工事10万円、軽鉄工事30万円)を普通預金から支払った場合、次のように仕訳できます(※)。


借方貸方
建物40万円普通預金40万円

(※)軽鉄工事とは、壁や天井などの骨組みをつくる工事です。

店舗改修に伴い電気設備工事を行った場合

店舗改装に伴い電気設備工事を実施し、代金30万円を普通預金から支払った場合の仕訳は、以下の通りです。


借方貸方
建物附属設備30万円普通預金30万円

電気設備などの建物に付属する設備の工事を行った場合は、上記のように「建物附属設備」で仕訳します。

オフィス移転時に原状回復工事を行った場合

オフィス移転時に原状回復工事を行い、原状回復費用150万円を敷金100万円と相殺して支払った場合の仕訳は、以下の通りです。


借方貸方
修繕費150万円敷金100万円
普通預金50万円

原状回復工事は収益的支出(現状に復するための費用)に該当するため、修繕費として経費に計上できます。

内装工事費を会計処理する際のポイント・注意点

内装工事費を会計処理する際、以下のポイント・注意点をおさえておきましょう。

内装工事費を会計処理する際のポイント・注意点

  • 「建物附属設備」は「建物」よりも耐用年数が短い
  • 自己所有建物と賃貸物件で耐用年数が異なる
  • 設計費や仮設工事費は按分して資産に計上する
  • 「修繕費」として経費にできる費用もある

「建物附属設備」は「建物」よりも耐用年数が短い

「建物附属設備」の法定耐用年数は「建物」と比べて短いため、より早く償却できます。

建物に該当する内装工事費は「建物本体の耐用年数」で減価償却しますが、建物附属設備に該当する場合は「建物附属設備の耐用年数」を適用します。

建物の耐用年数は最長50年であるのに対し、建物附属設備は最長18年です。

建物附属設備で区分できる費用がある場合は、一括で計上せず区分すれば節税につながります。

自己所有建物と賃貸物件で耐用年数が異なる

自己所有建物と賃貸物件では、減価償却する際の耐用年数が異なるため注意しましょう。

自己所有建物の内装工事費は、建物本体の耐用年数(または建物附属設備の耐用年数)で減価償却を行います。

一方、賃貸物件の場合は、種類や用途、使用材質などから合理的に見積もった耐用年数を使用できる決まりです。

また、賃借期間の定めがあり、更新や有益費の請求または買取請求ができないものは、賃借期間を耐用年数として償却できます。

設計費や仮設工事費は按分して資産に計上する

内装工事全体にかかる設計費や仮設工事費は経費とせず、「建物」や「建物附属設備」に按分して計上します。

資産に按分して計上する費用の例

  • 設計費
  • 仮設工事費
  • 管理費
  • 諸経費
  • 値引き

また、取得に要した運搬費や設置費は固定資産の取得価額に含めて計上するため、支払時の経費にはなりません。

「修繕費」として経費にできる費用もある

収益的支出(現状に復するための工事費用)に該当する内装工事費は、「修繕費」として経費に計上できます。

「修繕費」にできる内装工事の例

  • 塗装工事
  • クロス張替え工事
  • 原状回復工事

また、すでに固定資産として計上していた間仕切りなどを撤去する場合は、「固定資産除去損」を用いて一括で経費計上が可能です。

まとめ

内装工事にかかった費用は支払時に全額を経費とせず、「建物」や「建物附属設備」、「工具器具備品」を用いて資産計上します。

財務省令で定められている法定耐用年数を確認し、定額法で減価償却を行いましょう。

構造や用途によって異なりますが、「建物」の法定耐用年数は「建物附属設備」と比べて長く、長期にわたって減価償却しなければなりません。

建物附属設備に該当する費用があれば、区分して計上することでより早く償却できます。

内装工事に関わる会計処理への理解を深め、正確に仕訳しましょう。

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内装工事費の減価償却について詳しく知りたい方は「内装工事の費用は経費にできる?」をご覧ください。

内装工事に用いる勘定科目は?

内装工事費を処理する際に用いる勘定科目には、「建物」や「建物附属設備」、「工具器具備品」などがあります。

内装工事に用いる勘定科目を詳しく知りたい方は「内装工事に用いる勘定科目」をご覧ください。

監修 北田 悠策(きただ ゆうさく)

神戸大学経営学部卒業。2015年より有限責任監査法人トーマツ大阪事務所にて、製造業を中心に10数社の会社法監査及び金融商品取引法監査に従事する傍ら、スタートアップ向けの財務アドバイザリー業務に従事。その後、上場準備会社にて経理責任者として決算を推進。大企業からスタートアップまで様々なフェーズの企業に携わってきた経験を活かし、株式会社ARDOR/ARDOR税理士事務所を創業。

北田 悠策