勘定科目の基礎知識

寄附金の勘定科目は? 分類や仕訳例をわかりやすく解説!

監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

寄附金の勘定科目は? 分類や仕訳例をわかりやすく解説!

見返りを求めずに金銭や財産を贈ることを「寄附」といいます。本記事では、寄附金に用いる勘定科目具体的な仕訳例を解説します。

法人や個人事業主が寄附を行うと、税額控除を受けることが可能です。しかし、寄附という名目であっても、経理上は「寄附金」以外の勘定科目で仕訳するケースもあるため、注意が必要です。

寄附金の概要や分類に関しても説明するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

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寄附金とは?

寄附金とは、金銭・物品などの経済的利益の贈与や、見返りを求めない無償の提供をいいます。例として、拠出金や見舞金などが挙げられます。

一方、寄附という名義であっても、広告宣伝費や福利厚生費に該当する場合は「寄附金」に含まれません。「政治団体への拠金」や「神社の祭礼などの寄贈金」など、事業に直接関係ない団体への金銭贈与は、基本的に寄附金と見なされます。

また、混同されやすい費用として「交際費」があります。交際費は、得意先や仕入先など事業に関係がある者・団体に対する接待や贈答のための支出です。

法人は寄附金の分類が必要

法人が寄附を行う場合、支出した金額を損金として算入できます。ただし、寄附金と税収のバランスを考慮しなければなりません。そのため、寄附金を以下の種類に分けて、それぞれの損金算入の限度額が定められています。

寄付金の種類

  • 企業版ふるさと納税
  • 指定寄附金
  • 特定公益増進法人に対する寄附金
  • 一般寄附金

上記の寄附金について、詳しく見てみましょう。

企業版ふるさと納税

企業版ふるさと納税は、2016年度の税制改正によって創設されました。なお、広く知られている個人による「ふるさと納税」とはまったく異なります。

国が認めた地方公共団体の地方創生プロジェクトに対し、企業が寄附を行った場合、下表の通り約3割の損金算入が可能です。

寄附を行った企業への経済的な見返りは、禁止されています。しかし損金算入による軽減効果と最大6割の税額控除によって、企業の実質的な負担は寄附額の約1割まで抑えられます。

指定寄附金等

公益性が高い公益法人などに寄附する場合、「指定寄附金等」に分類されます。代表的な例は、次の通りです。

指定寄付金等に該当する例

  • 国または地方公共団体に対する寄附金(最終的に国または地方公共団体に帰属しないものを除く)
  • 国立・公立大学法人への寄附金
  • 独立行政法人日本学生支援機構に対する寄附金のうち、学資の貸与に充当されるもの
  • 日本赤十字社などの募金団体に対する義援金で、義援金配分委員会に拠出されるもの
  • 赤い羽根共同募金
  • 宗教法人が所有する国宝や重要文化財保護のための修理費などに充てられるもの

出典:J-Net21「寄付金」

上記のように公益性が高い指定寄附金等に分類されると、すべて損金に算入することが認められています。

特定公益増進法人に対する寄附金

特定公益増進法人、認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)に対する寄附金として、以下の例があります。

特定公益増進法人 に対する寄付金に該当する例

  • 独立行政法人に対する寄附金
  • 地方独立行政法人のうち一定の業務を主たる目的とするもの(例:地方独立行政法人が運営する病院)への寄附金
  • 自動車安全運転センター・日本赤十字社などへの寄附金
  • 公益社団法人・公益財団法人などへの寄附金
  • 認定NPO法人に対する、特定非営利活動への寄附金
  • 学校法人、社会福祉法人などへの寄附金

出典:J-Net21「寄付金」

普通法人の場合、原則、以下の式で損金算入限度額を算出します。

特別損金算入限度額=(その事業年度末の資本金等の額×当期の月数を12で割った数×1,000分の3.75+その事業年度の所得の金額×100分の6.25)×2分の1

普通法人のうち資本や出資を有しない場合、次の算式で限度額が決まります。

特別損金算入限度額=所得の金額×100分の6.25

一般寄附金

上述のいずれにも該当しないものを一般寄附金といいます。損金算入の限度額を算出する式は、次の通りです。

損金算入限度額=(その事業年度末の資本金等の額×当期の月数を12で割った数×1,000分の2.5+その事業年度の所得の金額×100分の2.5)×4分の1

一般寄附金に該当するものとして、政治団体や宗教法人への寄附金が挙げられます。

寄附金に用いる勘定科目

寄附金に用いる勘定科目は、主に4つです。

寄付金に用いる勘定科目

  • 基本的には【寄附金】
  • 宣伝性が高い場合は【広告宣伝費】
  • 取引先などへの寄附の場合は【交際費】
  • 個人事業主が寄附した場合は【事業主貸】

それぞれの勘定科目に関して解説します。

【寄附金】

基本的に寄附をした際の仕訳には、「寄附金」を使用します。寄附金とは、組織や団体に金銭や資産を寄附した際に用いる勘定科目です。

寄附金として計上されるのは、「見返りを求めない」支出であるという特徴があります。売上に繋がること(見返り)を期待した支出は「交際費」などに該当するため、気をつけましょう。

【広告宣伝費】

寄附という名目であっても、宣伝性が高い場合は、「広告宣伝費」を使用します。広告宣伝費とは、不特定多数の人への広告宣伝に関する費用を計上する勘定科目です。

たとえば、「協賛金を払うと協賛会社として企業名が掲載される」ケースでは、支出した協賛金の額は広告宣伝費として仕訳します。

【交際費】

得意先や仕入先など、事業で関係がある団体への支出は、「交際費」で計上します。「交際費」とは、取引先などに対する接待・供応・慰安・贈答などで支出する費用です。

寄附金か交際費か、どちらに該当するかは、個々の実態によって慎重に判断しなければなりません。

【事業主貸】

個人事業主が地方公共団体や公益社団法人に寄附をした場合、個人的な支出と見なされるため、必要経費にはできません。事業用の口座やクレジットカードを使って寄附した際は、「事業主貸」で仕訳します。

事業主貸とは、事業用の資金を使用して、事業以外の支払いをしたことを記録するための勘定科目です。経費としては計上できませんが、寄附金控除が受けられるため、確定申告で申請しましょう。

【事例で解説】寄附金の仕訳例

寄附を行った場合の仕訳例を、法人と個人事業主に分けて紹介します。

法人が寄附した場合

法人が寄附した場合の2つの事例を紹介します。

(例)社会福祉法人に100,000円を現金で寄附した場合

借方貸方
寄附金100,000円現金100,000円

(例)独立行政法人へ寄附金500,000円をクレジットカードで支払った場合

寄附時

借方貸方
寄附金500,000円未払金500,000円

引き落とし時

借方貸方
未払金500,000円普通預金500,000円

なお、寄附金を損金として算入する際は、寄附した先によって限度額が異なるため注意しましょう。

個人事業主が寄附した場合

個人事業主が寄附した事例を見てみましょう。

(例)社会福祉法人に50,000円を事業用口座から寄附した場合

借方貸方
事業主貸50,000円普通預金50,000円

(例)NPO法人に30,000円を現金で寄附した場合

借方貸方
事業主貸100,000円現金100,000円

プライベートの口座やクレジットカードから支出した場合は、仕訳する必要はありません。

まとめ

見返りを求めない寄附は、原則「寄附金」で費用として計上します。法人の場合、寄附金の種類によって損金算入限度額などが異なるため、注意が必要です。

また個人事業主が寄附を行った場合、「事業主貸」で仕訳します。必要経費として計上はできませんが、寄附金控除を受けられるため、確定申告の際に申請しましょう。

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よくある質問

寄附金とは?

寄附金とは、金銭・物品などの経済的利益の贈与や、見返りを求めない無償の提供をいいます。

寄附金に関して詳しく知りたい方は、「寄附金とは?」をご覧ください。

寄附金に用いる勘定科目は?

基本的に、法人の場合は「寄附金」で計上します。

寄附金に用いる勘定科目に関して知りたい方は、「寄附金に用いる勘定科目」をご覧ください。

監修 安田 亮(やすだ りょう)

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

監修者 安田亮